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2016年5月26日 (木)

欧州連合崩壊: 国家主権と幸せなヨーロッパ人への回帰?

Peter Koenig
Global Research
2016年5月11日

欧州連合が、明日、あるいは間もなく近いうちに崩壊することを想像頂きたい。ヨーロッパの人々は喜んで街頭で踊るだろう。EUと単なる恐怖とテロの穴と化している。経済制裁 - 懲罰、軍事化の推進、大半のヨーロッパ人にとっての公民権廃止。28か国を代表する、選挙で選ばれてもいない、大半が自国政治体制で働くには適さないながら、ブリュッセルで割のいい仕事にありつくには十分なコネを持った高級行政官連中の集団がヨーロッパの将来を決定しているのだ。小集団連中が、しかも大半密室で、ヨーロッパの将来を決定している。

アメリカ政府のご主人様方の圧力で、密室で、最高度の秘密の下で - しかも、彼ら自身の利益にも反する可能性が極めて高いTTIPを見れば、欧州委員会(EC)の代理人連中の小さな集団が、何のためらいもなく、同郷人への思いやり無しに、彼らの子どもや孫や、またその子どもたちへの配慮も皆無で、世界で一番の植民地主義者、強奪者・戦士である混乱・殺りく合州国から、すぐに得られる栄誉と報酬に目がくらんで、5億人のヨーロッパ人と、彼らの子孫を進んで危険にさらそうとしているのだ。

TTIP(環大西洋貿易投資連携協定)が ヨーロッパの人々に対して、一体どれほどおぞましい事をもたらすか、いくら言っても言い過ぎることはない。そしてこれはグリーンピース・オランダによる、行われている超秘密交渉に関する248ページの‘漏洩文書’から我々が知り得たわずかな情報に基づいている。TPP(11の環太平洋諸国と、アメリカ - ただし、中国とロシアを除く、環太平洋連携協定)同様、全てのルールがアメリカ政府に押しつけられているのだから、‘交渉’などというのは、想像できる限り最も不当な用語だ。

TPP交渉は終わったものの、11の太平洋パートナーの一国たりとも、アメリカ議会も、条約を批准していない。たとえ秘密のEC売国奴とアメリカ政府による‘交渉’が結論に至ったとしても、少なくとも28のEU加盟諸国のいくつかが承認しないという希望がある。発効するには、協定は満場一致で承認されることが必要なのだ。新たな右翼の有力なオーストリア大統領選候補ノルベルト・ホーファーは、既にTTIP協定には署名しないと語っている。フランスの貿易担当大臣マティアス・フェクルも同様発言をしており、彼は“フランス抜きの協定など、ましてフランスに不利な協定などありえない”と述べた。

TTIPの下で、ヨーロッパ国民は、あらゆる点で大敗することになる。ヨーロッパ人は、文字通り、アメリカ合州国が率いる大企業帝国の臣民になる。EU諸国は、現在ブリュッセルの命令の下で、既にそうである以上に、主権国家であることを停止する。TTIP秘密文書で明らかな通り、協定はヨーロッパにとっての弔鐘となろう。哲学者で、政治評論家で、アムステルダムにあるトランスナショナル研究所計画委員会委員長のスーザン・ジョージはこう言っている。

  • 我々が輸入する食べ物は、化学的に処理された、遺伝子組み換えのものとなり、表示はなくなる。食べ物の中に、一体何が入っているのか正確に知ることができなくなる。塩素処理をされた鶏肉を買わされ、ホルモンを与えられて育った牛肉をたべることになり、一つは植物からの、もう一つは動物からの遺伝子から製造された生合成食品を購入するかも知れないが、これにも表示はなくなるのだ。
  • もし農産品の関税を下げれば、アメリカの大量の[膨大な助成金を受けたGMO]トウモロコシや基本的な穀物が、スペインにどっと押し寄せ、多数の農民を破滅させるだろうから、北米自由貿易協定NAFTAによってメキシコで ”カンペシーノ(農民)”が亡びたのと全く同じように、農業分野で、非常に大人数の農民を失うことになる可能性が極めて高い。
  • 医療分野では、医薬品会社はジェネリック薬品を排除したがっている。連中は既に、ジェネリック医薬品会社に、全く同一の薬品ながら、ブランド名で知られている薬品で既に自分たちが行ったのと全く同じあらゆる治験試験を繰り返すよう強制するのに成功した。ジェネリック医薬品を製造するには、治験、盲検などを一からやりなおさなければならない。そこで、医薬品はずっと高価なものになる。

