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2016年3月 1日 (火)

オバマの外交政策、経済的・軍事的判断に対するつじつまのあった説明

Eric Zuesse
Global Research
2016年2月28日

外交政策には経済的なものと軍事的なものがある。今日に至るまでの経済的、軍事的判断を説明する、バラク・オバマ大統領の外交政策の解釈を下記に示すが、これは彼が前任者たちの政策を実行していることを示している。

経済問題では、彼はあらゆるアメリカ大統領の中で、最も野心的な‘自由貿易主義者’となった。彼は、国民を犠牲にして、アメリカ支配層に仕えるため(労働者の賃金という意味では国際的“ 底辺への競争”で、株主の利益と幹部の給与という意味では頂点を目指す競争だ) (強化したNAFTAのようなものだ)のみならず、対ロシアNATO軍事同盟を拡張するために、今やこれら貿易条約を、対ロシアの随伴経済同盟(ロシアの最大市場、ヨーロッパとのロシア貿易を減少させるため)として盛り込むべく、三つの巨大な国際貿易協定、北大西洋諸国に対しては二つ(製品に対してはTTIP、サービスに対してはTISA)、そして太平洋諸国(TPP)に対しては一つを提案している。

TTIPとTISAは、北大西洋条約、NATOを軍事分野から経済分野へと、直接拡張する経済条約なので、北大西洋諸国とのオバマの経済構想は、太平洋諸国との経済構想より徹底的だ。TTIPとTISAにより、オバマは、本質的に、軍事同盟を補完する、事実上NATOと同じ顔ぶれの、NATO経済同盟を推進しているのだ。ロシアではなく、中国孤立化を狙う条約で、ロシアは中国征服が本気で考えられるようになる前に(オバマは中国に対する軍事的対立も強めているが、誰か将来のアメリカ大統領の時代に)征服されることになっているので、TPPの重要性はやや低い。

NATOは、1949年に、名目上、対ソ連反共産主義相互防衛条約、北大西洋条約として形成された。ところが、ソ連と、共産主義と、この共産主義諸国によるNATO 相互防衛条約の等価物であるワルシャワ条約の全てが、1991に解体したが、NATOは、今ではもっぱら反ロシア軍事同盟としてそのまま継続している。1990年、アメリカ大統領ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュの代理人連中が、ソ連のミハイル・ゴルバチョフに、NATO はロシアに向かって東方に拡張するつもりはない、ロシアが1962年にキューバ・ミサイル危機で、ニキータ・フルシチョフがアメリカにしようとしたことを(核ミサイルのすぐ隣への配備)しようとするつもりはないと言い、ゴルバチョフは、これらの保証を受け入れ、それを基にソ連とワルシャワ条約を解体したが、GHWブッシュは実際はそこでウソをつき、NATOは継続したのみならず、ロシアの国境すぐそばまで拡張した - まさにGHWB政権が、アメリカは決してしないと約束したことそのものだ。

ビル・クリントン大統領は、ゴルバチョフに対するブッシュの口約束に真っ向から違反して、このGHWBのロシア征服政策を徐々に継続し、NATOにチェコ共和国、ハンガリーやポーランドを引き入れた。ところが、ブッシュは実際は、この違反を意図していたのだ。ブッシュは、ドイツのヘルムート・コールにも、フランスのフランソワ・ミッテランにも、ゴルバチョフにした約束は単なるウソで、その履行については、“あんなものが何だ - 勝ったのは我々だ、彼らは負けたのだ!”クリントンと彼の後継者連中は、ブッシュのウソに徹底的に従ったに過ぎない。ブッシュの息子ジョージは、2004年、NATOに、ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキアとスロベニアを引き入れた。

そこで、この対ロシア攻撃と脅威を激化し、もはや単なる冷たい戦争ではなく、今や熱い戦争にした、オバマの大統領としての仕事を考えざるをえない。この戦争の血なまぐさい戦場は、これまでの所、ロシアと同盟関係にある国々、リビア、シリアとウクライナだ。ところが対ロシア冷戦は、まずウクライナで熱くなった。オバマは、そこで、ウラジーミル・プーチンの「越えてはならない一線」を超えたのだ。

