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2016年4月30日 (土)

過去記事から、MH-17の話題

Paul Craig Roberts
2016年4月28日

官庁であれ、民間であれ、アメリカのあらゆる組織は腐敗していると私が書いたのは、そう昔のことではない。そして、ロバート・パリーの毎週の記事が、私の発言が真実であることを証明してくれている。

最新のもので、http://www.globalresearch.ca/from-brady-to-mh-17-power-defines-reality/5522142“現実から危険なほど切り離されている国アメリカにおいては、些細なことであれ、重要なことであれ、一体何を真実と定義するかは、決して事実ではなく、権力が決定する。”とパリーは言う。例証として、画策された“不正ボールDeflategate”スキャンダルと、画策されたMH-17報道を挙げている。

ニューイングランド・ペイトリオッツとチームのクォーターバック、トム・ブレイディを罪に陥れるため、NFLチームのオーナーが、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルを、どのように利用したかをパリーは報じている。冷たい空気と湿度がフットボールの内圧を下げるのは科学的事実だ。この科学的事実は無視され、ブレイディは、フットボールから少々空気を抜く策謀をしたと、まんまと中傷された。彼とペイトリオッツは制裁された。

マレーシア旅客機MH-17がウクライナ領空で撃墜されてから、ほぼ三年だ。アメリカのジョン・ケリー国務長官は、即座に、アメリカはロシアが関与している完璧な証拠をもっていると発言した。ケリーは決して“証拠”を公表しなかったが、これはアメリカ国務長官が、またもや世界にウソをついたことを示している。

ブラック・ボックスは無傷で回収された。http://www.independent.co.uk/news/world/europe/mh17-crash-black-boxes-show-plane-suffered-massive-explosive-decompression-following-shrapnel-hit-9632881.html ところが、調査は、独立した国際機関、国際民間航空機関(ICAO)の手から奪われ、多数の犠牲者がオランダ人だったからという理由のアメリカ政府の主張で、オランダにまかされた。

本当の理由は、アメリカ政府にとって、オランダを支配するのが容易だからだ。三年たっても、結論報告はいまだに出ていない。その間に、アメリカ政府は、プロパガンダによって、ロシア分離主義者と、プーチンのせいにするのに成功した.

私は、この問題をほぼ同時に扱った:
2014年7月19日
マレーシア旅客機に何が起きたのか?
Paul Craig Roberts

ワシントンのプロパガンダ装置がフル回転しているので、我々は既知の事実すら失いかねない危険な状態にある。

分離主義者には、高価なブーク対空ミサイル・システムもなければ、それを操作するよう訓練を受けた要員もいないという事実がある。

もう一つの事実は、分離主義者には、旅客機を撃墜する動機は無く、ロシアも同様だ。低空飛行の攻撃機と、高度10,000メートルの旅客機の違いは誰にでも分かる。

ウクライナはブーク対空ミサイル・システムを保有しており、ブーク砲兵中隊はこの地域で活動しており、旅客機に対するミサイルが発射された可能性がある場所に配備されていた。

分離主義者とロシア政府に旅客機を撃墜するは動機が無いのと同様、ウクライナ政府にも、更には、ウクライナ軍が余り乗り気ではない、対分離主義者への戦いを仕掛ける為に民兵を組織した狂った過激派ウクライナ人民族主義者にも無いはずだと考えたくなる。ロシアをはめようという計画でも無い限りは。

武器体系に詳しいあるロシア人将軍は、兵器使用訓練を受けていないウクライナ軍がしでかした過ちだったという説を提唱している。ウクライナが多少はこの兵器を保有してはいても、ウクライナ人は、ウクライナがロシアから独立して以来23年間、使用法の訓練を受けていないとこの将軍は言う。この将軍は、これは無能さによる事故だと考えている。

