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2016年5月15日 (日)

突然深刻な災厄に直面しているサウジアラビア - 理由はこれだ

Prof. Vijay Prashad
Global Research、May 10、2016

サウジアラビアは、深刻な状態にある。王国最大の建設会社ビン・ラディン・グループは、5000人の外国人労働者の雇用を止めた。外国人労働者には出国ビザが発行されたが、彼等は受け取りを拒否した。こうした労働者たちは、賃金が精算されない限り出国しない。雇い主に怒って、一部の労働者が、同社のバス7台に放火した。

王国で社会不安がおきそうだ。4月、サルマン王は、高い水道料金、井戸掘削の新たな規則と、エネルギー助成削減によって激しい非難の的になった水道・電気大臣アブドゥッラー・アル・ハサンを首にした。再編された省は、安い石油価格でヨレヨレな王国国庫に対し、300億ドルの貴重な金を節約するはずだった。86パーセントのサウジアラビア国民は水と電気の助成継続を希望している。国民はこうした助成がなくなるのを受け入れられる状態ではない。国民は、それを権利と見なしているのだ。エネルギー豊富な国が、国民に、ほとんど無料のエネルギーを提供できないわけがあるだろうか?と国民は言う。

サルマン王が昨年王位について、彼はひどい窮地にある王国を相続したのだ。サウジアラビア国庫は、収入の90パーセント以上を、石油輸出に依存している。国民は税金を払わないので、資金を集める唯一の方法は石油輸出だ。石油価格は、100ドル/バレルから、30ドル/バレルに下落した。王国の石油収入は崩壊した。サウジアラビアは、昨年期待していた石油利益3900億ドルを失った。同国の財政赤字は、1000億ドルにものぼり-同国史上最大だ。1991年以来、初めてサウジアラビアが、5年間の融資100億ドルを集めるため 民間資金の世界に頼ったのだ。膨大な政府系投資ファンドを持ったこの国が、支払いをするために借金しなければならないということは、脆弱なファンダメンタルを示している。


Saudi Press Agency (SPA)が公開したサウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール=サウード王写真(AFP Photo/)

危機の時期に陥った際、国は一体何をするのだろう? コンサルティング会社マッキンゼーを呼ぶのだ。サウジアラビアも、まさに、そうした。マッキンゼーは、専門家を王国に派遣した。マッキンゼーは、2015年12月に「石油無しのサウジアラビア: 投資・生産性転換」という報告を提出した。この報告書は、現地調査をせずに書かれた可能性がある。報告書は、新自由主義の陳腐な言葉のてんこ盛りだ。経済を政府主導から市場主導型に転換し、転換資金を調達するため、助成を削減し、富を再分配し、政府資産を売却する。サウジアラビア独自の政治経済や文化的文脈への言及は一言もない。報告書は、サウジアラビアの公共部門での雇用削減と、300万人の低賃金外国人労働者の削減を提唱している。だがサウジアラビアの政治経済も、サウジアラビア国民の文化も、まるごと国による国民雇用と、下働きの低賃金外国人労働者に依存しているのだ。この二本柱を変えこるとは、君主制の存続への疑問を投げ掛けることになる。石油なきサウジアラビアは、君主制なきサウジアラビアだと、マッキンゼーは正直に言うべきだった。

マッキンゼーによる変容は一体何をもたらすだろう? “生産性主導の転換で”熱心な専門家は言う“2030年までに、サウジアラビアが[国内総生産]を再度倍増し、600万もの新規サウジアラビア雇用を生み出せるようになるだろう。”

王の息子ムハンマド・ビン・サルマン(MbS)は、マッキンゼー報告を額面通り受け取った。彼はこの報告書を切り貼りして、サウジ・ビジョン2030を作成した。MbS王子の声明は、マッキンゼー提案とほとんど違わない。王子の熱意は、彼の経験不足を示している。経済的転換という考え方に対する全面攻撃の本であるナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』を彼が読んでいる可能性は低い。ダフ・マクドナルドのマッキンゼーのまやかしモデルを摘出した本『マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密』を読んだ可能性はまして低い。国家の未来まるごと、マッキンゼーの報告書にゆだねるのは無謀に見える。だが、MbS王子には無謀な傾向があるのだ。彼はサウジアラビアの対イエメン戦争を率いており、これがまったくうまくいっていない。クウェートで開催されているこの戦争を巡る和平交渉は行き詰まったままだ。サウジアラビアが、イエメンで得るものはほとんど皆無だ。サウジアラビアを、イエメンでの屈辱的失敗に引きずり込んだ人物が、経済転換の責任者を務めて良いものだろうか?

