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2016年5月27日 (金)

アメリカ人: 征服された国民: 新たな農奴

Paul Craig Roberts
2016年5月23日

読者はご存じの通り、いずれも腐敗した共和党や民主党のような既存政治勢力の一員ではないトランプやサンダースを、有権者が支持しているのを私が楽観的に見ている。両既存政治勢力メンバー連中は、アメリカ国民を裏切り、1パーセント利益だけのために尽くして、自分の懐を暖めている。もっぱら、ごく少数の超裕福な人々に、更に何十億ドルも儲けさせるためだけに、アメリカ国民は酷使されている。

どちらの政党も、それについては全く何もできないし、決して何もするまい。

異端者を人々が支持しているのを、私が楽観的に見ているのは、それが無頓着な大衆が覚醒しつつあるという兆候だからだ。だが投票ブースだけに頼っては、自らを救うことはできないのだから、アメリカ国民は、覚醒よりもっと先に進まねばならない。革命に目覚めるまでは、アメリカ人は農奴のままだろうと私は思う。

現在、アメリカ人は征服された国民のような存在だ。権利章典、彼らの自由を守る憲法修正条項を失っているのだ。政府は説明責任を負わず、誰も何の権利も持っていなかった、中世ヨーロッパの暗黒時代と同様に、1パーセントの連中、そして彼らの政治的、法律的召し使い以外、誰でも、罪状も無しに逮捕され、無期限に拘留されかねない。当時は権力をもっている連中だけ安全だった。現在のアメリカでは、政治的に守られていない人々は誰でも“テロに関わっている”と宣言されて、大統領顧問連中が作り上げた人間標的リストに基づいて、無人機からのヘルファイア・ミサイルによって抹殺されかねない。アメリカ憲法で保障された法の適正手続きは、もはやアメリカ合州国には存在しない。正当な理由と裁判所の令状無しでの政府による国民に対するスパイ行為に対する憲法上の禁止も、もはや存在していない。米国憲法修正第1項「言論の自由」条項そのもの、その重要性を米国憲法修正第1項「言論の自由」条項を作って、建国の始祖が強調してくれたものが、腐敗した最高裁によって、もはや守られなくなっている。最高裁の9人の裁判官連中は、政府に買収された他の連中同様、1パーセントだけのためだけに働いている。真実を語る人々は“国家の敵”になってしまった。アメリカの法律における法的保護にもかかわらず、内部告発者たちは投獄されている

アメリカ合州国政府は責任を負わない権力だ。この権力は、アメリカの成分法にも、国際法にも、議会にも、司法にも、アメリカ国民にも、道徳的良心にも責任を負っていない。21世紀、戦犯アメリカ政府は、ウソとプロパガンダに基づき、人を殺し、不具にし、何百万人もの人々を立ち退かせた。アメリカ政府は、アメリカ人エリートを裕福にし、アメリカ世界覇権へのネオコン衝動に応じるべく、7か国丸ごと、または一部を破壊したのだ。

アメリカ人は“自由と民主主義”のような美辞麗句によって、残虐な警察国家が包み隠されている、プロパガンダで作り上げられた世界で暮らしている。“自由と民主主義”こそ、アメリカ覇権からの独立にあえて固執しようとする国々に対し、アメリカ政府の戦争機構が経済制裁、爆撃、飛行禁止空域、軍隊や無人機を引き連れてやってくる口実だ。

強力な軍事能力と核兵器で武装したたった二カ国-ロシアと中国-が、アメリカ政府と、全世界に対する覇権というアメリカ政府の目標の間に立ちはだかっている。

もしロシアか中国が挫ければ、アメリカ政府でくつろいでいる悪が世界を支配することになる。アメリカは反キリストとなるのだ。福音主義キリスト教徒が説く“終わりの時”の予言は、別の意味合いを帯びる。