この説は、ある程度辻褄があっており、ワシントンのプロパガンダより遥かに辻褄が合っている。この将軍の説明の難点は、一体なぜブーク対空ミサイル・システムが、分離主義者の領土の近く、あるいはその領土に配備されていたのかを説明していないことだ。分離主義者は航空機を持っていない。ウクライナが、軍事的用途が無く、その分離主義者によって侵略され、装置が捕獲されてしまうかも知れない場所に、高価なミサイル・システムを配備するというのも奇妙な話だ。

ワシントン、キエフと売女マスコミが、プーチンがこれをしでかしたというプロパガンダを何としても推進することにしている以上、アメリカ・メディアからは信頼できる情報を得られることはあるまい。我々自身で何とか考え出すしか対策はない。

手始めの一歩は、こう質問することだ。一体なぜ、ミサイル・システムはその場所にあったのだろう? 一体なぜ、高価なミサイル・システムを、そもそも使い道の無い紛争地帯に配備するようなリスクを冒すのだろう? 無能が一つの答えで、もう一つの答えは、ミサイル・システムには意図された用途があったというものだ。

意図された用途とは一体なんだろう? ニュース報道と情況証拠から得られる答えは二つある。一つは、超国家主義の過激派が、プーチン大統領機を撃墜するつもりだったが、マレーシア旅客機と、ロシア旅客機を混同したというものだ。

インターファックス通信社は、航空管制官と思われる匿名情報源を引用して、マレーシア旅客機と、プーチンの旅客機は、数分の間隔をおいて、ほぼ同一の航路を飛んでいたと報じている。インターファックスは情報源をこう引用している。“プーチンの飛行機と、マレーシアのボーイングは、同じ点、同じ格子を通過したと申しあげることができる。それはワルシャワに近い、330-m格子、高度10,100メートルだ。大統領機は、モスクワ時間の16:21にそこを通過し、マレーシア旅客機は、モスクワ時間の15:44に通過した。旅客機の輪郭は似ており、大きさも非常に良く似ており、色については非常に遠距離からはほぼ同様に見える”

公式なロシアの否定は見ていないが、ニュース報道によれば、インターファックス・ニュース報道に対応して、ロシア政府は、プーチンの大統領機は、戦争状態が始まって以来、ウクライナ航路は飛行していないと述べた。

否定を額面通り受け取る前に、ロシア大統領暗殺というウクライナの企みには、ロシアが避けたがっている戦争を暗示しているという含意に配慮する必要がある。これにはまた、キエフのワシントン傀儡が、アメリカ政府の支援無しに、それほど危ない行為をする危険を冒すとは到底考えがたいので、アメリカ政府の共謀という含みもある。知的で合理的なロシア政府が、アメリカ政府と、そのキエフ傀儡によるロシア大統領暗殺未遂の報道を否定して当然だろう。そうでなければ、ロシアはこれに対し何かせざるをえず、それは戦争を意味するのだ。

二つ目の説は、公式ウクライナ軍の埒外で活動している過激派が、ロシアに責任をなすりつける為、旅客機を撃墜する陰謀を企てたというものだ。もしそのような陰謀が起きたとすれば、恐らくは、CIAか何らかのアメリカ政府の手先と一緒に仕組んだもので、EUに、アメリカ政府の対ロシア経済制裁に抵抗するのを辞めさせ、ヨーロッパのロシアとの貴重な経済関係を断ち切らせることを狙ったものだ。アメリカ政府は、その経済制裁が一方的で、イギリス首相というポチからの支持という可能性を除けば、NATO傀儡諸国や、世界の他のどの国からも支持されていないことに苛立っている。

この二つ目の説明を裏付けるかなりの情況証拠がある。ロシア人将軍と分離主義者達との会話とされるもので、誤って民間航空機を撃墜したと話し合っているとされるユーチューブ・ビデオがある。報道によれば、専門家による、ビデオ中のコード分析で、ビデオが、旅客機が撃墜される前日に制作されたことが判明している。

ビデオにまつわるもう一つの問題は、分離主義者が、10,000メートル上空の旅客機と、軍の攻撃機とを混同することは考えられようるが、ロシア軍が混同することなど有り得ない。唯一の結論は、ロシア軍を引き合いにだすことで、ビデオは二重にその信憑性を損なっているということだ。

