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2016年2月20日 (土)

サウジアラビア王族を、アメリカの友人として受け入れているアメリカ人

Eric ZUESSE
2016年2月15日 | 14:00
Strategic Culture Foundation

2月3日、ロイターの“大論争:アメリカ合州国は、サウジアラビアをお払い箱にする頃合いか?”という大見出し記事で、ジョシ・コーエンはこう主張している。“アメリカ合州国にとって、サウジアラビアとの親密な関係を問うべき倫理的問題は明らかだ。サウジアラビアは、反対意見は許容しない独裁的な君主、サウド王家に支配されている、民主主義監視団体フリーダム・ハウスの政治と公民権に関する年次調査では、常に最悪中最悪に位置する国だ”。

恐らく記事より興味深いのは、Redditでの、これに対する80以上の読者コメントで、“大体、地域大国と仲良くしていることの方が、シリアやイスラム・テロという戦略上の懸念よりも重要なのだ”という意見が、一番うまい要約だ。

redditの支配的枠組みは「理想主義-対-現実主義」だ。“連中はろくでなしかも知れないが、連中は身内のろくでなしだ”という格言がこれを表現している。

ところが、アメリカ政府が我々の敵だと宣言しているアラブの指導者は、シリアのバッシャール・アル・アサドであり、その多くが実際、アメリカの‘同盟国’サウジアラビアとトルコによって支援されているISISや他の聖戦戦士集団と戦っているアサドの軍隊を、オバマ政権は長いこと爆撃してきた。

アメリカは、聖戦士に資金提供しているサウジアラビア政権に武器を売りながら、一体なぜアサドを排除するため、シリアに侵略するのだろうか?

Redditの読者は、アメリカの外交政策に関する、このような現実的で、極めて重要な疑問ではなく、理想主義対現実主義といった類のバンパー・ステッカー‘問題’しか考えない。こうした哲学的範疇は、実際の問題を理解するのを助けるためではなく、人々を騙すために存在している。

アメリカにおけるファシズムの完璧な処方箋 犯罪的政府、堕落したマスコミ、昏睡状態の国民

ここで、実際の問題は、イラクのサダム・フセインや、リビアのムアマル・カダフィや、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ、そしてシリアのバッシャール・アル・アサドなど、ロシアと連携する国家指導者を打倒したり、殺害したりするアメリカ政府の取り組みだ。この“政権転覆”攻勢は“理想主義”とは無関係だ。これは単に、ジョージ・W・ブッシュと、バラク・オバマ政権のウソに過ぎない。“現実主義”とも無関係だ。そうではなく、これは支配層間の世界的な戦争に関係している。アメリカ支配層はロシア支配層を支配するか、征服するかしようとしており、アメリカが連携するヨーロッパや、アラブ産油諸王国や、トルコの支配層は、シリア政権の転覆を支持しており、ロシアが連携するイランや中国の支配層は支持していない。

問題の立て方をごまかすことにより、アメリカのプロパガンダ・マスコミ(このマスコミは、報道機関を自称している)国民を欺き(Redditの評論家連中のように)ロシアが、自らの大統領を選出する、シリア国民による民主的判断を主張し、アメリカは、ひたすら現在の大統領を打倒し、彼をアメリカ政府が許容できる誰かで置き換えることを主張しているのに、アメリカ政府は‘正しい’側、あるいは‘理想的’ですらあって、ロシア政府は‘間違った側’、あるいは多分‘現実主義’だと考えるようにさせるのだ。

アメリカのジョン・ケリー国務長官は後に、軍事的打倒ではなく、民主主義を支持するようにという、アメリカに対する国際的圧力に屈服した。しかしサウド王はその案を支持することを拒否し、打倒を主張し続けている。そして、1月25日、ケリーはあらゆるシリア選挙の前提条件として、政権打倒というサウド王家の主張を支持した。シリアにおける、いかなる選挙の前に、‘和平交渉’によって‘暫定’政府を押しつける案を支持して、今やケリーはサウド王家と連帯している。

ところが、サウド王は、反アサド側は、サウド王自身(実際には、本当にサウジアラビアを支配している彼の息子、サルマン・アル-サウド王子)が選んだ二人のスンナ派聖戦士によって率いられるべきだと主張した。アサド政府とロシアは、その要求を拒否した。双方が、これについて、何らかの合意に至ると想定されている“和平交渉”という考えかたは、2月25日まで中ぶらりんの状態で、まとまることは極めてありそうもない。

基本的に、“和平交渉”という考えは終わりで、シリアは、現在の非宗派的ながら、シーア派が率いる世俗的なアサド政府の代わりに、過激派スンナ派聖戦主義政府を押しつけたがっているアメリカ-サウド王家-トルコ-カタール-UAE同盟によって侵略され続け、シリアは、シリア軍とロシアとイランによって守られ続けている。