だが最も重要なのはこれだ。

  • [TTIP]は、もしある政府が成立させた法律が気にくわなければ、その政府を訴える自由を大企業に与えるのが狙いだ。何百もの二国間協定に、この私営裁判制度があるので、今や例は山ほどあり、例えば、エジプト政府が最低賃金を上げると、フランスの大手企業ヴェオリアが、労働者により多く支払わなければならなくなると言ってエジプト政府を訴えた。この裁判はまだ結論が出ていないが、既に判決の出ている例には、たとえば、アメリカの石油会社がある地域で掘削するのを拒否したエクアドルがある。エクアドルは、そこは保護区域で、掘削はできないと言ったのだ。そこで、石油会社は、よし、お前たちを訴えてやると言い、勝訴した。そして連中は、エクアドルに、18億ドルという罰金を科したが、これは小さく、かなり弱小な国にとっては大金だ。

これは、私企業の仲裁廷が、主権国家の法律や裁判所を超越するということを意味している。主権は完全に失われる。ブリュッセルが、まだ破壊していない残りわずかな独立さえも。全EU諸国が英米大企業帝国の支配下にはいるのだ。

スーザン・ジョージの記事全文はここで読める。また、私の再公開記事原文はここで読める。(日本語訳は「EUは“アメリカ植民地になるか”? 環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP)は、ヨーロッパの主権を破壊する」)

しかも、更に、よりわずかな人々しか気がついていないTiSA‘新サービス貿易協定’がある。それも秘密裏に‘交渉されている’、23のWTO加盟諸国(オーストラリア、カナダ、チリ、中国、台湾、コロンビア、コスタリカ、EU (28か国)、香港 中国、アイスランド、イスラエル、日本、韓国、リヒテンシュタイン、モーリシャス、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、パキスタン、パナマ、ペルー、スイス、トルコとアメリカ合州国)が参加して。総計、参加国は約50か国だ。そのうちの49か国が、戦争・犯罪・支配合衆国という、たった一国に服従しようとしているのだ。またしてもアメリカ政府が牛耳っていることを認識するのに大した想像力は不要だ。実際、TiSA交渉には、TTIP交渉と同様、アメリカ大企業の手先やロビイストが潜入して、アメリカ政府を、アメリカ大企業帝国と、もちろん、ウオール街の代理に仕立て上げている。

WTOによれば、TiSAは、‘サービス貿易’に市場を開放する、つまり、あらゆる公共・社会サービス、医療、教育、社会保障制度、年金、運輸、郵便、通信、水道や下水、ゴミ処理などの民営化を期待するもので - 更に多くのものが、多国籍大企業による買収の対象になるだろう。不正に押しつけられた債務を懸命に返済しようとして、国の社会資本や、健康にかかわる資産を安値で売り払い、今や大多数のギリシャ人がそうなっている、そうしたものに依存している貧しい人々に損害を与えているギリシャをご覧願いたい。ある国がこうした貿易協定に調印してしまえば、引き返すことは不可能なのだ。自国の社会・公共部門を、利潤を追求する私企業に開放してしまったのだ。

TTIPと同様に、政府が、たとえば水道民営化が、国民に対して約束された恩恵をもたらさなかったことに、後の段階で気がついたとしても、もとに戻ったり、これらのサービスを再国有化したり、再市営化すしたりすることはできない。大半の公共水道を民営化した国フランスのいたるところで、現在、水道の再市営化がおきている。2012年、政府と大都市が、これらの極めて重要な公共サービスを取り戻すことを決定したのだ。これが現在進行中なのだ。TiSAルールのもとでは、それが不可能になる。更に酷くて - TiSAが調印されてしまえば、潜在的に ‘自由化可能な’リストに含まれている特定の部門、例えば、医療、教育や、他の重要な社会サービスを、国家は除外できなくなってしまう。TTIPのもの同様、大企業仲裁廷が、TiSAにも設置されるだろう。これらの‘交渉’は、ジュネーブで、WTOによる後援のもと - 秘密裏に、 - ご想像の通り、アメリカ政府が押しつけるルールとアメとムチとにつき動かされて、行われている。