専門家でない人々でも容易に理解できる情況証拠は、ニュース番組が、いかなる事実が判明するより前に、ロシアに罪をなすりつけるよう、うまいタイミングで編成されていたことだ。

前の記事で、http://www.paulcraigroberts.org/2014/07/17/sanctions-airliners-paul-craig-roberts/ 私が聞いた、明らかに、ロシアに全ての罪をなすりつける様、準備していたBBCニューズ報道について書いた。BBC特派員がかたずをのんで、ユーチューブ・ビデオを見たばかりだが、ビデオはロシアがこれをしでかしたことを証明する決定的証拠だと報じるところで番組は終わった。もはや何の疑念もないと彼は言う。ウクライナ政府やアメリカ政府が入手する前に、情報は何故かビデオになり、ユーチューブに載ったのだ。

プーチンがこれをしでかした証拠は旅客機攻撃前に制作されたビデオだ。ナショナル・パブリック・ラジオで放送されたBBC報道丸ごと、いかなる証拠よりも前に、ひたすら、それがロシアのせいであると決めつける目的の為に画策されていたのだ。

実際、全ての欧米マスコミ全員一致で言っている。ロシアのしわざだ。そして、売女マスコミは同じことを言い続けている。

こうした全くの意見の一致は、単に、欧米マスコミが、自動的に、アメリカ政府に賛成するようにさせる、パブロフ風条件反射訓練を受けた結果に過ぎないのかも知れない。反米的であることで、批判の対象となったり、勝利をおさめる大多数の意見から孤立し、間違えたことで、黒星をつけられたりすることを望むマスコミなど存在しない。アメリカでも最も重要なニュース雑誌の元ジャーナリスト、そして寄稿者として、私はこの仕組みを良く知っている。

その一方、もしパブロフ風条件反射訓練を無視すれば、唯一の結論は、あらゆるニュース展開はマレーシア旅客機撃墜に関するプーチンに罪をなすりつける為に画策されたものということになる。

ブルームバーグ・ビジネスウィーク副編集長ロメシ・ラトネサールの7月17日の記事は、画策に対する説得力ある証拠になっている。http://www.businessweek.com/articles/2014-07-17/the-malaysia-airlines-shootdown-spells-disaster-for-putin?campaign_id=DN071814 ラトネサール説の題は“マレーシア旅客機撃墜はプーチンの災いとなる”だ。ラトネサールは、プーチンがはめられたと言おうとしているわけではない。彼が言おうとしているのは、プーチンがマレーシア旅客機を撃墜させるまで、“大多数のアメリカ人にとって、ウクライナへのロシア介入は、アメリカ権益にとって、重要性はほとんどないものに見えていた。この計算は変わってしまった. . . . 何ヶ月か、あるいは何年もかかるかも知れないが、プーチンには、必ずやその無謀さを償わされる時がやってくる。そうなった暁には、MH17機撃墜は、彼の破滅の始まりと見なされるようになろう。”

元ウオール・ストリート・ジャーナル編集者として、私は、ラトネサールが書いたような屑記事を提出するような連中を首にしていたろう。裏付ける証拠皆無の中での当てこすりをご覧願いたい。アメリカ政府によるクーデターを“ロシアのウクライナ介入”だというウソをご覧願いたい。我々が目にしているのは、アメリカ政府の帝国主義という狙いによる欧米ジャーナリズムの完璧な堕落だ。ジャーナリストたるもの、すべからくウソに参画せねばならず、さもなくば踏み潰されるのだ。

今でも誠実なジャーナリストを、周辺で探して頂きたい。一体誰がいるだろう? 全員売女である同業ジャーナリスト連中から、絶えず攻撃の的になっているグレン・グリーンウォルド。他に誰を思いつけるだろう?ワシントンの命令でロンドンのエクアドル大使館に閉じ込められているジュリアン・アサンジ。イギリス傀儡政権は、エクアドルへ亡命する為のアサンジの自由通行を決して認めようとしない。これと同じことをした最後の国はソ連だった。ソ連は、ハンガリー傀儡政権に、ブダペストのアメリカ大使館に入ったミンツェンティ枢機卿を、1956年から、1971年まで15年間、閉じ込めるよう要求していた。ミンツェンティはアメリカ合州国に政治亡命を認められたが、アメリカ政府傀儡のイギリスが、ワシントンの命令で、アサンジ亡命を認めようとしないのと同様、ハンガリーは、ソ連の命令で、彼の亡命を認めようとしなかった。