“大論争:アメリカ合州国は、サウジアラビアをお払い箱にする頃合いか?”で投じられた疑問について言えば、現実には、アメリカは、サウド王によって率いられる、原理主義スンナ派聖戦主義のアラブ諸王家と提携している。

この疑問は実際、基本的には、アサドには関係せず、アメリカ政府が、いずれも支持し、承認している、サウド王と彼の独裁政治と、彼と同盟している諸王家の独裁政治のみに関係するものに帰着する。

‘聖戦士、つまりそれ以外の全世界(我々含め)の占領に着手する前に、シリアを占領したがっている原理主義スンナ派テロリストを我々は支えている。アメリカ政府は、アメリカ国民には敵対し、サウド王と連携している。

オバマ政権は、ロシアをアメリカの第一の敵だとしている。アメリカ‘理想主義’として今残っているのがこれだ。

マスコミがそのような候補者を‘親ロシア’と呼んで攻撃しかねないので、アメリカ大統領候補の誰一人としてこの背信的政府の醜聞については語らない。

ファシスト扇動政治家ジョセフ・R・マッカーシーの亡霊は、ソ連とロシア共産主義が1991年に終焉して以来25年後の今でさえ、アメリカでは政治的に強力だ。このファシスト亡霊は、アメリカ政治のみならず、アメリカのマスコミに出没している。アメリカ大統領候補の中には(ジョン・ケーシックや、ヒラリー・クリントンなど)ジョー・マッカーシーの亡霊を奉じるものがあるが、他の連中(ドナルド・トランプやバーニー・サンダースなど)それに関しては曖昧だ。(候補者の誰一人として、それは現代のアメリカ外交政策を導くには猛烈に不適切だとは非難しない - そうなのだが。そうした非難は、現代アメリカ、ファシスト・アメリカでは危ういことなのだ。)

そのような問題を、‘理想主義’対‘現実主義’という言い方で論じる人々は、事実でも、いかなる本当の事実分析でもなく、反啓蒙主義プロパガンダをまくしたてているのだ。ここで問題なのは、そうではなく、民主主義対ファシズムだ。

自分たちが、ニュースではなく、プロパガンダを見聞きしていることを知らず、そのプロパガンダが、アメリカと、聖戦主義支配者の同盟、アメリカ支配層と、原理主義スンナ派アラブ諸王家によって制作されているために、アメリカ人は、サウジアラビア王室を、アメリカの友人として受け入れている。

それが現実だ。だから、そう“アメリカ合州国は、サウジアラビアをお払い箱にする時期”なのだ。しかしアメリカ支配層は、アメリカ・マスコミを所有しており、彼らはジョー・マッカーシーの亡霊を抱擁し、連中と“欧米”で、まずロシアを征服した後、あからさまに反“欧米”になろうとしている、アルカイダやISISなどに資金提供しているアメリカ-サウジアラビア同盟の聖戦主義アラブ諸王家を抱擁している。

最初に行われるのは、マインド・コントロールだ。次に行われるのは、土地支配だ。そして、マインド・コントロールは既にほぼ完成しており、それが、一体なぜ'民主主義'アメリカ政治運動では、本当の問題が議論されることさえないのかという理由だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/02/15/americans-accept-saudi-royals-as-friends-of-america.html
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2016/02/19 野党5党が「選挙協力」「安倍政権打倒」で合意!沖縄選出・照屋議員「『オール沖縄』の戦いと共通のものがある」~民主・維新・共産・生活・社民が安保法廃止法案を共同提出

ある知人に、「中国の脅威に対抗するために戦争法案は必要だ」と真顔で言われて驚いたことがある。「戦争法案」という言葉だったかどうかは記憶がないが。

ゲーリングは言っています。「もちろん国民は戦争を望んではいない。なぜ畑にいる貧しいまぬけが、自分の命を戦争にさらそうなどと望むだろう?だが、結局、政策を決定するのは国家指導者だ。国民はいつでも指導者達の命令に従わせることができる。連中に、我々は攻撃されているのだと言って、平和主義者は愛国心に欠けると非難するだけで良いのだ。これはどこの国でも同様に機能する。」

(この言葉を知ったのは『ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る』講演。)

中国との尖閣問題報道
北朝鮮のロケット発射報道

全て、それが狙い。しかも、本当に有効だ、という不思議。

それを画策している宗主国・属国傀儡支配層のほうが遥かに恐ろしいと思うのだが。

最初に行われるのは、マインド・コントロールだ。次に行われるのは、土地支配だ。そして、マインド・コントロールは既にほぼ完成しており、それが、一体なぜ自由で、民主主義'がたてまえのこの国の政治では、本当の問題が議論されることさえないのかという理由だ。

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