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2015年12月

2015年12月31日 (木)

加熱するエネルギー戦争: イスラエル-トルコ関係正常化と、カタール国内トルコ基地

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年12月30日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

2015年12月始めに、シリア領空で活動していたロシアのスホイSu-24M戦略爆撃機を撃墜して間もなく、トルコ政府は、重武装した大隊を、イラク、バシカのジルカン基地軍事基地に派兵した。この動きが、アンカラとイラク政府間の緊張を引き起こし、イラク政府は、トルコによる侵略行為だと非難した。資源・エネルギー戦争という枠組みの中で、トルコ軍派兵は、いわゆる「イスラム国」(ISIL/ISIS/IS/ダーイシュ)との違法な石油貿易を確保するためのトルコ政府による動きだ。

ペルシャ湾のトルコ軍事基地

トルコ軍がバシカのジルカン基地に派兵されてから数週間後、ロシア軍参謀本部は、2015年12月25日、イラク-トルコ国境近くの町ザフー周辺で、11,755台の石油タンクローリーや、トラックを撮影したと報じた。石油タンクローリーや、トラックは、アンカラによる、南東トルコでのクルド人に対する軍事作戦のせいで、イラク-トルコ国境が閉鎖されてできた長い行列だというクルディスタン地域政府の説明にもかかわらず、石油タンクローリーやトラックは、ISILが盗んだシリア石油の新密輸経路の一部だと理解されている。

トルコ政府は、エネルギー源をロシアとイランから他に変えるための手をいくつか打ってきた。まさに、エネルギー源を確保するという文脈から、2015年12月16日、アフメト・デミロク駐カタール・トルコ大使が、カタールのペルシャ湾地域に、軍事基地を開設するというアンカラの計画を発表した。ロイターとのインタビューで、デミロク大使toldトルコ基地は、2014年に、アンカラとドーハが調印した安全保障条約にのっとって開設されるもので、軍事基地は、トルコとカタールが共同で、デミロク大使が具体的な名前を上げるのをさけた一部の国々による“共通の脅威に立ち向かう”のに役立つだろう。

デミロク大使が名前をあげなかった国々とは、イランとロシア以外の何者でもなかった可能性が高い。しかも、カタールにおけるトルコ軍事基地開設に関するトルコ発表は、翌12月17日の、サリム・ムバラク・アル-シャフィ駐トルコ・カタール大使による、ドーハは、トルコに、必要なだけの量の液化天然ガス(LNG)を提供する用意があるという発表と重なっている。

イスラエルとトルコが団結: 東地中海天然ガス

駐トルコ・カタール大使サリム・ムバラク・アル-シャフィが、ドーハは、トルコに必要なだけの量のLNGを提供するつもりだと発表した翌日、12月18日、イスラエルとトルコは、イスラエル天然ガスをトルコに輸出する包括協定に調印したと発表した。トルコと、ロシア、イランやイラクとの緊張が、アンカラとテルアビブとの間の、天然ガス契約を促進させた可能性はあるが、イスラエル-トルコエネルギー貿易包括協定が、イスラエルと、トルコ政府によって、数カ月間、静かに交渉されていたのだ。

専門家やジャーナリスト連中は、イスラエルとトルコ間の天然ガス協定を、ロシア、イラン、イラク、シリアや、彼等の地域パートナーを埋め合わせるための手段として外交、軍事関係を正常化させ、イスラエルと緊密になろうというトルコの動きの一環だと説明している。ところが、こうした見解や主張は、イスラエルとトルコが、緊密な同盟としての関係ではないにせよ、経済と軍事部門で協力を維持してきたという明らかな兆しがあった事実を見過ごしている。トルコとイスラエルの軍隊は、シリア国境で、同期した動きと作戦まで展開していたのだ。

イスラエルは、トルコが、シリアとイラクから輸出してきた密輸された石油を再輸出してきたが、テルアビブは、ガザ沿岸沖のパレスチナ天然ガス埋蔵の採掘を正当化しようとしてきた。並行して、テルアビブは、ナイル・デルタ北のエジプト天然ガス埋蔵を支配するためあらゆる影響力を行使した。この間、イスラエルは、天然ガスを膨大に埋蔵しているレバノンの海域は自国のものだと主張し、またキプロスには、地中海天然ガス埋蔵の支配で訴訟を起こしている。

より広範なエネルギー戦争の輪郭が出現

イスラエルとカタールの協定は、最近のロシア-トルコ緊張より前からあった、エネルギー戦争という枠組みの、より広範なエネルギー貿易ネットワークの一環だ。実際、アル-シャフィ大使も、デミロク大使も、ISILの石油密輸にエルドアンが関与していることを発表するロシア軍の記者会見時期のエルドアン・カタール訪問中に、エルドアンとカタール首長タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー との間で合意された協定に関する情報を繰り返していたに過ぎない。更に、イスラエル、トルコとカタールという空間配置は、中東で起きているエネルギー戦争の構図を反映している。

トルコは、トルコを迂回するイラン-イラク-シリア・エネルギー回廊が作り出されるのを阻止するためにできるほとんどあらゆることをやって来た。イラクのモスル地方へのトルコ軍派兵と、カタールへのトルコ軍事基地開設は、ペルシャ湾とイラクから、トルコをへて、ヨーロッパに到るライバルのエネルギー回廊を作り出すという、トルコとカタールの共通の目標と結びついている。イスラエルが、トルコにガザに対する“無制限の”アクセスを認めるようにという要求は、ガザ沿岸沖のパレスチナ天然ガス埋蔵とつながっている可能性もある。

更に、イスラエルもトルコも、東地中海天然ガスを、主に北方向、トルコと欧州連合に輸出し、石油を主に南方向、イスラエルに輸出するレヴァント・エネルギー回廊の建設すべく、長年活動してきた。この回廊の実現は、主としてシリアによって阻まれてきた。これが、トルコ政府が、ダマスカス政権転覆を推進している理由の一つだ。

トルコは、アメリカ政府とは独自に動いているという主張もあるが、アメリカ・トルコのダマスカス政権転覆という共通目的に関して、何ら調整が行われていないということなど、ほとんどありえない。トルコのエネルギー貿易相手の変更は、ロシア連邦と他の国々との間のエネルギー貿易を阻むことによって、ロシアのエネルギー部門をまひさせるというアメリカの狙いと合致する。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/30/energy-war-heats-up-israeli-turkish-normalization-turkish-base-qatar.html

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IWJ【年末年始の再配信シリーズ】 9条改正よりヤバい!? 安倍政権が目論む緊急事態条項!

2015年12月30日 (水)

一体なぜ第三次世界大戦が差し迫っているのか

2015年12月28日
Paul Craig Roberts

1991年のソ連崩壊は、新保守主義(ネオコン)と呼ばれる危険なアメリカ・イデオロギーを生み出した。ソ連は、アメリカの一方的な行動に対する制約として機能していた。ワシントンに対するこの制約がなくなったので、ネオコンは、アメリカ世界覇権という連中の狙いを宣言した。アメリカは今や世界のどこででも、制約されることなしに行動できる“唯一の超大国”、“一極権力”だ。

ワシントン・ポストのネオコン・ジャーナリスト、チャールズ・クラウトハマーは“新たな現実”を下記のように要約している。

“我々は圧倒的な世界大国だ。わが国は歴史が選んだ国際体制の守護者だ。ソ連が崩壊した際に、何か新しいものが、いかなるライバルにも制約されず、世界のあらゆる場所に対して断固行動できる単一の超大国が支配する全く新たな一極世界が生まれた。これはローマ崩壊以来なかって見られなかった、史上驚くべき新たな進展だ。ローマすら、現在のアメリカの手本にはなれない”

歴史がワシントンに与えた、驚くべき一極権力は、あらゆる犠牲を払ってでも守らねばならない。1992年、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官が、ワシントン外交政策の基盤となった、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを執筆した。

ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、アメリカの対外・軍事政策の“第一の目的”は“旧ソ連地域であれ、他の地域であれ、かつてソ連が引きもたらしたようなスケールの脅威をもたらすような[アメリカの一方的行動に対する]新たなライバルの再出現を防ぐことだ。我々は、いかなる敵対的勢力も、グローバルパワーを生み出すような資源を持つ地域を支配することがないよう努力する必要がある。”と述べている。(“敵対的勢力”とは、十分に強力で、ワシントンから自立した外交政策を持つことができる国のことだ)

アメリカの力という一方的な主張は ユーゴスラビア、セルビア、コソボへの介入と、イラクに飛行禁止空域を押しつけ、クリントン政権時代に本格的に始まった。1997年、ネオコンは、“アメリカ新世紀プロジェクト”構想を書いた。9/11の三年前の1998年、ネオコンは、クリントン大統領に、イラクでの政権転覆と“サダム・フセインを権力の座から排除”を呼びかける手紙を送った。ネオコンは、五年間で、7つの政権を排除する計画を開始した。http://www.globalresearch.ca/we-re-going-to-take-out-7-countries-in-5-years-iraq-syria-lebanon-libya-somalia-sudan-iran/5166

情報に通じた人々は、2001年9月11日の出来事を、ネオコンが、連中の中東における征服戦争を開始するために必要だったといった“新たな真珠湾”だと見なしている。ジョージ・W・ブッシュ大統領の最初の財務長官ポール・オニールは、ブッシュ大統領の閣僚初会合における話題はイラク侵略だったと公に語った。この侵略は、9/11以前に計画されていたのだ。9/11以来、ワシントンは、8か国の丸ごと、あるいは一部を破壊し、今やシリアとウクライナ両国で、ロシアと対決している。

ロシアは、不安定化を、ロシア連邦のイスラム教地域に輸出する基地になるので、シリア/イラクを構成する地域に、聖戦主義のカリフ国が樹立されるのを認めるわけには行かない。ヘンリー・キッシンジャー本人がこの事実を語っており、脳味噌がある人間、誰にとっても明らかだ。ところが、クリントン、ブッシュとオバマ政権を支配してきた、驕りと昂ぶりで夢中の、権力に取り付かれた狂信的ネオコンは、ロシアとの関係が良好だったウクライナの民主的に選ばれた政権を打倒し、政権をアメリカ傀儡政権に置き換え、連中のトルコ傀儡に、ロシア戦闘爆撃機を撃墜させるほどまで、ロシアを追いやる覚悟ができていた。

こうした背景をもとに、世界が直面している危険な状況は、ネオコンの傲慢なアメリカ世界覇権政策の産物であることを我々は理解できる。判断の過ちと、シリアとウクライナ紛争の危険そのものが、ネオコン・イデオロギーの結果だ。

アメリカ覇権を永続化させるため、ネオコンは、ワシントンが、NATOは東方には、一インチたりとも進まないと、ゴルバチョフにした保障を投げ捨てた。ネオコンは、アメリカも、ロシアも弾道弾迎撃ミサイルを開発、配備しないことを規定したABM条約から、アメリカを脱退させた。ネオコンは、アメリカの戦闘教義を書き換え、核兵器の役割を、報復用兵器から、先制第一撃用の兵器へと格上げした。ネオコンは、ありもしないイランの核ICBMからヨーロッパを守る目的だと主張して、ロシア国境にABM基地を設置しはじめた。

ロシアと、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ネオコン、 アメリカ政府やマスコミ内部の連中の傀儡によって悪魔化されてきた。例えば、民主党の大統領指名候補者ヒラリー・クリントンは、プーチンを“新たなヒトラー”と呼んだ。ある元CIA幹部は、プーチン暗殺を呼びかけた。両党の大統領候補は、一体誰がロシアに対して最も攻撃的で、ロシア大統領に対して最も侮辱的になれるかを競っている。

その効果は、核大国間の信頼の破壊だった。ロシア政府は、ワシントン ワシントンは自国法すら、まして国際法など尊重せず、ワシントンはどのような協定も守るとは信頼できないことを学んだ。この信頼の欠如と、ワシントンや売女マスコミが吐き出し、ヨーロッパの愚かな各首都でおうむ返しにされるロシアに対する敵意とが、核戦争の基盤を築いたのだ。NATO(本質的にはアメリカ)は、通常戦争でロシアを、ましてロシアと中国同盟を打ち破れる見込みはなく、戦争は核戦争になるだろう。

戦争を避けるため、欧米の挑発への対応で、プーチンは挑発的にならず、控えめだった。ところが、プーチンの責任ある振る舞いを、ネオコンは、弱さと恐れの印だと誤解した。ネオコンは、オバマ大統領に、ロシアに圧力をかけつづければ、ロシアは降参すると言ったのだ。ところがプーチンは、ロシアは降伏しないことを明らかにした。プーチンは、このメッセージを様々な機会に伝えていた。例えば、2015年9月28日、国連70周年に、プーチンは、ロシアは、世界の現状には、もはや我慢できないとのべた。二日後 プーチンは、シリア国内のISISに対する戦争を指揮することになった。

ヨーロッパ政府、特にドイツとイギリス、核戦争への動きの共犯だ。この二つのアメリカ属国は、ロシアに対するワシントンの見境のないプロパガンダ攻撃を可能にし、自らもプロパガンダを繰り返し、ワシントンの経済制裁と他の国々に対する介入を支持している。ヨーロッパがワシントンの延長に過ぎないものであり続けるかぎり、ハルマゲドンの可能性は高まり続けるだろう。

現時点においては、核戦争が避けられる方法は二つしかない。一つは、ロシアと中国が降伏して、ワシントンの覇権を受け入れることだ。もう一つは、ドイツかイギリスかフランスで、自立した指導者が権力の座につき、NATOから脱退することだ。そうなれば、ロシアとの紛争を引き起こすためのワシントンの主要な道具であり、それゆえ、あらゆるヨーロッパ諸国と全世界にとって、地球上で最も危険なNATO軍からの一斉脱退が始まるだろう。もしNATOが存続し続ければ、アメリカ覇権というネオコン・イデオロギーとともに、NATOは、核戦争を起こすだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/28/why-wwiii-is-on-the-horizon-paul-craig-roberts/
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もし集団的自衛権と、改憲が推進されれば、アメリカ覇権というネオコン・イデオロギーとともに、日本は、中東・アフリカへの侵略派兵をさせられ、アジアで局地戦を起こさせられるだろう。原発が攻撃されれば、原爆投下と似たような結果になるだろう。そういう宗主国の長期計画が、異常としか見えない、傀儡政権の前のめり戦争準備の根底にあるはずだ。宗主国が慰安婦問題決着を命じたのも、そうした思惑を円滑に推進するためだろう。

慰安婦問題、方針を変えることは必ずしも悪いことではない。
問題は、方針を変えた理由が何かだ。という斎藤美奈子「本音のコラム」をネットでちらり拝読した。一部だけ引用させていただこう。

1 自らの過ちに気づいて心を入れ替えた。
2  逆らえない相手に翻意や譲歩を命じられたので、しぶしぶ従った。
3  本当は考えを変えたわけではないが、変えたふりをして、その場を乗り切ることにした。
1なら良い。

1の可能性、100%ないだろう。100% 2に違いない。

孫崎享氏は、Twitterで、こう書いておられる。

慰安婦問題、何故今急に動き出したの。答え簡単です。米国の要請です。28日朝日「日韓が合意に至った場合、米政府は「歓迎声明」を出す方針。米国は日韓両政府に対し、合意に至った場合は最終的な妥結とするよう、水面下で強く求めていた。」米は対中戦略上日韓協力の必要を認識、双方に指示。

白井聡氏は、Facebookで、こう書いておられる。

今回の合意に関してポジティブなことがあるとすれば、次のことでしょう。まず、安倍晋三氏は、「国家の関与は証明されていない」といった類の妄言を二度と口にできないであろう、ということ。このことは、この世の中から不快なことをほんの少しだけ取り除いてくれる。それからもう一つは、今回の「合意」形成の経緯から、「日本の歴史修正主義者が歴史を修正できる範囲は、アメリカが決める」という構図があらためて周知されたことかもしれません。自国の歴史もアメリカ様から与えてもらう「愛国者」! この惨めな現状がさらされたことは、一つの前進かもしれません。

2015年12月29日 (火)

加速する脱ドル化:ドルを使わないイラン-ロシア“新貿易協定”

Timothy Alexander Guzman
Silent Crow News
2015年12月25日

イランに対する戦争の脅威は、天然資源や、イスラエルを守るためと思われる戦略的支配のみならず、石油貿易で利用されているアメリカ・ドルにまつわるものもある。イランは、ロシアとの貿易で、アメリカ・ドルをリヤルとロシア・ルーブルに置き換える方向で動いている。今年1月、イランは“諸外国とドル決済をやめる”という重要な動きをした。

RTの報道によればこうだ。

    “イラン中央銀行(CBI)は述べた。 “諸外国との貿易で、イランは、中国元、ユーロ、トルコ・リラ、ロシア・ルーブルと韓国ウォンを含む通貨を使用する”と、ゴラマリ・カミアブCBI副総裁は国営タスニム通信社に語った。イランとロシアの代表団が新たな貿易協定を話し合うために会合した。イラン・デイリーが、イランとロシアが“二国間で、自国通貨での貿易を促進するため、ロシアと共同銀行口座を設置する”過程にあるという報道をしたばかりだ。イラン中央銀行(CBI)のヴァリオッラー・セイフ総裁は、イランとロシア間の貿易にてこ入れするため、両国の金融部門を結びつける重要性を強調した。セイフ総裁は、あらゆる障害(アメリカ経済制裁)を克服し、様々な信用供与をするには、特別委員会が必要だとのべた。

イラン・デイリーは、イランとロシアの貿易を自国通貨で行うことに関して、1月にイラン大使が述べたことを報じた。

    駐ロシア・イラン大使メフディ・サナエイは、1月末、テヘランとモスクワは、二国間貿易を自国通貨に切り替える計画を進めており、そのため両国は、共同銀行、あるいは相互勘定を設置すると述べた。“両国は、支払いをルーブルと、リヤルで行えるようにすべく共同銀行、あるいは相互勘定を計画しており、[このための]作業グループを設置する合意もできている”とサナエイは述べた。

今年3月、イランとロシアは、“両国の銀行間金融取り引きを監督する”規制委員会を共同で設置する協定を調印した。協定の前向きの成果は、ワシントンと、お仲間の同盟諸国が、敵国に対する金融兵器として利用する将来の経済制裁を避けることだ。イラン・デイリーは、この結果が、長期的に何を実現するかという結論を書いている。

    イランとロシアの中央銀行の間で調印された協定で、具体的には、アメリカが率いる、両国に対する経済制裁の影響を避けるのに役立つよう意図されていると考えられている共同銀行の設立に向かって、両国は更に進んだことになる

これが、一体なぜワシントンが、アサド政府を打倒し、地域における、イランの影響力を弱めようと夢中なのかという理由だ。もしアサドをまんまと排除できれば、イスラエルは、ヒズボラの全面的攻撃に集中できよう。もしシリアとヒズボラが軍事的に敗北した場合、特にもしヒラリー・クリントンやら、大半の共和党有力候補が大統領になれば、イランは、イスラエル-アメリカが共同で率いる核兵器も使用する可能性がある戦争に脅かされることになろう。イランが、ワシントンを神経質にさせているのは確実だ。

産油国に対する通貨戦争: イラク、ベネズエラとリビア

イラク、ベネズエラと、リビアは、石油貿易から、アメリカ・ドルをはずそうとしたが  ワシントンの抵抗にあった。2003年のイラク侵略前に、サダム・フセイン(元アメリカの同盟者)が、石油取り引きで、アメリカ・ドルの代わりに、ユーロを使いたいと決めたのだ。それが、ブッシュ政権が、そもそも、サダム・フセインを排除したがった主な理由の一つであって、決してアメリカのイラク侵略(コード名‘イラクの自由作戦’)の正当化だった、ニューヨーク・タイムズ記者ジュディス・ミラーが書いたでっち上げの“大量破壊兵器 (WMD)”記事のせいではない。アメリカ政府と、アメリカの巨大石油会社は、ドルを“法定”国際貿易通貨として、世界の石油市場を支配しているが、イラクのサダム・フセイン大統領は、アメリカと、ドル支配に対して、ユーロでの置き換えで反抗行した。2006年、元テキサス州下院議員ロン・ポールが、連中のイラクWMDのウソと、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領に対する、ブッシュ政権によるクーデター未遂の背後にあるアメリカ・ドルにまつわるワシントンの本当の動機を、アメリカ下院で説明した。

    2000年11月、サダム・フセインは、石油取り引きに、ユーロを要求した。彼の傲慢さがドルにとっての脅威だった。彼には軍事力が欠けていたので、決して脅威ではなかった。2001年、新政権の最初の閣僚会議では、元財務長官ポール・オニールが語っている通り、主な話題は、アメリカにとって、脅威である証拠は皆無だったにもかかわらず、いかにしてサダム・フセインを排除するかだった。サダム・フセインに対するこの深い懸念に、オニールは驚き、衝撃を受けた。

    9/11直後の政権の対応は、侵略と、彼の政権の打倒を正当化するため、一体どうすればサダム・フセインを攻撃に結びつけられるかを巡るものだったことは、今や周知の事実だ。9/11とのいかなる関係の証拠も、大量破壊兵器の証拠も皆無なのに、サダム・フセイン打倒を正当化するための事実歪曲と、あからさまな虚偽によって、国民と、議会の支持が作り出された。

イラク侵略の主要な理由の一つは、イラクの石油輸出で、アメリカ・ドル使用をやめて、ユーロに変えるというサダム・フセインの狙いだったが、それで留まらない。ロン・ポールは、当時ウゴ・チャベス大統領指揮下にあったベネズエラについても触れた。

    2001年、駐ロシア・ベネズエラ大使が、ベネズエラは、石油輸出を、ユーロに切り替えると語った。一年もしないうちに、CIAの支援を得たとされる、対チャベス・クーデター未遂がおきた。世界の準備通貨として、ユーロで、ドルに置き換えようというこれらの取り組みが抵抗にあった後、ユーロに対するドルの急落は食い止められた。こうしたできごとは、ドル支配を維持する上で、大きな役割を演じた可能性がある。

イランは、長年、政権転覆の目標となっている。ところが、ロシアと中国がからんでいるため、ほとんど、おこり“そうにない”ように思われる。ロシアと中国は、ペンタゴン戦争計画者連中にとって、主要な障害だ。アメリカは、ISISが、国境内で、イランを狙うことができるよう、「イスラム国」地域で更なる混乱を生み出すことを望んでいるが、それは成功の可能性の低い賭けだ。イランは、中東で、アメリカ・ドルの他通貨への置き換え攻撃を率いており、ワシントンはパニックになっている。アメリカ・ドルが優位を失う中、シリア、ヒズボラとロシアが邪魔をしている。世界中の益々多くの国々が、アメリカ・ドルを置き換えようとする中で、戦争を要求するワシントンの声は、益々大きくなるだろう。ワシントンは、イラク、ベネズエラや、リビアに対して行ったと全く同様、イランを、ドルを放棄したら一体何が起きるかを世界中に思い知らせる見せしめにしたがっているのだ。リビア指導者ムアマル・カダフィは、アメリカ・ドルとユーロを、アフリカの石油貿易、そして更に他の貿易からも追い落とすであろう、金と交換可能な“単一のアフリカ通貨”を計画していたが、これが、ワシントンが、一体なぜ、アメリカ-NATO軍にカダフィを権力の座から排除するよう命じたかという理由だ。

ワシントンは、イランを、戦争の脅威で恫喝して、石油取り引きでドルを使うよう強制するだろうか? 複数の大国がイスラム共和国を支援しているので、それは実現不可能な課題だろう。益々多くの国がアメリカ・ドルを欲しがらなくなれば、“交換価値”が下落し、ドルは弱くなる。通常、国々が、外為市場で、特定国の通貨を欲しがれば、その通貨の価値は増す。アメリカ戦争機構は、ドルを維持するために、イランなどの国々に、石油貿易で、ドルを使用するよう強制しようとするだろうか? イランとロシアは現在“通貨戦争”を戦っているのだ。一体誰が両国を非難できよう? 世界中がそれに服従する規則を決める帝国の要求に、両国が従わないがゆえに、イランとロシアに経済制裁をして、ワシントンがこの戦争を始めたのだ。今、イランとロシアは、両国間取り引きからアメリカ・ドルを排除するという長年の懸案だった解決策で、通貨戦争を終えようとしている。

記事原文のurl:http://silentcrownews.com/wordpress/?p=4501
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中国の強まる情報統制 ウイグルの状況について書いたフランス人記者が追放された
世界の憂慮が深まっている、と報道する電気洗脳箱。
自国の強まる情報統制 政権のご意向に沿わない発言をする人物が二人一挙に追放された世界の憂慮が深まっている、とは報道しない。

「石油輸出」で思い出した歌がある。 まるで予言?