もし我々が正直で現実に直面する強さがあれば、ソ連が崩壊しなかったのを実感するに違いない。毛やポル・ポトらと共に、ワシントンとロンドンに引っ越ししたにすぎない。

プーチン外交の欠点は、プーチン外交が、善意と、真実が勝利することとに依拠していることだ。ところが欧米には善意など存在せず、アメリカ政府は真実が勝利することには興味皆無で、アメリカ政府が勝利することにしか関心がないのだ。プーチンが対決している相手は、理性的“パートナー”ではなく、彼に狙いを定めた宣伝省なのだ。

ロシアの思慮分別と、アメリカ政府の脅しの好対照である、プーチンの戦略を私は理解しているが、これはリスクの高い賭けだ。ヨーロッパは長らくアメリカ政府の一部であり、権力の座には、ヨーロッパをアメリカ政府から独立させるのに必要な構想を持ったヨーロッパ人は皆無だ。しかもヨーロッパの指導者連中は、アメリカ政府に仕えることで膨大な金をもらっている。首相職を離れて一年で、トニー・ブレアは5000万ドル稼いでいる。

ヨーロッパ人が災難をいくつも経験しても、ヨーロッパの指導者連中が、自らの安楽な暮らし以外の何事かを考える可能性はまずない。そうした安楽な暮らしは、アメリカ政府に仕えることで、維持できる。銀行がまんまとギリシャを搾取したことが証明している通り、ヨーロッパ諸国民は無力なのだ。

ロシア国防相の公式声明はここにある。http://www.globalresearch.ca/mh-17-crash-in-ukraine-official-statement-from-russian-defense-ministry/5392000

ガザ・ゲットーに閉じ込められたパレスチナ人に対するイスラエルの最近の残虐行為から注目を逸らしてしまったのだから、アメリカ政府の対ロシア・プロパガンダ攻撃は二重の悲劇だ。イスラエルは、空襲とガザ侵略は、パレスチナ人テロリストがそれを通って、イスラエルに押し寄せて、虐殺を行うトンネルとされるものを見つけ出し、閉鎖するための、イスラエルによる取り組みに過ぎないと主張している。もちろんイスラエルには、トンネルも、テロリストによる虐殺も存在しない。

アメリカ議会とて、全く頼りにならない。下院も上院も、イスラエルのパレスチナ人虐殺を支持する決議を可決した。二人の共和党上院議員、卑しむべきリンジー・グラハムと、がっかりさせられたランド・ポール、そして二人の民主党上院議員、ボブ・メンデスとベン・カーディンが、イスラエルによるパレスチナ人の女性や子供達の計画的殺害を支援する上院決議を提案したのだ。決議は“例外的で、欠くべからざる”国民の上院で、満場一致で可決された。

集団大虐殺政策に対する報酬として、オバマ政権は、4億2900万ドルものアメリカ納税者の大金を、虐殺への支払いで、イスラエルに即座に送金する。

アメリカ政府のイスラエルによる戦争犯罪への支持と、ウソに基づく対ロシアプロパガンダの猛攻撃を比較願いたい。“サダム・フセインの大量破壊兵器”“アサドの化学兵器使用”“イランの核兵器”を、今我々は一からやり直しているのだ。

アメリカ政府は余りに長期間ウソをつき続けた為、もはや何も他のことはできない。

記事原文のURL: http://www.paulcraigroberts.org/2014/07/19/happened-malaysian-airliner-paul-craig-roberts/

二日後、続きの記事を書いた。
2014年7月21日
当てこすりによって有罪
アメリカ・プロパガンダの機能のし方
Paul Craig Roberts

ロシアのプーチン大統領による、マレーシア旅客機の事件に対する、専門家による、客観的な、政治色の無い国際調査という呼びかけに、アメリカ政府が参加しない理由は一体なぜだろう?

