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2016年1月14日 (木)

シリアの「真実」飢餓状態の欧米マスコミ

Finian Cunningham

2016年1月11日

"Sputnik"

またもや欧米報道機関は、包囲攻撃から解放されつつあるシリアの飢えている町に関し、厚かましいウソと半端な真実を語ることに、せいを出している。詐欺報道を強化するため、痩せ衰えた子どもたちのニセ写真も報道されている。

BBCと、イギリスのインデペンデント紙がシリアの街マダヤのものだと称した栄養失調の少女の写真を例にとろう。少女は南レバノン住民であることが判明した。彼女の名前はマリアンナ・マゼフだ。今週、欧米マスコミが広く流布した写真は三年前のものなのに、彼女は、欧米マスコミがバッシャール・アル・アサド大統領の政府軍によって封鎖されていると言うシリアの街マダヤ住民の一人だと、その同じマスコミが主張している。

プロパガンダ目的で、彼女の惨めな画像が流布されていることに、マリアンナの家族が、激怒していることが判明した。"私はマダヤではなく、タイル・フィルセイ[南レバノン]に住んでいますし、私は元気です" と少女はアル・マナル通信に語った。彼女は現在7歳で、昔のやせ衰えた状態からは、完全に回復しているようだ。彼女の昔の病気の原因は不明だ。


2016年1月5日に、マダヤで撮影されたとされるビデオからとられたこの写真用に、カメラに向け、抱き上げられた幼児。©
            REUTERS/ SYRIA-TOWN Handout via Social Media Websit
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しかし、あきらかなのは、またしても、欧米マスコミが、現在解放されつつある包囲攻撃されていたシリアの町に関する現実を改ざんした現場を見られてしまったことだ。

イギリス国営放送局BBCは、シリア中の約15の包囲攻撃された町で、400,000人もの人々が捕らわれていると報じている。BBCや他の欧米マスコミは、こうした場所を "反政府勢力が占拠している"と報じ、あからさまなウソや半端な真実の過程で、ヒズボラ民兵とロシア空軍力に支援された、シリア軍によって包囲攻撃されている場所だと推論する。

ニューヨーク・タイムズが、今週"人々は脱出しようとすると、銃撃される" 虜囚状態の町について報じた際のように、時折、欧米マスコミも、うっかり漏らすことがある。住民を人質にしているいわゆる反政府勢力によって、人々は銃撃されるのだが、ニューヨーク・タイムズはその事実を省いている。

欧米マスコミが語ろうとしない半端な真実は、シリアの多くの町が、依然外国が支援する傭兵民兵によって占拠されていることだ。彼らは、いわゆる「イスラム国」(あるいはダーイシュ)、ヌスラ戦線や、ジャイシ・アル・イスラムといった集団に属するテロリストであって、"反政府勢力"ではない。彼ら全員が、反抗するものは誰でも首を切り落とされたり、子どもたちが集団強姦されたりして当然だと規定する、倒錯、堕落版イスラム教を信奉している。

欧米マスコミは、"シリア政権" 軍が、町々を封鎖して、飢餓を、住民に対する武器として利用していると報じている。真実からこれほどかけ離れたことはない。
住民は、テロ集団によって人質にされ、本人の意思に反して捕らわれていた人々を解放すべく、シリア軍が前進するのを防ぐ"人間の盾"として利用されているのだ。

今週、包囲攻撃されている町として、ニュースで報道されているのは、首都ダマスカス近くのマダヤと北部のケフラヤとフォウアだ。だが同じ包囲攻撃状況と最終的解放は、以前にもザバダニ、ケッサブ、アドラ、ホムスやマルーラなどの他の多くの町や村で繰り返されてきた。

全ての場合で、外国が支援する傭兵による監禁状態という悪夢から解放されたことを感謝して、住民は "解放者"として、心から喜んで、シリア軍を歓迎している。彼らの飢餓や全般的な虐待状態は、欧米マスコミが主張するような、シリア国軍による包囲作戦とされるもののせいではなく、傭兵によって大量拉致された直接の結果だ。

アイルランド人の平和活動家、デクラン・ヘイズ博士が、2014年、レバノン国境近くのマルーラで解放に立ち会った体験を筆者に語ってくれた。

"シリア軍部隊と町に入ったのは、4月24日、復活祭の日曜日でした。傭兵によって数カ月占拠されていました。子どもも、老い若きも、キリスト教徒も、イスラム教徒も、歓声を上げ、旗をふって迎えてくれました。雰囲気は高揚していました" とヘイズは語る。

"マルーラの破壊は、実際に見なければわかりません。占拠していた傭兵によってあらゆるものが破壊されていました。住民は依然として、受けた残虐行為によるショック状態にありました。斬首、銃撃、拉致、強姦です。壁には、いわゆる聖戦士連中が描いた落書きがありました。‘我々の敵の首を切ることで、我々は神に近づく'というものです。"

