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2016年3月15日 (火)

スポーツの政治化

Paul Craig Roberts
2016年3月13日

世界最高の女性テニス選手の一人、マリア・シャラポワが、彼女が合法的な医師の処方のもとで、10年間服用していた薬が、突然遡及的に、禁止物質の“代謝調整剤”だと宣言されたおかげで、出場を停止された。

ミルドロネート、または、禁止された名称メルドニウムで知られている薬は、30年間、薬品として使用されている。その発明者はミドロネート禁止は“犯罪”であり、選手の死亡を招くだろうと述べた。薬が選手の能力を強化することは証明されていないが、心臓を過労から守ると彼は言う。

ミルドロネートは、心臓障害やマグネシウム欠乏症や糖尿病の治療に使われている。シャラポワは、マグネシウム欠乏症を病んでいる。家族歴に糖尿病があり、医師は、彼女が発症しつつある兆しを見ている。

薬は運動能力を向上させるよう作られたものではない。しかしながら、薬は選手の心臓が限界まで追い込まれた際に守る。薬のこの点が、世界アンチ・ドーピング機構に、薬が疲労回復を促進し、それにより運動能力を強化すると結論を出させたもののようだ。

薬の発明者、世界アンチ・ドーピング機構どちらが正しいのかと、私の論点は関係がない。広く使用されている合法物質を、選手の禁止リストに載せる場合には、最初に公開で議論すべきだと言いたいのだ。もし薬を禁止する決定が正当であることを示したいのであれば、糖尿病や、マグネシウム欠乏症などの健康上の理由、あるいは疲労で心臓がおかしくなることから守るため薬を服用している選手が、体から微量の痕跡を無くすための時間をとれるよう、十分に前もって行われるべきなのだ。

そういうことは行われなかった。薬は、1月1日、シャラポワは気がつかない名前のメルドニウムという名称で、禁止リストに追加された。たとえ彼女が薬が禁止されたことに気がついたとしても、1月1日から、1月のオーストラリア・オープンまででは、物質が抜けるための十分な時間がない。世界アンチ・ドーピング機構の決定は、シャラポワが、女性テニスにおけるトップにのぼりつめる上で、いつも受かっていたテストで、必ず不合格になるようなやり方でなされたのだ。世界アンチ・ドーピング機構の無能さを除けば、これは、シャラポワをオーストラリア・オープンや、それ以降のイベントから排除すべく、世界アンチ・ドーピング機構が賄賂を受け取ったという以外の解釈は困難だ。

事実という観点から、この事件を検討すると、世界アンチ・ドーピング機構が、メルドニウムの医療用利用を知らなかった、無能で無神経な阿呆連中の一団で構成されているのか、それとも、これが、ロシアとロシア選手に更なる疑惑を投じるための 巧妙に仕組まれた妙技だったのか不明だ。

多分、今我々が目にしているのは、能力の低いアメリカ人とヨーロッパ人が、高額の宣伝契約を横取りできるようにするため、有力なロシア選手を排除しようという取り組みだ。ナイキ、タグ・ホイヤーとポルシェは、シャラポワとの契約を中止した。そのような臆病なふるまいは、三社の品位にとってはマイナスだ。これらの企業が示した自社スターに対する忠誠心と支援の欠如は企業経営陣部の性格や製品品質に対する疑問をひき起こす。

記録が示す通り、シャラポワの薬使用は、成績ではなく、明らかに医療目的で、この理由で、おそらく彼女は、国際テニス連盟によって復帰が認められるだろう。http://sputniknews.com/sport/20160310/1036043011/sharapova-unintentional-doping.html
しかし、テニス連盟は、大半の他の組織と同様に、ワシントンの指示の下、アメリカ外交政策の手段として利用された可能性がある。

たとえ彼女が復帰しても、テニス連盟、世界アンチ・ドーピング機構、そして彼女のスボンサーは、彼女の心を乱すのに成功したのだ。2016年のブラジル・オリンピック・ゲームへのロシア選手出場を禁止しようとしている世界アンチ・ドーピング機構幹部のディック・パウンドは、シャラポワに付け込んで、彼の反ロシア・プロパガンダを推進して、彼女は“言いようもないほど見境がなく”“大きな過ち”のかどで有罪だと発言し、彼自身の品位の欠如を実証した。パウンドのいいかげんな主張には正当化する理由がなく、世界アンチ・ドーピング機構そのものの品位に関する疑問をひき起こすものだ。

選手の成績にとって、成績を上げる薬品より、選手の精神状態が重要だ。RTさえもが、シャラポワの立場を“大変なニュース”で、彼女が“薬物検査に引っかかった”と誤って報じていることにがっかりした。彼女はそのようなことはしていない! 医師の指導のもとで彼女が10年間服用してきた薬を、突然別名で含めることによって、彼女はおそらく、意図的にはめられたのだ。