ロシア政府は、旅客機がミサイル・システムによって、そこから撃墜された可能性がある場所に、ウクライナのブーク対空ミサイルがあったことを示す衛星写真や、ウクライナSU-25ジェット戦闘機が、マレーシア航空機墜落前に、急激に接近した文書など事実の公開を続けている。ロシア軍作戦本部トップが、今日(7月21日)モスクワの記者会見で、ロストフ監視センターによって、ウクライナ軍ジェット機の存在が確認されたと述べた。

ロシア国防省は、MH-17破壊の瞬間に、アメリカの衛星が上空を飛行していたことを指摘した。ロシア政府は、アメリカ政府に、衛星が捕捉した写真とデータを公開するよう促している。

プーチン大統領は、MH-17調査には、“専門家の代表団が、国際民間航空機関(ICAO)の指導の下で、現地で作業する ”ことが必要だと繰り返して強調している。プーチンの、ICAOによる独立した専門家調査の呼びかけは、何か隠し事がある人物のものとは思えない。

アメリカ政府に向かってプーチンは述べた。“その間、何人も[“例外的な国民”でさえも]この悲劇を自らの狭隘な利己的な政治目標を実現する為に利用する権利はない。”

プーチンは、アメリカ政府に注意した。“我々は、全ての紛争当事者に対し、即座に流血の惨事を止め、交渉の席に着こうと繰り返し呼びかけてきた。もし6月28日に、東ウクライナで、軍事作戦が[キエフによって]再開されていなければ、この悲劇は起きてはいなかっただろうと、私は確信を持って言うことができる。”

アメリカの対応は何だったろう?

ウソとほのめかしだ

昨日(7月20日)アメリカのジョン・ケリー国務長官は、親ロシア派分離主義者が、マレーシア航空機墜落に関与していると確認し、ロシアが関与していたのは“きわめて明白”だと述べた。ケリーの言葉を引用すればこうだ。“これが、ロシアから、分離主義者の手中に引き渡されたシステムであることはきわめて明白だ。我々は確信を、確信をもっている。ウクライナには、その時点で、その近くに、そのようなシステムを置いておらず、そこで明白に、分離主義者の責任であることを明瞭に示している。”

ケリー声明は、21世紀にアメリカ国務長官達が垂れ流してきた果てしないウソの一つに過ぎない。コリン・パウエルが国連で演説した、サダム・フセインの“大量破壊兵器”に関するウソ一式やら、ケリーが果てし無く繰り返すウソや、アサドが“自国民に対して化学兵器を使用した”やら“イランの核兵器”に関する果てしないウソを一体誰が忘れられようか?

ケリーが何度も、アメリカは、アサドは化学兵器を使用し“越えてはならない一線”を超えた証拠を持っていると述べているのを想起願いたい。ところがケリーは決してその発言を証拠で裏付けることができずにいる。対シリア・アメリカ軍事攻撃へのイギリスの参加を、議会に承認させようと尽力していたイギリス首相に渡す証拠をアメリカは持っておらず、議会で否決されてしまった。議会は首相に答えた。“証拠無くして戦争なし。”

そこに、またもや、ロシアの衛星写真や、現地の無数の目撃者と真っ向から矛盾するケリーの“確信”声明だ。

アメリカ政府は、一体なぜ衛星写真を公開しないのだろう?

