« 福島事故から5年: 犠牲者を見て見ぬふりの医療研究者たち | トップページ | 『スポットライト 世紀のスクープ』:多くを物語る、カトリック教会の性的虐待の暴露 »

2016年4月17日 (日)

人類の平和への希望を破壊したアメリカ・ネオコン

Paul Craig Roberts
2016年4月15日

Strategic Culture Foundation

ロナルド・レーガンが、ネオコンに背を向け、解雇し、連中の一部を告訴して、彼の政権はネオコンの悪の影響力から解放され、レーガン大統領は、ソ連のゴルバチョフ大統領と、冷戦終焉交渉をした。連中の予算、権限やイデオロギーが、核超大国、二国間の和平見込みによって脅かされるので、軍産複合体や、CIAや、ネオコンは、冷戦を終わらせるのに大反対だった。

私は関係者だったので、これを知っている。ソ連に冷戦を終わらせることに合意させるよう圧力をかけるべく、不振のソ連経済に、新たな軍拡競争の脅威をもたらすための経済基盤を作り出すのに、私はレーガンに協力し、CIAに対する召喚権限を持った秘密の大統領委員会の委員に任命された。秘密委員会は、レーガン大統領から、ソ連が軍拡競争で勝つだろうというCIAの主張を評価する権限を与えられていた。秘密委員会は、これは、冷戦とCIAの重要性を永続化させるための、CIAの手口だと結論づけた。

ジョージ・H・W・ブッシュ政権とジェームズ・ベーカー国務長官は、レーガンのゴルバチョフとの約束を守り、NATOは、一インチたりとも東に拡張しないという約束でドイツ再統一を実現した。

富を貯め込むことが人生の主目的である腐敗したクリントンは、冷戦を終わらせるのに、アメリカ合州国がした約束を破ったのだ。二人の傀儡大統領 - ジョージ・W・ブッシュとオバマは - クリントンに習って、アメリカ政府の支配をネオコンに奪われ、歴史が、世界に対する覇権を行使するようアメリカを選んだという傲慢と尊大を信じ込んで、すぐさま冷戦を再開した。

これはアメリカ指導部とともに失われた、世界人類の平和への好機だった。ネオコンの影響力の下、アメリカ合州国政府は、ソフト・パワーと、それに対し、アメリカの影響力が勝れたであろう、友好的生存へと世界を導く能力を投げ捨てたのだ。

ところが、ネオコンは世界を威圧と暴力で脅し、8か国を攻撃し、旧ソ連共和国で“カラー革命”を醸成した。

この狂った愚行の結果が、ロシアと中国の経済・軍事戦略的提携の出現だ。ネオコンの傲慢な政策がなければ、この提携は存在しなかったろう。ネオコンのアメリカ世界覇権という主張に対する反応であるロシアと中国との戦略的提携について、私が書き始めたのは十年前だ。

ロシアと中国間の戦略的提携は、軍事的にも、経済的にも、ワシントンにとって強過ぎる。アップルのような多数のアメリカ主要企業製品の製造を、中国は支配している。中国は世界最大の外貨準備高を保有している。中国は、もし政府が望めば、何兆ドルものアメリカ金融資産を投げ売りして、アメリカ・マネー・サプライの大幅増加をひき起こせる。

米国債価格の崩壊を防ぐため、連邦準備金制度理事会は、投げ売りされた金融商品を購入するのに、何兆ドルも新札を印刷しなければならない。世界は、実際のアメリカ生産拡張なしのドル拡大に出くわすこととなり、アメリカ・ドルに懐疑的になる。もし世界がアメリカ・ドルを放棄すれば、アメリカ政府は、もはや費用が払えなくなる。

ヨーロッパは、ロシア・エネルギーに依存している。ロシアは、このエネルギーを止めることができる。短期的に代案はなく、長期的にも多分あるまい。もしロシアがエネルギーを止めれば、ドイツ産業も停止する。冬には、ヨーロッパ人は凍死する。こうした事実にもかかわらず、ネオコンは、ヨーロッパに、ロシアへの経済制裁を課することを強要している。もし、ロシアが同じやり方で仕返ししたら一体どうなるだろう?

NATOには、アメリカ軍当局が認めている通り、ロシア侵略も、ロシアの対NATO攻撃に耐える見込みもない。NATOは、ワシントンによる戦争犯罪の隠れ蓑なのだ。それが果たす機能は外にない。

製造を中国に移転して利益を上げたアメリカ大企業の強欲のおかげで、中国はネオコンが可能だろうと考えていたより何十年も前に、現代化している。中国軍はロシア兵器技術で現代化している。中国の新型ミサイルがアメリカ自慢の海軍や航空母艦を陳腐化した。

ネオコンは、いかにロシアを包囲したかを自慢するが、クリントンから始まったアメリカの無能な指導者のおかげで、ロシアと中国に包囲されているのはアメリカだ。現在の大統領予備選挙における、キラリーに対する支持から判断して、多くの有権者は、無能な指導部を永続させようと固く決めているもののようだ。

包囲されているにもかかわらず、ネオコンは、中国との戦争も意味するロシアとの戦争をしつこく迫っている。もしキラリークリントンがホワイト・ハウスの主となれば、ネオコンの戦争が実現しよう。

ネオコンは、キラリー支持で群れをなしている。彼女は連中の人物だ。アメリカの女性たちが、キラリーを大統領にするのをご覧あれ。議会が、この大統領に、戦争を始める自分たちの権限を与えることを肝に銘じていただきたい。

アメリカ合州国に、極めて高い知性や広い見識を持った国民がいたわけではない。より有能な国々や国民を破壊した第一次世界大戦と第二次世界大戦のおかげで、アメリカは、二十世紀中優位でいられたのだ。アメリカが超大国になれたのは、他の国々が自滅したおかげだ。

