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2016年4月 9日 (土)

ミャンマーの“運転手” 大統領。ワシントンの傀儡国家

Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
2016年4月7日

ミャンマー政治家アウン・サン・スー・チーが、彼女の運転手で、側近を“大統領”に指名し、就任したことと、事実上、大統領を象徴的なものとし、選挙で選ばれたわけではないスー・チーに従属するものとする、大統領“の上から支配する”という彼女の誓約を、アメリカとイギリスのマスコミは慶賀している。

欧米は、こうした進展を、非民主的だとし、スー・チーのことを、選挙で選ばれたわけではない独裁者として非難しているはずなのに慶賀しているが、それは主に、大統領はスー・チーに従属するが、スー・チーは、彼女を権力の座へと導いた政治活動の構築に何十年間も費やしてきた、アメリカ-イギリスの特定利益集団に従属するためだ。

この最近の進展は、本質的に、独裁制の誕生を承認することで、またしても、民主主義と法の支配の原則に対する、欧米の、恣意的で、極めて偽善的な献身を暴露している。

ワシントンの大戦略に役立つミャンマーの傀儡大統領

展開している大きな狙いは、東南アジア中で、対北京統一戦線を作り出すための、アジア太平洋や、中央アジアにおける取り組みとともに、勃興しつつある世界大国を封じ込めるための何十年もの長きにわたる地政学的計画の一環だ。

1970年代初期に暴露されたペンタゴン・ペーパーは、アメリカのベトナム戦争関与は、実際は、中国封じ込めを目指していたことを認めていた。またペーパーは、この封じ込めを実現するために、アメリカが追い求めている三つの戦線を明らかにしていた。日本-韓国戦線。インド-パキスタン戦線、そして、東南アジア戦線だ。

アメリカのアフガニスタン軍事占領、日本、韓国と、北京に対して醸成している南シナ海紛争が、1970年代から、今日まで、アメリカが、いかに、依然として積極的に、まさにこの三つの戦線にそって、中国を封じ込めようとしているかを実証している。

アメリカが、東南アジア諸国の国際政治を操作しようとしているのも、この広範な封じ込め戦略の一環だ。アメリカの代理が、タイでは放逐され、マレーシアでは投獄されているが、ミャンマーでは、そのまた代理によってとは言え、アメリカ-イギリスが支援する代理スー・チーが、今やとうとう権力の座につこうとしている。

アウン・サン・スー・チーの全ての政治活動は、欧米、特に、アメリカとイギリスの特定利益集団が生み出し、恒久化させてきたものだ。非政府組織(NGO)、エセ人権擁護者、マスコミや、政治運動の軍団が、アメリカ国務省と、イギリス外務・連邦省によって、でっちあげで生み出された。

政治的不安定化、経済的圧力と、秘密の武力転覆の組み合わせによって、ミャンマーは、スー・チーが率いるアメリカ-イギリスが支援する政権への移行を始めた。“民主主義”と“人権”の決まり文句から先は、彼女とその信奉者連中は、支持者には、恣意的におしえるが、ミャンマーのロヒンギャ住民を含めた敵には - 彼らの将来構想に関して - つまり“外国投資”以外は、見通しをほとんど何も教えない。

“運転手”大統領

アメリカが法の支配を擁護すると自称しても、東南アジアで選んだ政治戦線の国ミャンマーでは、利害対立に関する憲法条項ゆえに、大統領になることを阻止されているスー・チーが、堂々と、彼の “上から支配する”と誓って、あからさまな代理を任命し、まんまと権力の座についた。

AFP記事、“スー・チー‘上から支配する’指導者になると誓う”にはこうある。

木曜日、彼女の党が、彼女の最も忠実な側近が、これまで軍事政府が支配してきた国を、彼女の代理として支配することに決めて、アウン・サン・スー・チーは、ミャンマー次期大統領選挙への出馬を、正式に認められないこととなった。

軍が作った憲法によって大統領になることを阻止されてはいるが、スー・チー女史は大統領の“上から”支配すると誓った。

スー・チーは、外国人と結婚し、外国パスポートを所有する子どもたちがいるので資格がない。憲法には規定されていないが、スー・チーは、イギリスとアメリカで、研究と、国連を含めた仕事で、法外に長期の海外生活をしている。巨大なマスコミやNGOネットワークを含む彼女の政治運動全体に、アメリカ合州国とイギリスの政府があからさまに資金提供している。

アメリカ、イギリスどちらの国でも、同様な背景を持ったあらゆるアメリカやイギリス国民も大統領出馬失格だ。しかし、二重基準と、法の支配の恣意的な適用は欧米外交政策の顕著な特徴となっているが - 連中の代理、スー・チーも例外ではない。