彼らは、欧米政府とマスコミが"反政府勢力"と呼んでいるまさに同じ傭兵だ。マダヤや他の町の包囲攻撃が、今週終わりつつあるので、欧米マスコミは、マルーラも、同様に、シリア軍による包囲攻撃下にあるというお話を考え出した。

もちろん、欧米が、"テロリスト"とは呼ばず、"反政府勢力"と呼ぶ理由は、テロリストを、欧米政府と、サウジアラビア、カタールやトルコという地域の同盟諸国が連中を支援しているためだ。完全な真実は、本当の欧米政府の犯罪的本質や、アサド政権に対する、違法な政権転覆計画のため、シリア国内の秘密戦争を、連中が支援している実態の衝撃的な暴露なので、半端な真実がでっち上げられたのだ。

ヘイズは、シリアの町や社会を狂気に陥らせている客観的な手法があるという。シリア社会と文化の豊穣な多元的構造を破壊するのが目的だ。

"マルーラは、世界最古のキリスト教徒が暮らしている場所の一つです。現地の人々は、イエスの時代に遡るアラム語を話しています"とヘイズは説明する。"しかし、そこの社会には、イスラム教徒、スンナ派、シーア派、アラウィ派、ドルーズ派や他の宗教の人々もいます。彼らは何世紀も平和に共存してきました。マルーラは、広汎なシリア社会の縮図です。他文化で、平和共存しているのです。"

2011年3月に紛争が勃発して以来、外国が支援する傭兵連中が行おうとしてきたのは、社会を残忍に扱い、宗派間分裂を激化させることによる、シリア社会構造の破壊だ。

過去五年間、シリアで暴れ回っている傭兵旅団は、欧米の軍諜報機関、アメリカCIAと、イギリスのMI6と、トルコ諜報機関によって指揮されていると、ヘイズは考えている。"これらのテロリストの指揮統制は、シリア国外から行われています。テロリスト連中は、社会を破壊しようという、悪魔的ではあるが意図的な計画に従っているのです。"

欧米の報道機関は、シリアに対する国家的テロ攻撃のプロパガンダ機関だ。シリアは、"民主主義をもたらすため"欧米列強が違法に介入した、他の多くの国々同様の破綻国家に変えられて、完全に壊滅させられる瀬戸際にあった。

9月末のロシア軍事介入が、シリアを崩壊の瀬戸際から引き戻した。また、現在、テロリストに降伏を強いているのも、ロシアの空軍力と、シリア軍、ヒズボラとイランの地上軍なのだ。それで、多くの包囲攻撃が急におわりつつあるわけだ。

今や欧米マスコミは、これまで以上のウソで歪めて、 "悪のアサド政権"が(どういうわけか)変心し、打ちひしがれ、飢えた住民に対する人道支援車列進入を許した、と国民に伝えようとしている。

シリアの人々は、欧米が画策しているテロリストによって包囲攻撃されているというのがありのままの真実だ。

欧米マスコミによって、欧米諸国民の心に対しても別の包囲攻撃がしかけられている。真実の飢餓だ。

本記事の見解は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもSputnikの公式的な立場を代表するものではない。

 

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は20年以上、編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:http://sputniknews.com/columnists/20160111/1032965548/west-syria-media-misinformation.html
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藤永茂氏『私の闇の奥』の記事「鰐(クロコダイル)の目に涙」この記事と直接つながっている。

昼間のバラエティー番組、北朝鮮核実験や渡り蟹シーズンと紛争との関係を面白おかしく語り、及びそうな危機や、トルコ首都の爆破問題を官報よろしく扱う。そして三歳児虐待死事件。

来る選挙によって、自国が本格的な戦争属国に変わるのを前に、北朝鮮を馬鹿にしている余裕はない。自分の頭の蠅を追わない茶坊主・女茶坊主のたわごとを聞き流しながらも、いらいらはつのる。胃や腸にも決して良くはない。見なければよいのだが、見ないで電気洗脳箱と呼んでも、説得力がないだろうと、電気代を使って勝手に苦行中。(翻訳中、聞いているだけ。)

マスコミは「緊急事態条項」による日本破壊を目指す政府広報窓口。

マスコミによって、日本人の心に対しても別の包囲攻撃がしかけられている。真実の飢餓だ。

大本営広報部ではない発言をこそ読む必要があるだろう。洗脳されずにいるためには。

悪魔の安倍政治本性が牙をむくのはこれからだ

2015/12/06 【岡山】「アラビア語わからない」―― 文書流出で明らかになった公安の的外れで呆れた「テロ対策」に東京新聞・田原牧氏「一番の対策 は恨まれないこと、敵をつくらないこと」と警告!

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