シリア国内のサウジアラビア聖戦士用野戦病院に、NATO企業が備品供給
Eric ZUESSE
2016年3月18日
これは、欧米がスポンサーの世論調査で、圧倒的に、アサド政権支持で、反アメリカ政府であることが常に示されている、シリア国民のシリアにおける戦争に対する見方を確実に反映する観点から、シリア戦争を長く報道している情報源だ。
その結果、この情報源は、欧米‘報道’機関から排除されている。しかしながら、この情報源の多くの報道を確認したところ、少数の明らかな、意図的ではない些細で素朴な間違いを除けば、この情報は信頼できるが、欧米の情報源は、著しく不正確ことがわかった。そこで、以下が、この人物による報道の要約だ。
(将来、シリア大統領になることを目指していると言っているが、それは彼女の支持者が多数いる、中東唯一の圧倒的な非宗教国家、シリアでしかおこり得ない)ミミ・アル-ラハム、別名“シリアン・ガール”による、シリア戦争に関する、著名な広く読まれているニュース・サイトは、浅い墓の中の殺されたばかりの聖戦戦士の遺体と、彼のサウジアラビア・パスポートを写したビデオを載せている。近くに、聖戦士用のテロリスト野戦病院も写っている(多分、医師が救い損ねて、埋葬されたのだろう)。その野戦病院には(ビデオの0:45で)“Foliodress cap”と表示があるいくつかの梱包があるが、これは手術帽で、そこに印刷されている商標は“ハートマン”で、ラハム女史は、テキサス州のハートマン・ナショナル・ジプサム社と混同しているが、実際は、ドイツのヘイデンハイムを本拠とする、別の“ハートマン”で、この手術用備品は、インドのハートマン製だ。
聖戦士に資金提供しているサウジアラビア人連中が、これらの手術帽を購入した可能性がある。ところが、サウド王家(世界最大の石油会社アラムも含め、サウジアラビア唯一の所有者)は、アメリカ合州国と、ドイツも同盟国であるNATO諸国とも緊密に連携しており、彼ら全員が、ロシアと連携している、シリア現政権打倒を支持している。これは、ヨーロッパ諸国が長年、世界有数の石油とガス輸出国ロシアから購入している大量の石油とガスを、サウジアラビアとカタールからヨーロッパ向けに供給するため、アメリカとNATOが、シリア経由で石油とガス・パイプラインを建設したがっているためだ。
アメリカ政府にとって、シリアの重要性は、アメリカ製兵器の最大の購入国であり、石油とガス市場における主要競合相手が、アメリカ政府第1番の敵、ロシアである、アメリカと同盟する、聖戦主義のアラブ石油君主国が生産する石油とガスを、ヨーロッパに、最も安い経費で供給する極めて重要なパイプライン経路。銃と石油の問題なのだ。アラブの君主連中は石油を輸出して得る金でアメリカ兵器を購入している。カタールは、ガスを供給することになるだろうが、サウジアラビアを所有しているサウド家同様、カタールを所有しているサーニー家は、アメリカ政府を支配している人々の親密な同盟者だ。そして、サウド家もサーニー家も、断固として非宗教主義の“不信心者”バッシャール・アル・アサドの政権を破壊し、置き換えるべくシリアにやってくる何万人もの聖戦士に資金提供している。彼は(彼のバース党同様)常に、教会と国家の分離を支持してきた。だから、例えば、アメリカ政府が、これら原理主義スンナ派アラブ石油・ガス君主諸国の敵であるシーア派イランを、9/11攻撃の背後にいたとして非難しているのだ。
別のNATO加盟国が関与している。ビデオの0:53で、英語で、“人道支援 … 非売品”、と“トルコ国民から[つまり、トルコ大統領タイイップ・エルドアン]からシリア国民[つまり、シリア政権を打倒し、置き換えようとしている外人聖戦士]に”という表示の袋を提供しているトルコだ。
ビデオには通信機器も写っており、(1:00には)ラハムが“爆発物を製造するのに使用される”と説明している装置もある。彼女は“使用された部品は、サウジアラビアからのものだ”と述べ(示し)ている。包装にはサウジアラビアの紋章が印刷されている。彼女はこうしたサウジアラビアからの供給物資と地雷から“ここで製造された大量のTNT爆薬”だと述べ(爆発物を示す)。“東部戦線のアブ・アクメド司令官とのインタビューでは、武装集団には、旧式の迫撃砲と、ただの猟銃しかなかったが、現時点では、彼らは、1990年代中期に[当時]統一していたユーゴスラビアから、サウジアラビア政府が購入した高品質のAKライフルを所有したいると述べた。ホムスへの最新の経路を示すGPSナビゲーターも見つかり、… 最近捕獲した無人機と、その記録もある。その記録は専門家チームによって解析され、専門家たちは[ISIS聖戦士がシリアから盗んだ石油の]石油タンク・ローリーが国境を越え、トルコに、そして更に、ヨーロッパ市場”へと向かうのを支援するためのものだと判断した。“サウジアラビアとトルコ製の新品の制服”もあり、“これらの人道支援小包が、結局はISISの手に渡ることを示している”。
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昨日の「オールジャパン平和と共生~安倍政治を許さない!参院選総決起集会」、都合で欠席した。
記者会見にあらわれたのがIWJだけだったというのが、この国の大本営広報部の堕落度合いを忠実に反映している。集会そのものについても、紙媒体も電気洗脳箱も全く報じない。
覚醒剤使用者の元野球選手やら、経歴詐称タレントのことばかり報じる。あとはトンネル事故。重要な主題は避け、些細なニュースしか報じない。詐称マスコミ。
日刊IWJガイドの一部を転記させていただこう。
昨日、夕方の6時半から、「オールジャパン平和と共生~安倍政治を許さない!参院選総決起集会」が開かれ、IWJが中継しました。第1部では、野党共闘の党首クラスが集まり、小沢一郎氏が出席。第2部では、鳩山由紀夫元内閣総理大臣や孫崎享氏や落合恵子さん、山田正彦元農水大臣ら豪華メンバーが具体的な政治テーマについてスピーチ。岩上さんもスピーカーの一人として登壇しました。
それに先立ち、午後3時から記者会見が開かれ、IWJの青木浩文記者が中継しましたが、会見場へ取材に訪れたメディアは、なんとIWJだけでした(絶句・・・)。
※オールジャパン平和と共生「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」に関する記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/292506
夕方からの集会が始まる前、この報告を受けた岩上さんは「史上初、独占単独会見!? 冷淡なのは記者クラブメディアだけではない。独立メディア、フリーも、市民メディアも含め、冷淡すぎる」と呆れた様子で、「IWJがいなかったら、報じるメディアはゼロ、という危機が今後、ますます増えていくだろう。今もそうなっているけど、もっとひどくなるだろう」と危機感を募らせていました。他方、集会の会場となった文京シビックホールの大ホールは大入りの超満員でした。記者会見の寒々しさと集会につめかけた市民の熱気のこのあまりの落差には、言葉を失います。
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