寒い冬  詞曲:小室等

事実は議事堂の中でねじまげられ
真実は交番の中に 逃げ込む
今日の出来事は窓の向こうでやりすごされ
物語りはテレビジョンの中で踊る

石油の値段で 明日が決められ
なけなしの心 僅かな金で売る
詩人がため息をつき 寒い冬が来る

子供はプラスチックの 箱に入れられ
母親はその箱に 我が身をゆだねる
牧師はうつむき 弁護士は依頼人を待ち
医者は患者を生かさず殺さず

石油の値段で 明日が決められ
なけなしの心 僅かな金で売る
詩人がため息をつき 寒い冬が来る

ほころびた愛を掌で 弄ぶ間に
指の隙間から何かがこぼれてしまった
バーゲンセールの壊れた優しさ大事に抱え
シルバーシートに身を沈める

石油の値段で 明日が決められ
なけなしの心 僅かな金で売る
詩人がため息をつき 寒い冬が来る

2015年12月28日 (月)

ギャラップ: ウクライナ国民は、オバマが押しつけたキエフ政権を嫌悪している

Eric Zuesse
Global Research、2015年12月24日

12月23日、ギャラップは“ウクライナ国民、指導部に幻滅”という見出しで“およそ10人中9人のウクライナ国民(88%)が、ウクライナ政府では腐敗が蔓延していると言い、およそ10人中の8人(81%)が、ウクライナ企業でも同じ問題が蔓延していると見ている。”と報じている。現在、8%のウクライナ国民が“政府を信頼している”と言っている。17%がペトロ・ポロシェンコ大統領の仕事ぶりを評価している。クーデター前のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領在任時代、2010-2014、この数値は平均約23%で、現在のポロシェンコの数値ほど低くなったことは決してなかった。

ギャラップは報じている“指導部が、革命前より正しい方向に導いているというウクライナ国民の数は減っている”。しかし、あらゆる廉直で見識ある人々が、ウクライナで民主主義実現を促進したという、アメリカ政府の主張と逆に、2014年2月20日に、民主主義を終わらせてしまい - ウソだったことを知っている今、このクーデター を‘革命’と呼ぶこの言い方そのものが、2014年2月、ウクライナにおけるアメリカ・クーデターを“革命”と呼んでいるギャラップ主要顧客の一人、アメリカ政府自身のプロパガンダ-ウソを体現している。“民間CIA”企業、ストラトフォーの創設者さえ、ヤヌコーヴィチ打倒を “史上最もあからさまなクーデター”と呼んだ。そうなったのは、無数の人々によって、多くの違った角度から、イギリスBBCのような、反ヤヌコーヴィチの国々によってさえ、携帯電話やTVカメラで撮影され、ウェブにアップロードされた最初のクーデターだったからだ。そうしたビデオの中でも最良の集大成はここにあり、これが実際クーデターであって、アメリカ政府が主張しているような本物の革命などというものでは全くないことを明らかにしている。

おまけに、キャシー・アシュトン外務大臣に、打倒に関して報告するよう命じられたEU捜査官が、これはクーデターだったと彼女に報告し、しかもペトロ・ポロシェンコ自身さえ“我々”側、つまり反ヤヌコーヴィチ派連中が、それをやったと述べている。後に、連中がいかにクーデターを組織したかを示す証拠が露見した。クーデターの画策は、2013年3月以前に、在キエフ・アメリカ大使館で始まった。そして、こうした全準備の後、2014年2月4日、アメリカ国務省のビクトリア・ヌーランドが、在キエフ・アメリカ大使に、クーデター後、ウクライナを運営すべく、アルセニー・ヤツェニュクを任命するよう最終的な指示を与え、18日後の2014年2月22日、彼は、新大統領が‘民主的に’選出されるまで、首相として、ウクライナを率いるよう任命された。ところが、アメリカ政府は、90%以上が、ヤヌコーヴィチに投票したウクライナ地域の住民には、この選挙には投票させたくなかったので、2014年5月25日のポロシェンコ大統領選挙すら決して民主的なものではなかったのだ。ウクライナのこの地域(歴史的にロシアの一部だった)は、ドンバスと呼ばれているが、クーデターが押しつけた新ウクライナ政権は、2014年5月9日から、既に地域の爆撃をしていたため、クーデター後のウクライナ大統領を決めるのに全く発言権がなかったのだ。あの‘革命’なしにはこうしたことの一つとして起き得なかったろう。アメリカ大統領バラク・オバマの極めて残虐なウクライナ・クーデター。

在キエフ・アメリカ大使、ジェフリー・パイアットが、クーデター(あるいは‘革命’)を組織するのに協力して働いた、ウクライナの二つの人種差別主義ファシスト、イデオロギー的なナチス政党の一つの共同創設者はこの人物だ。しかし、パイアットが意図した人物(アンドリー・パルビー)は、クーデターでの撃ち合いや軍事計画を、他の二つのウクライナ・ナチス政党を設立した民兵組織の友人(ドミトリー・ヤロシ)にまかせていた。

更に、クーデター直後、‘対テロリスト作戦’(ATO)と呼ぶもの、あるいはドンバスの住民を絶滅し追放するための計画を連中が実行できるように、アメリカ政権のために現在ウクライナを運営している傀儡、アルセニー・ヤツェニュクが、猛烈に反ロシア人種差別主義ファシスト、というかナチスの二大ウクライナ政党の指導者連中を、国内治安と軍のあらゆる要職につけた。権威あるファシスト・アメリカ・シンクタンク、ブルッキングス研究所は、オバマにドンバスの焼夷弾攻撃を強化するよう促したが、彼はその時点では、その助言には従わないことを決めたのだ。

オバマは最終的に、ウクライナのロシア国境に、アメリカ核ミサイルを配備したがっており(ソ連独裁者ニキータ・フルシチョフが、1962年、キューバ・ミサイル危機で、アメリカにしようとして失敗したのとそっくり)、このクーデターと(クーデター政権を強固にするための)民族浄化は、自分の狙いを実現するための彼の取り組みなのだ。恐らく次期アメリカ大統領はそれに成功するだろう。こうした全ての計画は、1990年、アメリカ大統領ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュの下で始まった。そして、以来、あらゆるアメリカ大統領がそれを更に推進してきた。アメリカ合州国は1980年頃から民主主義ではない。アメリカは独裁制なのだ。それが物事がこういう状況になっている理由だ。

2014年6月、ポロシェンコがウクライナ大統領となって間もなく、アメリカ政府の為にウクライナでギャラップが行った世論調査は“ウクライナの危機において、ロシアは、概して肯定的な役割、概して否定的な役割、どちらを演じたと思うか答えてくださいという質問に対する回答の‘概して肯定的’のパーセント”で地域別内訳(27ページ)を示している。そこでは、ウクライナ全土が、6つの地域に分類されており、そこには、2010年に、ヤヌコーヴィチ反対投票をした地域(5月25日の選挙で除外された地域)のみならず、最も強くヤヌコーヴィチ支持投票をした二つの地域、ドンバス(90%以上が彼に投票し、“東部”と呼ばれるウクライナの東半分を構成しており、この地域全体で、35.7%が、ロシアの“ウクライナ危機における役割”は“概して肯定的”と評価したことが示されている)と、クリミアも(この6地域の一つで、約75%がヤヌコーヴィチに投票し、71.3%がロシアの“役割”は“概して肯定的”だったと答えた)含んでいる。ロシアの“役割”を、3%以上が“概して肯定的”と評価した唯一の他の地域は、ここでは“南部”と呼ばれているオデッサ周辺の地域で、28.4%の住民が“概して肯定的”とした。

クーデター前のウクライナの他の三地域全ては、大統領選挙が2014年5月25日に行われた地域だ。この地域を、ギャラップは、中央(“概して肯定的”は2.4%)、北部(“概して肯定的”は1.8% )と西部(“概して肯定的”は1% )として分類している。だから、ポロシェンコは、全ウクライナの大統領として選ばれたとはいえ、この極端に分裂した国の最も反ロシアな半分の有権者によってのみ選ばれたのだ。そして現在、他の二つの地域(ウクライナの半分の、圧倒的にヤヌコーヴィチ支持派地域)の住民は、ウクライナから分離し、(これらの地域が長い間その一部だった)ロシアに再度合併しようとしていたのだ。クリミアとドンバス。クリミアは、プーチンによって、ロシア編入を受け入れられたが、ドンバスは受け入れられなかった。

ロシアがクリミア住民の、ロシア再編入への懇願を受け入れたこと、そして、ロシアが、ウクライナからウクライナのドンバス地域住民を絶滅する、そして/あるいは、追放するというオバマが押しつけた政権の民族浄化計画に反対していることで、アメリカのオバマ大統領は、ロシアに対して経済制裁を課した。オバマの残虐な2014年2月のウクライナ・クーデターを受け入れたのと同じ欧州連合が、彼のウクライナにおける民族浄化キャンペーンも受け入れたのだ。そしてオバマは、ジョン・ケリー国務長官による、内部の反対にもかかわらず、それを最終的に継続するよう主張している。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。
本記事の初出は、Global Research
Copyright Eric Zuesse、Global Research、2015

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/gallup-ukrainians-loathe-the-kiev-government-imposed-by-obama/5497679
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2014年12月にロシアとの間で「 密漁・密輸出対策に対する協定」が発効し、ロシアからの輸入が規制されているおかげだろうか、タラバガニが値上がりしているようで、年金生活者にはつらい年末。年に一度しか食べられない。

昨日読み始めた『亡国記』あっというまに読了。シリア難民、人ごとと思えなくなった。何とも不思議なへなへな防潮堤の浜岡原発が、南海トラフ地震で破壊して話は始まる。小松左京の『日本沈没』を思い出した。

購読する大本営広報部書評では決して紹介されない内容。東京新聞に紹介記事がある。

「最悪」想像する力を 原発事故テーマに『亡国記』執筆 北野慶さん(作家)2015年11月14日

ロシア・ウクライナ関係で、本記事と真逆の主張の本を読んだ。はなから期待しなかったが。
『ロシア怪伝』というべきか。ロシアは、クリミアを武力で奪取したから、経済制裁されて当然とする一方、宗主国が画策したクーデターについては全く触れない不思議な論説。北方領土についても同様。孫崎享氏の発言と真っ向から対立する官製主張。

対立する主張、両方が正しいことはありえない。どちらかが正しく、どちらかが間違っている。

政府や国を存分に批判する言論の自由、ここでも保障されていることを証明している。
宗主国・属国についてでなく、ロシアと中国についての批判であれば全く自由だ。
ヒラメ族、宗主国・属国について的確な批判を書くはずがない。
購入して読んだ自分の責任。

見聞きしたり読んだりした自己責任といえば、先日のTPPバラ色試算のデタラメ報道には驚いた。大本営広報部・大政翼賛会は、この国家ぐるみのオレオレ詐欺の真実を絶対報じない。騙して、選挙圧勝を実現するための虚報洗脳こそお仕事。それだけ見聞きし読んでいれば、脳は萎縮するだけに思える。

TPPについて、ブレル、うそつくだけの売国集団が、そしてその提灯持ち連中が何を言っても信じてはいけない。自己責任ではなく、自爆行為。子々孫々にまでたたるだろう。

日刊IWJガイドの一部を転載させていただこう。皆様に、是非とも有料会員になられるようお勧めする。大本営広報では見られない読めない事実を知ることができるのだから。

■TPPでGDP14兆円アップ!?驚天動地の「バラ色」政府影響試算の杜撰な実態

 12月24日、出来の悪いクリスマスジョークのようなニュースが飛び込んできました。

 政府は、TPPによる経済効果の試算を取りまとめたのですが、なんと、GDP(国内総生産)14兆円アップ、農林水産分野はわずか2100億円ダウン、という、なんとも「バラ色」の予測を発表したのです。

 政府は2013年にも試算を発表しているのですが、その時は、GDPは3.2兆円アップ、農林水産分野で3兆円ダウンという予測でした。この2年、TPP交渉においていかに日本が不利な状況であるか、という事実は次々に明らかにはなりましたが、GDPが4倍にも好転するような情報は、一つもありませんでした。

 そもそも2013年の試算ですら、「廃業した農家が一人残らず全員、別の職に就くことができる」、「農産物の生産減少が加工業や輸送業に及ぼす影響についてはスルーしている」などなど、政府にとって都合の良い、杜撰なものでした。

 東京大学大学院の鈴木宣弘教授はNHKの取材に応え、「私の試算では、GDP=国内総生産はほとんど増えないし、農林水産物では1兆円を超える被害が出て、自動車分野もむしろマイナスの影響があるという結果になる」と断言し、「今回の試算は過大に評価されている」と批判しました。

※TPP試算 GDP14兆円押し上げる効果(12月24日 NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151224/k10010351921000.html


 その鈴木教授が加わっている、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は2013年、政府のデータを基に独自試算を行った結果、【農産品19品目だけ】でも、生産額が2兆5142億円(総生産額の26.1%)、全国の農家の所得が4081億円(総所得の13.9%)減少し、それがもたらす関連産業への影響は計11兆6918億円、全国の所得が1兆7692億円減少する、という恐るべき結果を発表しました。

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・2013/07/19 【IWJブログ:「TPPは政府が掲げるメリットとは逆行した帰結を生む」農業生産減少は地域産業に平均3.7倍の影響、関連産業で計11.7兆円減少
~大学教員の会が都道府県別の影響試算】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/92177
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 政府は今回、分析結果を公表していますが、「輸出入拡大→貿易開放度上昇→生産性上昇→実質賃金率上昇→労働供給増」などと、風が吹けば桶屋が儲かるレベルの楽天的な見通しが書かれているばかりで、その根拠はきちんとは明示されず、2013年の試算と同じく杜撰なものです。

 この驚天動地のTPP影響試算については、来年の通常国会の主要テーマの一つとなること必至。IWJも、この影響試算のデタラメさ、嘘、矛盾を追及し、「悲劇的な本当の影響試算」を明らかにしていきたいと思います。

近いうちに、必ず、鈴木教授のより詳しい話を鈴木教授の寄稿か、岩上さんによるインタビューか、あるいはその両方か、とにかく必ずお伝えします!

 ところで先ほど紹介したNHKの記事、さりげなく「TPPへの署名を前に~」などと書いていますが、IWJでは繰り返しお伝えしていますが、TPPは「まだまだ各国で深い溝があるけど、とりあえず合意したと言っておこう」という段階です。それを日本でだけ「大筋合意」などと喧伝し、まるでほぼ決まってしまい、後は署名の手続きするだけのように報じていますが、実際は、まだ何も決まっていません。これは報道による既成事実化を狙うもので、悪質な情報操作そのものです。

NHKをはじめ、マスメディアの毎日の報道には、こうしたさりげない情報操作がいたるところに散りばめられています。マスメディアの報道だけを鵜呑みにしないでください!  どうか、皆さん、気をつけていただきたい!

 正式な協定文書も、国会での議論も、国会での承認も、批准も、各国の調印もまだです。NHKの報道は、しれっとした顔でこうした情報操作を行うので、本当に油断も隙もありません。

2015年12月27日 (日)

2016年、更なる花火を準備する混沌の帝国

Pepe Escobar
2015年12月25日
"RT"


F18 スーパー・ホーネット © Mark Wilson / Reuters

独創的な著書『ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ』で、ブライアン・ウォード=パーキンズは書いている。"崩壊前のローマ人は、現在の我々同様、自分たちの世界が永遠に続くと確信していた... 彼等は間違っていた。彼らの独りよがりを繰り返さないよう、我々は賢明になるべきだ。”

現代、混沌の帝国の問題は、独りよがりではない。問題は思い上がりと恐怖だ。冷戦が始まって以来、決定的な問題は、ユーラシアの、地政学の生みの親ハルフォード・ジョン・マッキンダー卿(1861-1947)によれば“ハートランド”の、偉大な貿易ネットワークを支配するのは一体誰か、だ。

混沌の帝国にとって、ゲームは、1953年にCIAが支援したイランでのクーデターで、アメリカが、何世紀もシルク・ロードが交差してきた、著名なユーラシアと、ついに直接遭遇し、その全ての征服を開始してから、本格的に始まったと言えるだろう。

わずか60年後の21世紀、それがアメリカのシルク・ロードではなく、むしろ古代の前身と同様、中国のものとなることは明らかだ。自ら“一帯一路”と呼ぶものへの北京の熱望には、衰えゆく帝国とユーラシア統合との間の、21世紀紛争が組み込まれている。主要な脇筋には、何度も繰り返されるNATO拡張と、南シナ海を交戦地帯にするという帝国の強迫観念がある。

北京-モスクワ戦略的提携が分析している通り、混沌の帝国を実際に運営しているオリガルヒ・エリート連中は、貿易、商業と通信のつながりに基づく統合プロセスから、自分たちはほとんど排除と考え、ユーラシア包囲を決意している。

北京とモスクワは、容赦ない悪魔化を伴う挑発につぐ挑発をはっきり認識している。しかし両国はいずれも非常に時間のかかるゲームをしながらも、わなにはまることはない。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、欧米を“パートナー”として扱うと外交的に主張している。だが彼は、そして中国国内の情報通も、連中が本当の“パートナー”ではないことを知っている。1999年のNATOによる78日間のベオグラード爆撃以降そうではない。中国大使館への意図的爆撃以降そうではない。留まるところを知らないNATO拡張主義以降そうではない。キエフにおける違法クーデターという形での第二のコソボ以降そうではない。アメリカ傀儡湾岸オイルダラー・諸国による石油価格破壊。ウオール街が仕組んだルーブル下落以降そうではない。アメリカとEUによる経済制裁以降そうではない。ウオール街のアメリカ代理連中による中国株の粉砕以降そうではない。南シナ海における、果てしのない威嚇以降後そうではない。Su-24撃墜以降後そうではない。

本当に間一髪だ

Su-24撃墜へと向かう準備段階を早戻しすると大いに参考になる。オバマがプーチンと会談した。直後に、プーチンはハメネイと会談した。エルドアン皇帝は、不安を感じるべきだった。本格的なロシア-イラン同盟が、テヘランで大々的に表明された。それはSu-24撃墜のわずか一日前だった。

フランスのオランドはオバマと会談した。しかし、その後オランドはプーチンと会談した。エルドアンは、NATO憲章の第5項に従って開始されるべきNATO戦争のための完璧な口実をでっちあげることができたと思い違いをしていたのだ。慌てて、Su-24撃墜を支持したのは、破綻国家ウクライナしかなかったのは偶然ではない。ところが、NATO自体が、いささか恐れをなして、たじろいだ。帝国には核戦争の用意ができていなかった。

少なくとも今はまだ。ナポレオンは、歴史が細い糸の上で展開することを知っていた。冷戦2.0が機能していた限り、また今後機能しつづける限りは、核戦争から間一髪だ。

いわゆるシリア和平プロセスで何が起きようとも、ワシントンとモスクワとの間の代理戦争は続くだろう。思い上がったアメリカ・シンクタンク、ランドは他の見方ができないのだ。

アメリカ例外主義ネオコンにとっても、新自由主義ネオコンにとっても、唯一受け入れ可能な大詰めは、シリア分割だ。エルドアン体制が北部を吸収する。イスラエルは石油の豊富なゴラン高原を吸収する。そして傀儡サウド王家が東部の砂漠を吸収する。

シリア分割後の次の一歩として、アンカラ、リヤドと、“背後であやつる”ワシントンが、聖戦ハイウエイを、はるばる、北のカフカスや、中央アジアや新疆(既に少なくとも300人のウイグル人が、ISIS/ISIL/ダーイシュ側で戦っている)へと推し進めることを計画しているため、こうした入念な計画を、ロシアは爆撃で文字通り灰塵に化した。他が全部駄目な場合、ユーラシア統合という組織に短剣として突っ込むのに、聖戦ハイウェイ以上のものはない。

中国戦線では、混沌の帝国による“創造的”挑発として、何が行われようとも、それが、未開拓の石油とガスの富が詰め込まれている、中国に出入りする主要海路をなす広大な海域、南シナ海における北京の狙いを頓挫させることはあるまい。2020年までに、北京は必ずや恐るべき海洋強国になるつもりだ。

ワシントンは、ベトナム、フィリピン、インドネシアとマレーシアに対し、今後二年で、2億5000万ドルの軍事“援助”をするかも知れないが、それはほとんど無意味だ。“創造的な”帝国の考えが何であれ、例えば射程2,500 kmの核弾頭搭載可能なDF-21D“空母攻撃”弾道ミサイルも考慮しなければならない。

経済面では、ワシントン-北京は、主要な代理戦争地域であり続けよう。ワシントンは、TPP、つまり貿易上のNATOアジア基軸を推進している。12の加盟国、とりわけ、アメリカの極めて敵対的な議会が、それを批准する必要があり、依然、際限なく大変な課題だ。

この一つの芸しかできないアメリカに対し、習近平は複雑な3方面戦略を実施している。TPPに対する中国の反撃策のアジア太平洋自由貿易圏 (FTAAP)。実に壮大な“一帯一路”。世界銀行と、アメリカ-日本が支配するアジア開発銀行(ADB)に対する中国の反撃策で、多数のプロジェクトに資金調達する手段である、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)だ。

例えば、東南アジアでは、数字が全てを語っている。昨年、中国は3670億ドルもの額で、最大のASEAN貿易相手だった。2018年までに、2000億ドルの中国投資を吸収する予定の一帯一道によって、これは幾何級数的に伸びるだろう。

『闇の奥』再訪

ヨーロッパの見通しは、ひたすら暗い。フランス人イラン研究者のファルハド・ホスロハヴァルは、問題の核心を明らかにした僅かな人々の一人だ。ヨーロッパ中の聖戦戦士予備軍は、都市中心部の締め出されている貧しい若者の大群を取り込み続けるだろう。EUの新自由主義ネオコンが、新たな形の社会化を実施して、これらの疎外された大衆を、ゲットーから引き出す、妥当な社会-経済政策を促進するだろう証拠は皆無だ。

そこで逃げ道は、狡猾でPRに精通した暴利を貪る連中によって、抵抗の象徴として喧伝されているウイルス風サラフィー聖戦主義しかなくなってしまう。市場で入手可能な唯一の対抗イデオロギーだ。ホスロハヴァルは、それを“歴史的には決して存在しなかった活気ある共同体”ながら、今や自己認識の危機に苦しんでいる、あらゆる若いヨーロッパ人なり、イスラム教徒なりを、あからさまに引き寄せている新ウンマとして定義している。

中東の独立諸国に対する丸15年間の終わりのないアメリカ・ネオコン戦争と並行して、ペンタゴンは、既存基地のいくつかで果てしのない拡張を大幅強化し、アフリカの角のジブチから、イラク・クルド自治区のアルビールまでを“ハブ”にするつもりだ。

サハラ以南のアフリカから、南西アジアで、その全てが嬉々として特殊部隊を受け入れるハブの構築ブームが起きるだろう。この作戦は、ペンタゴン最高権威者、アッシュ“泣き言帝国”カーターによって“必要不可欠”だとされている。“我々は将来を予見することはできないのだから、スペインのモロン空軍基地から、ジャララバードから、アフガニスタンまでの各国の中心地を、テロや他の種類の様々な危機に対応するための前方プレゼンスにする。こうしたものが、一方的な危機対応や、対テロ作戦、あるいは高い価値を持つ標的に対する攻撃を可能にする。”

全てがここにある。帝国の絶対的命令にあえて逆らう全ての人々に対して活動中の、一方的例外主義スタンだ。

ウクライナから、シリアに到るまで、そしてMENA(中東と北アフリカ)全体で、ワシントンとモスクワとの間のリスクが益々高まる代理戦争が弱まることはあるまい。不可逆な中国勃興を巡る帝国の絶望も弱まることはあるまい。新たなグレート・ゲームが速度を増し、ロシアが、ユーラシア大国のイランと中国とインドに、欧米が保有するものをはるかに超えるミサイル防衛システムを提供する中、新たな常態に慣れよう。ワシントンと北京-モスクワ間の冷戦2.0だ。

最後に、ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』中の文章をお読み願いたい。"嘘には死の汚れ、免れられない死の匂いのようなものがある....大地の底からその宝を掠めとることが彼らの願望であり、金庫破りの盗賊さながらに、その願望の裏には何の道徳的目的もなかった....なぜなら、僕らはあまりにも遠い所に来てしまったのであり、原始時代の夜を、ほとんど何の痕跡も─何の記憶も残していない遠くに去ってしまった時代の夜を、いま旅しているのだったから...