サウジアラビアは君主制だ。MbS王子は、王に可愛がられている。彼の才能は、国民によってではなく、王によって評価される。国民は、彼によるイエメンでの心配した戦争に耐えなければならなかったのと同様、経済における彼の悪ふざけにも耐えなければならないだろう。

MbS王子のサウジ・ビジョン2030とは一体なんだろう? 石油市場をなんとか安定させようという取り組みにかかわらず、近いうちに、石油価格が安全な水準にまで上昇する兆しは皆無だ。もし石油が50ドル/バレル以下の状態が続けば、サウジアラビアは経済プロジェクトを改訂せざるを得ない。つまりサウジアラビアは、収入を生み出す新たな方法を見つけ出さなければならなくなる。石油依存の経済から、産業-観光-金融経済への移行には、膨大な額の投資が必要だ。その投資を確保するため、サウジアラビアは、国有石油会社アラムコの株のごく一部の売却を計画している。株の売却と、他の国有財産の売却で、少なくとも2兆ドル集める計画だ。この資金で、このままでは、2017-2020年までに枯渇しかねない、減少した政府系投資ファンドを補強するのだ。

強化された政府系投資ファンドは、石油化学や、中規模製造業や、金融や観光などの新たな産業部門の開発に使われる予定だ。王国内で、外国人が不動産を所有することが認められ、国家が起業活動を奨励する。MbS王子が提案している期限の2020年までに、あるいは、王子の計画の名である2030年までに、こうした全てが、一体どうやっておきるのだろう? サウジアラビアは、石油収入に満足している国民を、不安定な市場環境中での労働者に急速に転換することが可能だろうか? この種の大規模転換の間、国民の中で、長期にわたる不満が生じることを、歴史が示している。サウジ王家は、この変化がひき起こす怒りや、みじめさの高まりを、うまくやりすごせるだろうか?

IMFの中東・中央アジア担当ディレクターのマスード・アフメドは、移行はうまく行くと確信している。実際、マッキンゼー計画は、いささか控えめすぎると、アフメドは考えている。サウジアラビアがすべきなのは、多角化計画を促進するため、より多くの民間投資を惹きつけることだとアフメドは言う。この民間投資は、一体どこから来るだろう? おそらく、既にサウジアラビアと大規模な(24.8億ドル)原発契約を結んでいる中国からだ。王国は中国に対する最大の石油輸出国だ。中国石油化工、中国石油天然気と雲南雲天化が、アラムコと密接に協力して、王国内と中国沿岸に、石油精油所を建設しようとしている。最終的にメッカとマディーナを結ぶハラマイン鉄道を、中国の建設会社が建設中だ。

中国は、サウジアラビア最大の貿易相手国だ。ビン・ラディン・グループは同社クレーンの一部を休止状態にするだろうが、だからといって、全てのクレーンが王国のスカイラインで、停止したままになるわけではない。中国建設会社は、サウジアラビアでの新たなインフラ基盤建設に備えている。もしアメリカ政府が、注意して見ていれば、古くからの同盟国が、社会的混乱に陥るか、中国の勢力圏に移行するか、いずれかになるのを目にするに違いない。それ以外の選択肢は存在しない。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/saudi-arabia-is-suddenly-facing-a-serious-catastrophe-heres-why/5524326

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血統だけ、今だけ、金だけ、自分だけ。

どこかの誰かと、そっくりそのまま。

2016年4月5日の翻訳記事
シリア: もう一つのパイプライン戦争末尾に書いたものを再度貼り付けさせていただく。

傀儡国家の名家政治家といわれる買弁諸氏を見ると、有名なこの言葉を思いだす。

貴方は豪勢な殿様というところから、御自分では偉い人間だと思っていらっしゃる!貴族、財産、勲章、位階、それやこれで鼻高々と!だが、それほどの宝を獲られるにつけて、貴方はそもそも何をなされた?生まれるだけの手間をかけた、ただそれだけじゃありませんか。

ボオマルシェ著・辰野隆訳『フィガロの結婚』(岩波文庫)

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