受け入れるよう賄賂をもらったはずの難民を投棄しているトルコ
Stephen Lendman
Global Research
2015年12月18日
トルコは重要なNATO加盟国で、アメリカの緊密な同盟国だ。先月、EUは、トルコに、30億ユーロの賄賂を払い、EU加盟諸国が望んでいないシリアや他の戦争で荒廃した国々からの難民を受け入れるのと引き換えに、トルコのEU加盟を支援すると約束した。
EU指導部は、この合意は亡命希望者の殺到を止めるための重要な手段だと述べた。トルコのアフメト・ダウトオール首相は、これは、アンカラ/ブリュッセル関係の新たな起点であると述べた。
特にエルドアン支配下でのトルコの恐るべき人権実績と腐敗の実績を考えれば、不信感は強いままだ。
合意条件は、アンカラが、ギリシャやブルガリアに接する地域でのエーゲ海パトロールを強化し、密入国あっせん暴力団を取り締まり、EU諸国が追い返した難民の受け入れを要求している。
ドナルド・トゥスク欧州理事会議長は、EU当局は、合意条件のトルコによる実行を厳密に監視する予定だと述べた。ダウトオールは、ドイツを一番好もしい目的地として、ヨーロッパに安全な避難場所を求めて殺到する人々の減速を保障しようとはしなかった。
トルコは、シリアや他の地域の難民にとって主要通過地点だ。トルコは海路ではギリシャに近い。国際移住機関によれば、今年、トルコからEU諸国に、700,000人以上の亡命希望者がたどり着いた。
“ヨーロッパの門番”と題する新たなアムネスティー・インターナショナル(AI)の報告書は、逮捕や、隔絶した拘留センターで、殴打や、痛い手かせ・足かせや、他の難民虐待をし、多くは荒廃したイラクやシリアや他の祖国に強制的に本国送還していることで、トルコを非難している。
AIは、EU諸国は“難民や亡命希望者に対する重大な人権侵害の共犯者となる危機にある”と述べている。
難民や亡命希望者は大量に集められ、人里離れた所にある強制収容所としか言いようがない施設に1,000km以上の距離をバスで送られ、酷く虐待され、外部との連絡断たれたままにされ - 更にその多くが強制的に祖国に送り返されている。
AIのヨーロッパと中央アジア担当者、ジョン・ダルフイセンによればこうだ。
“トルコ領内の最も弱い立場にある人々の一部に対する恣意的拘留を記録しています”
“難民や亡命希望者に、シリアやイラクのような国々への帰国を強いるのは非良心的なことであるのみならず、国際法に真っ向から違反しています。”
“難民危機で、トルコをヨーロッパの門番として雇うことで、EUは重大な人権侵害を無視し、今や人権侵害奨励する危機にある。そのような侵害を調査し、終わらせるまでは、EU-トルコの移民関連協力は停止されるべきです。”
トルコは、約220万人のシリア人と世界の他地域から230,000人の絶望的な人々を含め、世界最大の難民受け入れ国だ。
9月まで、対策には、非人道的扱いや、違法な拘留や、強制本国送還は含まれていなかった。EU合意の条件は、トルコが難民を人道的に扱うよう要求している。
ところが、この資金は、もっとましな処遇に値する弱い立場の人々を、非人道的に扱い、追放するために使用されているのだ。AIの代表がインタビューした難民全員が、強制的に拘留され、エディルネやムーラを含むトルコ西部の県、辺境地の南部や東部にあるセンターに移送され、収容されたと語っている。
彼等は何週間も強制的に拘留され、弁護士や家族を含む外部との連絡を拒否された。唯一の連絡手段は隠し持った携帯電話だ。
過酷な扱いを受けた例で、痛い手錠・足かせを掛けられ、7日間隔離された40歳のシリア人男性がいる。
“手と足に鎖をかけられると、奴隷のように感じます。人間でないような気がします”と彼は言う。
多くの人々は、この種の残酷な処遇を受けた後、トルコ難民が理解できない文書への署名を強いられ、強制的に本国送還される。
被収容者たちは、拘留から逃れる唯一の方法は、帰国に同意することだと語っている。三歳の幼児の指紋が、本人の同意の証拠として利用される。
AIは、一体何人の難民が強制的に本国送還されているのかは不明だが、アフガニスタンを含め、多数にのぼると考えている。
ダルフイセンによれば、“トルコ当局が行っているこれら恣意的拘留と、違法本国送還の実数が不明なものを巡る透明性が全く欠如している。”
“トルコ国内の全ての難民と亡命希望者を保護すべく、この新たな慣行を即座に調査すべきなのだ。”
これまでのところ、EU当局は責任をもった介入を何もしていない。連中はトルコとワシントンの共犯者だ - そもそも連中の戦争が難民の殺到を引き起こしたのだ。
スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は“Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.
