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2016年2月 2日 (火)

アメリカのデマ‘テロ'宣伝

Eric ZUESSE
2016年1月29日 | 01:11

ブロガーのミカ・ゼンコが、アメリカ外交政策を支配する集団、外交問題評議会のサイトに、1月6日、彼が計算した“アメリカ合州国は、一体どれだけの爆弾を2015年に投下したのか?”を投稿した。“昨年、アメリカ合州国は、推定で総計23,144発の爆弾を、6か国に投下した。そのうち、22,110発が:イラクとシリアに投下された。”

この疑問に関する彼の好奇心が掻き立てられたbecause he noticed、“主な狙い - つまり、要員、資源、幹部の関心の焦点 - アメリカの対テロ政策は既存テロリストを捕まえるか、殺害するかだが(ただし圧倒的に殺害だ)… アメリカ政府高官や中堅職員に、‘中立の[イスラム]教徒がテロリストになるのを防ぐために何をしているか?と質問すると’彼らは常に主張する … これは彼らの責任ではない、そして、国際的、あるいは国内的に、それぞれ”の義務だとされる他省庁、通常、国務省 (DOS)や、国土安全保障省 (DHS)のせいにする。しかし、ゼンコはこう書いている。“この空爆で全て‘殺せ’’というルールの問題は、それが機能していないことだ”。

そこにあった一読者のコメントは、“それは我々がイデオロギーと戦っているからだ。我々は伝統的な軍と戦っているのではない”。ところが、非イスラム世界では、それは“イデオロギー”なのだが、イスラム世界内の一宗派なのだ。そして、現在、現在急速に成長しているのだ。それは、実際は、スンナ派イスラム教の、ワッハーブ派という分派で、サウド王家が1744年以来、それをずっと奉じて、推進しており、彼らは、その上に現在の国を建国している。しかし、最近、これが世界中で燃え上がっている。

もう一つの、より包括的な読者、マイケル・ビーアのコメントには、こうある。“もしアメリカが、イデオロギーと戦っているのであれば、イデオロギー上の牙城、つまりサウジアラビアを爆撃し、対決しているはずだ。サウジアラビア(ワッハーブ派)と、ヌスラ戦線と、アルカイダと、ISIILの間には、大きなイデオロギー的差異はない… 9月11日に対するアメリカの軍事的対応は、何兆ドルにものぼり、100万人以上を殺害し、多くの社会をばらばらにした… オバが権力を握って以来、化石燃料独占を強化し、軍需産業のために血を流して儲ける利益をもたらすために、彼は何千人もの無辜のアラブ人男性、女性や子どもを虐殺した”。こうした反応に対する反応は、通常、こういう類だ。“あなたのコメントには、100%同意する。一般のアメリカ国民が、あなたの意見を知っていて、理解できたなら…政治体制や軍産複合体が存続するための基盤が無くなる茶番になる”.

つまり、アメリカ支配勢力ウエブの普通の読者でさえ、テロに関するアメリカ外交政策の何かが非常におかしいことに気がつくようになってきているのだ。この問題の根は深い。
アメリカの指導者連中は、スンナ派イスラム教だけではなく、シーア派イスラム教に対して“テロリスト”という言葉を使う。しかし現実は、イスラエルに対するものを除いて、あらゆる国際聖戦主義は、原理主義スンナ派イスラム教に由来しており、コーランの原理主義スンナ派解釈に基づいている。

アメリカとヨーロッパに対する、シーア派によるテロらしきもの、9/11やシャルリー・エブドのようなテロ攻撃がおきた例は、特に、イスラエルが、イスラム教徒(“パレスチナ人”と呼ばれる)を弾圧するアパルトヘイト国家であり続けられるよう、アメリカが毎年30億ドルも寄付しているのを懲らしめるため、レバノンのシーア派組織ヒズボラの、1980年代と、90年代、レバノンでのアメリカ大使館爆破、サウジアラビアでのコバール・タワー爆破と、ロンドンのイスラエル大使館爆破しかない。一方、イスラエル(反イスラム・アパルトヘイト国家であり続ける限り)には、ヒズボラに反対するもっともな理由があるが、欧米諸国が、シーア派国家が脅威だと見なす理由は皆無なのだが、アメリカは、そう見なしており、ヨーロッパの衛星諸国もそう見なしている。この現実の背後には重要な歴史がある。

