精神病質的なアメリカ支配層
2016年3月5日
Eric ZUESSE
Strategic Culture Foundation
アメリカに対し、何の脅威でもない国々を侵略しろと、アメリカに強く促しているのは、(ハドソン研究所やランド・コーポレーションのような)右翼シンクタンクのみならず、リベラルな(オープン・ソサエティー財団や、ブルッキングス研究所など)シンクタンクまでが、アメリカ支配層が打倒したがっている外国指導者を打倒するため、都市の焼夷弾爆撃やら民族浄化さえ要求している。
ここには、こうした“リベラルな”精神病質者の僅かな例をあげる余裕しかないが、これは典型例だ。
2002年、ブルッキングス研究所のケネス・ポラックは『脅威の嵐: イラク侵略賛成論』を刊行した。外交問題評議会は、それを、こう持ち上げた。
“ブッシュ政権が、サダム・フセイン政権に焦点を合わせた時に書かれた、この極めて影響力の大きな本は、アメリカのイラク侵略への有力な賛成論の概要を述べて、サダムの兵器と、サダムと主要テロ組織とのつながりが、はっきりしなかった戦争前の日々に、読者を引き戻す。ケネス・ポラック上級研究員は、サダムが核兵器を入手するのを防ぐためには、アメリカ合州国は、政権を打倒し、イラクの大量破壊兵器を根絶し、イラクを繁栄する安定した社会として再建する以外、ほとんど選択肢はないと主張している”。
書籍刊行時、CFRはそれに関するプレス・リリースを発表し、そこにこう書いてある。
“称賛を浴びた2002年3月のフォーリン・アフェアーズ記事‘次の停留所はバグダッド?’をもとに、ポラックはアメリカ合州国が選べる五つの選択肢をあげた。封じ込め強化、公式抑止政策への依存、秘密作戦実施、空軍力とイラク反政府派への依存、そして本格的侵略 - 始めの四つのいずれも、もはや現実的ではないと主張した。それゆえ、数十万人のアメリカ兵士が参戦する本格的侵略だけが、増大しつつある脅威に対処できる”。
ポラックは後に、自分を欺いたとして、ブッシュ政権を非難した。そして、(3月19日の侵略後)2003年5月には、サダム・フセインの核兵器計画とされるものを阻止するためのイラク侵略の緊急性を主張したこの彼の本は、“遥かに遠い脅威のみに関するものだ。そして、イラクの大量破壊兵器計画から、私が感じた本当の脅威は、イラクが最終的に、核兵器を開発する可能性だ”と言い繕った。インタビュアーが、ポラックが、それを根拠に即座の侵略を強く促した証拠が、どれほどあやふやだったのか質問すると、ポラックは答えた。“質問は私の専門領域を超えています。”
自分が思う疑惑を、まるで事実であるかのように語った、危険で根拠のない‘専門家’プレゼンテーションのかどで、彼は解雇されただろうか? いや彼はいまだにブルッキングスにおり、支配体制とその‘報道’機関から、アメリカの貪欲な支配層のための死を招くただの宣伝屋でなく、依然、あたかも立派な人物で、外交政策‘専門家’であるかのように扱われている。
2012年3月、ポラックは、あと二人の似たようなブルッキングス‘専門家’とともに“シリア救援: 政権転覆選択肢の評価”と題する16頁の“中東メモ”を書いた。
またしても、そこには“アメリカ合州国が選べる五つの選択肢”があった。しかも、またしても、最後のものは侵略で、それについて今回彼はこう書いている。
“アメリカが率いるシリア侵略を考える際には、少なくとも四つの'良いニュース'がある。第一に、イラクの場合と同様、当初、侵略は簡単そうなことだ。実際、シリア軍はイラク軍より小規模で、より弱体で、経験不足で、しかも既に国内の反政府派との戦争で身動きがとれないので、イラクの場合よりも多分容易だろう。第二に、アメリカ合州国は、イラクで犯した多くの失敗から学んだので、不可欠な戦後再建活動を、多分もっとうまくやれるだろう。しかも、イラクとアフガニスタンの後、アメリカ合州国は、再建という難題の対処に必要な技術をもった大部隊の要員を擁している。”
何と心温まることだろう! ブルッキングスのような団体を、最低レベルのエセ金箔くず組織以上のまともなものと思うほど十分阿呆な連中にとって、まるで心臓にナイフを突き刺されたような温かさだ。
アメリカが据えた政権に服従するのを拒否しているウクライナの旧ドンバス地域に対する民族浄化計画を強化して、オバマ大統領は、成功したウクライナ・クーデターを見届ける必要があると、ブルッキングス研究所‘専門家’チームが言った頃もあった。