シャラポワが復帰するまで、競合選手たちは、さほど手ごわくない対戦相手のおかげで恩恵を受ける。

ローマ後ヨーロッパの研究で、貨幣を鋳造できるほどの権力を得た様々な支配者連中が、自分自身ではなく、ローマ皇帝を貨幣に刻んだのを覚えている。この理由は、人々が貨幣をローマと結びつけており、ローマの画像に慣れていたためだと私は教えられた。自分たちの貨幣を受け入れ安くさせるため、つまらない王連中は、自分たちの貨幣をローマと重ね合わせたのだ。

多分、現在我々が目にしているのは、ロシアと中国が欧米支配を受け入れているということなのだ。アメリカ合州国とヨーロッパ、つまり欧米こそ、承認の太鼓判なのだ。ロシアと中国は、両国に自立する力があるにもかかわらず、この承認を望んでいる。欧米はロシアと中国が認めてもらいたがっているのを知っていて、欧米優位の証拠として、両国を認めるのを拒んでいるのだ。

過去15年間に、7つの国を破壊したのはロシアと中国ではない。ワシントンと、そのヨーロッパの傀儡連中だった。それが余りに酷いため、アメリカの手による死から逃れるべく、何百万人もの人々がヨーロッパへと逃れている人権侵害で非難されているのはワシントンではない。ヨーロッパの難民問題の原因と責められているのはロシアのISIS攻撃だ。人権侵害で非難されているのは、真犯人のワシントンとその傀儡でなく、ロシアと中国だ。

欧米は、不支持を武器として活用している。ワシントン、ソチ・オリンピックを認めなかった。プーチンがソチにいる間に、ワシントンは、ウクライナ政府を打倒し、ロシアにとっての問題を作り出した。プーチンが北京オリンピックに出席していた間に、ワシントンが、ジョージアの傀儡に、南オセチア攻撃と、ロシア平和維持部隊の殺害にゴーサインを出したのだ。プーチンは今年、ブラジル・オリンピックには決してでかけてはならない。ワシントンは、不在中に、プーチンを打倒しかねない。ワシントンが、プーチンを追い出したがっているのは確実で、欧米に承認される国になりたいというのが唯一の大望であるロシア国内の大西洋主義統合派も同様だ。ワシントンがヤヌコーヴィッチを打倒するやいなや、ワシントンの言いなりになるウクライナ傀儡政権を権力につけたと同様、ワシントンは、ロシアを乗っ取るための傀儡政権用に、大西洋主義統合派を用意している。

認めてもらえない国々ではなく、太鼓判を押された欧米が、文化的、道徳的、精神的、経済的に衰退しているのは皮肉なことだ。一体なぜ、アメリカ帝国的支配の欲望から自由なロシアや中国やインドや、他の国々が、世界のでも、腐敗し、不道徳で、衰えつつある、しかも欧米の利益のため諸国を略奪すべく、連中以外の世界でも生産的部分に覇権を拡張することに、経済的、政治的存在が頼りきっている国々と付き合いたがるのだろう?

一体なぜ、ロシアと中国は、欧米に認めてもらうことを気にするのだろう?

読者の皆様に
皆様のご支援に感謝申しあげる。多分、このサイトをお読みになりながら、まだご寄付頂けていない方の中にも、支援いただけるものと期待している。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Order. が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/03/13/politicizing-sports-paul-craig-roberts/

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英語原文では、寄付に関するお礼、依頼が先頭にある。というのは、翻訳していない前回記事は、四半期に一度の寄付要請もかねた記事だったためだ。

大本営広報部の洗脳記事・放送ですらお金をとられる。まして、個人がそうした大本営広報部の洗脳記事・放送に反対する活動をしておられるのをただで読んでいては罰があたる。そういう社会は持続しない。だろうと確信している。人さまの貴重な活動には、具体的なお礼が必要だ。

おかしな野球選手の覚醒剤、自業自得かどうか知らないが、わざわざ報道する意味はないだろうと毎回思う。聞きたくない。
TPPによる国家主権奉還の愚作をごまかす煙幕。
しかし、シャラポア事件は、気になっている。

大本営広報部電気洗脳箱、早速、ブラジル反政府デモを報道している。もちろん、背景については全く触れない。典型的虚報の見本。

こうした虚報を見るたびに「自分の頭の蠅を追え!」と思う。

電気洗脳箱が好きで見ているわけではない。見なければ良いのだが。某所でお会いした真面目な方が、「相手方の言い分を見ていないと反論できない」といわれたのが原因。
全てのチャンネル、全ての新聞虚報を見て反論をしている時間もお金もないですよ、と申しあげた。
以来、翻訳しながら、横目でバラエティ・ショーを見るようになった。あまりの下らなさにめげながら。

属国大本営広報部、自分の頭の蠅は追わない。局員も、出演するタレント学者・評論家芸人も。それは彼らの存在目的を越えてしまうのだ。属国体制強化こそが業務。

元大統領ルーラの逮捕と、ブラジル支配層の危機 という政府を猛烈に攻撃するwswsという集団の見解に良く似ているように思えた。多数のwsws記事、翻訳をしておいて、異論を言うのは奇異かもしれないが、あえて書いておこう。wsws社会主義を綱領とする政治団体のように見えるが、時折、まるで新自由主義政府とそっくりの主張をする人々と同類に思えることがある。日本の政治についての記事でも、本論はさておき、対策になると、趣旨は理解の範囲を越える。全く意味がわからなかった全共闘諸氏の演説を思い出す。