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

Pepe Escobarは、独立した地政学専門家。RT、スプートニクや、TomDispatchに寄稿しており、アメリカから東アジアにまで到るウェブサイトや、ラジオやTV番組にも頻繁に寄稿、出演している。アジア・タイムズ・オンラインの元移動特派員。ブラジル生まれで、1985年から海外特派員をしており、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、ワシントン、バンコクと香港で暮らした。9/11前から、特に、大国間の地政学、エネルギー戦争に集中して、中東から、中央アジア、東アジアに到る円弧の報道を専門にしている。彼の著書に "Globalistan" (2007)、"Red Zone Blues" (2007)、"Obama does Globalistan" (2009) および "Empire of Chaos" (2014)があり、いずれもNimble Booksより刊行。最新刊は "2030"で、これもNimble Booksから、2015年12月刊行予定。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/326965-2016-us-syria-turkey/
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文末にあるジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』引用文、『闇の奥』藤永茂訳、三交社刊のものを使わせていただいた。

「劇論!政治・外交」で、官邸と太いパイプを持つ方を初めて拝顔。
音声を消しているので、皆様が何をおっしゃっているのか全くわからない。
そのほうが、健全な精神養成に効果があるだろうと勝手に思っている。

この国の大本営広報部、紙媒体であれ、電気洗脳箱であれ、すべてが来年選挙用洗脳機関なのだから。

2015年12月26日 (土)

サウジアラビア-ロシアの石油のかけあい?

Pepe ESCOBAR
2015年12月25日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

“ロシアの石油会社が確実に生産を減らすのはいつか教えよう。石油価格が0ドルになった時だ”ロシア連邦エネルギー省次官キリル・モロツォフ。これは2015年の流行語の一つとなるに違いない。

世界的供給過剰を食い止めるために、OPECが生産を削減するのを拒否していようとも、石油価格が0ドルになるような話は忘れよう。

ロシアは、まるで明日などないかのように、石油採掘を続けるだろう。

概要はこういうことだ。ロシアは、2016年の石油生産レベルを驚くべき53300万トンで維持するだろう。これは、つまり一日平均、476万バレルの輸出だ。

より効率的な一連の精油所のおかげで、国内需要は減少したが、輸出は増えた。ルーブル安と、石油価格が下落すると税も減るおかげで、ロシア石油会社は、欧米メジャーと比較すれば、安い石油価格による損失は少ない。ロスネフチ会長のイゴール・セチンが、ロシア、特に西シベリアの油田は、生産経費が“世界で一番安い”と豪語したのは有名だ。

ロシアは、サウジアラビアとならんで、世界第一の石油生産国だ。そして、2015年、ロシアは、サウジアラビアより少なくとも三倍多くの石油を中国に輸出した。これはユーラシアにおける、ロシア-中国戦略的提携の重要なエネルギーの側面として、しっくりする。

益々奇妙なことに、両国の石油戦略は真っ向からぶつかるものの、ロシアとサウジアラビアが、ひょっとして同盟国になるかも知れない可能性と並行して、この過程が進んでいる。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、軍事-技術的な場での“数十億ドルの計画 ”を示唆した。

これは、石油価格を押し下げるという自らの戦略で酷く傷ついて、ようやくサウド王家の目からうろこがおちた兆しなのかも知れない。これは、長期的に、サウド王家がロシア-中国戦略的提携とより緊密に連携する可能性も意味する。中国はサウジアラビアの最大の貿易相手国で、断続的に、最大の石油顧客なのだから。

2014年にサウド王家が石油価格を押し下げた主要動機は、ロシアのシリア支援の意思を屈伏させることだった。今や、経済的な評決は下ったが、要するに、実にもう悲惨な状態で、2015年、サウジアラビアは、GDP比で16%の財政赤字となり、スタンダード・アンド・プアーズのソブリン信用格付けが、“AA-/A-1+”から“A+/A-1”に引き下げられた。

ロシアは石油生産を継続した。更にモスクワは、ダマスカスを守るべく、華々しく空軍を送り、だめ押しまでした。

つまりモスクワと北京は、エネルギー提携を強化し、サウド王家は基本的にロシアから市場シェアをもぎ取ることに失敗したのだ。極めて重要なのは、例えばロシア第三位の石油生産者、ガスプロムネフチが、1月以来、エネルギーを北京に元で売っている事実だ。

先にあるのはシルク・ロード

石油価格は、2016年中、低価格であり続けよう。OPECはばらばらなままだろう。それでも、ロシアもイランも、なんとか生き残れている。サウド王家にとっての“なぐさめ”は、低価格戦略によって、多くの競合相手を市場から追い出せたことだ。

アメリカの石油インサイダーは、ロシアとサウジアラビアは、敵ではなく、味方でいる方が合理的だと主張している。OPECと、湾岸オイルダラー・クラブにとっては、単にロシアと共に石油生産を10パーセント削減するだけで、石油価格は倍増するが、それを、そもそも、サウジアラビアが潰しているのだ。これはロシアと、サウジアラビアそれぞれにとって、年間およそ1800億ドルの新たな利益を意味しよう。

それゆえに、ロシア-サウジアラビア石油協定は、日に日に現実味を帯びつつある。リヤドと密接な関係を持っている有力者連中が、それを実現させようとしている。そうなれば、文字通り、金で舗装された大道に至れよう。

サウジアラビアとアラブOPECが、ロシアと、そして更には可能性として、イランとも和解すれば、湾岸オイルダラー・クラブが、現代史における世界最大のインフラ・プロジェクトの一員となる道を切り開くことになろう。中国が率いる一帯一路、貿易、通商と、一級インフラによるユーラシア統合だ。中国新シルク・ロードは、ロシアと、ユーラシア経済連合(EEU)諸国と、前向きに統合するだろう。

サウド王家にとっては厳しい選択だ。ユーラシア統合に賭けて利益を得るか、それとも、ワッハーブ派のおかしな連中集団を騒がせ、兵器化し続け、典型的な逆噴射で、最終的に、連中がイデオロギー・マトリックスの方向を変え、メッカそのものを占拠しようとすることになるかだ。

だが、おびえた被害妄想のサウド王家が、合理的判断をするなどと期待してはならない。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/25/a-saudi-russian-oil-splash.html
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以前、トルコ・ストリーム合意の記事を読んで、本当かと驚いた。爆撃機撃墜で、話は中断している。この話題も、眉に唾をつけたくなるが、何があっても驚かない。

東京大洪水』高嶋哲夫著の55ページを読みながら、大本営広報部が再三話題にするマンション杭偽装を思い出した。

「パンフレットをちゃんと見るように言ってください。要点はすべて書いてありますから。この辺りは埋め立て地で下は海ですが、基礎はその下の岩盤にまで、しっかり打ってあります。いい加減な記憶で見学者に答えないでください。」
「耐震強度偽装の事件以来、皆、過敏になっている。扱いにくいよ。」
「本来、そうあるべきなんです。それだけの注意を払って選ぶべき値段の買い物なんですから」

大洪水の描写を読みながら、鬼怒川氾濫を思い出した。

国の土台が大いに浸食されつつある状況を、大本営広報部・大政翼賛会は全く触れない。

『街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋』2015年12月25日記事の事態に目をつぶって、競技場案の善し悪しやら、少女誘拐?やら、おかしな教師の外国での買春をまじめくさてっ語る皆様、記事を書く皆様、正気なのだろうか?それとも、皆様全員、アメリカ語を母国語なみに駆使する能力をお持ちなのだろうか?

おとしめられる日本語  日本の公式言語は英語である

2015年12月25日 (金)

アメリカの“大東亜共栄圏”

Wayne MADSEN
2015年12月22日 | 00:00

アメリカ合州国は、アメリカと、そのアジア-太平洋の同盟諸国との緊密な軍事・経済条約を作り出すのに、ファシスト大日本帝国の作戦帳から、一ページを借用して。大日本帝国が“大東亜共栄圏”と呼んだものの重要な標的であった中国は、東京ではなくワシントンから発するもう一つの“共栄圏”、“環太平洋戦略的経済連携協定”として知られているものによって、またしても自らが照準が定められていることに気付くこととなった。

日本の真珠湾攻撃前の、アメリカ合州国とイギリスに対する日本の挑発的軍事行動は、アジアにおける欧米軍の防衛力を試すのが目的だった。ペンタゴン、特に真珠湾のアメリカ太平洋艦隊司令官スコット・スイフト大将は、今や地域の中国軍部隊に対し、同種の挑発を行っている。アメリカの戦略は、ファシスト大日本帝国のそれと全く同じだ。アメリカ軍用機と戦艦を利用して、南シナ海や、中国本土に隣接する他の海域の、中国海防、防空安全保障区域への侵入作戦を行っているのだ。

皮肉にも、安倍晋三首相の軍国主義政権の下、日本は対中国作戦において、アメリカ合州国の全面的なパートナーで、日本領海、領空外の作戦で、アメリカ合州国を支援するため、海軍や他の兵力を派兵する計画を発表している。

南シナ海に中国が保有するとして紛争になっている諸島に対する接近出撃の最接近点で、スイフトは、海軍P-8Aポセイドン哨戒機の一機に自ら搭乗していた。中国は、スイフトや、他のアメリカ軍パイロットの行動は、危険なほど挑発的だと述べた。スイフトは、中国を挑発するのに、250,000人の海軍と海兵隊要員、航空機2000機、200隻の水上艦船、43隻の潜水艦を自由に使えるのだ。これには、空軍、陸軍や沿岸警備隊を含む、太平洋地域の他のアメリカ軍兵力は含まない。今年12月10日、二機のアメリカ空軍B-52戦略爆撃機が、中国が領有を主張する南沙諸島の2海里内を飛行した。ペンタゴンは、出来事は“過ち”だと主張しているが、中国は説明を信じなかった。

B-52が、中国の諸島から2海里内に侵入したのは“過ち”だったというペンタゴンのばかげた主張は、1937年12月、日本軍が、中国の揚子江警備船、アメリカのパナイ号を沈没させたのは、“大変な過ち”だったという日本の言い訳を彷彿とさせる。日本の説明は、日本軍ランチが、パナイ号を機銃掃射して沈没させ、日本軍飛行機が水中の生存者を機銃掃射したという説明とは、真っ向から対立する。日本は更に、日本が、アメリカ合州国のスタンダード石油会社所有の商船三隻に対して攻撃したのも“過ち”だったし、日本軍の飛行機が、海中で生き残っていたアメリカや他の国々の商船船員を機銃掃射したのも“過ち”だったと主張した。南シナ海の中国の海上防衛区域内を航行したり、飛行したりしたのが“過ち”というペンタゴンの主張は、1937年に、日本の広田弘毅外務大臣が、ワシントンにいる国務長官にした欺まん的主張と同じ位に不誠実だ。

今年10月、アメリカのミサイル駆逐艦ラッセンが、南沙諸島から12マイル内を航行した。中国に対するアメリカの空軍、海軍による挑発の後、18.3億ドルの武器を、台湾に売るというオバマ政権は決定した。アメリカの決定は、アメリカ長年の同盟国、台湾と中国の関係修復を頓挫させることを狙っていた。11月、中国の習近平主席と台湾の馬英九総統、未曾有の会談がシンガポールで行われた。オバマ政権と、ハワイ州駐留のアメリカ軍の戦争挑発者連中は、中国という龍の目を更に棒で突っ付くことに決め、南シナ海で、更なる挑発的な作戦出撃飛行をする目的で、アメリカ海軍は、ポセイドン偵察機を、歴史的な中国・台湾間サミットの場、シンガポールに駐留させる予定だと発表した。

スイフトや太平洋地域他のアメリカ司令官連中や、オーストラリア、日本、ニュージーランドと、フィリピンの軍当局は、これから実現するアメリカの経済-政治-軍事・環太平洋戦略協定TPP圏の参加諸国が、南シナ海と東シナ海に、アメリカと同盟諸国の強力な軍事的プレゼンスを維持すると、中国に警告した。フィリピン、韓国、台湾、インドネシアとタイは、TPP加盟候補だ。ペンタゴンは、日本、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、オーストラリアとマレーシアを含む加盟諸国にアメリカ軍部隊を駐留させる権利を強化するのに、アメリカが率いるTPPを存分に活用している。ボルネオ島サバ州のコタキナバルに中国の海軍軍港施設を認めるというマレーシアの決定が、ブルネイとサバ州に隣接する、フィリピンのパラワン島に新基地を建設するというアメリカの計画を招いた。

アメリカ合州国も、旧太平洋諸島信託統治領のミクロネシア、パラオと、マーシャル諸島で、伝統的な新植民地主義的姿勢を強化している。これらの島々の独立は名ばかりで、国連総会では、いつもアメリカ合州国とイスラエルにしっかり足並みを揃えて投票する。

ミクロネシアのチューク諸島が、パラオと連合を形成する可能性も視野にいれて、独立を宣言しようという取り組みに対して、オバマ政権は激しく戦った。アメリカ合州国と、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国とパラオ共和国との間のいわゆる“自由連合盟約”で、アメリカ合州国は、ペンタゴンが望む時に、いつでもこれら諸国に軍事基地を設立する権利を有している。グアムと同様、巨大な海軍、空軍基地を擁する、これらの太平洋諸島諸国は、ワシントンが太平洋における軍事的存在を強化すると、領土の多くをアメリカ合州国に奪われる立場にある。アメリカは、例えば、ジャングル戦争訓練センターとして利用するバベルダオブ島(パラオ本島)のジャングル30,000区画、マラカル湾の大半と、二つの飛行場と、弾薬貯蔵用の2000エーカーの土地を含め、パラオ領土の三分の一を軍用に占有する権利を持っている。

アメリカは、マーシャル諸島共和国のクェゼリン環礁に、弾道ミサイル試験センターを維持しており、ミクロネシアのポンペイ島に、アメリカ-オーストラリア共同軍事司令センターを設置する可能性も提案されている。

パラオ憲法のXIII条に反して、諸島に貯蔵されているアメリカの弾薬には、核兵器が含まれている可能性がある。長年、中央情報局(CIA)が、三人のパラオ反核政治指導者暗殺に関与していると見なされてきた。1985年の、パラオ初代大統領、ハルオ・レメリク大統領、1988年、レメリクを引き継いだ二代目パラオ大統領、ラザルス・サリー大統領、そして、1987年、反核活動家ベドール・ビレズだ。1990年、弟のグアム上院議員ポール・ボルダロが、アメリカ領グアハン(グアム)の独立を志向しており、最終的な独立という大義にも自身好意的だったらしい、グアム知事リカルド・ボルダロが、汚職の罪で有罪判決を受けた後、射殺死体で発見された。ボルダロの遺体は、グアム国旗に包まれ、チャモロ人酋長ケプハの銅像に鎖で取り付けられ、近くには“我が島に捧げる命が一つしかないのが残念だ”と書いたプラカードがあった。パラオで、レメリク、サリーとビレズに起きたことからして、ボルダロが自殺すると考えるべき理由はない。CIAは、自殺にみせかけた暗殺を実行する達人だ。歴代の沖縄県知事がアメリカ軍の沖縄駐留継続に反対しており、日本の天皇と首相に対する沖縄県民の反感は高いままであり、沖縄県庁に対して、アメリカと日本の秘密工作員連中が仕組む、政治的ごまかしの可能性は高い。

太平洋地域で、軍国主義的、攻撃的存在を維持するということになると、アメリカ合州国は、アメリカの政策は“太平”とほど遠いことを再三再四示してきた。戦争こそが、真珠湾の大将、グアムにいる将軍や、ペンタゴンの戦争計画者にとっての至上目的だ。第二次世界大戦時、帝国主義ファシスト日本に対して、同盟していたのはアメリカ合州国と中国だった。今では、中国に対して、軍国主義的、ファシスト的条約で連合しているのは、アメリカ合州国と日本だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/22/america-greater-asia-prosperity-sphere.html
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大本営広報部、一体何社あるのか知らないが、一人の議員の働きに及ばないことなど、本当にありえるのだろうか。全文邦訳して、売国傀儡政府の巨悪を証明すること、本気になればできないはずがない。日本語正文がないことすら、批判せず、意図的にさぼって、隠している、阿呆、いや売国奴集団であること、100%確実。

山本太郎参議院議員
TPP協定の 「医薬品」と「ISD条項」を翻訳しました

司法に良心はなく、政権も御用学者も大本営広報部も企業も労組も福島事故に学ばない腐った島国。そして、

この島国の独立は名ばかりで、国連総会では、いつもアメリカ合州国とイスラエルにしっかり足並みを揃えて投票する。

残念な報道。

古舘伊知郎氏が「報道ステーション」降板を発表…「新しいジャンルに挑戦したい」と本人から申し出

TBSの『NEWS23』、アンカーの岸井成格氏に対する攻撃と同根の原因。大本営広報部は真相は報じない。孫崎享氏、twitterやメルマガで、そうした呆導を批判しておられる。

逆に、この二つの番組以外は、いずれも」素晴らしい」洗脳番組。
これから電気代が節約できる。残念ながら、嬉しい理由からではないが。

古舘伊知郎降板 総まとめ特集! これが1年半、古舘と『報ステ』が受けてきた圧力だ

2015/04/02 渦中の人が「報道ステーション」降板の全真相を激白! 「I am not ABE」発言の真意――そして、官邸からの圧力の実態とは?~岩上安身による元経産官僚・古賀茂明氏インタビュー

この記事と直結する内容、数日前「対日開戦20年前、米がパラオ諸島調査 補給線を研究か」という記事を読んだ。やはり。

米軍の戦略・作戦を研究する下平拓哉客員教授(海上自衛隊1佐)が、同大が所蔵する米国の対日作戦計画「オレンジ計画」関連文書の中から見つけた。

とあった。宗主国さるものひっかくもの。

満州国を経営した人物の孫が、今度は国そのものを宗主国の満州国にしている中、報道は、当然、満州並。

受動的であっても、無料で見られる電気洗脳箱の痴呆化番組を見るのはやめて、多少の費用を払って、大本営広報部から独立した組織、人々の情報を読む以外、洗脳されずにい続ける方法、思いつかない。

【IWJ特別寄稿】「第三世界の国」「独裁国家」——国連「表現の自由」特別報告者訪日の日本政府による「異例のドタキャン」に世界で広がる不信 訪日に尽力した藤田早苗氏がその内幕を明らかに!

2015年12月24日 (木)

ドナルド・トランプ: 一つの評価

Paul Craig Roberts
2015年12月21日

2015年12月21日時点の世論調査で判断すれば、ドナルド・トランプが、アメリカ次期大統領の最有力候補だ。

トランプは色々な問題に対する彼の姿勢というより、彼がありきたりのワシントン政治家ではないという事実で人気があり、そして、歯に衣着せぬ発言をして、批判された際、撤回して謝罪しないことで評価されている。人々は、トランプに力強さと統率力を見ている。これは大統領候補者としては稀なことで、この力強さに有権者が反応しているのだ。

堕落したアメリカの既成政治勢力が、売女マスコミに“トランプをやれ”命令を発したのだ。売名のためなら何でもする、命令に忠実なジョージ・ステファノプロスが、全国放送のテレビで、トランプを追求した。だがトランプは、この男娼を徹底的にやっつけた。https://www.youtube.com/watch?v=TlRTCxMAqC4

世界で人気のある指導者、ロシアのプーチン大統領がトランプをほめ、トランプも彼をほめたので、ステファノプロスは、トランプを追い込もうとした。

ステファノプロスによれば、“プーチンはジャーナリストを殺害しており”トランプは、ジャーナリスト殺人犯を称賛したことを恥じるべきなのだ。トランプは、ステファノプロスに証拠を要求したが、ステファノプロスには何も証拠がなかった。言い換えれば、ステファノプロスは、アメリカの政治家は、ものごとをでっちあげ、でっちあげた“事実”を、売女マスコミが、あたかも真実であるかのように支持してくれるのに頼っているというトランプの発言を裏付けたのだ。トランプは、ワシントンによる多くの殺害に触れた。

ステファノプロスは、一体どのジャーナリストを、ワシントンが殺害したのか知りたいと言った。トランプは、ワシントンが人を殺し、ワシントンの戦争から、難民として、現在ヨーロッパに殺到している何百万人もの人々を退去させたと反論した。しかし、トランプの顧問は、ワシントンによるアル・ジャジーラ記者殺害の話題で彼を武装させるほど有能ではなかった。

アメリカの印刷媒体やテレビよりずっと信頼できる報道機関、アル・ジャジーラの報道はこうだ。

“2003年4月8日、アメリカが率いたイラク侵略時、アメリカ戦闘機がアル・ジャジーラのバグダッド本部を爆撃した際に、アル・ジャジーラ記者タリク・アユブが殺害された。

“侵略と、その後の9年間のイラク占領で、史上最多のジャーナリストが命を失った。ジャーナリストにとって、議論の余地がない有史以来最悪の戦争だった。

“憂慮すべきは、「ジャーナリスト保護委員会」によれば、イラクでの標的殺害で、戦闘にからむ状況で亡くなったより多くのジャーナリストが殺害されていることだ。

“CPJの調査で“アメリカが率いる2003年3月の侵略から、2011年12月の終戦宣言までの間にイラクでは少なくとも150人のジャーナリストと、54人のマスコミ労働者が殺害された”ことがわかっている。

“’マスコミはアメリカ軍には歓迎されませんでした’”と国境なき記者団の中東・北アフリカ支局長ソアジグ・ドレはアル・ジャジーラに語った。‘これは実に明白です。’”

http://www.aljazeera.com/humanrights/2013/04/2013481202781452.html

有能なスタッフがいる候補者であれば、ワシントンによるジャーナリスト殺害の事実で、ステファノプロスに、すぐさま反駁し、こうした事実を、プーチンに対する、実際全く根拠のない、露骨な非難プロパガンダと比べていただろう。

トランプの問題は、国民が彼を、それで慎重に判断していない話題にある。私は国民を咎めるつもりはない。民主党と共和党、全ての大統領候補者の空虚さを暴露してくれる買収されない億万長者がいるのは爽快だ。取るに足りない連中の集団。

ワシントンとは違って、プーチンは国々の主権を支持している。アメリカや他の国が政権を打倒し、傀儡なり、臣下なりを据える権利があるとは彼は思っていない。

最近、プーチンはこう述べた。“あえて核兵器を使おうとするほど狂った人間が地球にいないよう願っている。” http://sjlendman.blogspot.com

プーチンや、トランプにとって不幸なことに、もしマスコミ報道が信頼に足るとすれば、トランプは最近、ISISに対して核兵器を使おうと発言している。候補者として不適格になる発言だ。ISISのような小規模な軍勢を打ち負かすのに、核を必要とする理由など皆無だ。より重要なことは、アメリカは核兵器を他国の国民に使用した唯一の国なのだから、アメリカが再び同じことをすれば、ロシアや中国の政府は、アメリカ政府は狂っていて、信頼をおけないので、ロシアと中国が攻撃される前に絶滅する必要があると決意を固めるだろう。核兵器を使用すれば、必ず重大な結果がもたらされるのだ。

多くのインタビューで私が言ってきた通り、トランプの問題は、彼を支持する運動がないこと、信頼できる顧問団がないこと、そして彼は様々な問題を理解していないことだ。歯に衣着せぬ発言を有権者が喜ぶことをトランプは学んだのだ。だから彼は、歯に衣着せぬ知的な発言と、常軌を逸した発言を区別していない。彼の発言が歯に衣をきせないものである限り、効果があると、トランプは考えているのだ。

最近“トランプ顧問”とされる女性が、ネオコン・ナチス、ウィリアム・クリストルの発言を繰り返すビデオを見た。“使えないのなら、核兵器に何の意味があるだろう?”