ロシア指導者プーチンは、以前から、彼が設定する「越えてはならない一線」として、アメリカは、あらゆるヨーロッパ諸国中、最長の1,576キロというロシアとの国境を有するウクライナまでNATOを拡張してはならないとしていた。もしアメリカが、隣国から、対ロシア電撃戦をしかけようとする場合には、ウクライナこそ、それをしかける最も危険な国であり、ウクライナのNATO加盟が、そうした成功の鍵となる。

2014年2月、オバマは、ロシアに友好的で、民主的に選ばれたウクライナ大統領を打倒するクーデターを画策し、猛烈に反ロシアのアルセニー・ヤツェニュクが率いる政権に置き換えた。ヤツェニュクを抜てきしたオバマの工作員ビクトリア・ヌーランドは、クーデターの準備過程で、こう述べた。“ [ソ連解体] 1991年以来。ウクライナ”が“民主的能力や組織を構築”するのを支援するため我々は50億ドル以上投資した(ウクライナには既にそういうものはあったが、それをオバマは、彼女によって現在解体しつつある)。彼女が“1991年”と言った際に、それによって、彼女はGHWBが実際、ウクライナ打倒を開始していたことを認めたのだ。これは余りにも残虐なウクライナ・クーデターで、プーチンは、もしウクライナがNATOに加えられるようなことがあれば、到底受け入れがたいと常に述べていたのだが、それが既に起きつつある。

即座に核兵器競争が再開された。これは、ロッキード・マーチンのようなアメリカ‘国防’業者にとっては非常に結構なことだったが、彼らだけ恩恵を受けたわけではない。“1991年”について彼女が話した演壇のヌーランドのすぐ背後に(このビデオをご覧願いたい) “シェブロン”の社章があった。シェブロンは、オバマが打倒した人物に最も強力な反対投票をしていたウクライナの地域、西ウクライナで、石油とガスを探査する権利を購入したアメリカの石油・ガス会社だ。(シェブロンは、かくして最も安全なガスの権利を購入した。現地の人々は、アメリカ企業がそこで探鉱してくれるのを喜んでいる。) 結果として、アメリカのジョー・バイデン副大統領の息子が、東ウクライナのウクライナ最大ガス採掘企業のウクライナ人所有者により、重役会メンバーに任命された。(この地域はアメリカ合州国に対して非常に敵対的で、政権打倒を激怒しており、現地住民は同社の水圧破砕反対デモを行い、同社を閉鎖させたがっていた。) アメリカ副大統領は、自分の息子がアメリカによるウクライナ・クーデターで億万長者になるかも知れないことに反対はしなかった -これは、オバマ政権と、この政権がそのために尽くしている支配層にとって許容できるものと見なされた(大半のアメリカ国民は、今や活況のウクライナ-アメリカ汚職については、全く何も知らされていない)。

民主的に選ばれたウクライナ大統領の打倒(ソ連後のウクライナ指導者全員そうであったと同様に彼も賄賂で身を持ち崩しているが)は、ウクライナを乗っ取るのみならず、ロシアを更に孤立化させるためのオバマの取り組みであり、事実上、全ての旧ワルシャワ条約加盟国が今やしっかり反ロシアNATO陣営に組み込まれている。

ところがオバマは、シリアの干ばつがひき起こした、2008年の食糧支援要求に、彼の政権が、食糧ではなく、このロシア同盟国も打倒する計画で答えて以来、2009年、最初に大統領になってから終始(もはやソ連と共産主義に対してでなく)(現在の)ロシアに対し再開した戦争に備えてきた。そして更に、オバマは、1953年のイランで自由かつ民主的に選ばれた進歩的な大統領モハンマド・モサデクの打倒成功させた(彼を残虐なシャーで置き換えた)黒幕によって作られた1957年からの古いCIA計画の埃をはいて持ち出した。しかも、このシリア向けの1957年計画では、シリアを支配する非宗教的なバース党は、サウジアラビアと同盟するスンナ派原理主義者に置き換えられるべきことになっていた - ところが、この計画は適切な時期がくるまで、棚上げにされていたのだが、広く蔓延した‘アラブの春’デモがシリアの干ばつに油を注いで、とうとうその時が、オバマ政権時代に到来したのだ。