ロシアはアメリカ政府の属国になりかねない。多くのアメリカ政府による裏切りにもかかわらず、ロシア政府は、テロリストに対するアメリカ/ロシア協調を提案している。

一体ロシア政府は経験から学んでいるのだろうかと疑問を抱かざるをえない。アメリカ政府がウクライナに関する合意に協力したことがあっただろうか? もちろん、ない。アメリカ政府がMH-17の調査に協力しただろうか? もちろん、ない。アメリカ政府は、ロシアによるクリミアとウクライナ侵略に関するプロパガンダを止めただろうか? もちろん、やめていない。アメリカ政府が、それ以前のアメリカ政府がこれまでロシアとした約束を守ったためしがあっただろうか? もちろん、ない。

すると一体なぜロシア政府は、アメリカ政府が対テロ共同取り組みに関する合意を守ると考えているのだろう?

ロシア政府とロシア国民はロシア・マスコミの20パーセントを外国が支配するのを認め、アメリカ政府に直面させられている危険に全く気づいていない! アメリカ政府がロシアを隷属させるか破壊するかしようとしているのをロシアは気づいていないのだろうか?

中国は更に不条理だ。中国政府によれば、中国では7,000の外国が資金提供するNGOが国内で活動している! 外国が資金提供するNGOこそ、アメリカ政府が、ウクライナを不安定化させ、選挙で選ばれた政権を打倒するのに利用したものなのだ。

中国政府は、こうしたNGOが中国不安定化以外に一体何をすると考えているのだろう?

ロシアも中国も欧米崇拝におかされていることが、アメリカ政府につけこむすきを与えている。誤った考えは、脅威に対する不十分な対応という結果をもたらしかねない。

西も東も南も全てのヨーロッパ、オーストラリアやニュージーランドなどの、太平洋にあるグレートブリテン及び北アイルランド連合王国も、日本やアジアの他の国々もアメリカ帝国の属国だ。こうした“主権”国家とされるもののどれにも、独自の意見や、独自の外国、経済政策はない。中南米全てが、アメリカ政府支配下にある。中南米では、アメリカ大企業と、金融業界の利益よりも、自国民の利益を優先することに対するアメリカ政府の不満から生き延びられた改革派政府は存在しない。今年既に、アメリカ政府は、アルゼンチンとブラジルの女性大統領を打倒した。アメリカ政府は現在、ベネズエラ政権打倒の過程にあり、エクアドルとボリビアは出番を待っている。2009年、キラリー・クリントンとオバマは、ホンジュラス政権を打倒した。古くからのアメリカ政府の慣習だ。

アメリカ政府が国連経費を支払っているので、国連は言いなりだ。アメリカ政府反対の挙手がされたことは決してない。地球上の誰かが、アメリカの選挙が何かを変えられるとか、何かを意味するなどと考えられるはずがあるだろうか?

キラリーはウソつきで、詐欺師で、1パーセントの手先で、戦争を商売にしているのを我々は知っている。トランプを見てみよう。

トランプに関して楽観的になれる根拠はあるのだろうか? 欧米では“ニュース報道”はプロパガンダなので、真実を知るのは困難だ。しかも、少なくとも当初、共和党の支配体制のトランプに対する反応は、彼を悪魔化するものだったことは知っているのだから、トランプに関するニュース報道の正確さは我々にはわからない。

延々論じるものより、二つの報道が気になっている。一つは、シオニストの超億万長者、アメリカ・カジノ・オーナー、シェルドン・アデルソンが、ドナルド・トランプを大統領として支持したというワシントン・ポストの報道だ。

もう一つの報道は、トランプの政治運動献金に、アデルソンが1億ドルも出すと言ったというものだ。

政治運動に1億ドルを提供する人は必ず引き換えに何かを期待し、貰った側は何であれ要求されたものに答える義務を負う。だから我々はドナルド・トランプが買収されるのを、目撃しているのだろうか? トランプに対する、狂ったネオコンにあおられた当初の共和党の反応は、共和党候補は無視して、キラリーに投票するというものだった。

アデルソンの支持は、トランプさえも買収し、既存支配体制側にとりこむことが可能だという兆しなのだろうか?