スー・チーが大統領候補に指名した人物は、彼女の運転手で、長年の側近、ティンチョーだ。スー・チー同様、元イギリス植民地ビルマのこの大統領志望者は、イギリスで教育を受け、スー・チーの政治権力を支持している多くの政治団体同様に、有罪判決を受けた金融犯罪人ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー研究所や、フォーチュン500社が資金提供するアジア財団を含む欧米の政府や外国企業が資金提供する財団から資金提供を受けている、スー・チーのドー・キンチー財団のトップだ。

スー・チーが、単なる民主的な決まり文句を越えて、ミャンマーの将来計画を語る際には、“外国投資”に触れることが多い。

外国権益が彼女を権力の座に押し込み、そうしている違法な手段の現実を考えれば、高齢の代役が、こうした外国権益が、何十年も彼女に差し伸べてきた支援と引き換えに、彼女が今や果たさねばならない大きな不愉快な約束より、曖昧なスローガンに焦点をあてることを選んだのも不思議ではない。

他のアジアの国々にとって、外国が支援する代理を打倒した国々を“独裁制”と非難しながら、本質的に独裁者である者が権力の座につくのを支援している、ミャンマーにおける欧米のあからさまな偽善は、もう一つの警告で、地域全体で、ワシントンの影響力を、より釣り合った、扱いやすいレベルにまで弱めようという動きに弾みをつけるだろう。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。 

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/04/07/myanmars-driver-president/
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あの人は、運転手さえ、つとまらないのではあるまいか。

オリンピックのエンブレムには透明性が要求されると報道するが、TPPには更なる透明性が必要だとは、決して言わない大本営広報部。問題の重さの理解が、庶民と、体制派宣伝機関とは全く違う。

会社員生活で、小生より力量のない上司の指示をきいたことはない。だから首になった。どれが売れるか、売れないかは、毎回新製品を考えてきた本人にしかわからないのだが。

卑しい心性の悲しさ、この記事の題名を読んだ瞬間、何度も書いている、子ども時代の楽しみだった、お猿の電車を思い出した。あれに乗るのが本当に最高の楽しみだった。両親に向かって、喜んで手をふったものだ。後はあんみつかホットケーキ、更にラーメン。

マニュファクチャリング・ディセント(反対派をでっち上げる)2015年3月28日に書いたことだが、リンク先をお読みいただく手間を省くため繰り返し一部流用しておこう。

かつての上野動物園お猿の電車。列車の先頭車輛で操縦をしているふりをしているお猿は飾り物。外から係員の方が操作していた。子供の小生、猿が本当に運転していると信じ、乗車が楽しみだった。

暴走した連中が支配し、乗客がいくらノックしても一切耳をかさず、原発を再開し、世界一のならずもの宗主国に、教育制度も、健康保険も、地方自治体の調達も、インターネットの自由も、全て大政奉還し、侵略戦争に日本軍を捧げ(首相が使ったので周知の事実)この国を壊滅させる、信じられないほど異常な墜落操作をしている実態を。

メタボ老年には墜落か沈没確実なお猿の飛行機・空母に乗っていること自体が恐怖。

なんとも耐えがたい電気洗脳箱番組に登場するホセ・ムヒカ発言は正しい。小生もこういう講演なら拝聴したかった。独学スペイン語、片言ながら部分的に要点を理解できそうに思う。クリントンやポロシェンコ講演、たとえ聞き取れても、お金をもらっても絶対聴講にはゆかない。一度も見たことがない番組だが、ホセ・ムヒカの言葉を聞きばかりに見たもの。二度と見ない。

彼女につらなるミャンマーの政治家連中、宗主国に育てられたお粗末な連中だろう。

与党傀儡連中が、野党の質問に全く答えるつもりがないのは明らか。
彼等は属国国民の視線も、支持率も全く気にしてなどいない。売国議員、大臣の座にいられるのは、宗主国ハンドラー様のお墨付きあればこそ。属国国民の支持率なと無関係。
彼等は国会中継をモニターしている、宗主国のハンドラ様方に気にいっていただけるためだけに発言している。と、思わなければ、この売国条約を真っ黒のまま批准したがる熱意がわからない。与党、ほぼ全員が宗主国大企業の傀儡だ。

この属国の与党の無内容なTPP答弁のひどさや、TPPの理不尽さには全くふれず、民進党が退席したとのみ報じる呆導機関。あきれ果てるばかり。「マスゴミ」「洗脳機関」以外の表現思いつけない。国の存亡がかかっている。パトミントン選手の賭博を追っている余裕はない。

バドミントン選手賭博をあきれるほど詳細に報じる電気洗脳箱関係者の価値観、小生の価値観、100%違っている。
賭博は悪いことだろうが、小生や血縁や知人の暮らしには痛くも痒くもない。
不思議にも全員に途方もない悪影響をおよぼすTPPについては全く報じない不埒さ。