連中の傲慢さがアメリカに対する強力な提携を生み出したことをネオコンが否定しても、アメリカ海軍士官学校教授が、ロシア-中国戦略的提携の現実を強調している。

昨年8月、ロシア-中国空・海合同演習が日本海で行われ、アメリカ傀儡の日本に対し、もし、ロシアと中国がそうすると決めれば、防御できないことを明らかにした。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、この合同演習は、二大国の協力関係と、この協力関係が持つ世界の一部における安定化効果を実証するものだと述べた。

中国外務大臣王毅はロシア-中国関係はあらゆる国際危機に耐えられると述べた。

アメリカ・ネオコン唯一の実績は、戦争犯罪で、8か国で何百万人もの人々を殺し、残りの国民を、難民として、ヨーロッパ逃れさせて、現地のアメリカ傀儡諸国政権を損ない、 ロシアと中国の強力な戦略的提携を生み出して、世界平和と、アメリカ指導部の可能性を後退させたことだ。

要するに、途方もない失敗だ。ネオコンに責任を取らせるべき時期であり、連中があやつることができる次の傀儡を選んではならない。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/04/15/how-american-neoconservatives-destroyed-mankinds-hopes-peace.html

----------

彼氏の記事は、Strategic Culture Foundationに掲載された後、通常すぐご本人のページに掲載されるのだが、この記事はまだ載らない。

Paul Craig Roberts氏が財政状況を心配しておられた、Information Crearing House、ずっと更新がなく、一体どうしたことかと思っていたところ、主催者Tom Feeley氏の突然の急病が原因だった。幸い、回復傾向にあるという。いずれのサイトにも寄付していない小生、忸怩たるものがある。

今回の九州地震報道のため、IWJは要員を派遣するという。そこで、追加費用が発生するという。多少でも定期的仕事で収入があれば、進んで寄付できるのだが、無職の悲しさ。

今回の震災を奇貨として、新ショック・ドクトリンを企む政府の旗振りをする大本営広報部支配層に、何があろうと痛くも痒くもない(何も起きるはずはない)が、IWJが困窮しては困る。

宗主国軍隊による支援を受け入れたのも、戦争法案のめくらまし。戦争法案の目的は、こうした自然災害被害救援ではない。宗主国軍隊の侵略戦争のパシリ役だ。ここで、宗主国軍隊を宣伝しようという目論見だろう。これから宗主国軍隊の活動ぶりが延々垂れ流されるかと思うとうんざり。イラクや、リビアや、ウクライナや、シリアにおける宗主国軍の侵略戦争を報じない大本営広報部による提灯報道、決して見ない。

日刊IWJガイドの一部を引用させていただこう。

 今回の地震を受け、IWJでも今日からスタッフを現地へ特派させることにしました!今年の3.11には福島取材を担当し、最近では東電会見などでも鋭い質問を連発し、存在感を発揮している高橋敬明記者、そしてこの日刊IWJガイドで毎日ご挨拶しているテキスト班の安道幹記者が現地取材にあたります!

 羽田から佐賀へ飛行機で降り立ち、大きめのワゴン車に、精いっぱいの支援物資をつめ込んで、熊本を中心とした被災現場へ向かいます。水などが足りず、困っている方は、ぜひ、ご連絡をください。少量であっても必要な物資をお届けしつつ、現地から情報を発信します!

 被災者の皆さんに可能な限り寄りそい、被災地の状況をこれまで以上に情報発信していくことで復興の一助を担っていきたいと思いますので、皆さま、どうかIWJの取材活動をご支援ください!IWJは未だに経営危機を脱していません。出張費は本当に苦しい出費ではありますが、九州で史上最大とも言われる地震が発生した今、どうしても現地から取材し、発信しないわけにはいきません。現地には少しばかり、支援物資も運びたいと思っています!精一杯頑張りますので、どうかご支援、よろしくお願いします!

 IWJ熊本チャンネルで断続的に中継しますので、よろしくお願いします!

【IWJ熊本Ch】
http://www.ustream.tv/channel/iwj-kumamoto1

【ツイートはこちらから流します!】
https://twitter.com/IWJ_AreaCh1

※会員登録はこちら!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパもお願いしています!どうかIWJの活動をご支援ください!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 被災地の不足している物資や避難所情報はYahoo!でまとまっていますので、参考にしてみてください!
http://news.yahoo.co.jp/story/147

 日本赤十字社が義援金を受け付けていますので、被災地支援をされたい方は、こちらをご参照ください!
http://www.jrc.or.jp/contribute/help/28/

 IWJにも被災地情報や、役立つ震災時の豆知識など、どしどし情報提供をお寄せください!
office@iwj.co.jp

« 福島事故から5年: 犠牲者を見て見ぬふりの医療研究者たち | トップページ | 『スポットライト 世紀のスクープ』:多くを物語る、カトリック教会の性的虐待の暴露 »

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

中国」カテゴリの記事

ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事

コメント

黒人というだけでオバマを選んだ人々が、性懲りも無く今度は女というだけでヒラリーを大統領にするのでしょう。彼らに欠けているのは、マイノリティーが権力の階段を上るためにいかにして支配階級と妥協し、時に自分の出身階層を裏切り、要職に就いたとしても既得権益を脅かさないと判断されたであろうということに関する想像力です。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人類の平和への希望を破壊したアメリカ・ネオコン:

« 福島事故から5年: 犠牲者を見て見ぬふりの医療研究者たち | トップページ | 『スポットライト 世紀のスクープ』:多くを物語る、カトリック教会の性的虐待の暴露 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