支持しない記事を翻訳するな!というご意見もあるだろう。しかし、支持できない英語の意見をたまにじっくり読むのも、頭の体操になるのではあるまいか?属国傀儡政治家のトンデモ発言を分析する気力はない。頭の体操というより、時間の無駄に思えて。

死闘中のルーラとBRICS という、ロシア・トゥディの、これはBRICS攻撃の一環だ、という見解を、大本営広報部は並記することはしない。それが大本営広報部の使命なのだ。

見たかったIWJの本山美彦氏インタビューをみそこなってしまった。そのうち見られるだろう。前回のインタビューは下記。

2016/02/08 岩上安身による『金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス』著者 本山美彦・京都大学名誉教授インタビュー(動画)

こうした活動、かすみを食べては継続できないだろう。無職の人間には自由になる収入がないのが残念。ビル・ゲーツ並に湯水のようにお金が使えれば、彼と違って、本当に有意義な用途に使えるのだが。

全く関係ないが、Windows10の切り替え強要のしつこさには辟易している。ポストに共産党関係のビラを投函した人?が裁判に訴えられ、罪に問われた記憶がある。

Windows10の切り替え強要とて同じことだろうにと不思議に思う。簡単に拒否できる選択肢を設けないのは一種強制で、犯罪だと、訴えてくださる方はおられないだろうか?

無料で、強制して配るものに良いものがあるはずなどありえまい。人類生れて以来の常識。下心なしにするわけがない。と、あの強欲ビル・ゲーツ氏の顔を思い出す。

MS-DOSがうまれた時の秘話をご存じの方であれば、彼氏やあの会社に深刻な疑問を抱くはずなのだ。各自ネットなり、本なりでお調べ願いたい。

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コメント

マリアシャラポワ選手には、意図的な薬の飲み方では、ないと思います。医学的にだと思います。ロシア選手で一番有名なアスリートを故意におとしめて、その影響を五輪での出場を無しにしたいと、もちろん他のロシアの選手も。
ファンにしてみれば、苦しいです。どうか、彼女が、元に戻れる事を祈ります。

・・卑劣な西側による、ロシアを貶める一環ですよね。シャラポワ選手が引っ掛かったのは、主に狭心症や心筋梗塞の治療などに使われているホルモンや代謝を調整する薬「メルドニウム」。 メルドニウムが禁止薬物に追加されたのは2016年1月1日。既に10年も服用していたシャラポワ選手は、今年、禁止薬物に追加されたことを知りませんでした。
http://cool-info.tokyo/meldonium-sharapova-1542
・・シャラポワ選手がこういった心臓病・糖尿病治療薬を服用していたのは、胎児の頃にチェルノブイリで被曝したからかも知れませんね。
●1986年に起きたチェルノブイリ原発事故。事故が起きた時、チェルノブイリの事故現場から130kmしか離れていない場所に住んでいたマリアさんの両親。事故の情報が知らされ始めたのは発生から3日が過ぎた頃からでした。その時、マリアさんのお母さんは妊娠4ヶ月だったそうです。お腹の赤ちゃんを気遣ったお父さんはチェルノブイリから3000km離れた西シベリアにあるニャガンへ移住を決意しました。家を捨て、仕事を捨てて着の身着のまま移住した家族は貧しい生活を余儀なくされました。
http://digihiro-today.blog.so-net.ne.jp/2013-06-11
・・糖尿病は被爆症状です。 家族歴に糖尿病があるのも、ご両親も被曝していたからでしょう。
●ストロンチウム90から出来るのが、イットリウム90だ。これは骨じゃなくて、すい臓に集中する。すい臓というのは、糖尿をおさえるホルモン、インスリンを分泌しているから、ここに異常が出ると糖尿病になる。
http://www.e22.com/atom/page08.htm
・・チェルノブイリでも糖尿病が多発したそうですが、原発事故後は日本でも多発しています。「糖尿病は贅沢病」だと放射能被曝を隠蔽する目的のミスリードのプロパガンダされていますが。。
●福島県須賀川市内の仮設住宅の小学生以下の子ども10のうち6人が糖尿病
http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/753.html
●福島県民の健康異常が顕著に!糖尿病や肝機能異常などが増加!順天堂大学の病院でも血液内科で患者が激増!
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4093.html
●放射能汚染と糖尿病の激増~相次ぐ「突然死」の裏で何が起こっているか
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/456.html
・・「はだしのゲン」の中沢啓治氏も、wikipediaによると、2001年頃から患っていた糖尿病による、左目の網膜症と右目の白内障で視力が低下したため執筆活動からは遠ざかって行った。とのことです。
・・ついでに、当時ソ連だったチェルノブイリ原発事故は、アメリカが仕組んだ直下型人工地震テロだったと思います。
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20120430/p1

そういえば、「ロシア陸上の組織ぐるみのドーピング」なんてのもありましたね。1,2か月前のことだったと思います。
あと、日本とイランが強いレスリングをオリンピックから外すというのも。

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