トランプが、純朴な支持者を裏切ったもう一つの証拠は、ウオール街は規制緩和されるべきだという彼の最近の発言だ。

トランプの顧問連中が、彼に、ウオール街は、二十世紀の昔、クリントン政権時代に、規制緩和されたと説明していないのは異常だ。グラス・スティーガル法の廃止がウオール街を規制緩和したのだ。2008年金融危機の原因の一つは規制緩和されたデリバティブ市場だ。ブルックスレイ・ボーンが、アメリカ連邦商品先物取り引き委員会の責任を果たして、店頭取り引きのデリバティブを規制しようとした際、連邦準備金制度理事会、アメリカ財務省、SECと、アメリカ議会に彼女は阻止された。

金融規制緩和の壮大な過ちを改めるためのことは何一つおこなわれていない。ドッド-フランク法は、大き過ぎて潰せない銀行を生み出した膨大な金融の集中を改めなかったし、アメリカ経済で、ウオール街が無謀なカジノ・ギャンブルをするのを止めなかった。ところがトランプは、この脆弱なドッド-フランク規制さえも廃止すると言うのだ。

アメリカの印刷媒体とTVメディアは余りに腐敗しているので、こうした報道は、トランプ支持者の志気を挫くのが狙いのエセ記事かもしれない。その一方、もしこの億万長者が、1パーセントと組んだら、驚くべきことだろうか?

選挙が、1パーセントではなく、国民に対して責任を負う政府に戻す手段となる可能性はありそうもない。たとえトランプが正当であっても、変化をもたらすために、政権で一体誰を任命すべきかを判断するための外交や経済問題の経験が彼にはない。しかもたとえ彼が知っていたとしても、トランプが上院をすげ替えない限りは、トランプは彼の選択を、1パーセントの連中だけに責任を負っている上院に承認させられない。

アメリカ国民は征服された国民だ。アメリカ人を助けて欲しいという他の国々の人々に対するRootsActionによる呼びかけに、これが見てとれる。自らの手に負えない“民主的”政府を止めることができずに、アメリカ国民は、外国からの支援を懇願しているのだ。

RootsActionの呼びかけは、アメリカにおける変化は、選挙や、アメリカ国内での平和的手段によっては実現できないことを、献身的な活動家たちが今や認めていることを示している。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/05/23/americans-a-conquered-people-the-new-serfs-paul-craig-roberts/

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篭に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人。征服された国民に、征服された国民。

刑事訴訟法・盗聴法改悪法案が、
5月19日に、参議院法務委員会で可決。
5月24日に、衆議院本会議で可決された。
という概要は何となく知っていたつもりだった。
知らなかったのは、民進党、生活の党が賛成していたのだ。

やはり、いずれも本質は「民社党」、与党補完勢力と思えてくる。

知事騒動のかげで、しっかり改悪が行なわれたというわけだろうか。大本営広報部、こちらについては、ほとんど報じなかった。

某民放、オバマ広島訪問を実現した三人やらの愚劣ヨイショ報道。見ていて恥ずかしくなる。こういうことが恥ずかしくないところを見込まれキャスターになったのだろう。さもしいの一言。

サミットに関する大本営広報部洗脳・番組記事は無視し、植草一秀の『知られざる真実』記事「安倍首相のこじつけリーマン級危機説に異論噴出」を拝読する方が精神の健全と真実の理解に遥かに有用だろう。

毎日新聞ニュースで「はだしのゲン」作者、故中沢啓治氏が生前オバマ米大統領に書いた手紙が発見されたという報道がある。
中沢啓治氏のような方でさえも、幻想をもってしまうもののようだ。

日本語記事
英語記事

今はすっかり忘れ去られた広島だけの?表現、オバマジョリティーという言葉もあった。最初に発案者発言を聞いた時には、失礼ながら、この人は正気かと思った。

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