イランは、国際的シーア派の中心だ。1953年、アメリカとイギリスは、アメリカが行ったクーデターで、民主的に選ばれた非宗派的で進歩的なイラン大統領、ムハマド・モサデクを打倒し、残虐なシャーをすえつけ、シャーは拷問で世界的に有名になり、イランの石油とガスを、アメリカが指示する通りに扱った。イランは世界で主要なシーア派が多数派の国家なので、アメリカ傀儡のシャーがすえつけられた1953年から  益々激しく反米化していたイラン国民による、1979年、彼の打倒までの数十年間、ワシントンと、石油に基づくアメリカ支配層に役立つイラン恐怖の部屋として機能し、そしてそれが、シーア派イスラム教そのものと、アメリカとその同盟諸国間とで継続している戦争を生み出す大元となった。反シーア派戦争を率いているのは、アメリカではなく、1744年に、シーア派を破壊すると誓って支配権を得たサウド王家だ。アトランティック誌が、2010年9月21日の見出し記事で書いた通り、“600億ドルの対サウジアラビア契約の解釈: 相手はイラン”だ。更に、2010年10月から、2014年10月までの五年間で、アメリカとサウド王家は、900億ドルのアメリカ兵器売買契約を調印したと、2015年9月8日に、アメリカ議会調査サービスが報告している。これは大変な兵器取り引きだ。その全てがアメリカの兵器製造業者から、サウジアラビアに対する、サウド王家が使用するためのもので、アメリカ支配層と一心同体の、サウジアラビア支配層の中核で、世界で最も有力な一族、サウド王家にとって十分だ。

2012年1月28日、デイトン・ビジネス・ジャーナルが、入念に調査した研究を発表した、“アメリカ兵器の上位10外国バイヤー”という見出しで、当時の順位はこうだ: 1位=サウジアラビア; 2位=UAE; 3位=エジプト; 4位=台湾; 5位=オーストラリア; 6位=イラク; 7位=パキスタン; 8位=イギリス; 9位=トルコ; 10位=韓国。

金を払う者が笛吹きに曲を指示できる。彼らがアメリカ支配階級の主な同盟者だ。

欧米諸国は、サウジアラビア(サウド家)、カタール (サーニー家)、クウェート(サバフ家)、バーレーン (ハリーファ家)と、UAEの六王家を支配する-いずれも全て原理主義スンナ派王家と同盟している 。こうした支配的王家 - サーニー家対ハリーファ家といったように、お互いの間で揉めることがあろうとも、 -サウジアラビア王が、世界でも群を抜いて豊かな人物なので、彼ら全員サウド王家に主導されている。

おそらくは、他のどの王家の誰も一兆ドル以上支配してはいるまい。フォーブズもブルームバーグも、もし国民が、世界の富の大半は、所有者が稼ぎだしたのではなく、相続されたものであることを知るようになれば、資本主義のイメージが悪くなるので世界億万長者リストに、どの王家も含めることはしない。これは、主として、二つのことの結果だ。征服、プラス、相続。サウド王の資産の起源は、聖戦主義の宗教指導者ムハンマド・イブン=アブドゥルワッハーブが、アラブ人の親分、ムハンマド・イブン・サウドと、サウドと彼の子孫が、全てのシーア派を絶滅し、世界を支配し、スンナ派イスラム教のワッハーブ派版を押しつけ、ワッハーブ派信者に政府を支配するサウド王家の権利を認め、受け入れさせることに合意した1744年にまではるばるさかのぼる。

アメリカは、そういう国と同盟をしているのだ。アメリカ政府は現在アメリカ人を代表していない - 少なくとも国際関係では。アメリカ政府は、特に、イランと、シリアを率いているシーア派世俗主義者バッシャール・アル・アサドを憎悪するだけでなく、聖戦士(つまり、常にアラブの君主たちが世界中に送り出すスンナ派過激派連中の類)に常に反対してきたのみならず、シーア派が率いる国々友好的関係を維持するため、こうしたアラブ君主国が、征服することは無理にせよ、破壊を狙っているロシアを憎悪しているサウド王家を指示している。1970年以来、アメリカ外交政策は、益々こうした君主たち、そして、何よりも、サウド王家のために機能するようになっている。

最近の二人のアメリカ大統領が、サウジアラビア王に挨拶しているスナップ写真

サウジアラビアの王の誰も、いかなるアメリカ大統領にもお辞儀をしたことがない。国際的権力には、序列があるのだ。ところが、アメリカ大統領にとって、サウジアラビアの王にお辞儀をすることは、アメリカ政府が、あらゆる問題で、サウド王家に従属することを意味するわけではなく、単に、全体的に、アメリカ政府が、国際問題では、主として、世界で最も裕福な一家、サウド王家権益のために働くというだけのことだ。それがこうしたお辞儀の意味するところだ。それが、実際に、お辞儀が意味するものだ。

サウド王家が、自国を支配し続けていられるのは、現地の宗教指導者が、サウド王家が、神から支配する権限与えられたことを認証してくれて、アメリカが兵器提供と、サウド王家軍の訓練をしてくれているためだけではなく、サウジアラビア国民が、サウジアラビアの政治的現状を受け入れ続け、サウド王が処刑する人物は、皆死に値するのだと信じるようにするための、サウド王家によるサウジアラビア報道機関全てに対する強力な支配も貢献しているのだ。もしも、こうした国民支配手段 - 武器、マスコミと、宗教指導者のどれかが終わるようなことがあれば、暴力革命がこの国で勃発するだろう。