著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。
本記事の初出は、Global Research。
Copyright Stephen Lendman、Global Research、2015
記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/turkey-dumping-refugees-it-was-bribed-to-accept/5496675
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国立競技場の話題、それほど重要だろうか。スポーツの、個人の生き死にに対する影響、スポーツが全くできない素人にはわからない。A案、B案、どちらを選ばれても、我々の人生、孫子の人生に大きな影響はない。趣味の問題
あるいは、行方不明の中学生発見問題、著名女性登山家の事故死。
関係者の皆様にとって、重要な問題であることには、もちろん疑問の余地はない。
しかし、TPPや、憲法改悪、原発再開など、我々の人生、孫子の人生に大きな影響がある問題はいくらでもあるだろう。それと重みを本気で比較しているのだろうか。もちろん、比較して、どうでもよいことのみをおおげさに扱って、目をそらすのがお仕事。
日本の大本営広報部
- 問題の軽重がわからないほど、とてつもなく痴呆なのか
- 問題の軽重はわかっているからこそ、どうでもよい問題を大きく扱うのか
いずれか、あるいは両方であることは確実。メディア・リテラシー、大本営広報部を読んだり、見たりしないことだと確信している。どうでもよいことをこそ、さも重要そうに扱うのが仕事。
「自衛隊はどう変わる 日米の思惑」再放送、見ていて気分が悪くなる究極の洗脳番組。
傀儡ファシスト「歴史研究」勉強会!戦後レジームからの脱却なる真っ赤なウソを糊塗し、ダブル国政選挙を目指す煙幕。洗脳は政治家自身から。あの女性がトップということで、お里が知れる。
傀儡が何十人、何百人集まっても、本物の主張・分析にかなうわけがない。問題は、大本営広報部、大政翼賛会は、そうした本当の分析は絶対に報じない。
ずっと、見聞きしたいと思っていたインタビューが実現した。なぜ、このインタビュー、実現しないのか不思議に思っていた。
長いインタビューだが、傀儡国家の政治に疑問をもっている方なら、あっというま。
2015/12/17 岩上安身による京都精華大学専任講師・白井聡氏インタビュー(動画)
日本を丸ごと、半永久的に宗主国大企業支配にさしだすTPP、正文が英語、スペイン語、フランス語で、日本語がない驚き。ISDSの裁判、英語をもとに行われる。裁判官も、被告の日本政府官僚も、裁判を、全て英語でおこなわなければならなくなる。
つまり、これからは、日本語を部族語におとしめられ、英語が日本の主要言語になるという政策を、自民党・公明党という究極の売国奴連中が決定したに等しいのだ。
高級官僚は、田中正造が喝破した通り、もとより売国奴。日本の正式言語が英語という状況が本当に実現するのは、決めた連中が死に絶えたあとだろうが、必ずそうなる。
大日本帝国が、沖縄に、そして朝鮮や台湾を占領した後に行ったことは、「日本語」の押しつけるだった。「方言札」を思い出す。
敗戦そのまま体制のなか、国家そのものを宗主国の満州国におとしめた傀儡政権・官僚・御用学者、大本営広報部が、最後に行ったのは、日本国民に、宗主国の言語「英語」を押しつけることだった。売国奴ここに極まれり。
笹子トンネル事故裁判の映像を見ながら思った、絶対に、こう後悔したくはないもの。
マスコミ関係者は何十万人もいるのですから、ひとりでも、自公政権とエセ野党がたくらんでいるTPPや、改憲、緊急事態条項は危険だと、真の狙いを明らかにしてくれていれば、我々や子孫たちは奴隷にならずに済んだのです。
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