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2016年5月 3日 (火)

オバマ提案の貿易協定は、経済的に害をもたらすことが研究で判明している

Eric ZUESSE
2016年5月1日
Strategic Culture Foundation

現在、三つの‘貿易’協定とされるものを、(ロシア、中国と他のBRICS諸国を除く)主要貿易相手の国々で調印するよう、アメリカのバラク・オバマ大統領が提案している。アジアとのTPP、ヨーロッパとのTTIPと、更にヨーロッパとの(金融と他のサービスだけを対象とする)TISAだ。この三ついずれも、経済的な恩恵があるという触れ込みだ。

オバマのヨーロッパとのTTIP条約に関する二つの研究と、アジアとのTPP条約に関する一つの研究という、三つの独立した経済研究があるが、この三つの独立した経済分析の全てが、もし提案されている‘貿易’協定が発効すれば、それぞれの参加国の国民は苦しむことになり、(特にアメリカの)多国籍企業所有者が恩恵を受けると考えている。

そうした研究の中で、最後に公開されたものは、イギリスにみける情報公開法訴訟で、イギリス政府に、独自に行われた研究の公表を強いたおかげで、公開されたものだ。それは実際は、この三つの研究の一番始めのもので、三年前、2013年4月のものだ。題名は“EU-アメリカ投資保護条約の費用対効果”だ。その結論はこうだ。“ISDS[国家主権の終焉となる投資家国家紛争解決]を含む、EU-アメリカ投資条約は、イギリスにとっての恩恵は、ごくわずかか、皆無の可能性が高く、重大な経済的、政治的費用をもたらすというのが結論だ。条約からISDSを削除しても、ISDSがある条約の(取るに足らない)恩恵に大きな影響を与える可能性はほとんどなく、条約によるイギリスのコストは大いに削減される。ISDSを含まないEU-米投資協定の完全な費用対効果評価を行ったわけではないが、そのような条約の方が、イギリスから見て、より費用が少なくてすむ政策の選択肢となる可能性が大きい。”この研究は、オバマの全ての‘貿易’協定の枠組みは、オバマが執拗に要求したものであり、アメリカ側交渉パートナー連中は、これを変えるために、何もしようとはしないだろうから、変えられる可能性は少なく - この枠組みは、他の国を本拠にする多国籍企業よりも、アメリカを本拠とする多国籍企業を、ずっと有利にするものだということを、ほかのどれよりも、良く説明している。

三つの研究のなかで、最初に公開されたものは、実際には、三つの研究のなかでは、二番目に完成したものだ。日付は2014年10月で、題名は“環太西洋貿易投資連携協定TTIP: ヨーロッパの分裂、失業と不安定”だ。所見は、“環太西洋貿易における、あらゆる恩恵は、ヨーロッパの経済統合過程を逆転させ、EU内の貿易を犠牲にして実現されることとなろう… TTIPは、GDP、個人所得と雇用の収縮をもたらすと我々は予想する。財政的不安定化の増大と、GDPの労働分配率の低下傾向継続も予想している。”言い換えれば、調印国の従業員(労働者と、その賃金)を犠牲にして、多国籍企業への投資家が儲けるのだ。

いずれの研究も、ヨーロッパとのTTIP条約を懸念している。しかも、提案されているアジアとのTPP条約に関して行われた独立した一つの研究は、2015年4月16日付けだ。題名は“環太平洋連携協定は、アメリカの労働者にとって、良い協定である可能性は低い”だ。この研究、業界が資金を提供したTPP研究は、経験的根拠が皆無な、あきらかに、でっちあげの想定に基づいていると結論付けている。研究は更にこう結論している。“賃金と不平等に関しては、もしTPPが、労働集約的な輸入向け部門から、資本集約的な輸出向け部門への国内生産の転換をもたらせば、不平等を激化させるだろう。もし、TPPがそのような転換をもたらさなければ、賃金への影響はささやかだろうが、そうなると、製造の転換をもたらさないような貿易協定を、一体なぜ、わざわざ結ぶのかという疑問がでる。結局、貿易による国の推定純利益の源、貿易機会を拡大しようとすること、そのものに。TPPは良いことばかりで、痛みは皆無だという言い方は、極めて陰険だ。”

要するに、オバマが提案した巨大‘貿易’協定に関する独立した研究全ての結論は、オバマが提案している協定は、国民への恩恵という約束に関しては、ウソのかたまりだ。

しかも、アメリカ憲法に違反もしているのだ。どうやら、オバマは(ビル・クリントン以降のあらゆる大統領と同様)そういうことは気にしないようだ。三つの協定は、より上位の法律に固執している。多国籍企業の主要株主による支配だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/05/01/studies-show-obama-proposed-trade-deals-would-produce-economic-harm.html
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内田樹氏の「日本のシンガポール化について」を読めば、TPPが、日本をシンガポールのようなものに作り替える手段の一つとも理解できる。地方を潰し、東京に集中させ、富は宗主国にさしあげて。

この記事で紹介されている研究結果通り、国民にとって恩恵皆無。踏んだり蹴ったり。
大企業が世界で一番活動しやすい国を目指すと、狂人連中はほざくが、つまり、労働者にとっては、世界で一番暮らしにくい国を狙っていることの言い換え。

全員非正規労働者、年収300万円未満。貧乏人は病気になっても、のたれ死に。
そういう政権、政党に支持者が多数いることが理解できない。幼なじみの多くがそうなのだが。自民党ゴリゴリの彼らには二度と会いたくもない。人生の無駄。

和の国富論』藻谷浩介氏の対談本111ページに、シンガポールについての発言がある。

たまに、「いや、現代はカネさえあれば、農産物も水も外国から買えるから、周辺の農村は必要ない」と言い出す人がいる。ですが、実際にそうやっているシンガポールを見て欲しいものです。今、シンガポールは出生率の低下と、高齢者の激増に苦しんでいる。
-中略-
一生懸命移民を入れていますが、移民の出生率もすぐ地元民並に下がる。

110ページにはこういう表現がある。

極論すれば、地方を潰して、東京だけ残すというのは、身体を切り離して、脳みそだけで生き残ろうとして、当然に即死してしまったみたいな話です。

一億総自殺を目指し、自民党・公明党や野党モドキに一生懸命投票する不思議。

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