そこで我々は、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団、そして、それとつながる、アメリカ政府やオランダ政府とともに、CIAクーデターの口実を提供した‘マイダン’デモ用主要TV局立ち上げに資金提供をした国際ルネサンス財団(略称“財団”)のような‘慈善団体’に思いを致すことになる。その局はグロマドスケTVと呼ばれたが、その‘専門家’の一人が、反逆しているドンバス地域の人々に対し、一体何をすべきかを語っていた内容が下記だ。
“ドンバスは、概して、単に非常に困窮した状態にあるだけの地域というわけではなく、非常に多くの問題がありますが、最大のものは、何の使い道もない人々で極端に人口過密なことです。私を信じてください。私は自分が何を話しているか良く分かっています。例えば、ドネツク州を見れば、約400万人住民がいて、そのうち少なくとも150万人は余分です。私はそれを言いたいのです。ドンバスを '理解' [しようと]する必要はありません。ウクライナの国益を理解する必要があるのです。ドンバスは資源として活用しなければなりません、そうなのですから”。
言い換えれば、現地住民を殺害し、土地と“資源”を確保するのだ。
この例は全く典型的というわけではないが、その背後にいて、アメリカとEUに、民族浄化の仕事を完了するため、更に200-500億ドル注ぎ込むよう強く促していた主要な民間資金援助者は他ならぬジョージ・ソロス自身だ。そして結局、彼も‘立派’だと見なされている。実際、彼はアメリカ民主党の主要な金づるの一人だ。
国内問題では、アメリカ支配層は団結とはほど遠いが、外交問題に関して、支配層は驚くほどの一致を示している。彼らは世界を征服したがっている。バラク・オバマ大統領はいつも言っている。“アメリカ合州国は一つの必要欠くべからざる国であり、そうあり続ける”。他の全ての国々は‘なくても困らない’。2008年と2012年の大統領選における共和党の相手、ジョン・マケインもミット・ロムニーも、これ以上に上手くは言えなかった。国際問題では彼ら全員同じご主人に仕えている。そして、‘専門家’と‘報道’機関が同じご主人様、つまり支配層に仕えているため、アメリカ国民は、この征服という狙いを許容している。CIAや‘国防省、国務省などは‘立派な’推奨すべき立場なのだ。結局の所、他の国々は‘なくても困らない’のだ。だから、そうした国々は、単に破壊するだけでなく、荒廃させられてもかまわないのだ。それこそが、そうした国々の存在理由ではあるまいか?“一つの必要欠くべからざる国”の役に立つために。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/05/america-psychopathic-establishment.html
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「親が親なら子も子」、宗主国の歌舞伎、いやミュージカル俳優に属国は習う。数十年すれば、日本語は使われなくなり、英語になる。Like father like son.
ゴミのような政治家が仲間から刺され、捜査される茶番。余りにひどい売国条約について、それを推進したオムスビのような御仁について捜査の報道を聞かない。
毎度お馴染みの、ちりがみ交換です。いや、毎度お馴染みの、重要話題を隠す攪乱作戦。
ゴミ政治家のゴミ事件は報じるが、国民の大多数にほぼ永久にトンデモない悪影響を及ぼすことが確実なTPPについては絶対に報道しないのが大本営広報部洗脳機関の職務。
呑気に、津軽のマグロ推進を報じる。再処理の話にも、原発設置の話題にも触れない。
あああ、津軽海峡核景色。
古い言葉そのまま。
ははのんきだねー。
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» ヒラリー・クリントンが胸を張る「経験」の一例 [木霊の宿る町]
ヒラリークリントンが胸を張る「経験」の一例
2016年3月7日(月)
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八年前のバラック・オバマとの闘いでもそうでしたが、今回の予備選、バーニー・サンダースに対してもヒラリー・クリントンは自分は経験が豊富であるから大統領にふさわしいのだというレトリックを使っています。
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それを鵜呑みにして、NHKニュースウォッチ9が「経験のクリントン」「異色のサンダース」と色分けするなどは単純に過ぎるというものですが、オノマは河野憲次さん個人の責任ときめつけた... [続きを読む]
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