トルコ警察、反政府派のザマン紙本社を接収し、抗議行動参加者に催涙ガスと放水銃を放つ
公開日時: 2016年3月4日 21:48
編集日時: 2016年3月5日 02:28
Russia Today
反政府的なザマン新聞本社前で抗議行動をしている群衆を追い払うため、トルコ警察は放水銃と催涙ガスを使用した。このメディア・グループを接収するという政府決定を受け、建物接収のため警官隊が入った。
機動隊が抗議行動参加者に襲いかかった際、群衆の一部がビル内に避難した。
新聞本社前の群衆をかき分けた後、警官はビル内に押し入った。
ザマン社員が書いたツィートによると、急襲部隊が押し入る際、新聞社の社員の一人をホールに押し倒し、警官の一人が“奴を階段に放り投げろ!”と叫んだという。
接収時、ビルから連れ出そうとする警官に押されたと、ザマン編集長のSevgi Akarcesmeは述べた。
“私がペリスコープで報道しているのに、警官が私の電話を無理やり奪いました。法の支配が回復したら、彼を訴えます。信じられません!”と彼女はツイートした。“理解できません! トルコの実に悲しい日です!”
日刊紙は、警察がビルの経営者の階に入り、編集者たちが事務所に入るのを阻止していたことを確認した。ソーシャル・メディア報道によれば、ジャーナリストたちは事務所から締め出され、警官に携帯電話を没収されたという。
報道の自由に対する政府弾圧と彼らが呼ぶものに激怒する反政府派抗議行動参加者と警官との間で、昼間対立した後、接収は、深夜直前に始まった。
政権を打倒しようとしていると政府が非難している、アメリカを本拠とするイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレンとつながっていると、この最大の反政府新聞社は国から非難されている。
新聞社が“フェトフッラー主義テロ組織/二重国家構造(FETO/PDY)”と彼らが呼ぶものから命令を受けているかどで告訴するイスタンブール検察庁の要請により、イスタンブール第6治安判事裁判所による裁定で、事実上の新聞検閲が認められたもの。
テロ集団とされるものが、トルコ政府を打倒する目的で、クルド労働者党(PKK)と協力していると検事は述べた。
いわゆる“テロリストの脅威”に対処すべく、裁判所は、フェザ・メディア・グループ企業の経営陣全員と編集チームを首にし、グループ経営陣を丸ごと、裁判所が任命した三人の役員と置き換えるという判決をだした。
裁判所の判決後、新聞編集チームは、英語版の姉妹紙トゥディズ・ザマンで、政府による接収は、報道の自由にとって“最も暗く、最も憂鬱だ”という声明を発表した。
更に読む: トルコの日刊紙ザマンを接収すると裁判所が裁定し、報道の自由侵害の懸念をひき起こしている
声明は“報道機関とジャーナリストは、脅しと強要で沈黙させられている”とも述べた。
裁定後、警官が本社ビルを接収する際、抗議行動参加者たちに催涙ガス弾を発砲する前に何百人もの人々が、この動きに抗議し、イスタンブールの新聞社前に集まった。
トルコは‘健全な民主的価値観に沿って’いない - アメリカ国務省
アムネスティー・インターナショナル、反政府派マスコミを沈黙させる動きを非難。
“批判的な発言を制限しようとする攻撃で、エルドアン大統領政権は、人権を強引に押しつぶしている”アムネスティー・インターナショナル・トルコのアンドリュー・ガードナーは述べた。
NATO加盟国と、地域におけるアメリカ同盟国としてのトルコの重要性を再確認しながらも、ワシントンすら、トルコ政府の最近の動きは“民主主義”の精神と完全には一致しないことを認めざるを得なかった。
“これはマスコミや他の政府に批判的なものを標的にした、トルコ政府による一連の問題な司法・法的措置行動の最新のものだと我々は見ている…トルコ政府に、適正手続きと、法の下での平等な扱いをしっかり尊重するよう我々は呼びかける。裁判所の命令によるマスコミ企業の資金調達や運営に対する監督で、ニュース編集室や編集方針に変更をひき起こすべきではない”準備された声明を読み、マーク・トーナー国務省報道官は述べた。
“この種の行動が健全な民主的価値観に沿うものと我々は思わない”トーナーは、RTのガヤーネ・チチャキャンに述べた。“トルコの友人、そしてNATO同盟国として - 我々はトルコの友人だと思っており、確かにNATO同盟だが - トルコ当局には、トルコ憲法が奉じる普遍的な民主的価値観を、行動上しっかり守るよう強く要請する。”
記事原文のurl:https://www.rt.com/news/334594-turkey-zaman-takeover-teargas/
こちらには上手く貼り込めないが、原文では様々な動画、静止画が見られる。
----------
東と西の傀儡横綱政権でも、マスコミ支配の狡猾さと、完成度、月とスッポン。
エルドアン大統領来日時、マスコミ懐柔政策も、会談の重要議題だったのでは、と想像してしまう事件。 「我々のように、真綿でじっくり首を絞めなさい」と助言したのだろうか?