ウィリアム・クリストルのネオコン・ナチスは一体どのようにして、トランプのスタッフに加わったのだろう? たとえトランプが選ばれたとしても、トランプの意に反して、支配体制が圧倒してしまうことに、これ以上、どのような証拠が必要だろう。

トランプは、体制に異議を唱えるスタッフがいなければ、体制に異議を唱える政治家にはなれない。彼には体制に異議を唱えるスタッフになってくれるような人はいない。トランプは取り引きのやり方は知っているから、支配体制は取り引きをして、トランプ大統領府に人員を送り込むだろう。トランプが大統領になるやいなや、彼はとらわれの身になるだろう。

フランスでは、マリーヌ・ルペンの国民戦線党が政治的変革をもたらす可能性がある。イギリスでは、ナイジェル・ファラージのイギリス独立党や、ジェレミー・コービンの労働党が政治的変革をもたらす可能性がある。ところが、アメリカでは、選挙による変革の見通しは皆無だ。変革は崩壊か、残忍な革命からしか生まれる可能性はない。アメリカの支配体制は変革を受け入れないのだ。

そして、一番可能性が高いのは、アメリカの支配体制が、フランスやイギリスでの変革を受け入れる前に、ペンやファラージやコービンを暗殺することだ。

これが現実だ。ロシアと中国が一体どう対処するか、今のところは、わからない。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/21/donald-trump-an-evaluation-paul-craig-roberts/
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アメリカによる沖縄統治を希望した「天皇メッセージ」の話題を報道ステーションが報じたのにビックリ。

Paul Craig Roberts氏、先に下記記事を書いておられる。

トランプを大統領に 2015年6月22日

またしてもトルコで爆発事件。サビハ・ギョクチェン国際空港。作業員一名死亡、一名負傷。RTも報じている。

Tight security at Istanbul Sabiha Gokcen Airport after night blast leaves 1 dead, 1 injured

2015年12月23日 (水)

受け入れるよう賄賂をもらったはずの難民を投棄しているトルコ

Stephen Lendman
Global Research
2015年12月18日

トルコは重要なNATO加盟国で、アメリカの緊密な同盟国だ。先月、EUは、トルコに、30億ユーロの賄賂を払い、EU加盟諸国が望んでいないシリアや他の戦争で荒廃した国々からの難民を受け入れるのと引き換えに、トルコのEU加盟を支援すると約束した。

EU指導部は、この合意は亡命希望者の殺到を止めるための重要な手段だと述べた。トルコのアフメト・ダウトオール首相は、これは、アンカラ/ブリュッセル関係の新たな起点であると述べた。

特にエルドアン支配下でのトルコの恐るべき人権実績と腐敗の実績を考えれば、不信感は強いままだ。

合意条件は、アンカラが、ギリシャやブルガリアに接する地域でのエーゲ海パトロールを強化し、密入国あっせん暴力団を取り締まり、EU諸国が追い返した難民の受け入れを要求している。

ドナルド・トゥスク欧州理事会議長は、EU当局は、合意条件のトルコによる実行を厳密に監視する予定だと述べた。ダウトオールは、ドイツを一番好もしい目的地として、ヨーロッパに安全な避難場所を求めて殺到する人々の減速を保障しようとはしなかった。

トルコは、シリアや他の地域の難民にとって主要通過地点だ。トルコは海路ではギリシャに近い。国際移住機関によれば、今年、トルコからEU諸国に、700,000人以上の亡命希望者がたどり着いた。

“ヨーロッパの門番”と題する新たなアムネスティー・インターナショナル(AI)の報告書は、逮捕や、隔絶した拘留センターで、殴打や、痛い手かせ・足かせや、他の難民虐待をし、多くは荒廃したイラクやシリアや他の祖国に強制的に本国送還していることで、トルコを非難している。

AIは、EU諸国は“難民や亡命希望者に対する重大な人権侵害の共犯者となる危機にある”と述べている。

難民や亡命希望者は大量に集められ、人里離れた所にある強制収容所としか言いようがない施設に1,000km以上の距離をバスで送られ、酷く虐待され、外部との連絡断たれたままにされ - 更にその多くが強制的に祖国に送り返されている。

AIのヨーロッパと中央アジア担当者、ジョン・ダルフイセンによればこうだ。

    “トルコ領内の最も弱い立場にある人々の一部に対する恣意的拘留を記録しています”

    “難民や亡命希望者に、シリアやイラクのような国々への帰国を強いるのは非良心的なことであるのみならず、国際法に真っ向から違反しています。”

    “難民危機で、トルコをヨーロッパの門番として雇うことで、EUは重大な人権侵害を無視し、今や人権侵害奨励する危機にある。そのような侵害を調査し、終わらせるまでは、EU-トルコの移民関連協力は停止されるべきです。”

トルコは、約220万人のシリア人と世界の他地域から230,000人の絶望的な人々を含め、世界最大の難民受け入れ国だ。

9月まで、対策には、非人道的扱いや、違法な拘留や、強制本国送還は含まれていなかった。EU合意の条件は、トルコが難民を人道的に扱うよう要求している。

ところが、この資金は、もっとましな処遇に値する弱い立場の人々を、非人道的に扱い、追放するために使用されているのだ。AIの代表がインタビューした難民全員が、強制的に拘留され、エディルネやムーラを含むトルコ西部の県、辺境地の南部や東部にあるセンターに移送され、収容されたと語っている。

彼等は何週間も強制的に拘留され、弁護士や家族を含む外部との連絡を拒否された。唯一の連絡手段は隠し持った携帯電話だ。

過酷な扱いを受けた例で、痛い手錠・足かせを掛けられ、7日間隔離された40歳のシリア人男性がいる。

    “手と足に鎖をかけられると、奴隷のように感じます。人間でないような気がします”と彼は言う。

多くの人々は、この種の残酷な処遇を受けた後、トルコ難民が理解できない文書への署名を強いられ、強制的に本国送還される。

被収容者たちは、拘留から逃れる唯一の方法は、帰国に同意することだと語っている。三歳の幼児の指紋が、本人の同意の証拠として利用される。

AIは、一体何人の難民が強制的に本国送還されているのかは不明だが、アフガニスタンを含め、多数にのぼると考えている。

ダルフイセンによれば、“トルコ当局が行っているこれら恣意的拘留と、違法本国送還の実数が不明なものを巡る透明性が全く欠如している。”

    “トルコ国内の全ての難民と亡命希望者を保護すべく、この新たな慣行を即座に調査すべきなのだ。”

これまでのところ、EU当局は責任をもった介入を何もしていない。連中はトルコとワシントンの共犯者だ - そもそも連中の戦争が難民の殺到を引き起こしたのだ。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる

編集者・寄稿者としての新刊は“Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”

http://www.claritypress.com/LendmanIII.html

彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

本記事の初出は、Global Research。
Copyright Stephen Lendman、Global Research、2015

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/turkey-dumping-refugees-it-was-bribed-to-accept/5496675

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国立競技場の話題、それほど重要だろうか。スポーツの、個人の生き死にに対する影響、スポーツが全くできない素人にはわからない。A案、B案、どちらを選ばれても、我々の人生、孫子の人生に大きな影響はない。趣味の問題

あるいは、行方不明の中学生発見問題、著名女性登山家の事故死。
関係者の皆様にとって、重要な問題であることには、もちろん疑問の余地はない。

しかし、TPPや、憲法改悪、原発再開など、我々の人生、孫子の人生に大きな影響がある問題はいくらでもあるだろう。それと重みを本気で比較しているのだろうか。もちろん、比較して、どうでもよいことのみをおおげさに扱って、目をそらすのがお仕事。

日本の大本営広報部

    • 問題の軽重がわからないほど、とてつもなく痴呆なのか
    • 問題の軽重はわかっているからこそ、どうでもよい問題を大きく扱うのか

いずれか、あるいは両方であることは確実。メディア・リテラシー、大本営広報部を読んだり、見たりしないことだと確信している。どうでもよいことをこそ、さも重要そうに扱うのが仕事。

「自衛隊はどう変わる 日米の思惑」再放送、見ていて気分が悪くなる究極の洗脳番組。

傀儡ファシスト「歴史研究」勉強会!戦後レジームからの脱却なる真っ赤なウソを糊塗し、ダブル国政選挙を目指す煙幕。洗脳は政治家自身から。あの女性がトップということで、お里が知れる。

傀儡が何十人、何百人集まっても、本物の主張・分析にかなうわけがない。問題は、大本営広報部、大政翼賛会は、そうした本当の分析は絶対に報じない。

ずっと、見聞きしたいと思っていたインタビューが実現した。なぜ、このインタビュー、実現しないのか不思議に思っていた。

長いインタビューだが、傀儡国家の政治に疑問をもっている方なら、あっというま。

2015/12/17 岩上安身による京都精華大学専任講師・白井聡氏インタビュー(動画)

日本を丸ごと、半永久的に宗主国大企業支配にさしだすTPP、正文が英語、スペイン語、フランス語で、日本語がない驚き。ISDSの裁判、英語をもとに行われる。裁判官も、被告の日本政府官僚も、裁判を、全て英語でおこなわなければならなくなる。

つまり、これからは、日本語を部族語におとしめられ、英語が日本の主要言語になるという政策を、自民党・公明党という究極の売国奴連中が決定したに等しいのだ。

高級官僚は、田中正造が喝破した通り、もとより売国奴。日本の正式言語が英語という状況が本当に実現するのは、決めた連中が死に絶えたあとだろうが、必ずそうなる。

大日本帝国が、沖縄に、そして朝鮮や台湾を占領した後に行ったことは、「日本語」の押しつけるだった。「方言札」を思い出す。

敗戦そのまま体制のなか、国家そのものを宗主国の満州国におとしめた傀儡政権・官僚・御用学者、大本営広報部が、最後に行ったのは、日本国民に、宗主国の言語「英語」を押しつけることだった。売国奴ここに極まれり。

笹子トンネル事故裁判の映像を見ながら思った、絶対に、こう後悔したくはないもの。

マスコミ関係者は何十万人もいるのですから、ひとりでも、自公政権とエセ野党がたくらんでいるTPPや、改憲、緊急事態条項は危険だと、真の狙いを明らかにしてくれていれば、我々や子孫たちは奴隷にならずに済んだのです。

2015年12月22日 (火)

IMF専務理事クリスティーヌ・ラガルドを、1パーセントが団結して支持

Paul Craig Roberts
2015年12月20日

ワシントンは、最有力フランス大統領候補として、またIMF専務理事としてのドミニク・ストロス=カーンを、ニューヨークでホテル・メイドを強姦したという冤罪を着せて排除した。あきらかな冤罪は、完全なでっちあげでであることが判明し、不起訴にせざるを得なかった。一方、ストロス=カーンは、IMF専務理事の辞任と、フランス大統領選挙からの脱落を強いられた。ワシントンは、ストロス=カーンが、ワシントンの綱領に十分には服従しないと判断し、彼を排除したのだ。

ワシントンは、傀儡オランドを、フランス大統領に選出させ、IMFのストロス=カーンを、好都合なクリスティーヌ・ラガルドに置き換えた。

ラガルドは、1パーセントだけのために働いている。彼女は、ギリシャ負債は、ギリシャが返済可能な金額に減額すべきだというIMFの専門職員の決定を覆した。ラガルドは逆に、1パーセントが、ギリシャという国家とギリシャ国民を略奪することを可能にし、多くの若いギリシャ女性を、食べ物を買う金を得るための売春に追いやっている。

Stephen Lendmanが下記記事で指摘している通り、ラガルドの犯罪は、当然の結果をもたらした。彼女は、フランス財務大臣時代、大物実業家ベルナール・タピに利益を与えるため、フランスの国益に反する裁定をした。腐敗した検事たちは隠蔽しようとしたが、フランス司法体制は、彼女は裁判を受けるべきだと裁定した。http://www.wsj.com/articles/imf-chief-lagarde-ordered-to-stand-trial-in-france-1450373023 裁判を受けるべきだという司法命令にもかかわらず、彼女はIMF専務理事を辞任する必要はない。1パーセント連中が、お仲間を守ってくれる。IMF理事会は“理事会は、依然、効果的に職務を果たす専務理事の能力に対する信頼を表明する”。

彼があきらかな冤罪で逮捕された際、ストロス・カーンに対しては、そのような信頼の表明はなされなかった。

裁判を受けることになったラガルドIMF専務理事

Stephen Lendman

容疑は、有益な社会改革を犠牲にして、アメリカが支配するIMFと欧米財界の権益を代表している彼女最大の犯罪とは無関係だ。

この機関の事業は、追いはぎ、融資と引き換えに、経済的、財政的厳しさを無理やり押しつけ、 更に債務返済のための融資、新たな無限の循環借金の日雇い労働が続き、財界が大儲けする最後の手段としての高利貸だ。

予想通り、庶民が一番苦しめられる。借金のわなに陥った国々は、社会民主主義、市民的権利や、人権とは相いれない過酷なIMFの命令に従うことを強制される。

天然資源は露天掘りされ、物質的な富や国有企業や他の重要資産は公営から私営に移管され、暗黒郷のよどみへと空洞化し、仕事につく能力がある国民は奴隷へと変えられる。

ごく少数の特権階級を除き、結果は、言葉で言い表せる中で最悪だ。極端な貧困、飢餓、栄養失調、病気や苦痛に満ちた早期の死に悩まされるのだ。

ワシントンは、新自由主義の悲惨巨匠として働くべく、ラガルドを就任させたのだ。

フランス財務大臣としての彼女の活動は、以前、重大な不正、具体的に言えば、大物実業家ベルナール・タピと、フランス国家が争った紛争で、捜査されたことがあった。

以前彼女は、そのために働くと誓った政府に不利に、彼に対し、4億300万ユーロを支払う仲裁命令を出していた。

フランス破毀院(司法訴訟に関する最高裁判所)のジャン・ ルイ・ナダル検事総長は、先に、タピに違法に恩恵を与えるべく、ラガルドが彼に対する控訴審裁定を覆し、脱法行為をしたという疑惑も含め、タピ調査書類を公開するよう命じていた。

フランス司法委員会は、ラガルドに裁判に出廷するよう命じた。彼女は延々続いている、いわゆるタピ事件で、職務過失のかどで訴えられた。彼は棚ぼたで手に入れた大金を返金するよう命じられた。

先週木曜日のフランス共和国司法院司法委員会裁定を、専門家たちは驚きだと語った。9月、検察官たちは、訴訟をやめるよう奨めていた。

彼女の代理人は“ラガルドは、フランスの国益を最優先し、法律を完全に遵守して行動したことを再度明言する”という声明を発表した。

彼女は裁定を不服として控訴している。結論が出るまで何カ月もかかる可能性がある。

IMF広報責任者のゲリー・ライスは“理事会は、依然、効果的に職務を果たす専務理事の能力に対する信頼を表明する”という声明を発表した。

彼女の使命は、それ以外の全員を犠牲にして、有力な財界に恩恵を与えることだ、とまで彼は説明しなかった。

アメリカの全面的支持を得ている彼女が率いる機関の通常業務が中断されることは決してない。

Stephen Lendmanはシカゴ在住。 lendmanstephen@sbcglobal.netで連絡できる。

編集者、寄稿者としての最新刊は“Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”

http://www.claritypress.com/LendmanIII.html

彼のブログはsjlendman.blogspot.com。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/20/the-one-percent-rallies-behind-imf-director-christine-lagarde-paul-craig-roberts/
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原発関連事業を強力に推進してきた大企業、7800人リストラ予定という。本来、禁断の事業を柱にし、ババをつかまされ、その柱がおれれば、結果は明白。一番の稼ぎ頭が、一番の迷惑、重石に転化する。後は、人命を直接喰って生きる寄生事業、兵器生産と輸出に頼るしかないように素人には思える。それはこの国の一億総自殺を目指す政策と符合する。

世界平和の実現を妨げている、というより戦争を拡大・継続しているのは、永久戦争国家の宗主国や主要大国の兵器産業、戦争関連企業。平和になったら、想像を絶する大リストラを強いられる。そうなると、戦争を推進する政治家を、賄賂で養うことができなくなる。

America’s Permanent War State: Money is Raining Down on the US Military Complex

Paul Craig Roberts氏、IMF専務理事関係で、下記記事を書いておられる。

大本営広報部、改憲発議に必要な2/3を目指す首相と会談した元政治家の動向をしつこく流すが、連中が、改憲発議に必要な2/3を獲得した際に、緊急事態条項を盛り込んで、一機にファシズム化を推進する計画については全く報じない。

2013年7月28日の麻生副総理発言

憲法はある日、気づいたらワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ
誰も気づかないで変わった

あの手口に学んだらどうかね

思いつきでなく、この緊急事態条項のことを、本気で言っていたのだ。大本営広報部・大政翼賛会は、緊急事態条項の問題点を完全に報道管制している。国丸ごと宗主国の大企業に差し上げるTPPで使った手法、完全報道管制の繰り返し。3万円の買収バラマキと、軽減税制と、スタジアム案しか報じない。

共産党を除く与野党7党が憲法に緊急事態条項を書き込むことに賛成している。

と右翼呆導記事にあるが、社民党も反対と聞いたような気がする。反対しないファシスト政党に投票してはいけない。

「憲法改正には国民を騙すことが必要不可欠だ。引き続き新しいファシズム時代にふさわしい憲法のあり方について、国民的議論や理解が深まらないよう努めたい」のがトップの本音

憲法「改正」という言葉自体、攪乱を目指す売り込み用偽ラベル。

宗主国支配層や、傀儡国家の財界がけむたがる正論を発言をすると、ドミニク・ストロス=カーンのような目にあわされる。フランスでも、日本でも。

日本の政策も、(ラガルド同様)宗主国財界に尽くすものと厳しく批判しておられる植草氏の下記最新記事は、二つの集会と、一つの記者会見についての報告。

主権者の力の結集が安倍政権退場の原動力

その集会の一つ「饗宴」で、実に重要な発言をされた伊波洋一・元沖縄県宜野湾市長インタビュー。日本は、宗主国の兵器メーカーを儲けさせるための戦場になる。

緊急事態条項も、憲法破壊も、TPPも、原発再度稼働も、全て太らせた豚をくいつくしていただくための施策。

2015/12/21 岩上安身による伊波洋一・元沖縄県宜野湾市長インタビュー(動画)

「王様は裸だ」と君は指摘する(できる)だろうか ~岩上安身寄稿の新刊 『「今を伝える」ということ」』、本日発売

2015年12月21日 (月)

一体なぜ欧米は、ロシアを打ち負かしたり、“許したり”できないのか

Andre Vltchek

2015年12月18日
"NEO"

歴史的かつ本能的に、ロシアは人類の生存のために戦ってきた。もちろん、物事は必ずしも、そのように呼ばれたり、定義されたりしてはこなかった。ところが、この巨大な国は、既に何度か我が地球の存続を脅かしている最も強力な悪の勢力に対して立ち上がったのだ。

第二次世界大戦中、ソ連国民、主にロシア人は、少なくとも2500万人の男性、女性と子どもを犠牲にして、最終的にナチズムを打ち負かした。現代の歴史で、これ以上の犠牲を払った国はない。

勝利の直後、ロシアは中国と、後にはキューバとともに、これまでで、最も荘厳で高貴な事業に着手した。組織的な欧米植民地主義の解体だ。世界中の抑圧された大衆がヨーロッパと北アメリカの帝国主義者の蛮行に対して立ち上がり、大規模な財政的、イデオロギー的、軍事的支援と、希望の光を進んで与えたのはソ連だった。

虐げられ、破壊された国々が、次々と独立を実現する中、ソ連とロシアの国民に対する憎悪が、事実上、欧米世界の全ての首都で、増大していった。結局、非白人諸国を略奪することは“文明世界”の自然の権利と見なされていたのだ。

アメリカとヨーロッパでは、“植民地主義”や“帝国主義”などの言葉は、大いに否定的な含意を急速に得つつある、少なくとも表面上は。あらゆる大陸で解放の戦いを支援していることに対して、ソ連を悪魔化するために攻撃するのは非生産的だったろう。その代わり、“悪の帝国”に関する入念な理論が作りだされた。

ロシアは常に“邪魔をしていた”。ワシントン、ベルリン、ロンドンやパリの残虐な計画 - 全世界を支配し、略奪する計画を損なう素晴らしい国だ。

しかしロシアの行為は高貴だった。ロシアに対し、更なる侮辱的攻撃だ。

ロシアは常に、自らを動員し、たった一つの人道的で深遠な道徳的目標を実現するために、その全ての資源を投入する大変な能力を持ち合わせていた。ロシアの戦いには、何か神聖で“より高貴で”、完璧に本質的なものがある。

“立ち上がれ、偉大な国よ、命懸けの戦いに立ち上がれ!”第二次世界大戦の偉大な愛国歌の一つの始まりはこうだ。ロシアが戦う際、何よりも重要なのは勝利だ。あらゆる犠牲を払っても。

運命がロシアを全世界のために戦うよう選んだのだ。もし“運命”を信じないのであれば、“ロシア魂”は決して理解できない。宗教の問題ではない - ロシア人は概して、アナーキーで、“無神論者”だ。しかし、ロシアは運命を信じ、受け入れるのだ。

しかも大半の場合、ロシアに選択肢はないのだ。ロシアは、勝利か、人類の滅亡かのいずれかに直面していたのだ。そして、世界と自身の存在が脅かされた際、ロシアは常に立ち上がった。激怒したロシアは恐ろしくもあるが、憤怒と決意は非常に美しくもある。ロシアは、それぞれの隙間で、それぞれの土地で、国民それぞれの心とともに戦ってきた。ロシアは、ほとんど常に勝利したが、大変な犠牲を払い、何百万人もの息子や娘を埋葬し、後になって筆舌に尽くし難い悲しみと苦痛に打ちひしがれた。

しかも、ロシアを支持し、なぐさめてくれるものは決していなかった。火がまだ燃え盛り、最愛の人を失った母親や妻たちの顔がまだ涙で濡れているなか、欧米の目的のためには手段を選ばない政権や連中のプロパガンダによって、ロシアは唾を吐きかけられ、冷笑され、恥をかかされてきた。

ロシアの英雄的行為は軽視され、ロシアの犠牲は笑い者にされた。人類のために亡くなったロシアの何百万人もの人々の無駄死にが繰り替えされた。

その英雄的な戦いと引き換えに、二つの重要なこと、正しい評価と尊敬を除いて、ロシアは何も要求しなかった。ロシアはそのいずれも獲得していない!

*

今またしても、ロシアは立ち上がり、ISISに対する英雄的な戦いを開始した。欧米とその地域の卑劣な追従者連中が作り出し武器を与えた、あのイスラム教の無茶苦茶なパロディと。

ロシアは行動しなければならない。もしロシアがそうしなければ、だれが行動するだろう? 何世紀もの欧米の十字軍や極めて恐ろしい植民地主義者の行為後、文明のゆりかごの一つとして表現するしかない世界のこの素晴らしい部分、中東には、ほとんど何も残されていない。略奪され、屈辱を与えられ、中東は欧米に仕える属国の痛ましい寄せ集めへとおとしめられた。何千万人もが虐殺された。あらゆるものが略奪された。社会主義や非宗教的政府は追いつめられ、打倒された。

私は世界のこの部分で集中的に働いてきたので、アフリカを除けば、欧米の強欲と蛮行によって、これほど傷付けられ、非人道的な扱いを受けた地域は世界にないと私は証言できる。

絶望的になり、致命傷を受け絶望した、最近最も苦しめられている二つの古くからの国々、シリアとイラクが、ロシアに向かって助けを乞うた。

そして、ロシアは彼等を助けることに同意した。

そう、もちろん私には“ロシア権益”とロシアの“勢力圏”に関するヨーロッパや北アメリカからの耳障りな雑音が聞こえる。欧米では、何一つ聖なるものはなく、あり得ない。あらゆるものが、暗い皮肉と虚無主義で色付けされなければならない… もし欧米が、悪漢として行動しているのなら、それ以外の世界も同じ色合いと階調でえがかれねばらないのだ。結局、欧米には仲間はおらず、感情もないのだ。あるのは権益だけだ。私はこれを、でっちあげているわけではない。アフリカの破壊された場所で暮らし、働いていた時に、何度となく、そう聞かされたのだ。

しかし、パリやワシントンの連中が言うことを、私は全く気にしていない。重要なのは、イラク、シリアやレバノンで何が語られているかだ。現地ではどうなのか申しあげることができる。もし現地の床屋に行って、自分はロシア人だというと、人々は立ち上がって、あなたを抱擁し、歓声をあげるだろう!