もしEUが今日崩壊するようなことがあれば、TTIP交渉もTiSA交渉も行き詰まるはずだ。28のEU加盟国全て、あるいは、もっと良いのは、19のユーロ圏諸国でも、EUを崩壊できるのだ。Grexit(ギリシャ離脱)、Brexit(イギリス離脱)、来るスペイン選挙やり直しから生じる失態 - あるいは(大半)トロイカが押しつけた債務をデフォールトするという政府の固い決意が、ドル・ピラミッド構想という砂上の楼閣を崩壊させ - erase国々を奴隷化するドル-ユーロ覇権をきっぱり。債務は、新たに復帰した自国通貨で再交渉することが可能だ。ユーロにはたかだか15年の歴史しかないことを想起されたい。だから、自国通貨に戻ることが、劇的なわけもなく、むしろ債務の罠からの解放や、アメリカ政府とブリュッセルの抑圧の軍靴から解放されることに対する、安堵のため息だ。

EUとユーロ圏の崩壊がギリシャ人にとって一体何を意味するかご想像願いたい。半数以上のギリシャ人が頑固に、依然、破壊的なユーロにしがみつこうとしているという噂はあるが、ユーロ圏が崩壊すれば、何十万人もの人々が街頭で踊ると私は誓う。シリザは、更なる年金削減と、貧者に対するより高い課税という今の交渉済の30億ユーロの追加緊縮予算削減を忘れることができるだろう。

確かに、ギリシャの負債軽減は、現状のEU/EC-トロイカ集団によっては実現されない。逆に、ドイツ財務相ヴォルフガング・ショイブレは、ギリシャを、EUから追い出すと脅すかのようなギリシャに対する厳しい発言をしている。こけおどしであることは、もう全員が知っている。ドイツのご主人であるアメリカ政府も、Grexit(ギリシャ離脱)も、Brexit(イギリス離脱)も、いかなるEU加盟国の離脱も、決して認めない。アメリカ政府にとっては、最終的に、TTIPとTiSAにおける奴隷パートナーとして機能させるため、EUを‘無傷’のままにしておく必要があるのだ。

ギリシャに対して起きて、今も起き続けていることは、他の‘弱体な’南部のEU諸国が習うべきお手本として役立つかも知れない。そう、トロイカが押しつけた経済的、財政的ストレスと絞殺とで、EC下にあるギリシャや他の国々が、劇的な決断をして、恐れずに難問に立ち向かわない限りは。EUとユーロ圏を離脱し、自国通貨による自国経済を復活させ、違法かつ欺瞞的に、自分たちの条件で押しつけた債務を再交渉するのだ。悪辣なユーロ圏と、アメリカが作り出した欧州連合の終焉をもたらすかも知れない。

現在存在している形のEUは、ヨーロッパ人が発明したものではないことに留意されたい。ヨーロッパを支配下に置き続けるべく、そしてソ連共産主義に対する緩衝地帯を作りだすべく、第二次世界大戦直後から、アメリカが作り上げたものなのだ。これまでのところ、それは機能してきた。この思想はいまだに優勢だ、日々、ロシアと、その指導者が、欧米マスコミによって、悪魔化され、中傷されている様子を目にしている通り。率直になろうではないか。もし、プーチン大統領の戦略的聡明さと洞察力がなければ、我々 - ヨーロッパ - 100年間に三度目の世界大戦に巻き込まれていたはずなのだ。もし我々がこのアメリカ政府が押しつける傾向を継続するがままに放置すれば、ヨーロッパは英米の奴隷ランドになってしまう。TTIPとTiSAをご覧願いたい。

将来の、主権を持ったヨーロッパ諸国の本当の連合で、多分、共通通貨と本当の中央銀行さえあるものが、ヨーロッパにとって、実行可能な長期的解決策かも知れない。しかし、これが一番重要なのだが、しかし、そのようなヨーロッパは、本物の、誠実な、しかも、アメリカ合州国のいかなる影響も受けていないヨーロッパ人によって設計されるべきなのだ。私は夢想しているのだろうか?とんでもない。