電気洗脳箱、大宅壮一の「一億総白痴化」装置。設立の淵源が、そもそも宗主国プロパガンダ装置だったことは歴史的事実。今もそのまま。

「発表では戦局は有利。しかし、いつの間にか「本土決戦」でした。今とそっくりです。:金子勝氏」

本日の孫崎享氏記事、一部を勝手ながら、転載させていただこう。

第1 TPPが及ぼす日本の国と社会に対する破壊作用

1 日本は1858年日米修好通商条約を結び、次いでイギリス・オランダ・ロシア・フランスと相次ぎ締結した各条約で治外法権を認め、関税の自主権を放棄しました。この結果明治時代前半の外交はこの撤廃を最大の眼目にすることに終始し、その完全な撤廃は日清戦争後の1899年日米通商航海条約の発効まで待たざるを得ませんでした。

2 今、日本が締結しようとしている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、関税の自主権の放棄だけにとどまるものではなく、明治以前の治外法権の各条約の締結以上に日本外交に汚点を残すものです。

即ち、TPP協定は、?分野が関税のみにとどまらず、経済のほぼ全分野に及ぶこと、?裁定が国際仲裁裁判所に委ねられること、?裁判の主たる基準は企業の利益が侵害されたか否かであり、生命・健康、労働者保護、地域発展という国家の政策を形成するに当たって尊重されるべき主要な価値観はほとんど考慮されないこと、等を内容としており、1945年9月2日の第二次世界大戦敗北時の降伏文書への署名以来、最大の規模で国家の主権を譲り渡す取り決めなのです。到底是認できるものではありません。

3 TPP協定が有する前項の問題点に加えて、私が決定的に許容することが出来ないと考えるのはTPP協定中のIBTPP協定中のISD条項です。日本国憲法第41条は「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と定め、憲法第76条は「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」と定めています。しかし、ISD条項は、憲法が定めるこれらの統治機構の基本原理と仕組みを根本から破壊するものであり、その破壊作用と危険性は突出したものがあると私は考えています。

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コメント

欧米のミャンマー叩きの苛烈さ、というかそれにかける情熱はほとんど偏執狂的で、学生の時分は学校図書館になぜか定期的に入るアンチ・ミャンマー・プロパガンダ本を怖いものみたさでよく読んだものです。ミャンマーを『1984年』のオセアニアに対比させた本とか、国民の困窮をよそに軍事政権の誰々がどれだけ贅沢に暮らしているかとか、独裁者が占いで首都遷都を決定しただとか、まあ話題には事欠きません。その一方で決して書かれないことは、スーチー氏もまたミャンマーの一般庶民からかけ離れた暮らしを送る特権階級の一人に過ぎないこと(しかもそれを隠しもしない)、さらにそんなスーチー氏をミャンマー国民は欧米の手先と知っていて大して支持していないこと、また民主化を欧米主導の「再植民地化」として理解していること、反体制派は公正さや国民の意思を代弁するために活動している訳ではなく単なる利権団体に過ぎないことなどが挙げられます。軍事政権のお歴々が公明正大な方々だとは決して言いませんし思ってもいませんが、多数の民族や様々な宗教が入り組むミャンマーでの彼らの統治のバランス感覚、そして海外の目を意識し、なるべく叩かれまいとする努力は認めるべきではないでしょうか。ミャンマーの行く末を考えた時に、スーチー氏のロヒンギャ族観やカダフィやフセイン亡き後のリビアやイラクがどうなったかに鑑みれば、少数民族がさらに迫害されて「昔の方が良かった」と語る未来がすぐそこまで来ているのかも知れません。

2006年から2014年にかけてタイ王国で制作された超大作映画「キング•ナレスワン」(全5部)は、16世紀ビルマ(現ミャンマー)支配下からシャム(現タイ)王国が独立を勝ち取る過程を描いている。象と象とがぶつかり合う熱帯の戦争描写が迫力満点だが、今回の記事を読ませて頂いて、これは単なる娯楽映画では無かったのだと実感した。第二次世界大戦中も英領ビルマと仏領カンボジア•ラオスに挟まれたタイ王国が、自国領土を削られながらも、旧日本軍の力もうまく利用して、かろうじて独立を守った歴史が明らかに意識されている。タイ政府が近年の隣国の状況に鑑み、赤シャツと黄シャツの対立で混乱するタイ国民に警鐘を与えたのだろう。国境線で接して隣国の脅威に晒される大陸の中小国は、民主制か王制かの議論以前に、絶えず独立か従属かの課題を突き付けられているのだと思う。

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