サウジアラビア国民はすっかり洗脳されているので、彼らはISISを賞賛している。2015年3月19日、イスラム教の統計ウエブ・サイトにはこういう大見出しが載った。“サウジアラビア: 92%が、ISISがイスラム教とシャーリアを代表することを承認 - 世論調査”。それゆえ、サウジアラビアでのサウド王家支配の終焉後にあらわれる可能性があるあらゆる‘民主主義’は必然的に、サウド王家自身同様に過激派で、信じがたいほど暴力的で、めちゃくちゃで、おそらく直接ワッハーブ派宗教指導者(サウジアラビアに残る最後の権力者となるだろう)に率いられ、基本的にサウド王家を政治的構図から切り離し、代わりに、公然とした聖戦主義政府をすえつけるだろう(サウド王家はそうではない - 彼らはそこまでやって、同時に、部下の支配者連中、特にアメリカや他の非イスラム諸国からの支持を維持することはできまい)。

イラクとシリアで、ISISが適用しているイスラム法と、サウジアラビアで、サウド王家が適用しているイスラム法との間の類似性を指摘している評論家が何人かいる。アメリカ政府は、既に過激派スンナ派と同盟しているので、アメリカ政府とサウド王家との同盟では、あらゆることに関する同意も不同意も、原則の問題によるのではなく、もっぱら担当者次第だ。

アメリカ外交政策、それゆえ個人的なものであって、原則に基づくものではない(この原則を除いては。力こそ正義で、富こそ正義。だから、富こそ正義なのだ)。

アメリカ政府が、イランやシリアなどのシーア派が率いる国々に反対する際、目的はテロリストを打ち負かすことではなく(恐らく、対イスラエル・テロリストを除いて)、サウド王家と、そのお友達の願望を満たすことなのだ。

もしアメリカ政府が、自国民を、テロ攻撃から本気で守ろうというつもりなら、アメリカ政府は、イラン国民に謝罪し、イスラム世界の中での同盟相手を、イランに切り替え、サウド王家から離れていただろう。これは必ずしも、アメリカがシーア派派閥主義を是認しなければならないことを意味するわけではない。実際、イランの主要な外国の同盟者は、基本的な信念は(バース党指導者として)常にいかなる宗教による国家支配にも反対する、シリアのシーア派指導者、バッシャール・アル・アサドなのだ。

2015年4月21日、インターナショナル・ビジネス・タイムズは、“レバノンで、ISISに脅かされているキリスト教徒、ヒズボラに救いを求める”という見出しの記事で、同紙のアレッサンドリア・マシは、レバノンのラス・バールベクから、“レバノンの「イスラム国」集団と戦うため、シーア派集団ヒズボラと提携しているラス・バールベクのキリスト教徒民兵を率いるリファト・ナスラッラー”とインタビューを掲載した。彼の部隊は“ヒズボラ戦士と同盟していた。欧州連合もアメリカも、テロ集団と見なしているシーア派民兵のメンバーは、シリアから来たスンナ派聖戦戦士が、キリスト教徒と共通の大義を打ち出すことを懸念している。実際、ラス・バールベクのキリスト教徒と、イランが支援する戦士はお互い紛れもない友だ… 彼らは新しい手法の先駆者だ。キリスト教徒と、シーア派の団結、スンナ派過激派に対する… ‘我々を守ってくれる唯一の人々はヒズボラ・レジスタンス戦士だ’とナスララは言う。‘軍隊とともに立ち上がっているのはヒズボラだけです。これ以上もう隠しません。’”ISISはシリアからレバノンに広がりつつあった。

アメリカが、実際、シリアで、非宗派的シーア派のバッシャール・アル・アサドを打倒するために戦っていて、彼をアラビアの石油家族の願望に合った原理主義-スンナ派指導者に置き換えようというスンナ派過激派と同盟していたので、間接的に、当時、彼らの共通の的は、アメリカ合州国(そして、そのヨーロッパ同盟諸国)だった。

アメリカ合州国がテロ国家だというのは間違いだろうが、アメリカは、世界でも主要な国際テロ支援国だ。アメリカは、サウジアラビア、カタール、トルコ、クウェート、UAEとリビアなどの原理主義スンナ派同盟国経由で武器を供給している。アメリカは、サウド王家の最も重要な国際的代理人として機能している。

それが現実だ。テロに関するデマ宣伝は、欧米(アメリカとアメリカに従属するヨーロッパの支配者)は、国際テロに反対だという。イラク、リビアやシリアの国際テロが、これらの国々から、何百万人もの難民を、ヨーロッパに追いやっているが、アメリカ合州国はそこの難民危機を生み出しているサウド王家と同盟している。これは事実に過ぎない。

アメリカ支配層のプロパガンダ・サイトの常連読者の中にすら、これを理解する人々が現れているのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/29/an-american-big-lie-about-terrorism.html

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