*

ロシアは他の国を決して攻撃しないが、万一攻撃された場合、その憤怒は、特に戦争をしているさなかには、ものすごいものとなりうる。“剣をもって我々の所にくる者は、誰であれ、剣によって滅びるだろう”と13世紀のノヴコロドの王子、アレクサンドル・ネフスキーは言った。

最近のトルコ空軍による、シリア領空でのロシア爆撃機撃墜が、より広範な地域戦争の危険を増した。

NATO加盟国のトルコは、地域中に、テロを広めている。リビアから、ソマリア、そして、イラク、シリア、さらには自国のクルド領土に。テロは人々を苦しめ、ジャーナリストを含む多くの人々を殺害し、何百万もの天然資源を略奪し、大半の過激派や、主としてカタールが支援する聖戦の教義を広めている。

大昔の1990年代始め、彼がイスタンブール知事だった頃、欧米がいかに組織的にユーゴスラビアを破壊しているかを書く合間に“傷を癒やしていた”際に、イスタンブールで、レジェップ・タイイップ・エルドアンと会ったことがある。

“トルコ語は話せますか?”ある会談の際、彼は私に尋ねた。

“あまり話せません”私は答えた。“ほんの少しだけ。”

“しかし、あなたは我が党名をいかに発音するかを完全にご存じだ! 我々がどれほど重要化ということですな。”

最初の会談で、彼が誇大妄想狂で、劣等感まみれの男で、攻撃的な、人間のくずとわかった。彼が‘一体どこまでやるのか’私には見当がつかなかったが、彼はとんでもなくやり過ぎた。彼のおかげで、地域中で、何百万人が苦しんでいる。

今や、彼はロシア爆撃機を撃墜し、イラクに侵略した。

トルコはロシアと何度か戦い、ほとんど常に敗北した。そして、二つの世界大戦の間、トルコは、ソ連が与えた支援あればこそ生き残ることができたのだ。トルコは、次の手については、熟考すべきだ。

ロシアは単に‘戦争を戦っている’のではない。人類の生存、ほかならぬ美術、詩や、交響曲の膨大な作品のために戦っているのだ。説明するのは困難だが、そうなのだ。あらゆるものごとは絡み合っているのだ。

ロシアSU-24を背後から撃墜するのは、第二次世界大戦中に亡くなった2500万人を揺さぶるようなものだ。それは愚かなことであり、法外だ。ロシアでは、こういうやり方はしない。戦いたければ、姿を現し、向かい合って戦う。

だが、もし臆病者のように人を殺し、もし既に荒廃している隣国を侵略すれば、ただ何機かのSU-24ではなく、大量の戦略重爆撃機と直面しているのに、ある日気がつく可能性がある。

*

ロシアは打ち負かされることはない。それには様々な理由がある。一つは実際的なものだ。ロシアは核保有超大国だ。もう一つは、ロシアが通常正しい大義のために戦うからだ。そして、ロシアは、心から全力を尽くして戦うのだ。

ロシアがなければ、少なくとも我々が知っている姿の地球はなかっただろう。欧米と、そのファシスト・キリスト教諸国が、世界を完全支配していただろう。“人でなし”、“非白人”は、動物(今彼等が扱われているよりも、更にひどく)のように扱われる。いかなる規制もなくなり、窃盗や破壊のはてしがなくなる。

いわゆる“文明社会”(他人の血と死体の川から劇場や学校を建設する社会)は、世界の完全支配に向かって、破竹の勢いで行進するだろう。

幸運にして、ロシアが存在している。しかも、ロシアが打ち負かされることはあり得ない。ロシアは、決して打ち負かされることはあるまい。しかしながら、地上の惨めな人々の側に立つがゆえに、ロシアは決して欧米に許されることはない。

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト、Vltchek’s Worldの制作者、熱心なTwitterユーザーで、これは、オンライン・マガジン“New Eastern Outlook”への寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/12/17/why-the-west-can-never-defeat-or-forgive-russia/

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ソ連、ロシアが神様だと思ったことは一度もない。「プラハの春」の時のドブチェクの涙声のラジオ演説?を忘れることはできない。もちろん、ロシア語ではなく、チェコ語。想像、類推で、彼の発言を理解しようと努力したものだ。数年後、プラハを観光でおとずれた際、青年に、「母親がプラハの春に参加したため、私は失業しています」といわれたのを忘れられない。今はきけないレコード棚に、あの時購入したMa Vlastがある。(レコード・プレーヤーが壊れている)。

ごくわずかの寄付をした後、「スメタナのモルダウという曲が好きだ」と言うと、「それなら、これを買いなさい」と、レコード店で教えられたのが、このレコード。Ma Vlast「我が祖国」。大きな曲の一部だとは知らなかった。

大国の属国であることの悲劇を、プラハで見ながら、直接、戦車や砲弾や、言論弾圧を受けなくとも、チェコスロバキアと、日本は鏡像ではあるまいかと、あの時、つくづく思ったのだ。

そう、どちらの国も、ビールが美味しい。いや、チェコこそ、日本のビールの根源なのだが。

ソ連・ロシア、宗主国ではないので、「とんでもない国だ」と傍観してすませることが可能だったような気がする。

宗主国、おそらくは、中学校以来、いや小学校高学年以来、いやで、いやで、たまらなかった。英語学習を強いられること自体が、いやだった。日本語以外の言語を、一体なぜ、貧乏人のせがれが学ぶことを強いられるのだろう、という実に素朴な疑問。

それでも、教材レコードを貧しい小遣いから購入したこともあったが。教養も向学心も皆無な貧乏な親のおかげで、何年もかかって貯めたなけなしの小遣いで買った教材レコードを知人に依頼してプレーヤーでかけてもらうことさえ禁じられた。「プレーヤーをこわしてはいけない」というのだ。おかげで、とんでもないカタカナ発音しかできない。貧乏は悲しい。

英語の発音も文法も、でたらめなまま死ぬのは、無教養な親のせいだ。もともと嫌いだったのだから、まあそれまで。しかし、小生は「それでおしまい」ですむ。

TPP、戦争法案、緊急事態法案以降の若い世代、宗主国の完全な奴隷として、全て、英語の発音と文法と、忠誠度で出世がきまる。

死にゆく世代でよかったとあきらめるしかないのだろうか。

孫崎享氏、早稲田での講演で、満員だったのに、学生さんが皆無だったと本気で心配しておられた。

極論すれば、それなり、人生を終えて、死んでゆくわれわれなどどうでもよい。言いたい放題をいって、商品企画をして、楽しいサラリーマン生活がすごせた。

馬鹿な体制派連中は新商品企画を全力で妨害し、それに失敗して、奴らが意図しない大成功のあと、その成功を横取りされ、首にされた。

その「大成功ゆえに、首にされた経験」を、数年前に何気なく知人に話した。

知人がたまたま、それを応用し、新事業プロジェクトを導入したところ大成功したのだが、最近、とうとうその彼まで首になってしまった。

「事業を失敗したがゆえに、首になる」というのは意味が通るだろう。しかし「事業に成功したがゆえに、首になる」というのは意味が通らないはずだ。

事業に成功して、自分自身が首になった際は「俺の人柄がわるかったせいだろう」と思わないでもなかった。しかし実に温厚な知人が「事業をまともな手法で成功したがゆえに首になる」のを見て、もう、この国に先はないと確信した。

私心なくして、事業を進め、成功した人が首になったら、一体だれが本気で事業を推進するだろう。推進するのは、エルドアンや、アヘの一族郎党しかいてくなるだろう。

大本営広報部大政翼賛会、別名、マスコミ、売国条約TPPについて、まともなことを全く報じていない。そこで連中の策略は「まんまと成功した」ことになっている。

歴史は繰り返す。

事実を報じているのは、IWJ、アカハタ、農業新聞。TPP報道管制の成功に味をしめた売国マスコミ、緊急事態宣言にも同じ行動をするに違いない。消費税問題やら、尖閣に話題をそらして。大本営広報部の仕事は洗脳であって、真実を報道することではない。

来年(二〇一六年)夏、参院選が改選を迎える。この参議院選挙に安倍政権は、自民党改憲草案を引っさげ、憲法改正の必要性を世に問う。すでに衆議院は改憲発議に必要な三分の二の議席(定数四七五議席、改憲発議に必要なのが三一七議席、自民・公明両党で三二六議席、さらにおおさか維新を足すと三三七議席)を改憲勢力が占めている。参議院は(定数二四二議席、改憲発議に必要なのが一六二議席、改憲勢力は自民・公明両党で一三ー二議席、その他改憲勢力として次世代の党が五議席、おおさか維新が六議席、そしておおさか維新と統一会派を目指す日本を元気にする会が七議席で一五一議
席)、あとわずかに十一議席程度である。実は議席数からみて、日本国憲法が崖っぷちに瀕していることを、ほとんどの国民は知らされていない。大東亜戦争を推進した大本営広報部を信じてはいけない。内実、何も変わっていないのだ。彼等の任務は、トップの方針、かつては大日本帝国大本営、今では、宗主国ネオコンの指示を広めるのがお仕事。

増補改訂版 前夜』の岩上安身氏による「まえがき」の一部を再度引用させていただく。

 憲法改正論議といえば、改憲賛成派も改憲反対派(護憲派)も、憲法九条を前提にしてきた。しかし、安倍政権がもくろむのは、憲法九条の改正ではなく、緊急事態宣言の創設である。
 
安保法制の「成立」から間もない九月二四日、自民党本部で開かれた記者会見では、二〇一六年夏の参院選において憲法改正を「公約に掲げる」と明言した。さらに十一月一〇、十一日両日行われた衆参での予算委員会において、安倍晋三首相は、「緊急事態条項」の新設を重視すると明言した。
 「緊急事態」は、自民党改憲草案で新たに付け加えられた一章であり、その第九九条として「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」と明記されている。
 つまり、自民党改憲草案に示されている緊急事態条項とは、国会の事前同意を必ずしも必要とせずに、国民の各基本権が停止させられ、公権力が制限なく全権を振るえるものであり、国会は完全に形骸化され、言論報道機関も統制され、行政府が立法府を兼ね、法律と同じ効力を持つ政令を国会にはかることなく乱発できて、
予算措置も取れ、期間の延長もできるという、事実上無制限の権力を行使できるものである。
 これはかつてナチスが利用した「全権委任法」と極めて酷似している。「緊急事態」の名の下で、我々の人権は制限され、憲法を変えることなく様々な法案が内閣のみで決定されていくことになってしまう。
 たとえ激甚災害であれ、災害のために、こんな危険な国家緊急権が必要なはずはない。災害時に公的機関が出動する被災地域は限定であり、国土全土や社会の全領域を覆う必要はない。
 これは非常時にかこつけて、全権を手にする危険な非常事態宣言である。これさえ手に入れてしまえば憲法九条の改正すら必要ない。現行憲法を無効化する立法は簡単にできてしまう。
 ドイツで一九三三年に国会放火事件が起きた直後に出された緊急事態宣言によって、ナチスへの抵抗勢力は根こそぎにされ、そののちに全権委任法が成立した。全権委任法の導入前に、緊急事態宣言の段階で、勝負は決していたと考えられる。
 ナチスの当時の緊急事態宣言と比較しても、自民党が導入するという緊急事態宣言条項は極めて強力なもので、ナチスが全権掌握していったその轍を踏む危険性が現実的にありうる。帝国の「属国」でありながら、ファシズムという最悪の政体が成立しかねない。

幼なじみの自民党支持者による退屈な忘年会が「ある」あるいは「あったはず」なのだが、お誘いがこない。それ自体とてもうれしい。

彼等彼女ら、このブログを読んで、「誘っても百害あって一利なし」ということに気がつき、排除を始めたのかもしれない。ありがたいことだ。説得が全く通じない連中(個人的には確信犯と思う)酒を飲むことは、人生の無駄以外何ものでもない。小生、忍耐力皆無

彼等に何時間もかけて訳している記事を読んでくれ、それから議論しよう、というと、「読まない俺たちを馬鹿にしている」と怒るばかり。もう、つける薬はない。

2015年12月20日 (日)

「イスラム国」 それとも、ワッハーブ派植民地?

Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
2015年12月16日

ISISのイデオロギー的ソース・コードは、リヤドのアメリカ同盟国で見いだすことができる。いわゆる“シリア反政府派”の懇談会が、最近、サウジアラビアで開催された。参加者の中には、機能していない様々な国外居住の“反政府派”指導者や、 - いずれも、2012年以来、アメリカ国務省が外国テロ組織に指定したアルカイダのアル・ヌスラ戦線の系列の - アフラール・アシ・シャム(レバント自由人イスラム運動)や、ジャイシ・アル-イスラム(イスラム軍)を含むシリアで活動している様々な過激派集団の司令官が含まれている。

BBCは、その記事“シリア紛争: 分裂していた反政府派、リヤドで統一交渉を開始”でこう報じている。

和平交渉に向けて、統一戦線を形成するための取り組みで、100以上のシリアの反政府派や野党政治家がリヤドで会談した。

サウジアラビアの首都での会議が始まると、最も強力な反政府集団の一つが非妥協的な語調を強めた。

アフラール・アシ・シャム(レバント自由人イスラム運動)は、バッシャール・アル・アサド大統領は裁きを受けねばならないと主張した。

アサドが認めている、シリアに本拠をおく反対派の人物の出席と、シリア国内でのアルカイダ系列の不在も批判した。

言い換えれば、アフラール・アシ・シャムが、 BBCが名を出した懇談会に参加している唯一の他の過激集団ジャイシ・アル-イスラム(イスラム軍)とともに、あからさまに、リヤドに、アルカイダのアル・ヌスラ戦線も出席を要求していたことは、いわゆる“反政府派”が全て、アルカイダと共に戦場で戦い、戦線から離れた場所では、政治的に支援しているアルカイダの直系であることを明らかにしている。

アフラール・アシ・シャムと、ジャイシ・アル-イスラム(イスラム軍)は、様々な常に変化し続ける名称のフロント集団下の連中が訓練し、資金提供し、武器を与え、支援しているアルカイダ・テロリストのアメリカと、サウジアラビアの広大なペテンの一環だ。その結果が、アルカイダとISISの他に説明のしようもない勃興と戦場での優勢、アメリカが提供する兵器や車両がアルカイダの手中に“落ちる”大規模な絶えざる流れだ。

シリアにおけるアルカイダの勃興は計画通り

アルカイダのそもそもの発端そのものが、アメリカ-サウジアラビアの地政学的野望の共同作品だった。シリアで、バッシャール・アル・アサド大統領の父親、ハフィーズ・アル・アサド大統領によって、破壊され、粉砕されたムスリム同胞団が・、1980年代、アメリカとサウジアラビアによって再編され、ソ連に対する代理戦争で戦うべく、アフガニスタンに送られた。

それ以来、この集団は偶然にも、あらゆる戦場や、バルカン半島であれ、チェチェンであれ、中東と北アフリカ (MENA)や、遥か遠くの東南アジアに到るまで、アメリカが影響力を強化したがっているあらゆる地域に関与することになる。

アメリカのイラク占領中、アルカイダは、イラク人を分裂させ、お互いに戦わせ、当初占領に反対していたシーア派・スンナ派統一戦線を破壊する上で、中心的役割を果たすこととなる。テロリストは、サウジアラビアに資金を提供され、今や悪名高いリビアの首都ベンガジを含めMENA地域全体から、NATO加盟国のトルコを経由して、連れてこられ、シリア国内の未来の反政府派による支援を得て、シリア領を経て、最後にイラクへと到る。

2007年、アメリカとサウジアラビアが、今回は、シリアとイラン政府を打倒するため、こうしたテロリスト連中を再度利用しようとあからさまに企てていてることが暴露された。ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリスト、シーモア・ハーシュの2007年の9ページ記事“方向転換”が、これがどのように計画されているかのみならず、ほぼ確実に、宗派大虐殺を引き起こすことを極めて詳細に描いていた。

2011年になり、シリア紛争の最初の一発が放たれると、アルカイダをしっかり観察してきた人々は当初から知っていたが、ハーシュの予言的レポートが、とうとう現実になった。2007年に彼が予言した宗派大虐殺は、2011年以降、恐るべき現実となり、欧米の一体だれが反政府派なのかに関する意図的な欺瞞的歪曲が色あせたあと、それがずっとアルカイダであったことが明らかになるのは当然だった。

実際、アル・ヌスラを、外国テロ組織だと指定するアメリカ国務省自身の声明が認めているように、そもそも始めから、全国規模の作戦を展開していたのだ。

国務省声明にはこうある。

2011年11月以来、アル・ヌスラ戦線は、ダマスカス、アレッポ、ハマ、ダラ、ホムス、イドリブや、デリゾールを含む主要都市で、40回以上の自爆攻撃から、小火器や簡易仕掛け爆弾による作戦にいたる約600回の攻撃を行ったと主張している。これらの攻撃で、無数の無辜のシリア人が殺害された。これらの攻撃を通し、アル・ヌスラは、自らを正統なシリア反政府派の一環として描きだそうとしているが、実際はイラクのアルカイダAQIは、自らのよこしまな狙いのために、シリア国民の戦いを乗っ取ろうと企んでいる。

アル・ヌスラが、自らを正統なシリア反政府派の一部として描こうとしているという主張は、アメリカ国務省がしているだけでなく、アメリカが正統な反政府派だと主張する諸集団も、やはりアル・ヌスラを、そうしたものとして描きだそうとしているので、最後の点は特に興味深い。

アル・ヌスラとISISが強力な勢力に勃興したのは、シリアでのアメリカ外交政策が裏目に出た結果ではなく、アメリカ外交政策が計画通りにしっかり機能した結果なのだ。

ハーシュの記事は、シリア政府を打倒するための武装反政府派を作り出すというアメリカとサウジアラビアの取り組みは“イスラム教の戦闘的な考え方を奉じ、アメリカに敵対的で、アルカイダに同調するスンナ派過激派集団を強化する”という予想できる結果をもたらすだろうと主張していた。

そして、まさにその通りになったのだ。

ISISはワッハーブ派植民地

2011年の代理戦争の開幕段階で、シリアを圧倒するのに失敗し、“シリア脱構築”が次の目標となった。主犯ワシントンのクルド傀儡マスード・バルザニと、アルカイダに支配されているサウジアラビア-カタール-トルコの勢力圏の影響を受ける地域を切り取ることが、地域における欧米の野望で、現在の焦点であるように思える。分割され弱体化されたシリアは、地域で、イランを更に孤立化させ、弱体化させるという目的に役立つ。

サウジアラビアは、何十年以上、極めて言いなりになる従属国家でいる。シリアやイラクで、より小規模にでも、これを再現する取り組みは理想的だ。黒海からペルシャ湾に到る、サウジアラビア-カタール-トルコの勢力圏があれば、シリア、レバノンのヒズボラ、イランとロシアに対するシーア派の勢力圏の弧として、ワシントンにとって理想的だ。

ISISは、リヤドにおいて実に長期間支配的であり続けている全く同じ危険なイデオロギー、1700年代の遠い昔、サウド王家の権益に役立つように作り出されたイスラム教の極端な曲解、ワッハーブ主義によって、イラクとシリアの一部を“植民地化する”ための手段として機能している。

ワッハーブ主義は、主流のイスラム教から、信奉者を洗脳し、差別化する手段だった。これは主要スポンサーのサウド王家が、地域征服を実現し、長期的に地域を支配する手段として、それを利用しようとしたために必要だっのだ。この教義が、イスラム教のもとでは厳格に禁じられており、サウジアラビアの近隣諸国では比較的欠けている類の蛮行、暴力や戦争を認めたのだ。

以来ずっと、サウジアラビア国民を、サウジアラビアの虫のいい狙い、利己的権益に疑いを持たずにいつでも戦う用意がある従順で、熱心な過激派で満たし、サウジアラビアと、ウオール街と、ワシントンにいる連中のスポンサーが、国境内で権力支配を維持し、国境外の世界に影響を与えるための要石にするための手段として教義は利用されてきた。ISISは、謎につつまれたテロ集団という形ではなく、本格的な軍と“国”としての、この危険なイデオロギーの輸出だ。 ISISとサウド王家の間の類似は、表面的にさえ無視するのは困難だ。

サウジアラビアは、あらゆる類の違反者を斬首し、ISISも、あらゆる類の違反者を斬首する。サウジアラビアは、あらゆる類の反対派を容認せず、ISISも、あらゆる類の反対派を容認しない。サウジアラビアでは、女性、少数派や政敵は、人権とおぼしきあらゆるものを剥奪されるが、ISISでも同様だ。実際、地理的な場所を除いて、両者の区別をすることは困難だ。両者が、政治的、財政的、イデオロギー的、そして戦略的に、厳然とつながっていることで、いわゆる“「イスラム国」”は実際は、ワッハーブ派植民地に過ぎないという主張を、一層説得力のあるものにしている。

この表面的な検討や、ISISの明らかな補給線が、NATO加盟国トルコとサウジアラビア自身につながっていることに関する結論より、もっと悪事を証明していのは、2012年に書かれたアメリカ国防情報局(DIA)の公式文書が実際、(.pdf) 文字通り認めていることだ。

もし状況が展開すれば、東シリア(ハサカとデリゾール)に、宣言した、あるいは宣言しないサラフィー主義国を樹立する可能性があり、そして、これは、シーア派拡張の戦略的最深部(イラクとイラン)とみなされているシリア政権を孤立させるため、反政府派を支援している諸国がまさに望んでいることだ。

“サラフィー主義国”の樹立を求めているこの“支援している諸国”とは一体どこかを明らかにするため、DIA報告書は、こう説明している。

欧米、湾岸諸国と、トルコが反政府派を支援している。ロシア、中国とイランが政権を支援している。

2007年以来、計画されていた通り、シリアにおけるアルカイダの勃興に関する - “サラフィー主義”(イスラム主義)“国”(国家)の勃興は、アメリカ合州国と、特にトルコとサウジアラビアを含む同盟諸国によって計画され、推進されたことは明らかだ。トルコが兵站支援をし、サウジアラビアが、イデオロギー上のソース・コードを提供して。

アメリカ合州国が“ISISと戦うため”とされるシリア爆撃を一年以上ついやしながら、一体なぜなんの進歩もないのだろうかといぶかしがるむきにとって、シリアを破壊するために、アメリカが意図的にこの組織を生み出した事実が、そうなるまでは説得力ある説明として利用し、テロリスト軍の壊滅をできるだけ長期間引き延ばしたがっているのだ、というのが答えだ。

トルコとシリア国境近くのISIS補給線が脅かされているさなか、ロシアとアンカラ政権が一体なぜ戦争の瀬戸際にあるのかをいぶかっているむきにとっては、トルコこそがこの補給線を作り出しており、それがしっかり維持されるよう非常手段をとってきた事実も説得力ある説明になるだろう。

そして、サウジアラビアは、一体なぜ、アルカイダの明らかな共犯者を、首都リヤドでの、シリアの未来に関する懇談に招いたのかをいぶかっているむきには、シリアの将来に影響力を与える手段として、アルカイダを生み出す上で、そもそもサウジアラビアが、共謀に、主導的役割を演じているからにほかならない - サウジアラビアが、いまだに、大いに、明らかに、アメリカ合州国がそれに沿って進むことを問題と思わない共謀に関与しているというのが答えだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/12/16/islamic-state-or-wahhabi-colony/

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沖縄・米軍基地で山火事、現在も延焼中 米軍が消火活動と、ネット・ニュースで読んだ。

高倉健を思わせる宗主国宣伝業者が、コメンテーターで登場した昨日の報道番組冒頭で、皮肉にも、この事件を報じたような気がした。まだ延焼中。

思いやり予算というみかじかめ料をむしり、TPPで、更に医療・医薬品でむしり取り、巨大基地を作らせ、属国兵士を侵略戦争で肉弾に使い、水爆材料プルトニウムを生産させるため、原発稼働を強行させる宗主国が、殺人演習をして環境を破壊する実例を見て、彼氏一体何とのたまわったのだろう。見るのが遅かったので聞きそびれた。スターウォーズのファンだそうだ。

昼間の無着成恭氏インタビュー再放送。「日本はわりと早く日本はほろびるんじゃないかという気がする。」大本営広報部電気洗脳箱には珍しく硬派なのに驚いた。

ネット記事では、スポーツ選手、タレントなど多数の有名人が与党候補として、あげられている。高齢者向けのバラマキと、電気洗脳箱で庶民に植えつけた候補者の群れで、与党は圧勝だろうか。

下記の重要な提言、スポーツ選手、タレントに投票する方々や、バラマキをもらって投票する方々、見ないか、見られないか、見ても理解できないかのいずれか。

【実況ツイ録】ナチスの生みの親「緊急事態条項」は独裁者が喉から手が出るほど欲しがる「切り札(ジョーカー)」! 参院選まで7ヶ月、「ロックの会〜IWJ Night」で梓澤和幸、澤藤統一郎両弁護士が警鐘

2015年12月19日 (土)

ケリーのモスクワ会談: 明るい兆し?