今も、現場では抗議行動が続いているようだ。
この国の大本営広報部・電気洗脳箱、この事件を報じるだろうか。そもそも、昨年秋、トルコのテレビ局で同じようなことが起きているが、大本営報道で見聞きした記憶ほとんどない。どうして報じないのだろう。素人は、総務大臣の恫喝で、この事件を思い出したのだが。
この国の「報道機関」、既に完璧な「洗脳機関」と化しているがゆえに、電波停止されずに済んでおり、新聞・雑誌も発行停止されずに済んでいるだけではと疑心暗鬼になる。
辺野古基地建設に関する裁判の結果、このトルコ裁判所裁定と同じ結果になるだろうこと、首相の断言や、宗主国国務省報道官の「落ち着いた」態度を見れば、容易に想像できそうに思う。こういう考え、年寄りの妄想で、全く見当違いであることを切に願う。
« エコノミック・ヒットマン新版から 「退職者ができる6つのこと」 | トップページ | 殺人はワシントンの外交政策 »
「アメリカ」カテゴリの記事
「マスコミ」カテゴリの記事
- USAID停止のおかげで悪意ある対外的影響力が露呈(2025.02.01)
- 破綻国家アメリカ。ジョー・バイデンによる言論の自由の完全破壊(2025.01.25)
- ウクライナで起きていることに関する欧米主流議論の消滅(2025.01.11)
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
- なぜワシントン・ポストは存在しないトランプ・プーチン電話会話を報道するのか?(2024.11.18)
「NATO」カテゴリの記事
- またしてもイスラエルに関し間違った考えのジャーナリストが欧米で逮捕された(2025.02.03)
「トルコ」カテゴリの記事
- シリアにおける帝国の傲慢さ(とその結果)(2025.01.05)
- 地域における新たな緊張の高まりの前兆を示すトルコのシリア冒険譚(2025.01.07)
- シリア:全てが、金、金、金の問題(2024.12.18)
- イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張(2024.12.17)
- シリア崩壊(2024.12.11)
コメント
« エコノミック・ヒットマン新版から 「退職者ができる6つのこと」 | トップページ | 殺人はワシントンの外交政策 »
難民危機を演出してEUを「脅迫」するエルドアン大統領と、それを批判する「ザマン」紙。エルドアン大統領を支持する安倍首相と、問題自体をスルーする日本メディア。大手メディアを信じるのをやめ、「IWJ」、「マスコミに載らない海外記事」、「桜井ジャーナル」、、、、などに接すれば、「目から鱗」が少しでも取れて世の中がスッキリ見えるのですが、、、(ヨイショでも回し者でもございません。色々試行錯誤した末の結論です。)霧、雲、霞、靄、、、日本人は「アメカンムリ」を好むにだろうか? ミラーハウスの「ゆがんだ鏡」を好むのだろうか?
投稿: コメット | 2016年3月 6日 (日) 11時03分