この1957年の計画そのものが長年のCIA計画の一部だ

こうしたサウジアラビアが支援する聖戦士による最近の外国人シリア侵略に、プーチン対応して、2015年9月30日に、何万人もの外国人侵略者連中に対し、ロシアが本格的爆撃作戦を開始した後、サウジアラビアと、原理主義スンナ派同盟者トルコは、アサド政権と、今や本気で関与しているロシアの同盟者に対するシリアへの本格的侵略に、アメリカ合州国を直接引き込もうとした。

これに対し、アサドとロシアの両方を打ち破り、アサドの他の二つの同盟、イランと、レバノンのヒズボラも打ち破るための本格的‘欧米のシリア侵略に対するオバマの支持を得るべく、サウド王家はスンナ派原理主義の同盟者で、NATO加盟国トルコと手を組んだ。

オバマ大統領は、そこで、中東に唯一残っている非宗教的政権であるシリアのバース党政権を打倒し、置き換えるのを、原理主義者-スンナ派だけの侵略ではないものとすべく、少なくともどこか一国がアメリカに協力するよう様々なヨーロッパのNATO加盟諸国の指導者連中に声をかけた。これまでの所、オバマはまだ一国も見つけられずにいる。唯一の非イスラム教徒の侵略者として、スンナ派イスラム教諸国に加わるのは彼の気が進まないように見える。ところが、オバマの国務長官ジョン・ケリーは、もし他に選択肢がなければ、ヨーロッパの参加無しに、1957年のCIA計画を完成すると脅している。しかも支配層の外交問題評議会が最近、“シリアとイラクにおける分割し統治; 一体なぜ欧米は分割を計画すべきなのか”という見出し記事を載せた。この‘分割’つまり、シリア分割は、1957年のCIA計画だ。ところが、この脅威は、単なるケリーのはったりである可能性が高いように見える。結局、ケリー自身も言っている“皆さんは私に何をして欲しいと思っているのですか? ロシアと戦争するのでしょうか? 皆さんはそれをお望みでしょうか?”彼はそれを望んではいない。そして、それを望んではいないと彼が言った際、はったりをかけてはいなかった。そして、オバマは、アメリカとNATOは、それを開始するためのあらゆる道具が揃うまで、少なくとも更に数年必要であることを理解しているように見える。

ウクライナについては、オバマはあきらめたように見える。ウクライナは腐敗するまま放置され、おそらく政権が次から次へと交代する、混乱の螺旋となる。破綻国家だ。

オバマの外交政策の結果は、これまでの所、ロシアと同盟する国々を破綻国家に変えることだ。彼の後継者が、アメリカ大統領として、それに満足するのか(結局の所、ロシアを傷つけてはいる)、あるいは‘成功のために全力を尽くして’(オバマは、これまでの所、やろうとして成功していないので)ロシアを征服するための積極的冒険を再開するかは、オバマが彼の‘貿易’協定を成立させ、実施させられるかどうかにかかっている。なぜなら、もしこの取り組みが失敗すれば、新大統領は、それに対し、戦争で生き残るのが誰であれ(ロッキード・マーチンのような企業の主要株主さえ)生き残りとはならないよう祈るほど、ロシアは十分備えている可能性が高い、絶望的核侵略のようなものには至らないような、1990年にブッシュがロシアに対して始めた戦争で勝てる、何らかの方法を見出すよう強いられる。