2015年12月16日

Paul Craig Roberts

このウェブサイトを支援して下さっている皆様はご承知の通り、私たちのお約束は、このサイトは皆様のものであり、皆様がご支援くださる限りは存続するというものだ。皆様方の多くは、約束を守って下さっている。

現在、このウェブサイトだけでも、何十万の読者がおられ、私のコラム記事を転載している、アメリカや外国の多くのウェブサイトには、更に何百万人もおられる。ところが、比較的ごくわずかの読者の方々しか、ウェブサイトを財政的に支援して下さっていない。皆に真実を伝えようとしている人々を、アメリカ人が進んで支援しようとしないことが、アメリカ人が余りにわずかしか真実を知らない一つの理由だ。

皆様のご依頼で書かれているこのウェブのコラム記事は、多くの言語に翻訳されている。中国語、ロシア語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、ギリシャ語、ルーマニア語、そして、おそらく、私が気がつかない他の言語にも。日本人読者から、私のコラム記事が日本でも論じられているとご教示いただいた。

このウェブサイトに投稿しているコラム記事から、三冊の本が作られた。一冊目は、The Failure of Laissez Faire Capitalism And Economic Dissolution Of The West。(『自由放任資本主義の失敗と、欧米の経済崩壊』)。この本は、ドイツ語、英語、チェコ語、中国語と朝鮮語で刊行されている。

二冊目は、(『アメリカは、いかにして失われたか』)だ。この本はドイツ語、英語、フランス語で刊行され、ロシア語版も刊行予定だ。

最新刊は、The Neoconservative Threat to World Order: Washington’s Perilous War For Hegemony(『世界秩序に対するネオコンの脅威: 覇権を求めるワシントンの危険な戦争』この本は、英語とドイツ語で刊行された。

最近、日本の鳩山由紀夫元首相が、ISILパリ・テロ攻撃とされるものに関する私の記事を使って、日本の議会で、テロ攻撃に関する公式説明について問題を提起した。

また最近では、優れたフランス人評論家フィリップ・グラッセが、ワシントンが世界を核戦争で破滅する道においやっているという私の警告について書いてくれた。グラッセは、我々が置かれている道については同意しながら、ワシントンは核戦争を始めることができる前に経済的、政治的で機能不全で崩壊すると期待している。

フランス人作家の期待が的中し、ワシントンの悪が地球上の生命を破壊してしまう前に、経済的、政治的機能不全で崩壊するよう我々は祈らねばならない。

ところで、我々は現実に直面しなければならないが、それはがっかりさせられるものかも知れない。昨日12月15日、アメリカ国務長官ジョン・ケリーが、モスクワで、セルゲイ・ラブロフ外務大臣とセルゲイ・ショイグ国防相と会談し、更にプーチン大統領と会談した。会談の一日前、ロシア外務省は、シリアにおけるロシアとNATO間の紛争を避けるべくなされたロシア-アメリカ合意を、ワシントンが遵守しそこねていると非難した。

ロシア外交と欧米の売女マスコミの組み合わせからして、ラブロフ、ショイグと、プーチンが、ケリーに一体何を言ったのかを知ることができない可能性が高い。ケリーは、ワシントンが、ロシアの作戦地域にあるシリア軍事基地を攻撃した犯人である証拠を提示され、ロシア政府は、これを、ワシントンが同意した交戦規定の違反、恐らく、ワシントンの狂人連中が、ロシア/シリア対ISIS連合に対する戦争を意図している兆候と見なしている可能性が高い。

更に、ロシアのSU-24を撃墜した、トルコによる攻撃が、アメリカのAWAC航空機、あるいはアメリカ衛星による後方支援を得ていた証拠がまた出現した。 http://russia-insider.com/en/natos-got-brand-new-syrian-bag/ri11846

言い換えれば、ISISや、ロシアに対するトルコの戦争行為に対する、ワシントンの関与と支持に対し、ロシアは、ワシントンには冷徹だった。

論争があったのかどうか我々は知ることができないが、ケリーは、モスクワ会談後、違う話をしている。“我々は、シリアのことを基本的には極めて近い見方をしており、同じ結果を望んでいる。”“アメリカは、ロシアと協力する用意がある。”“ロシアとアメリカ合州国は、シリア国内の戦闘も鎮めない限りは、ダーイシュ(ISIL)を打ち負かせないことに同意した。”“シリアの将来については、シリア国民が決める。”“政策として、ロシアを孤立化させようとは思っていない。”

ロシア側は同じ状況とは言えない。今日、ロイターによれば、ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワは、ロシアとアメリカの間には深刻な相違が残っていると述べた。ロシア政府とマスコミが、ISILという悪の背後には、ワシントンというより大きな悪がいることを理解しているかどうかは、まだ完全に明らかではない。ワシントンを信じた結果、ロシアは一体何回煮え湯を飲まされるのだろう?

オバマ政権のネオコン政策が、戦争に向かう弾みを生み出しているが、これは止めなければならないということを、ケリー理解がするのを、モスクワ会談が促進したのであれば良いのだが。シリアのドラマが展開する中で、ロシア政府は、ケリーの言葉が本当なのか、それとも、更なるワシントンのごまかしなのかを知ることになろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/16/kerrys-moscow-meeting-a-hopeful-sign/
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スター・ウォーズ新作の話題や、極右政治家退任報道が繰り返される。詰めかける多数の支持者の姿を拝見しながら、とんでもない国に生きていると実感するばかり。

ロシア大統領年末恒例の記者会見の様子なら知りたいが。

シリア空爆で戦費は足りるのかという質問に、戦争などしていない。軍事演習だと切り返した。

毎回拝読している『五十嵐仁の転成仁語』の五十嵐氏が八王子市長選に立候補された。大本営広報部、庶民を不幸にして去ってゆく政治家の話題は報じても、庶民のために戦う学者の立候補は決して触れない。

早稲田の戦争法案反対集会参加者について、講演者の一人、孫崎享氏、学生が実に少ないと辛口な発言をしておられる。講演された演壇からは、全体の様子が良く見えたのだろう。後ろから見ていて比較的若い世代が見えるような気がしたという、小生の思い込みだったかも知れない。実に残念というか、由々しき状態。

Paul Craig Roberts氏、彼のコラムが、日本でも読まれていることはご存じのようだが、「元首相が彼の記事を使って、議会で問題を提起した」という誤解はやや残念。

残念なことに、議会ではなく、ワールド・フォーラムでのこと。

記事と、問題提起については、該当する翻訳記事で触れた。

偽旗作戦を洗練させたワシントン

2015年12月18日 (金)

レジェップ・タイイップ・エルドアン:突然背後から人を刺すパシャの肖像

James Petras
インティファーダ
2015年12月15日

彼は個人的な権力は強化したが、トルコ国家と国民の利益を損なっている。エルドアンは、自分のことを、欧米に必要不可欠な地域覇権を握る日の出の勢いの人物だと思い込んでいる。シリアとイラクにおける暴力から逃れる難民の大群で、彼はEUをゆすり、管理し、絶望的な難民をトルコの強制収容所に放り込むという約束で、何十億ユーロもせしめた。しかし、ヨーロッパ人は、パシャ(皇帝)からは、自分たちの金で、決して信用と忠誠を買うことはできないことを悟らねばならない。より詳細はこちらを。http://www.intifada-palestine.com/2015/12/recep-tayyip-erdogan-portrait-of-a-backstabbing-pasha/#sthash.LRbf7AXX.dpuf

エルドアンは、パワー・エリートに反対する社会改革者として、権力の座への上昇を開始した。彼はイスラム教と社会福祉を主張する民衆煽動家だった。政治権力を得るやいなや、彼は家族やビジネス・エリートを富ませ、敵やライバルを粛清した。

政治力と、経済的なコネを使って違法な商取引で、富を蓄積した。

政治権力と、個人的財産を得て、帝国の権益に使えることで、彼は欧米エリートの間で、威厳と地位を得ようとした。彼はロシア軍戦闘機をシリア上空で撃墜して、何百ものトルコ企業を脅かし、主要な個人的収益源を失った。ロシアが、トルコへのエネルギー輸出を止めると脅すと、エルドアン批判者たちは、彼は、この冬、宮殿とビラを、牛糞で温めるだろうと言った。

エルドアンの二つの顔

トルコ大統領のレジェップ・タイイップ・エルドアンは、政治上の盟友、貿易相手や、軍事同盟を裏切る上で、長く、卑しい実績を誇っている。友情を誓って、‘友人たち’を爆撃し、市民を殺害する。‘真摯に’交渉し、ライバルを殺害する。民主主義者を演じておいて、ありきたりの扇動的独裁者になる。

エルドアンは、アナトリア州プチブルの平民的で厳格な価値観に訴えながら、21世紀のパシャにふさわしい世界最大の豪華大統領宮殿を建設する。彼は何度となく‘トルコ国家’への忠誠を誓いながら、公共資金によるプロジェクトに二重請求する建設業者から、何度となく賄賂やリベートを得て、トルコ国庫を略奪している。

最近では、エルドアンは、テロに反対し、ISISと戦うと主張しているが、トルコの主要新聞や地方新聞、ジャーナリストや大半の国内評論家たちは、トルコ-シリア国境を越え、ISISテロリストに向かう、膨大な量の違法な兵器の流れを実証している。

ISISとエルドアンの‘肉体関係’

エルドアンは、聖戦傭兵に抵抗するシリア・クルド戦士を爆撃し、テロリストに対して、ダマスカス政府を守っているロシア戦闘機を撃墜し、ISISがイラクとシリアから盗んだ石油を密輸し、販売し、負傷したISIS戦士に対して医療支援をし、更に、トルコ基地で、ISISテロリストを訓練し、武器を与えて、ISISを支援している。

ここには互恵関係がある。2015年7月20日、33人を死亡させた、スルチでのクルド‘社会主義青年’集会へのテロ爆撃や、10月10日、アンカラの‘平和と公正’行進会場で、組合活動家、専門職団体幹部や、民主的なクルド政党の活動家や党員を標的に、100人以上を死亡させ、何百人も負傷させたの大規模爆発を含め、自国内の反対派にテロをするのに、エルドアンは、ISIS工作員を利用している。

2015年の国政選挙では、ISISテロリストや、エルドアンの公正発展党(AKP)の暴漢が、エルドアンが、圧倒的多数を必ず勝ち取れるようにすべく、野党、特にクルド人民民主党(HDP)の事務所、集会や候補者を襲撃した。

言い換えれば、エルドアンの外国と国内における権益にとって、ISISは一石三鳥だ。

(1)シリアとイラクで、ISISに反対している非宗教的なクルド勢力を攻撃し、破壊して、トルコ国境に独立したクルド国家ができるのを防ぐ。

(2)シリアのバッシャール・アル・アサド指揮下の独立したバース党政府を攻撃し、破壊し、多文化的な非宗教的国家機構を解体し、スエルドアンのAKPに従属するスンナ派イスラム主義傀儡をダマスカスに据える。

(3)広範な支持を得ているクルドHDPや、左翼の労働組合連合(DISK)を含め、トルコ国内世論を攻撃し、恐怖に陥れる。

エルドアンは、現在ISISを構成している過激ワッハーブ派テロリストと十数年にわたり、戦略的同盟関係にある。彼は中東地図を、彼自身の拡張主義の野望に役立つように‘書き換える’つもりなのだ。これは、エルドアンが、一体なぜ大量の武器や物資を、テロリストに供給し、何千人もの傭兵を訓練し、負傷したISIS戦士に医療支援を提供したのかという理由の部分的説明になる。これはまた、エルドアンが一体なぜ、シリア領空で、エルドアンの同盟ISISを爆撃していたロシア戦闘機を撃墜するという未曾有の極端に挑発的な手段に出たかという説明にもなる。ロシアとシリアの軍のISISに対する成功が、彼の野望を脅かしたからだ。

‘イスラム教民主主義者’から、支配的な中東のパシャとなるという自負を持った残虐な独裁的イスラム主義支配者へのエルドアンの変身は、過去40年で、権力の座に上昇した歴史を通して見るべきだ。

レジェップを突き動かしているのは何か?

エルドアンは、早くから、過激イスラム主義政治への親近感を示していた。1970年代、彼は、巨大な多民族非宗教国家トルコを、神権政権(現代のISISの方針通りだ)に変えることに専心している、強烈な反共産主義で、非宗教的政党に反対する政党、国民救済党(MSP)青年部のトップだった。

1980年の軍事クーデター後、MSPは解党され、福祉党として再登場した。エルドアンは新たな(改名した)イスラム主義政党の指導者になった。

エルドアンと福祉党は、腐敗して、独裁的な軍へのトルコ大衆の不満につけこんだ。福祉党は、イスタンブールの労働者階級居住区に、強力な草の根組織を作り出すべく、イスラム主義の宗教的色合いを持ったポピュリスト的な社会福祉綱領を奉じていた。1994年、エルドアンはトルコ最大都市の知事に選ばれた。

知事として、エルドアンは、実力以上のことをしようとして過激イスラム主義を説いて失敗し、1998年に非宗教国家に対する扇動罪のかどで有罪判決を受けた。彼は、10か月の刑で、4か月服役した。

この時点から彼は戦術を変えた。彼のイスラム主義狂信は隠蔽された。彼は、党名を福祉党から、現代風な響きの公正発展党(AKP)へと変えた。エルドアンは、そこで一連の政治作戦を開始し、賢明にも敵対者が権力を得られるよう操り、それから…それぞれを背中から刺したのだ。

エルドアン:抱擁して、背後から

非宗教国家に対して扇動するという彼のかつての信念にもかかわらず、‘改心した’エルドアンは、2002年、彼の政治参加に対する軍の禁止を覆すため、ケマル主義で、非宗教的な共和人民党(CHP)と連携した。2003年に、彼は首相に選ばれた。AKPは、総選挙に勝利した後、CHPとのつながりを切った。2007年と2011年、エルドアンは首相に再選された。

エルドアンは、司法体制、警察と軍内部で影響力が強かった親米派のイスラム主義指導者フェトフッラー・ギュレンのヒズメットまたはジェマート運動と提携した。二人は非宗教的な軍や司法幹部、ジャーナリストや評論家の粛清を開始した。

エルドアンとギュレン主義者の国家機関が、300人の非宗教的な軍幹部、裁判官やジャーナリストを逮捕・投獄し、全員、イスラム主義者のエルドアンとギュレンに忠実な連中に置き換えた。

“大ハンマー作戦”と呼ばれた粛清は、全て反逆罪と陰謀の冤罪に基づいていた。ところが、欧米マスコミは、軍に対し‘民主主義を強化する取り組み’だと呼び、それをエルドアンの民主的権威にへつらう表現で説明していた。

それは民主主義とは無関係だった。粛清はエルドアンの個人的権力を強化し、彼が益々あからさまに新自由主義で、イスラム主義の政策を推進することを可能にした。司法関係者の粛清は、益々エルドアンが取り巻き資本家連中や家族を富ませることを可能にした。

エルドアン:ネオリベラル・パシャの誕生

更にエルドアンは、賃金、給与や年金を引き下げる一方、公共企業や活動を民営化するIMFが設計した‘安定化と回復’プログラムを奉じている。これが資本の大量流入を招き、外国投資家と取り巻き連中が、おいしい所を叩き売り価格で手にいれた。経済に対するこの‘取り巻き連中の自由競争’手法の最も象徴的なものが、2014年5月、かつて国有だった炭鉱が、エルドアンの取り巻きに買われ民営化された後、労働者の安全条件が破壊され、300人以上の炭坑作業員が死亡した、ソマ炭鉱爆発事故だ。国内と国際的な憤激にもかかわらず、レジェップはスキャンダルを無視し、抗議行動をする炭坑作業員に警官を解き放った。

エルドアンによるイスラム教と、残酷な新自由主義の組み合わせは、ブリュッセル、ウオール街やロンドンのシティーの支持を惹きつけた。投機的な外国資本の大規模流入が、トルコのGNPとエルドアンの富と自我を一時的に膨らませた!

支配の初期、エルドアンによる大資本に対する開発免許、税制優遇措置、政府契約が、大半の部門、特に建設と不動産部門の彼の取り巻き資本家連中に広くばらまかれた。

資本ブームが続いている間、彼の権力も増大し、エルドアンは、トルコ救世主という役に益々とりつかれるようになった。2010年には、権力の分担を巡って、エルドアンと、ギュレン主義のパートナーとの間で深刻な違いが広がった。エルドアンは素早く残虐に行動した。彼は再度‘ギュレン主義官僚’と目される連中の大規模粛清を開始した。彼等が、先に非宗教主義の軍を粛清した際には、彼のために忠実に働いた役人たちであったという事実にもかかわらず、彼は裁判官、警官や、公務員のギュレン主義シンパを逮捕、馘首、投獄、配転した。

エルドアンは、他のいかなる政党、運動や、集団とも権力を分け合うのがいやだった。パシャ・レジェップは権力を独占したがっていた。彼は‘ギュレンが支配している’と主張して、批判的な新聞や企業やコングロマリットを攻撃した。エルドアンは、彼に対して完全に忠実な資本家しか、政権からの恩寵を受けられないようにした。言い換えれば、取り巻き資本家連中の規模、力と重要性を強化した。特に不動産と建設業で。

パシャ・レジェップによる、市民社会に対する攻撃

トルコ、エルドアンの絶対権力の下で、腐敗した愚かな‘開発プロジェクト’が、ねずみ算式に増加し、公共空間の劣化と剥奪をもたらした。彼の恣意的で破壊的な政策は、継続的な市民団体の抗議行動、特に、2013年5月に始まった、イスタンブールの中央、ゲジ公園での抗議行動を引き起こした。

市民社会の抗議行動に対応して、エルドアンはあらゆる見せ掛けを投げ捨て、‘現代的民主主義者’の仮面をはぎ取り、イスタンブール中心部で、平和な抗議行動参加者を残虐に弾圧し、22人の死者、何百人もの負傷者、更に多数の逮捕者と長い刑期が宣告されることになった。エルドアンは次に、彼の残虐な暴力行使を批判した、リベラルな批判者や財界幹部を標的にした。

2013年、ゲジ公園運動の年は、転換点だった。エルドアンと家族が1億ドル賄賂スキャンダルに連座する一方、政権を批判するリベラルな人々は粛清された。

エリート階級からも、庶民階級からも、反対に直面し、エルドアンは一層熱狂的な‘イスラム主義’、愛国主義、誇大妄想、つまり‘新オスマン帝国主義’となった。

間もなく、彼はトルコ・クルド人に対する攻撃を再開し、後にISISとなる連中も含め、シリア国内のイスラム主義テロリスト支援を増強した。これらの政策は、イラクとシリアの非宗教的なクルド人に対して継続中の戦争を補完するよう計画されていた。

エルドアン:非宗教的シリアと“大親友”ロシアの背中を刺す

支配の最初から、エルドアンは、シリアのバッシャール・アル・アサドと、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と‘最高の関係’を作り出していた。彼はダマスカスやモスクワと無数の貿易協定を調印した。プーチンはアンカラで歓迎され、エルドアンはモスクワを訪問し、二人は10億ドルのエネルギー協定や、相互協力協定に調印した。

300万人ものロシア人観光客が、トルコのリゾートを毎年訪れており、トルコの主要産業の一つにとって、たなぼただった。

エルドアン政権は、威勢よく、大げさに、モスクワとダマスカスを抱擁しながら、組織的に、もっと背中を刺すための基盤を準備していたのだ!

2011年までには、後にシリアにおける残虐なイスラム主義者の反乱となるものの基盤をととのえるのに、エルドアンは深く関与していた。早くから、何百人もの武装外人イスラム主義テロリストが、トルコ国境を越えて、シリアに入国していた。彼らの存在は在来のシリア反政府派を圧倒した。武装イスラム主義者は、村や町を掌握し、キリスト教徒、クルド人、アラウィー派や、非宗教的なシリア人を暴力的に追放した。連中は油田を乗っ取った。エルドアンは、日ごとに、隣国シリアの愛すべき友人から、宗派暴力テロによる‘政権転覆’を要求する不倶戴天の敵へと変身したのだ。

シリア・クルド人の民族主義的熱望を損なうことと、非宗教的なアル-アサド政権の打倒に専心しているので、エルドアンは、最も過激な宗派、ワッハーブ派イスラム主義集団を奉じている。ISISや他のイスラム主義テロ集団とエルドアンの秘密同盟の動機は、いくつかの戦略的配慮によるもので、その概略は下記だ。

1)      同盟は、ダマスカスが敗北した場合に、武装したシリア・クルド人が、南東トルコの不満を抱いた膨大なクルド住民と連帯して、非宗教的な自治クルド国家形成に到るとエルドアンが恐れている、自治クルド居住地がシリア-トルコ国境で樹立されるのを防ぐのに役立つ。

2)     シリア内の聖戦戦士とエルドアンの同盟は、ダマスカスに、傀儡スンナ派-イスラム主義政権を押しつけるというアンカラの野望に役立つ。

3)     シリアとイラクの油田を支配しているISIS政権は、トルコに対する安価な燃料源で、政権にとって美味しい儲けを与えてくれる。レジェップの息子ネジメッティン・ビラル・エルドアンは、密輸されたシリアとイラクの石油をトルコで購入し、海外(特にイスラエルに)で販売し、年間約10億ドルを‘家族’に稼ぐBMZグループを所有し経営している。

密輸した石油、略奪した古代の遺物や、‘朝貢’税による現金を、シリアとイラクでのテロ作戦を維持するため、トルコやあちこちで、重火器や軽火器、軍用車両や、輸送車両や、通信機器を購入するために使っているISISに、エルドアンの家族が直接資金提供しているのは驚くべきことではない。情報に通じたトルコ専門家たちは、エルドアンの諜報機関の職員が、トルコ国内で活動し、国内の反エルドアン勢力、特にクルド政党のHDPや、広範なトルコの左翼や労働組合運動を攻撃するISISテロリストの徴募に直接関与していると考えている。トルコ諜報機関の作戦が、エルドアンに反対する百人もの人々や、市民社会活動家を殺害し、四肢を奪った今年のスルチとアンカラでの‘ISIS’爆弾攻撃に直接関与していると専門家たちは主張している。

エルドアンとISISは、お互いに利用しあう、共依存関係を発展させた。それぞれ公的には相手に対する敵意を宣言しながら、共同の戦略目標追求に余念がないのだ。

アンカラは聖戦戦士に抵抗しているシリア国内のクルド人を爆撃すべく、ISISとの戦闘という口実を利用している。ISISは、エルドアンの家族や取り巻き連中の企業との膨大な石油と兵器取り引きを隠蔽すべく、NATO加盟国トルコに反対するという口実を利用している。

パシャが熊を刺し、熊か噛み付き返す-余りにも多くの相手を刺してしまったパシャ

シリアの聖戦戦士やISISテロリスト・ネットワークに対するロシアの極めて効果的な空爆作戦は、バッシャール・アル・アサド大統領の正統な政府からの正式な軍事介入要請に答えたものだ。ロシアは、ダマスカスのバース党政権とは長年のつながりをもっている。介入は、シリアにおける、エルドアン地域的権力への野望と、違法な事業活動を損なう脅威だったのだ。何よりも、北シリアの広大な部分を併合し、‘飛行禁止空域’と呼ぶエルドアンの計画を終わらせてしまった。シリア国内でトルコが支配する‘飛行禁止空域’で、ISISや他の聖戦テロリストのためのトルコ軍事訓練基地を拡大し、イラクとシリアから密輸出されるISIS石油出荷の輸送経路を確保できるはずだった。

戦略的なエルドアン-ISISの石油密輸作戦をめったに爆撃しなかったアメリカと違って、空爆の最初の一カ月で、ロシアは何千台もの石油輸送トラックや、無数のISIS石油貯蔵所や、兵站センターを破壊した。密輸石油の流れを減らすことで、ロシアはビラル・エルドアンのBMZ社と、トルコの武器業者にとっての膨大な利益の主要な源を断ち切った。

暴力団と同様、エルドアン、かれの家族と取り巻き連中は、国内でも海外でも、膨大な腐敗した事業活動に浸かってきた。彼は、年間400億ドルものロシアとの貿易・投資関係があるトルコ資本家階級のより大きな利益の文脈の中では、もはや活動することができないのだ。2015年11月24日の、ロシア戦闘機をシリア領空で撃墜するというエルドアンの決定は、ISIS石油車列介入にロシアが成功したことに対する彼の怒りが主な動機だった。自分の家族の権益を守ることによって、エルドアンはより多くの同盟者の背中を刺してしまったのだ。ロシアだけでなく、トルコの資本家階級の多数までも!