EUを離脱し、ユーロを放棄して、自国民の主権を、主権ある民主的政府にまかせることで、28のEU諸国のいずれも、ヨーロッパの諸国民に幸せを取り戻すことが可能。痛み、欲求不満、恐怖や懸念を無くすことが可能だ。国家主権を回復でき、グローバルではなく、国民的な自尊心や、自国経済を前面に押し出せる。

ギリシャ、ポルトガル、スペイン、アイルランド、イギリス、フランス… のどれでも一国が離脱するだけで、猛烈な債務機構を急停止させて、より公正で、より平等な通貨構想、新生の東方統合経済地域 中国、ロシア、BRICS、SCO (上海協力機構)やEEU (ユーラシア経済連合)に参加する新たな機会をもたらすかも知れない。

確かに時間は重要だ。恥ずべきTTIPの素早い結論と署名をオバマが推進するためにでは決してない。これらTTIP、TiSA、TPPなどの略奪的協定調印は、オバマの大統領在位にとっての主要課題項目だ。彼の大企業と軍事遺産 - NATO拡張もその一環だが - は、それ次第なのだ。これら条約が調印されてしまえば後戻りは不可能になる。こうしたあらゆる反対の理由にもかかわらず、もしTTIPが批准されてしまえば、もしその後にEUが崩壊しても - 各国は協定条件を守る義務を負ったままになる。だから、TTIPとTiSAの調印前に、EUが崩壊するという時期が、極めて重要なのだ。

断固たるEU/ユーロ反対論者にとってさえ、この根本的解決策は過激すぎるかも知れない。彼らの多くは、改革されたEUへの希望と夢をいまだに追い求めている。連中はまだ‘事態’は何とか解決できるという錯覚の下で生きている。解決など絶対不可能だ。マキアベリ的な、欧州連合と呼ばれるアメリカが考え出した企ては、同様にアメリカが考え出した共通通貨- ユーロ圏とともに - 自然な経過をたどっているのだ。それは今、諺に登場する氷山に激突しようとしている。EU-ユーロという巨船は大惨事をよけるには大き過ぎるのだ。ヨーロッパは、再編成のために時間を割いた方が身のためになる。それぞれの国が政治的、経済的主権を取り戻す目的で - また、おそらく今後の数世代を視野に入れれば、自立し、英米帝国による極悪非道のゲームから完全に切り離された主権をもった連合国による、新たな統一ヨーロッパは想像可能だ。

Peter Koenigは、経済学者で、地政学専門家。彼は元世界銀行職員で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。彼は、Global Research、ICH、RT、Sputnik、PressTV、中国 4th Media、TeleSUR、The Vineyard of The Saker Blogや、他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は、事実と、世界銀行での、世界中における30年間の経験に基づいたフィクション「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者で、The World Order and Revolution! - Essays from the Resistanceの共著者でもある。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/the-collapse-of-the-european-union-return-to-national-sovereignty-and-to-happy-europeans/5524555
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電気洗脳箱、こうして翻訳しながら、音声を消し横目で眺めている。サミット、知事の話題ばかり。愚民製造装置と呼び換えようか。放送局は呆送局。新聞は臣聞。愚民製造業者。

あれだけの情熱?時間、資源を、余りな売国条約TPP推進担当をしたがゆえに?睡眠障害になった御仁の現状報告や、TPPの恐ろしさや、地位協定のひどさ追求に使ってくれれば、この属国、どれほどましなものになるだろう。言い換えれば、大本営広報部の活動、この属国庶民を、一体どこまで地獄の果てに追いやるつもりなのだろうか。

庶民が知るべき学ぶべきこと他にいくらでもある。大本営広報部には期待しない。


【中継配信】5/26 13:30~
    『仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実』~米軍が再び日本に核を持ち込むという密約をスクープ!岩上安身による国際ジャーナリスト・春名幹男氏インタビュー第3弾

熊本・大分大地震の今後はどうなる!?  岩上安身による立命館大学環太平洋文明研究センター教授 高橋学氏インタビュー  2016.5.16


TPP、今国会での成立見送りに共産・畠山氏「先送りのプラス効果は一時的」と警戒解かず、反TPP鮮明な米大統領選で民進・篠原氏「安倍総理よ、消えゆくオバマ大統領に合わせてどうする!?」と喝破!