その答えは、アメリカ政府が、差し押さえておいて、9/11にハイジャックされた旅客機がペンタゴンに突入したのを証明していると主張している全てのビデオを公開しようとしないのと全く同じ理由だ。ビデオはアメリカ政府の主張を裏付けておらず、アメリカの衛星写真も、ケリーの主張を裏付けてはいない。

イラク現地の国連武器査察官達は、イラクには大量破壊兵器はないと報告した。ところが、アメリカ政府のプロパガンダの裏付けにならない事実は無視された。アメリカ政府は、ひたすらアメリカ政府の意図的なウソだけを基に、極めて破壊的な戦争を始めたのだ。

イラン現地に入った国際原子力機関査察官も、16のアメリカ諜報機関全ても、イランには、核兵器開発計画はないと報告している。ところが、事実が、アメリカ政府の魂胆と辻褄が合わないと、アメリカ政府にも、売女マスコミにも無視された。

証拠が欠如しているのに、マレーシア航空機墜落はロシアの責任だという主張で、我々は今、全く同じことを目の当たりにしている。

アメリカ政府高官全員が、ケリーやジョン・マケインほど無謀というわけではない。直接のウソの代わりに、多くのアメリカ高官は、ほのめかしを活用する。

ダイアン・ファインスタイン・アメリカ上院議員はその好例だ。売女TV局CNNインタビューで、ファインスタインはこう語った。“問題はプーチンがどこにいるかです。こう言いたいと思います。‘プーチンよ、毅然とした態度を取りなさい。世界に説明すべきです。もしこれが過ちなら、私としては過ちであったことを願うが、過ちだったと言いなさい。’”

プーチンは世界に向かって、専門家による政治色の無い調査を止むことなく呼びかけているのに、ファインスタインは、プーチンに一体なぜ沈黙して隠れているのか問うている。あなたがやったのは分かっていると、ファインスタインはほのめかし、だから、そもそも意図的にやったのか、それとも事故だったのか、言いなさいというわけだ。

欧米の報道機関のやり口全体、すっかり仕組まれていて、本当の情報が旅客機墜落が、アメリカ政府の工作を示唆するよりずっと前に、即座にロシアに罪をなすりつけた。もちろん良く訓練された売女マスコミが、ロシアに罪をなすりつけるのに、アメリカ政府による指揮は不要だという可能性もある。一方、事前に用意されなかったものにしては、余りに仕組まれた様に見える報道もある。

誤って民間旅客機を撃墜したことを話しあっている、ロシア人将軍とウクライナの分離主義者を映したとされるユーチューブ・ビデオが事前に準備されていた。私が先に指摘した通り、このビデオは二重にダメだ。事前に用意されていて、ロシア軍を巻き込んでいるが、ロシア軍が、民間旅客機と軍用機を識別できることを見過ごしている。ビデオの存在自体が、旅客機を撃墜して、ロシアのせいにする策謀があったことを暗示してしまう。

ロシアの対空ミサイル・システムは、安全装置として、航空機の種類を確認する為、飛行機のトランスポンダーとやりとりすることができるという報道を読んだ。もし報道が正しく、もしMH-17のトランスポンダーが発見されれば、応対を記録している可能性がある。

ウクライナの航空管制がMH-17の航路を変更し、紛争地域上空を飛行するよう指示したという報道も読んだ。トランスポンダーも、これが正しいかどうかを示すに違いない。もしそうであれば、これがキエフによる意図的な行為、アメリカ政府の承認を必要としたであろう行為である、明らかな、少なくとも状況証拠だ。

ウクライナ軍と、分離主義者を、どうやら最初に攻撃した、右翼ウクライナ過激派が立ち上げた非公式な民兵との間に意見の違いがあるという報道もある。ロシアのせいにし、非難を利用して、EUに、アメリカ政府の一方的な対ロシア経済制裁につきあうよう強いるため、アメリカ政府が、航空機破壊という策略で、過激派を利用したという可能性もある。アメリカ政府が、ロシアとヨーロッパの経済的・政治的絆機拡大を粉砕しようと躍起になっていることはもはや誰もが知っている。

旅客機を撃墜するという策略があったとすれば、警告兆候を出さぬようにすべく、ミサイル・システムのあらゆる安全装置は機能停止されていただろう。ウクライナ戦闘機は、旅客機を確認するため飛行させられた可能性もある。本当の標的は、プーチンの旅客機だったが、策謀実施段階での無能さのおかげで、民間航空機の破壊に至った可能性もある。