エルドアンのロシアに対する戦争行為まで、プーチンを同盟者、友人、パートナーとして彼は公に認めていた。二人の指導者は、十年以上、親密な関係を維持していた。トルコ軍は、飛行経路を含め、シリア国内でのロシア軍事作戦について、十分情報を得ていたのだ。そして、突然2015年11月に、彼はロシア爆撃機を撃墜して、関係の完全な決裂の危険をおかし、ロシアの対トルコ報復を招いた。

ロシアは、北シリアでの作戦と基地を守るべく、最も先進的な兵器体系に強化し、トルコの石油事業であるISISの爆撃を強化して即座に反撃した。

ロシアは、トルコに対し、ビザ制限と経済制裁を課して報復し、何十億ドルもの観光事業への逆風となった。戦略的なエネルギー協定は終了した。大規模トルコ建設契約は解除された。ロシア市場へのトルコ農産品輸出は事実上停止した。

自分の尻尾を噛んだパシャ

エルドアンの一方的な行動は、トルコの大きな輸出部門の広範な利益に明らかに反していた。ゲジ公園からギュレンに到る次から次の粛清によって、かつて新自由主義トルコ資本の‘広告塔’だったエルドアンは、腐敗した家族と取り巻き資本家連中というメンバーが限られた集団のために行動する、身勝手な独裁者と化した。エルドアンは、先見の明のあるスレイマン1世(賢人)というより、放埒なイブラヒム1世(狂人)というイメージの、現代パシャになったのだ。

エルドアンはロシアに対する彼の病的な怒りの発作による損害が外国をおこらせ、トルコ国内で孤立化しつつあることを悟るやいなや、彼は膝を屈して、NATOに向かい、支援を求めた。彼の権威主義的性格にふさわしく、レジェップ・エルドアンは‘目上’(NATO-アメリカ)の前では、両手両膝をつき、‘目下’(トルコ国民)の喉元をつかんでいる!

結論

エルドアンの専制主義への道は、無差別粛清、テロと欺まんで敷きつめられている。ゲジ公園の環境保護運動家やリベラルな抗議行動参加者や、穏健なギュレン運動イスラム主義者に対する暴力、ジャーナリスト、出版者、軍高官や、裁判官の投獄と馘首、労働者や資本家への弾圧、活動家や、民主主義者に対するテロ爆発、そして、クルド人とシリアに対する戦争。

エルドアンの被害妄想と強欲が動因の政治構想は、いかなる信頼や安定した関係をも排除する。魅力と反故にする約束の組み合わせを持ち合わせている自分は実に賢明だと彼は思い込んでいるが、彼は誰も騙すことはできない。彼はトルコとシリアのクルド人に対する戦争を再開したが、彼等は応戦している!

彼はロシアを攻撃し、これまでの所、トルコ経済に限定された、極めて手痛い報復を引き起こした。

彼は個人的な権力は強化したが、トルコ国家と国民の利益を損なっている。エルドアンは、自分のことを、欧米に必要不可欠な地域覇権を握る日の出の勢いの人物だと思い込んでいる。シリアとイラクにおける暴力から逃れる難民の大群で、彼はEUをゆすり、管理し、絶望的な難民をトルコの強制収容所に放り込むという約束で、何十億ユーロもせしめた。しかし、ヨーロッパ人は、パシャ(皇帝)からは、自分たちの金で、決して信用と忠誠を買うことはできないことを悟らねばならない。

彼のISISとの石油取り引きはぼろぼろだ。ロシア爆撃で、エルドアンが他の違法な利益源を探さなければならなくなるのは確実だ。最悪なのは、エルドアンの逆上した行動で、市場、同盟者と、国内の支持を失ったことだ。彼は四方八方を敵に囲まれている-イスタンブールのリベラルな大学教授、学生、大企業のオーナー連中や組織労働者。旅行業界の中小企業の人々。アンカラの建設業と石油会社。アナトリアの農民、そして、何より、マニサ県ソマの炭坑作業員。

どのような状況でパシャ・レジェップ(‘誇大妄想狂’)が取って代わられるかを一体誰が知ろう?

James Petrasは、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校社会学名誉教授。

記事原文のurl:http://www.intifada-palestine.com/2015/12/recep-tayyip-erdogan-portrait-of-a-backstabbing-pasha/
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DEMOCRACY STRIKES BACK 立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い、早稲田大学大隈記念講堂、満員。通常、この種の催し、中高年が多いが、さすがに、若い方々もおられる。加藤周一の「学生生と老人の同盟」を連想した。

記事翻訳 TPP: 一体何がめでたいのか?の後書きで、加藤周一の「学生生と老人の同盟」について多少詳しく触れたので、ご興味あれば、ご一読願いたい。

吉良よし子議員、田村智子議員、いずれも早稲田卒業生だったのを初めて知った。

無料なのにシールまでいただいて恐縮。集会の不思議な英語題名、THE EMPIRE STRIKES BACK、スターウォーズのモジリだそうだ。2・26、5・15にも予定しているという。意味深な日付。

来る選挙では、売国政権そして、大本営広報部は、戦争法制から問題をそらし、もっぱら経済問題か何かを勝手に争点にするはずだ。

しかし、戦争法制を廃棄する政権を目指す争点しか、庶民にはあり得ない。大本営広報部の呆導、百害あって、一利ない。

第2部 講談、神田香織さんの出し物、「はだしのゲンは安保法制を許さない」は、彼女の「はだしのゲン」講談の一部を語るもの。青年劇場で公演中の被曝体験者の話をもとに、美術部の高校生が、その場面の絵を描く過程を語る芝居『あの夏の絵』でも「はだしのゲン」の話題はでてくる。

2013年2月22日、ジャパン・ハンドラー様の本拠で、「我々は永遠の属国ですと、感動的宣誓を行い、国内では、国会前の戦争法案反対抗議行動や辺野古の基地反対運動に、機動隊を大挙出動させて弾圧している彼氏そっくり。

彼の権威主義的性格にふさわしく、○○○○は‘目上’(アメリカ)の前では両手両膝をつき、‘目下’(国民)の喉元をつかんでいる!

2013年2月22日の迷演説・宣誓を本当の日本語に翻訳すると、こういう意味だろう。

ハムレ様、ご親切な紹介ありがとうございます。アーミテージ様、ありがとうございます。グリーン様もありがとうございました。そして皆様がた本日は、おいでくださいましてありがとうございます。

昨年、リチャード・アーミテージ、ジョゼフ・ナイ、マイケル・グリーンやほかのいろんな方々が、日本についての報告を出しました。そこで彼らが恫喝したのは、日本はもしかして、独立国家になってしまうのだろうかということでした。

アーミテージ様、わたしからお答えします。日本は今も、これからも、独立国家にはなりません。それが、ここでわたしがいちばん言いたかったことであります。繰り返して申します。傀儡政治家はカムバックをいたしました。日本も傀儡国家であり続けなくてはなりません。

「パシャ・レジェップ」を、永久属国状態をトリモロスと主張する人物名と入れ換えても、この記事、なんの矛盾もなく通じる。やがて好都合なテロも巧妙に実行されるだろう。本当の巨悪ではなく、庶民だけが殺害され、負傷する不思議なテロが。

この話題に直結するジェームズ・ペトラス氏の記事では最近、下記を翻訳した。

レジェップ・タイイップ・エルドアン: 解き放たれたテロリスト 2015年10月20日

今回のジェームズ・ペトラス氏説明、二年前の「IWJインタビュー題名」と重なり合うのに、びっくり。

2013/06/21 日本・トルコの「復古主義の仮面を被った新自由主義」体制を批判 ~日本女子大学教授・臼杵陽氏インタビュー

日本も考えるべきこと。復古主義という仮面を被った新自由主義。これほど米国、グローバル資本に都合のいい政権はかつてなかった。

と岩上氏はTwitterで書いておられる。

日刊IWJガイド「岩上安身、赤字覚悟・鼻血ブーの決断!『饗宴VI』は学生さんであれば誰でも半額で参加できます!!そして内田聖子さん、志葉玲さんなど、豪華登壇陣が続々決定!さらに本日は、あの白井聡氏に岩上安身が単独インタビュー!!」 2015.12.17日号~No.1191号~

考えてみると、岩上安身氏も、早稲田大学社会科学部卒業。白井聡氏も、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。

田中正造は、大学はとんでもない機構だと指摘した。確かに、古河の足尾銅山鉱害問題に対して、明治政府が設置した鉱毒調査委員会、第一次でも、第二次でも、東大卒業生や東大教授、露骨に銅山側を支持していた。

2015年12月17日 (木)

この戦争狂乱は一体どこへ向かうのか? サウジアラビアで悪臭を放っているのはラクダの糞ではない

F. William Engdahl
New Eastern Outlook
2015年12月8日

ここ数週間、様々な国々が次々、誤って「イスラム国」、ダーイシュに対するものとされるシリアでの戦争として知られている、七面鳥を狙う射撃大会への参加に、文字通り全力を発揮しつつある。最も必要ながら最も恐れられている質問は、この戦争狂乱は一体どこに至り、一体どうすれば、全世界を、世界破壊戦争に引きずり込む寸前で止められるのかだ?

9月30日、適法に選出されたシリア・アラブ共和国大統領の正式要請あるいは懇願に答え、ロシア連邦がシリア政府軍を支援し、当初は極めて効果的な爆撃作戦を開始した。

11月13日、ISISが実行したと主張するパリにおけるテロ攻撃後、フランス大統領は、フランスは“戦争”状態にあると宣言し、即座にフランス唯一の航空母艦シャルル・ド・ゴールを、戦闘に参加するために、シリアに派遣した。更に12月4日、ドイツ議会は、フランスを“支援する”ため、1,200人のドイツ人兵士と、6機のトーネード攻撃機を配備することを承認した。ドイツからの報道では、ドイツは、ロシアやアサド政権とは協力せず、フロリダ州のアメリカ中央軍と、ダマスカスではなく、クウェートの連合国司令部と協力するという。同じ週、イギリス議会は、イギリス航空機と部隊を、“ISISと戦う”ためシリアに配備することを承認した。またしても、これがシリアの主権を回復するために、アサドのシリア軍と協力するというロシアの大義を助けることにならないことは確実だ。

更に、犯罪的で周到に準備した、シリアでのロシアのSU-24撃墜をしたばかりのトルコの短気な大統領レジェップ・エルドアンが、イラク政府の強硬な抗議にもかかわらず、トルコ戦車を、イラクの石油の豊富なモスル地域に進攻させた。この混乱に加え、アメリカ合州国は、アメリカの航空機が、ISIS拠点を、一年以上、外科的に爆撃したと主張しているが、結果は、ISISや他のテロ集団が支配する領土を拡大しただけだ。

時間を割いて、一歩下がって、じっくり考えれば、シリアは、我が愛すべき平和な地球を破壊する可能性がある遥かに醜い状況への単なる点火装置で、世界が文字通り暴れだしつつあることを、我々は容易に理解できよう。

何が重要なことが欠けている

ここ数週間、全中東での策謀、より正確には諸策謀を一体だれが実際に操っているのかに関する一般的な説明を益々不満に思えるようになり、サウジアラビアの役割に関する、私のこれまでの見解を再検討するに至った。2015年6月、サンクトペテルブルクにおけるロシアのプーチン大統領とサウジアラビア国防大臣サルマン王子との驚きの会談以来、サウジアラビア君主制は、かつての不倶戴天の敵ロシアとの和解という印象を、入念に助長し、100億ドルものロシアの軍装備品と原子力発電所の購入や、プーチンにとって、サウジアラビアのサルマン王と“実際にあって会話する時間”までも話し合ってきた。

ここ数カ月、プーチン大統領と会談するため、アラブ指導部が、次々とモスクワやソチ訪問したことは、神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が、カノッサ城のローマ教皇グレゴリウス7世に、ハインリヒ4世の破門の解除を請うた1077年の『カノッサの屈辱』現代版のような印象を与える。今回は、ハインリヒ4世の役を演じているのが、湾岸アラブの絶対君主で、ローマ教皇グレゴリウス7世を演じているのがウラジーミル・プーチンであったように見えた。あるいはそう思われた。私も、当時は少なくともそう思った。多くの世界的な政治的出来事同様、あれも策略とウソにまみれていたのだ。

シリア領空でのロシアSU-24爆撃機に対するトルコの意図的な待ち伏せ攻撃以来、特にくっきりと、明らかになりつつあるのは、ロシアは、単にISISテロリストや、トルコ国内のISIS支援者との戦争をしているわけではないということだ。ロシアは、恐らくは知らず知らずのうちに、はるかに危険な策謀と戦っているのだ。この策謀の背後にいるのは、サウジアラビアの隠された役割と、その新王政、サルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アル・サウードと、彼の息子、国防大臣サルマン王子だ。

サウジアラビアの‘衝動的な干渉政策’

ドイツ・マスコミは、漏洩したドイツ諜報機関BND予測を広く報じている。BNDは、ドイツ版のCIAだ。BND報告は、何よりも、王の息子、30歳のムハンマド・ビン・サルマン王子の高まりつつある役割に集中している。息子王子の重要な役割に関して、BNDはこう述べている。“サウジアラビア王家の年長メンバーによる現在の慎重な外交姿勢は、衝動的な干渉政策によって置き換えられるだろう。”

サルマン王子は、国防大臣で、王国を、今年3月から、サルマン王子が“Operation Decisive Storm”とコード名をつけた隣国イエメンでの狂気の戦争に引きずりこんだ。サウジアラビアが、エジプト、モロッコ、ヨルダン、スーダン、アラブ首長国連邦、クウェート、カタールとバーレーンを含むアラブ諸国の連合を率いている。王子は、彼が立ち上げたサウジアラビア経済評議会も率いている。

新王サルマンは、決して彼の広報職員が描き出そうとしているような温和で優しい人物などではない。

近日刊行予定の著書、Lost Hegemon: Whom gods would destroyに詳細に書いた通り、1950年代初期、ナセル暗殺未遂をたくらんだとされ、エジプトで禁じられたムスリム同胞団の、サウジアラビアへの移送をCIAカイロ局長マイルズ・コープランドが組織して以来、サウジアラビア君主制と、過激“イスラム”テロリスト組織の邪悪な婚姻が存在していたのだ。元アメリカ司法省幹部のジョン・ロフタスが言うように、エジプトのムスリム同胞団と、サウジアラビアの厳格なイスラム教を結びつけることで、“彼等は、ナチズムの教義を、この異様なイスラム教カルト、ワッハーブ主義と結合した。”

アレン・ダレスのCIAが、1954年、サウジアラビア君主政府に、禁じられていたムスリム同胞団再建を支援し、膨大なサウジアラビアの石油成金に支援される、同胞団と、サウジアラビアの超原理主義、ワッハーブ派イスラム教との融合を作り出すよう、こっそり説得した。CIAは、恐れられているソ連の侵入に対し、サウジアラビアのムスリム同胞団に、武器をイスラム世界中で振るわせるのに利用しようと企んでいたのだ。オサマ・ビン・ラディンという名の一人の狂信的な若いテロリストが、ムスリム同胞団とワッハーブ派サウジアラビア・イスラム教との間のこの地獄での結婚から、後に出現することになった。

サルマン王は、後に、マスコミでそう呼ばれるようになった、オサマ・ビン・ラディンのアルカイダ立ち上げの真っ只中にいたのだ。彼の関与は、彼がリヤド知事として、アフガニスタンとボスニアのアルカイダに資金提供していることが後に判明した、主要な保守的なサウジアラビアの慈善団体のトップに任命された、1970年代末にまでさかのぼる。サルマンは、ビン・ラディンのサウジアラビア諜報機関“ハンドラー”で、当時のサウジアラビア諜報機関のトップ、トゥルキ・アル-ファイサル王子や、サウジアラビアが資金供与していたイスラム世界連盟と共に、後に、アルカイダとなったものへの資金供給のパイプとして、密接に働いていた。

当時、サルマン王は、1990年代、バルカン半島諸国のアルカイダの主要フロント組織、ボスニア-ヘルツェゴヴィナ救援サウジアラビア高等弁務団を率いていた。国連の調査によると、サルマンは、1990年代に、彼の支配下にある高等弁務団の口座から - 彼の個人口座で - アル・カイダのフロント組織で、バルカン半島諸国のアル・カイダ戦士への違法武器出荷の主要パイプラインである、第三世界救援機関に、 1億2000万ドル以上送金した。オサマ・ビン・ラディンは、サルマンのこうした活動に直接関与していた。

2003年から2004年の、アメリカによるイラク侵略の際、ビン・ラディンのアルカイダへの忠誠を誓うモロッコ生まれのテロリスト、アブ・ムサブ・アル-ザルカウィに率いられて、アルカイダが、イラクにはいり、イラクのアルカイダを作り、後に自らをイラクの「イスラム国」と呼んだが、これはサウジアラビアが資金提供するISISの先駆だ。機密解除されたペンタゴンDIA文書は、2012年8月、アメリカが支援するシリア反政府派勢力は、“サラフィー主義者、ムスリム同胞団や、イラクのアルカイダを含むイスラム主義過激派集団に牛耳られている”ことを、DIAが知っていたことを示している。作家のジェラルド・ポスナーによれば、サルマンの息子で、2002年に亡くなったアフメド・ビン・サルマンも、アル・カイダとつながっていた。

サウジアラビアの石油帝権

イラクのアルカイダの出現と、そのイラクとシリアの「イスラム国」 (ISIS)への変身を子細に見れば、これらはすべて、現在のサルマン王、サウジアラビア人のオサマ・ビン・ラディンと、サウジアラビア諜報機関のトップ、トゥルキ・アル-ファイサル王子が関与した、1970年代末にさかのぼるサウジアラビアの作戦に由来しているのだ。

ワシントンとCIAは、このサウジアラビア・ネットワークと緊密に動いて、ビン・ラディンや、他の主要なサウジアラビア人を、パキスタンに送り込んで、パキスタン諜報情報ISIで訓練し、後に、アフガニスタン・ムジャヒディンとなったものを生み出した。ムジャヒディンは、1980年代のアフガニスタン戦争、CIAの“オペレーション・サイクロン”で、ソ連赤軍を打ち負かすためサウジアラビア、パキスタンと、アメリカの諜報機関が作り出したのだ。サイクロンは、モスクワを、アフガニスタンの“クマのわな”に誘い込み、ソ連に、彼がソ連の“ベトナム”と呼ぶものをくれてやるという、ズビグニュー・ブレジンスキーの計画だった。

現在、ロシアとアサドのダマスカス政府に攻撃されている、イラクとシリア内のいわゆるISISや、シリア国内におけるアルカイダであるアル・ヌスラ戦線や、様々な他の聖戦テロ分派は、全て、サウジアラビアとサルマン王の活動がその淵源だ。

王は、サウルからパウロへの転向を経験し、王になって以来、彼の息子サルマン王子も平和的な世界観に変わったのだろうか? ここ数カ月、サウジアラビアが、シリアの反アサド・テロ組織への資金供給を停止したような兆しがあるが、現実は逆だ。

エルドアンの背後にいるサウジアラビア

最近、もっともなことだが、世間の注目はもっぱらトルコの悪党レジェップ・タイイップ・エルドアンの独裁制に向かっている。彼の空軍が意図的に、ロシア SU-24爆撃機を、シリア領空で撃墜した、戦争行為以来、特にそうなっている。エルドアンと、彼のAKPと、サウジアラビアの君主制のつながりには、ほとんどの人が注目していない。

2014年に、私が話をした、アサドとエルドアンの間で和平協定の仲介をしようという取り組みに関与した、情報に通じたトルコの政治関係筋によれば、2014年8月のエルドアン最初の大統領選挙戦は、サウジアラビアからの、100億ドルの贈り物によって“促進された”。大統領選挙を買収して勝利した後、エルドアンと彼が抜てきしたアフメト・ダウトオール首相は、ISISと呼ばれるもののための秘密訓練センター設立を可能にした。エルドアンが抜てきした秘密情報局(MIT)のトップ、ハカン・フィダンの監督の下で、トルコは、トルコ国内で、ISISや他のテロリストを訓練するキャンプと、シリアの彼らへの補給を組織した。トルコのISIS作戦に対する資金供給は、どうやら、サウド王家と親密なサウジアラビア人の銀行家で、ムスリム同胞団メンバーで、1980年代以来、オサマ・ビン・ラディンとアフガニスタン・アルカイダへの資金援助者であるヤシン・アル-カディというエルドアンの個人的親友が手配したもののようだ。

アメリカが認可し、サウジアラビア資金提供する、エルドアンのテロリスト訓練キャンプが世界中から、200,000人と推定される傭兵テロリストを寄せ集め、シリアで“聖戦”をおこなうためトルコを通過した。

だがこの聖戦は、もはや明らかだが、アラーが問題なのではなく、お金が問題なのだ。サウジアラビア君主制は、それを実現するのに、ISISを利用して、イラクとシリアの油田を支配すると固く決意している。彼等は明らかに全世界の石油市場を支配したがっている、まずは、アメリカのシェール石油生産者連中による挑戦を破綻させ、更に、イラクとシリアのトルコ経由による石油の流れを支配することによって。

サウジアラビアがISISに送ったTOWミサイル

2014年5月、MITは、シリアのISISテロリストに、特別列車で、サウジアラビアが提供した大量の重火器と、トヨタ・ピックアップ・トラックの新車を輸送した。

今や、トルコによるロシアSU-24爆撃機撃墜の詳細な調査で、爆撃機を撃墜したトルコF-16戦闘機は、二機のAWACS偵察機に支援されており、それが、SU-24のように機敏なジェット機に対して、不可能な妙技ではないにせよ、非常に困難なトルコF-16による命中を可能にしたことが明らかになっている。AWACS機の一機は、サウジアラビア空軍のボーイングAWACS E-3Aで、これはサウジアラビア、リヤドの空軍基地から離陸した。

更に、ロシアの救援ヘリコプターが、SU-24墜落現場が急行すると、サウジアラビアのTOW対空ミサイルが、ロシア・ヘリコプターを撃墜した。10月9日に、サウジアラビアは、非常に効果的なTOWミサイル、500発を、シリアの反アサド・テロ集団に送付した。

だから、今起きているのは、シリアのISISに対するだけのロシアの戦争ではない。ISISの背後にいるのは、エルドアンの犯罪的政権だけではなく、それよりはるかに強大なサウジアラビア王国と、そのワッハーブ主義のお仲間、クウェート、UAEと、カタールだ。

本当の意味で、ISISは、単に“偽装したサウジアラビア軍”だ。

まやかしの宗教的装いをはぎ取れば、出現するのは、売春宿の用心棒のように荒仕事をこなす悪党役として犯罪的トルコ政権を利用して、イラクとシリアのスンナ派地域にある世界最大の石油埋蔵の一部を強奪しようというサウジアラビアの動きだ。もしモスクワが、この大きな構図を自覚していないと、ロシアは、益々彼等に1980年代のアフガニスタンを思い出させるであろう、命取りの“クマのわな”掛かってしまう危険を冒すことになる。