結局そうなったら、お金にいったいどのような価値があるだろう? 自殺するための銃と銃弾を買うには十分かも知れない。大企業CEO連中にとってさえ、ゴルフのお楽しみは過去のものとなり、残されるのは陰鬱な日々のみだ。だが、そうなって初めて、生き残った人々、あるいは、少なくとも、銃や銃弾を持たない人々、あるいは何らかの結果で生き残った人々にとって、GHWB、クリントン、GWB、そしてオバマら、アメリカ大統領の本当の評価が明らかになる。パレスチナ人や、アウシュビッツの犠牲者や、ISISの犠牲者などの人々が、いまわの際に得た「真実の認識」のようなものだ。しかし、ここでそういう事を起こしている、ごく僅かの支配層に対してすらそれは起きる。これは“雰囲気の一新”ではあるまいか? あらゆることが言われ、行われた後、それを楽しむ人間は皆無となるのだろうか? だがいずれにせよ、それはチェンジではあるだろうし、皮肉でもあるだろう。ところが、この皮肉を楽しむ人っ子一人いないわけだ。

オバマは、共和党・民主党超党派外交政策を遂行している。それはアメリカ支配層の政策だ。その結果は、世界にとって実に恐ろしいものだが、もしそれが成功すれば一層ひどいものになる。民主主義がなくなってしまうだけでなく(代わりに多国籍企業による世界政府ができ)、もしこれがすっかり成功すれば、遍在する困窮と大量死以外、ほとんど何も存在しなくなるだろう。これは疑いなく極端に野心的な外交政策だ。これまでの所、これは、サウド王家の外交政策と完全に一致しているように見える。だが、これも変わろうとしているのかも知れない。多分、オバマとアメリカ合州国は、サウド王家との同盟を止め、彼らと別れるだろう。だが、ヨーロッパはNATOを離脱するだろうか? もしそうでなければ、たとえサウド王家のアメリカとの同盟が終わろうとも、反ロシア政策は継続するだろう。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/a-coherent-explanation-of-obamas-foreign-policy-economic-and-military-decisions/5510741

本記事の初出はGlobal Research
Copyright  Eric Zuesse、Global Research、2016

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国会中継、ごく一部だけ見た。ごもっとも。

衆院定数削減に根拠なし
塩川議員追及 小選挙区制は廃止を


わざわざボロ負けする選挙を推進して大政奉還した民主党氏と、お仲間の与党党首が進んで、身を切るはずがない。しつこい野党の身を切るのが本音。もろちん、大本営広報部電気洗脳箱も紙媒体もほとんど報じない。

大本営広報部電気洗脳箱の番組で、楽しみにしていた数少ないキャスター三人一度に降板させられるのをいまいましく思っていたが、代わってトンデモ外人タレントが、まめに登場している。

彼の顔を見た瞬間、あわてて切っている。宗主国洗脳役者につきあう暇はない。こうした露骨な洗脳ならいくらでもし放題。決して電波停止などと恫喝されない。

まともな発言をする岸井氏はゆるされず、岸井氏追放に一役買ったトンデモ人物なら出演が許される。

もうむき出しの大本営広報部電気洗脳箱。

この話題と通底するニュースを読んだ。

安倍政権を「支持する」広島平和研究所

「広島戦争研究所」ができたということだろう。

「国歌」を歌わない大学を恥ずかしいという右翼マッチョこそ恥ずかしい。

壊れているのは政界、学界だけではない。

報道陣をを集めた脱出訓練が本当の脱出になってしまった北海道新幹線。

報道陣を集めた再稼働が、緊急停止の実況報道になってしまった高浜原発。

儲け優先の新自由主義属国、壊れ方は底無し。

珍しくTPPの利点らしきものを紹介する記事を読んだ。東南アジアのどこかの国に、コンビニがオデンを輸出しやすくなるというような話題だった。大本営広報部がしっかり機能していることがわかるという意味でとても良い、感心する記事だった。

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 再稼働準備中に一次冷却水が漏れたのもなんのその、再稼働を強行して顰蹙を買った高 [続きを読む]

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