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

【決定版TPP】 “貧困・格差・TPP” 「月刊日本」5月増刊号

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

【IWJブログ】「TPPに署名しないか批准しないことが、民主的に選ばれた議会の責務」!!国連人権理事会の専門家アルフレッド・デ・サヤス氏が国際法および国際規約違反を示唆して警告!!

【IWJブログ・特別寄稿】「いのちの市場化」にNO!~TPPと国家戦略特区は「新自由主義」を実現する双子である (アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長 内田聖子)

植草一秀の『知られざる真実』

TPPに関する、小生による関連海外記事翻訳リストは下記。

TPP関連主要記事リスト

 

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コメント

           ヨ-ロッパをどう思いますか
 
  -私は今日のヨ-ロッパを眺めて,国家という政治的・経済的・文化的単位が,時代おくれになりつつあると思う。国家は,経済単位としては小さすぎ,文化的単位としては大きすぎる。それにもかかわらず政治だけが国家単位で行われているということに,二十世紀末今日の最大の問題があるにちがいない-と加藤周一が書いたのは,1992.7.21である( 『夕陽妄語Ⅳ』,朝日新聞社)。

  欧州連合EUが誕生する前に書かれた上の文章だけでは盆暗頭の小生にはピンとこない。今日なお気になる文章の一つであるが,その前の文章を読むと良く理解できる。簡単にまとめれば,
  人口の小さな社会で機能する民主主義(古代ギリシャやスイスの各州)がそのまま大きな社会で機能するとは限らない。今日の工業先進国の内部では,どこでも,議会から政府,すなわち官僚機構への力の推移がおこっている。しかるに官僚による政策決定は,「人民のため」であり得ても,「人民による」決定ではない。民主主義は現在の国家単位でもむずかしいのである。
  もしヨ-ロッパが統一され,人口がさらに大きくなれば,どうなるか。フランス国民がパリの政府を,ドイツ国民がボンの政府を制御することがさえ困難であるのに,重要な政策の大きな部分が,ブリュッセルのヨ-ロッパ官僚機構によって決定されるとすれば,民主主義はいよいよ困難になるだろう-
 
  要するに「マ-ストリヒト条約」による欧州統合「反対」の有力な理論は,民主主義を守るためにも,各国民からはるかに遠いブリュッセルの行政に任せてはおけないということであろう。そういう加藤の文章を読むと,Peter Koenig 氏の考え「EU-ユーロという巨船は大惨事をよけるには大き過ぎるのだ」が,小生には身に染みて分かる。

  例えば,アメリカが押し込んだドラギ総裁は,GS(ゴ-ルドマン・サックス)の出身だったと思う。マイナス金利を導入し,黒田日銀総裁の先鞭をつけた人物である。そういう総裁が人民によって直接選ばれないとしたら,問題であろう。またTPP(環太平洋国家主権制限協定)やTTIP(環大西洋貿易投資連携協定)もアメリカが押し付けた協定で,秘密主義に守られて,各国人民が意見表明できない代物である。

  最後に,B.サンダ-ス氏あるいはトランプ氏がアメリカ合州国大統領になって少なくとも4年間はTPPやTTIPに署名しないことを祈るだけである。また新しい議員が誕生するアメリカ議員を含めて国会で批准しないことを希う。

追記: TPPやTTIPの裁判役も各国人民によって選ばれないとすれば,これも「民主主義」の問題である。もちろん裁判役を選ぶとする考えは,前提としてTPPやTTIP批准を念頭に置いているので,話にならない話なのであるが,民主主義を建前とするなら,現野党は裁判役を直接に選ぶことができる条件整備を整える必要があるのではないか。
 例えば,TPP裁判役は,日本政府が訴えられたら,日本から総人数の51%以上選出する権利を有することにしてはどうか。具体的には,裁判役が10人であれば,5.1票の投票権を持つ裁判役を日本政府が選ぶ。
 裁判役を誰が務めるかについては交渉していないはず。なぜなら非関税障壁には当たらないからである(もし障壁であるなら,裁判役3人こそが非関税障壁となって自己矛盾となる)。野党の議員の皆様のご健闘を祈りたい。

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