様々なあり得る説が存在するので、先入観を抱かずに、事実と証拠が揃うまでは、アメリカ政府プロパガンダに抵抗しよう。少なくとも、アメリカ政府は、証拠より先に、事故をロシアになすりつけるのに利用した罪を犯している。アメリカ政府がこれまで示したものは、全て言いがかりとほのめかしだけだ。アメリカ政府が示し続けるものがそれだけだとすれば、一体誰が悪いかわかろうというものだ。

とりあえず“狼がきた!”と叫んだ少年の話を思いだそう。彼は余り何度もウソをついたので、本当に狼が来た時、誰も彼を信じなかった。これがアメリカ政府の究極的運命だろうか?

イラク、アフガニスタン、リビア、ソマリアや、シリアに宣戦を布告するかわりに、一体なぜアメリカ政府はウソの陰に隠れるのだろう? もしアメリカ政府が、イラン、ロシアや中国と戦争をしたいのであれば、一体なぜ単純に宣戦布告しないのだろう? アメリカ憲法が、そもそも、戦争には議会による宣戦布告が必要だとしている理由は、行政府が、隠された思惑を推進する為、戦争を画策するのを防ぐ為だ。憲法上の責任を放棄して、アメリカ議会は、行政府の戦争犯罪に加担している。イスラエルの計画的なパレスチナ人殺害を承認することで、アメリカ政府は、イスラエルの戦争犯罪に加担している。

読者は自問して頂きたい。もしアメリカ合州国とイスラエルが存在しなかったなら、世界は、死者も破壊も強制退去させられる人々もより少なく、より多くの真実と正義がある、より安全な場所なのだろうかと?

二日後、また続編を書いた。
2014年7月23日
アメリカ諜報機関: ロシアがやったという証拠は皆無

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Order. が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/04/28/from-the-archive-mh-17-paul-craig-roberts/
----------
作業しながら、確認のため、電気洗脳箱の電源をいれていることが多い。馬鹿野郎と怒鳴ることも多い。

こういう洗脳装置を見ている限り、彼氏の言う『マトリックス』から脱出することは不可能だろうとつくづく思う。

些細な知らなくてもよいこと(たとえば野球賭博やら麻薬)は詳細に、しつこく報じるのに
重要な知らなくてはならない売国TPPの恐ろしさは一言も報じない。

大本営広報部以外の情報をお読みいただくしかない。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

【決定版TPP】 “貧困・格差・TPP” 「月刊日本」5月増刊号

【IWJブログ】「TPPに署名しないか批准しないことが、民主的に選ばれた議会の責務」!!国連人権理事会の専門家アルフレッド・デ・サヤス氏が国際法および国際規約違反を示唆して警告!!

【IWJブログ・特別寄稿】「いのちの市場化」にNO!~TPPと国家戦略特区は「新自由主義」を実現する双子である (アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長 内田聖子)

植草一秀の『知られざる真実』
安倍政権が全面推進する米国による日本収奪 2016年4月27日 (水)

TPPに関する、小生による多数の海外記事翻訳リストは下記。

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コメント

先週、ロシアのマスコミが一斉に報じたニュースで、英BBCがこの5月3日に「誰がMH17を撃墜したのか」という番組を放送し、その中で「マレーシア機はウクライナ空軍機により撃墜された」という説を現地取材に基づき唱える、ということで話題になっていました。

http://www.kp.ru/daily/26521.7/3537419/
http://www.bbc.co.uk/programmes/b0791ns4

ブラックボックスを公開せず、パイロットとウクライナ管制官の女の子(彼女は事件後失踪)との通信を公開せず、衛星写真をも公開せず、ひたすら「ロシアが悪い」と繰り返す西側の言い分に、ロシアの普通の人々は、歯ぎしりしている筈です。この事件が経済制裁の最大の理由になっていることもあり、少しでもロシアの正当性に有利な情報に飛び付こうとする様はこの間、可哀想なくらいでした。(ガセネタも掴んでいました)3日の放送がどうなるか見てみようと思います。

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