サウジアラビアで悪臭を放っているのは、ラクダの糞ではない。サルマン王と、短気な息子、サルマン王子との君主制だ。連中の個人的な金権政治の狙いを推進するために、彼等は、偽の宗教的装いで、何十年も、テロに資金提供してきたのだ。宗教とは全く無関係で、金と石油が全てなのだ。イラクとシリアのISIS地図を一瞥すれば、連中が、この二つの主権国家の石油豊富な地域を、正確に標的にしていることがわかる。サウジアラビアによる、連中のISIS代理人を利用した石油の富の支配が、アメリカのシェール・オイル競合を潰すというサウジアラビアの明確な計画、あるいはリヤドがそう当てにしているものと共に、サウジアラビア君主制を、途方もなく豊かな国家にし、恐らく、その金のおかげで、ついに欧米の白人金持ち連中や社会に尊敬されるようになるのだ。これは明らかに鈍感な考え方だ。

それはどうだろう、サルマン。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/12/08/what-stinks-in-saudi-aint-the-camel-dung/

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彼氏の記事、いくつも訳している。一例は下記の通り。どれも読みごたえがある。

シリアに関する、愚劣なサウジ-米秘密協定 2014年10月29日

“カラー革命”: 香港の傘(アンブレラ)は “メイド・イン・アメリカ”2014年10月27日

CIA/NATOの‘汚い戦争’作戦の匂い漂うイラクISIS 2014年6月27日

ウクライナ掠奪の第二段階開始

ウィリアム・イングドール氏の著書は素晴らしいのに、どれも入手困難。

日本に税金を払わない宗主国巨大ネット書店以外では見当たらないようだ。宗主国巨大ネット書店で購入すれば、愛国者法に基づき、反政府テロリスト候補として本国に登録されるだろうと思うので、価格はともあれ、購入は気がすすまない。

無人機で攻撃されてはたまらない。町をあるくメタボ・オヤジ、無人機攻撃より、ドラッグでおかしくなった運転手にはねられるか、痴漢あつかいされる可能性の方が遥かに高いが。

日本語題名、原題と違う怪しげな雰囲気。中味は十分硬い。
販売されていた当時、大書店ではオカルト・陰謀論の棚に置かれていた。オカルトや陰謀論と全く無関係なのに不思議だった。ポルノ雑誌を買う恥ずかしさはないにせよ。

邦題末尾は日本での発売日。

    • ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編 2010/9/30
    • マネーハンドラー ロックフェラーの完全支配 【アグリスーティカル(食糧・医薬)】編 2010/4/29
    • ロックフェラーの完全支配 マネートラスト(金融・詐欺)編 2011/2/25
  • ペンタゴン 戦慄の完全支配 核兵器と謀略的民主化で実現する新世界秩序 2011/10/20

大本営広報部は不都合な真実、陰謀論として?決して彼の記事を扱わない。彼氏へのインタビューは、素晴らしいジャーナリズム活動だと思うのだが。

IWJの岩上安身氏が、ウクライナ問題で、彼にインタビューしておられる。

2014/09/12 ウクライナ危機は「米国によるユーラシア不安定化のステップ」 〜岩上安身のインタビューでイングドール氏が警告、東に舵を切れ! 「ワシントンの奴隷国である限り破壊と低迷があるだけ」

2015年12月16日 (水)

破綻国家ウクライナの大半はロシアに入る

Wayne MADSEN
2015年12月15日 00:00
Strategic Culture Foundation

ペトロ・ポロシェンコ大統領の名を冠したペトロ・ポロシェンコ・ブロック(PPB)の代議士オレグ・バルナが、アルセニー・ヤツェニュク首相に襲いかかり、彼の局部と首をつかんで、演壇から引きずりだし、完全に破綻した国家ウクライナを世界に見せつけるという、ウクライナ・ヴェルホーヴナ・ラーダ(国会)の第三世界風の政治的未熟さが暴露される出来事が最近起きた。口の汚いヨーロッパ担当アメリカ国務次官補長官ビクトリア・ヌーランドお気にいりのウクライナ指導者ヤツェニュクは、出来事に対して、ポロシェンコ・ブロックの代議士たちは“魯鈍な連中”だと反撃した。

この議会制度どたばた喜劇が演じられたのは、崩壊しつつあるウクライナ経済に、家族(息子)が個人的に利害関係を持っているジョー・バイデン副大統領が、ウクライナ“民主主義”を称賛したわずか数日後のことだ。

ソ連からの分離賛成投票をする数カ月前の、1991年8月1日に、キエフのヴェルホーヴナ・ラーダで行った演説で、“自殺行為的国家主義”という差し迫った状況に対して、ウクライナ国民に警告した、当時のアメリカ大統領、ジョージ・H. W・ブッシュが正しかったのは明らかだ。ウクライナ国民が、ユーゴスラビアの運命を避けるための警告として、ブッシュは言った。“アメリカは、遠い国による専制政治を、自国による暴政に置き換えるために独立を求める人々を支持するつもりはない。民族的憎悪に基づく、自殺行為的国家主義を推進する人々を支持することはしない。”

ブッシュの息子、ジョージ・W・ブッシュは、2004年、ブッシュ政権内のネオコン徒党が、ウクライナ最初の“カラー名称”クーデター“オレンジ革命”を仕組んだ際に、父親の忠告を無視した。政策がモスクワの政策により同調しているヴィクトル・ヤヌコーヴィチが大統領選挙に勝利した。ところがジョージ・ソロスの手先連中が、中央情報局(CIA)工作員の支援を受け、大規模な街頭抗議行動を画策し、その結果、親アメリカ、親NATOのヴィクトル・ユシチェンコが大統領となり、ヤヌコーヴィチが大統領になるのを妨げた。

2014年、多くの国際監視団によって、自由で公正だとされた2010年の選挙で、大統領の座をかちとったヤヌコーヴィチが、またしても、ソロスと、アメリカ国務省と、CIAが仕組んだ“ユーロマイダン”蜂起と名付けられたもう一つの巨大な街頭革命で追放されるという二度目の稲妻が起きた。超億万長者で、チョコレート帝国の所有者、ポロシェンコが、大統領になった。ヌーランドは2013年のアメリカ-ウクライナ財団での演説で、ウクライナ政権を打倒するのに、アメリカが、50億ドルの予算を使ったことを認めた。

父親ブッシュが、ウクライナに、ロシア、当時のソ連について離れないようにと助言忠告したのに加えて、アメリカの喜劇俳優ボブ・ホープが、1943年、戦争中のラジオ聴衆に語っていた、“ボブ‘慰問団’ホープが、現在ロシアにいる様々なナチスに申しあげます。‘クリミアは割に合いませんよ。’”1943年のホープの発言は、自ら認めたナチスが、国家や地方の政府機関を運営し、住民投票で、ロシア連邦の自治共和国へと変わった、クリミアや、ロシア東部のドンバス地方やオデッサのロシア語話者住民に対して、クリミアに電力を送る送電線鉄塔へのテロ攻撃を含め、破壊工作という犯罪を支援している現在のウクライナにとっても、今日的意味を帯びている。キエフや他のウクライナの地域で、権力の座にあるナチスにとって、ホープは正しかったのだ。“クリミアは割に合わない”。半島は常にロシアだったが、ソ連共産党書記長、ニキータ・フルシチョフが、ウクライナに“贈り物”としてあげて初めてウクライナの一部になった。クリミアの住民と土地は、ソ連のヨシフ・スターリン後継者が簡単に手放せる類の動産ではなかったのだ。

現代ロシアの先祖、キエフ大公国(ルーシの国)の発祥地ウクライナは、単なる破綻国家であるのみならず、危険なまでに破綻している。現在ウクライナは、中東や北アフリカのテロリスト、イラクとレバントのイスラム国(ISIL)に対する武器と傭兵の供給者だ。ウクライナは、億万長者で、バイデン家の雇い人、イゴール・コロモイスキーのような悪党オリガルヒが、犯罪企業を運営し、一部は高度な武器を持ったネオナチ民兵を徴募している巨大な泥棒政治の国だ。

ネオコンと、連中のシオニスト同盟者連中が、ウクライナを、対ロシア戦争をしかけるための、欧州連合、NATOと、ヨーロッパ中央銀行の巨大な傀儡国家に本質的に変えてしまったのだ。ウクライナは、欧州中央銀行、世界銀行と国際通貨基金に独立を移譲して、独立国家であることのあらゆる権利を破棄してしまった。悪党と、ナチスとネオコンに支配されたウクライナに対して一つだけ提案があるが、それは、ドネツク、ルガンスク、ハリコフ、ドニェプロペトロフスク、オデッサ、ザポロージェと、ニコラーエフを、自治共和国として、あるいはロシア連邦の州として、ロシア語話者の州への組み込み、クリミアやセヴァストポリに加わるというものだ。

ポロシェンコが任命したオデッサ知事である、指名手配犯で元ジョージア大統領のミヘイル・サアカシュヴィリは、国に対する彼の多くの犯罪に対して裁判を受けるべく、すぐさま、ジョージアに帰国すべきなのだ。

ポルタワ、スームィ(アントン・チェーホフ博物館がある都市)、キロヴォフラード、リウネや、旧キエフ大公国諸州、キエフ、チェルカースィと、フメリニツキー(最後の二つは、ロシアを愛するコサックの祖国だ)を含む、ロシア史で重要な位置を占めるウクライナの他の州も、自治共和国として、ジトミール、ヴォルィーニと、ヴィーンヌィツャとともにロシア連邦に組み込まれるべきなのだ。かつて古代のキエフ大公国の一部で、現在、ウクライナのザカルパッチャ州で暮らしている、沿カルパチアのルシン人、あるいは“ルス”も、ロシア連邦内で自治共和国の資格を認められるべきだ、沿ドニエストル共和国のロシア語話者住民とともに。ルシン人(あるいはルシニア人) や、もともとモルドバ共和国から作られた、沿ドニエストルのロシア人は、それぞれ、ウクライナ人や、モルドバのルーマニア人より、母なるロシアに近い。南東ヨーロッパに平和をもたらすために採用されるべきは、コソボを生み出した無責任で迅速な“国造り”ではなく、混乱から、賢明な秩序を生み出す、この種の“国造り”だ。

リヴィウを取り巻く極端な右翼民族主義のウクライナ人地域、テルノーピリ、イヴァーノ=フランキーウシク(“スタニスラウ’として自治の立場を得るべき)や、チェルニウツィーをも含む歴史的なガリツィアは、“ガリツィア”あるいは“西ウクライナ”として、暫定的独立を認められるべきだ。しかしポーランド人、スロヴァキア人、ハンガリー人や他民族集団の少数民族の権利を保障するため、西ウクライナ/ガリツィアは、チェコ共和国、ハンガリー、スロバキアとポーランドのヴィシェグラード4か国(V4)に、民族浄化、国際テロ、武器密輸と資金洗浄の中心地となるのを確実に防ぐと答えるべきだ。

ウクライナのドンバスとオデッサ地域のロシア語話者住民を脅かし、ナチス・ゲシュタポの二つの部隊、ウクライナ民族主義者組織 (OUN)と、ウクライナ蜂起軍(UPA)という戦時ナチスの要員に、復員軍人恩給を認めている国家が、第二次世界大戦中に、ドイツ・ナチスを打ち破ったの軍人たちを擁している連合国諸国と共に国連加盟国として受け入れられるべき正当な理由など皆無だ。戦時の親ナチス・ウクライナ人民族主義指導者ステパーン・バンデーラを崇拝する一方で、ナチズムと戦った人々を讃える彫像を取り壊すような国は、21世紀、存続可能な国民国家としての地位に値しない。

そのようなナチスが率いる国家は、ナチスのヨゼフ・ティソのスロバキア共和国、フィリップ・ペタン元帥のフランス・ヴィシー政権、アンテ・パヴェリッチのナチス・クロアチア独立国、ノルウェーのヴィドクン・クヴィスリング政権、ブロニスラフ・カミンスキーが率いた、オリョール、クルスク、ブリャンスクとポロツクからなるロコト自治国というロシアのナチス傀儡政権、そしてラドスワフ・オストロフスキのベラルーシ中央ラーダ等の破綻したナチス傀儡諸国と並んで、歴史のかなたに消えさることこそはるかに相応しい。ポロシェンコとヤツェニュクの政権や、連中のネオナチ突撃隊や、ヌーランド、夫のロバート・ケーガンや、キエフのアメリカ特使ジェフリー・パイアットなどの悪事を助長するシオニスト・ネオコン連中に、現代ヨーロッパに居場所はない。ドンバス、オデッサ、ヘルソンと、キエフ大公国を、皮肉にもNATOに守られる身となっている模造ナチス国家から切り取り、ロシア連邦に加える方が、遥かに良い選択肢だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/15/failed-state-ukraine-join-most-russia.html

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デパート・ショーウインドーのマネキン搬出のような映像。
足から先に出すのは棺桶を運ぶ時の習慣だと、スプートニクの解説にあった。

国会の第三世界風の政治的未熟さが暴露される出来事、こちらでも最近起きた。

文字に選ばれた不全法制、つまり戦争法案強行採決とされている事件映像。
ヒゲ氏がパンチを繰り出したように見える?議事録もないだろう、あの騒ぎ。

そのようなナチスが率いる国家は、破綻したナチス傀儡諸国と並んで、歴史のかなたに消えさることこそはるかに相応しい。

チェルノブイリ原発事故がおきたのは1986年。ソ連崩壊は、1991年。
福島第一原発事故がおきたのは2011年。すると破綻は、2016年?

やることなすこと全て、崩壊させるための策と考えれば、納得がゆく。

ウクライナの地名は、ウクライナ語読み、ロシア語読み、さらにポーランド語読みまであるようで、素人には複雑怪奇。というわけで、地名は、ウクライナ語発音に限定せず(わからないので、できない)、聞き慣れている?呼称に置き換えただけの不正確きわまりないもの。
ギョエテとは俺のことかとゲーテ言いの世界。あしからず。

スームィ(アントン・チェーホフ博物館がある都市)という地名、初めて聞いた。
著名作家、あちこちに博物館があるのだろう。泊まった屋敷が博物館になっているらしい。
現地滞在時の体験を「結婚申し込み」、「退屈な話」、「森の精」、「カモメ」に折り込んでいると英語のサイトにあった。

日刊IWJガイド「『饗宴VI』まで残り5日! 『一人一票裁判』の升永英俊弁護士も参戦、『緊急事態条項』のエグさをぶちまけます! 今年は『学割』アリ! お誘い合わせの上、『饗宴VI』へお越しください! 」 2015.12.16日号~No.1190号~

2015年12月15日 (火)

四半期の寄付のお願い、主権諸国を絶滅させるネオコンの覇権目標は、地球の絶滅をもたらす

2015年12月12日
Paul Craig Roberts

四半期の寄付のお願い

読者が、個人として一体何ができるのかと私に質問されることが良くある。皆様にしていただける有効なことは三つあるというのがお答えだ。

第一に、覚醒しない限りは、解決策は無意味であることにご留意願いたい。このサイトを人に奨めてくだされば、意識を高めるのを促進していただける。もしも、わずか1、2あるいは3パーセントのアメリカ国民を目覚めさせ、意志を固めさせることができれば、我々はワシントンに進路を変えるよう強いることができるのだ。

第二に、財政的に、このサイトを支援いただきたい。ここは皆様のサイトだ。私は自分のためではなく、皆様のためにこれを運営している。私自身は、皆様のためにこうして投稿する情報を既に知っている。わずか約1%の読者が、このサイトを財政的に支援して下さっているが、反体制派でいる犠牲に対する激励としては、とうてい見合わない。私は、反体制派として、代償を支払っており、皆様は恩恵を受けておられる。もし2%か、3%の読者の方々が、このサイトを支援して下されば、それが大きな違いを生むのだ。

第三に、私の著書や、マイケル・ハドソンや、クリス・ヘッジズや-他の人々もいる-『マトリックス』から人々を解放しようとしている反対意見を持っている他の人々の著書をご購入願いたい。あらし連中による否定的書評を相殺するために、amazon.comや、見つけられた他のフォーラムで、書評を読むのに時間を割いていただきたい。これは虫の良い助言のように聞こえるかも知れないが、前向きな結果は、著者の財布の膨らみを遥かに超えるだろう。本が良く売れれば、出版社がもっと多く反体制派の本を刊行する励みになる。もし、有力なマーケティングと、配給網を持った大半の出版社が避ける、反体制派の本が、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーを上回った場合の影響力を想像願いたい。

私や他の人々は、不足している、事実に基づく情報をご提供できるが、変化を実現できるのは皆様だけだ。

ワシントンの覇権への衝動と、ヨーロッパや日本の傀儡という立場が、人類をソ連との冷戦中にあった以上に危険な状態に追いやりつつある。クリントン以来、全てのアメリカ大統領が戦争を始めている。軍安保複合体は、いいカモが払底したので、今やワシントンは、強力な通常および核戦力を持った二つの国との紛争を開始しつつある。ワシントンは、ジョン・F・ケネディから、ジョージ・H.W・ブッシュに到るまでの全てのアメリカ大統領が実現すべく働いた信頼感、核大国間の信頼感を破壊してしまったので、今やリスクは、事故や過ちを越えている。ロシアと中国の政府は、日々、ワシントンやヨーロッパの首都から溢れ出るウソをあじあわされている。ロシアと中国政府は、日々、彼等にたいして行われるいわれのない攻撃的行動を目にしている。ワシントンの向こう見ずな行為が生み出す疑念がもたらすストレスが、戦争に到る弾みを作り出す。第二次世界大戦からかれが学んだ教訓は、戦争が不可避になった際には、最初に攻撃する側になることだと言ったプーチンの声明を想起願いたい。

我々が直面していることがわかっている全ての脅威の中で、核戦争は最悪だ。大半の人々は、その可能性に直面する力に欠けているが、十分な人数の人々が力を見いだし、レーガンと、ゴルバチョフがしたように、それに対して何かをしない限り、見込みが現実になってしまうのだ。

私の最新の記事(下記)は、核のハルマゲドンへの道を進む我々の歩みを述べている。知ってか、知らずか、ワシントンが、我々を引きずり込んでいる道だ。

主権諸国を絶滅させるというネオコンの覇権目標は、地球の絶滅をもたらすことになる

Paul Craig Roberts

レーガンとゴルバチョフが取り除いた核ハルマゲドンの脅威を、ネオコンがよみがえらせたという私の警告は、ノーム・チョムスキーや、元アメリカ国防長官ウィリアム・ペリーや、ロシアと中国に対するネオコンの攻撃的政策の他の鋭い感覚を持った他の観察者たちも言っていることだ。

ワシントンとその傀儡がロシアと中国に対してとっている更なる攻撃的な行動を、我々は日々目にしている。例えば、ワシントンは、キエフに、キエフの傀儡政権と、分離したロシア共和国との間の紛争を終わらせるために作られたミンスク合意を実施しないよう圧力をかけている。https://www.rt.com/news/325687-ukraine-rhetoric-sabotage-churkin/ ワシントンは、ISISに対する戦争で、ロシアと協力することを拒否している。ワシントンは、マレーシア旅客機攻撃の本格的な調査を妨害しながら、MH-17旅客機撃墜をロシアのせいだと非難し続けている。ウクライナにおける紛争は、民主的に選ばれた政権を打倒し、ワシントンの言うことをきく傀儡を据えたという、ワシントンのクーデターによってではなく、ロシアのウクライナ侵略によって引き起こされたという偽りの主張を基に、ワシントンは、ヨーロッパの傀儡諸国に、ロシアに経済制裁を課するよう強い続けている。

リストは長大だ。中立で、非政治的な世界機関とされる国際通貨基金(IMF)でさえ、ロシアに対する戦いをするよう、そそのかされた。ワシントンの圧力で、IMFは、債権者に対するローン返済を滞納している債務者には貸し出しを拒否するという政策を放棄した。ウクライナの対ロシア債務の場合、この決定は、国々(ギリシャ等)が債務不履行に陥るのを防ぐ執行の仕組みを取り去ってしまう。IMFは、ウクライナがロシアからの融資返済を拒否しているという事実にもかかわらず、ウクライナの欧米債権者に支払うため、ウクライナに融資すると発表した。

マイケル・ハドソンは、私の見解では、正しく、この新たなIMF政策は、中国が融資をした国々にも適用される予定だ。IMFの計画は、ロシアと中国を、債務者から金を回収する通常の執行の仕組みが欠けたままの国にしておいて、債務者が、ペナルティ無しで債務不履行するのを可能にしてしまうことだ。

言い換えれば、経済マスコミは書こうとしないが、IMFは、アメリカ外交政策の手段として立ち現れているのだ。

これが示しているもの、そして我々が懸念しているのは、欧米文明の諸機関は、実際は、アメリカ支配の手段だということだ。諸機関は、創設時の文書に記されている高貴な理由で存在しているわけではない。

要するに、欧米資本主義は、欧米諸国政府と、全ての欧米の“慈善ぶった”機関をまんまと手に入れた略奪の仕組みに過ぎないのだ。

ジョージ・オーウェルの『1984年』でのように、IMFは、世界を、欧米 対 BRICSという敵対勢力に二分しつつある。

ネオコンによるアメリカ覇権追求がもたらしつつある来る紛争を防ぐために、ロシアは、事実に基づき、真実に基づく外交に依拠してきた。ところがネオコン ワシントンは、ずっと多くの、大きな声での、ウソとプロパガンダに依拠している。結果的に、欧米の大半の従順で大勢に従う人々が信じるのは、ロシアの真実ではなく、ワシントンのウソだ。

言い換えれば、欧米は、公言している価値観を尊敬し、順守していると信じることで、ロシアは判断を誤らさせられたのだ。実際は、これら“欧米の価値観”は、欧米がそれで構成されている、とどまるところを知らない悪の隠れみのに過ぎない。

欧米諸国民は余りに愚かなため、“対テロ戦争”が実際は、ワシントンの一方的覇権に対する抑制として機能している二国を不安定化するため、ロシアと中国のイスラム地域に輸出が可能なテロを生み出すための戦争だということを、まだ理解するに至っていない。

ネオコン単独行動主義者にとっての問題は、ロシアと中国は、海外でネオリベラルの教義で教育され、そうであることさえ知らず、事実上ワシントンの代理人である、自国民の“専門家”連中のおかげで誤った情報を教えられているとは言え、核と通常の強力な軍事力を持っているのだ。ロシアと中国が、ワシントンの傀儡国家として満足しない限り、ワシントンを支配し、従って欧米を支配しているネオコンにとって、この強力な二大国を、それほど激しく圧力をかければ、戦争に到るだけだ。ワシントンは通常戦争では、ロシアと中国には到底かなわないので、戦争は核戦争になり、結果は地球上の生命の終わりだ。

皮肉なのか、パラドックスなのか、アメリカは生命の終わりを意味する政策を推進している。ところが欧米諸国政府の大半がそれを支持し、無頓着な欧米諸国民は全く分からずにいる。

しかし、プーチンは悟ったのだ。ロシアは服従するつもりはない。間もなく中国もアメリカが中国の労働力や輸入に依存していても、ワシントンの侵略に対する防御にはならないことを理解するだろう。中国が、MITやハーバードで誤った教育を受けたネオリベラル経済学者連中の先に、災いの前兆を読み取れば、ワシントンは深刻な問題に直面することになる。

ワシントンは一体どうするのだろう? 強力な核大国二国と対決して、狂ったネオコンは折れるだろうか? それとも連中のイデオロギーに対する確信が、我々を最終戦争に追いやるのだろうか?

これは本当の疑問だ。アメリカ政府は、インターネットのあらし連中がそのような疑問や、筆者たちを愚弄するよう金を出している。金のために人間性を売り渡した連中を見るには、当コラムをコピーしている無数のウェブサイトのコメントをお読みになるだけで十分だ。

ところが、疑問はそのまま、欧米の売女マスコミも、アメリカ議会と全ての欧米“民主主義国”の買収された傀儡どもも、答えないままだ。

ロシアは、アメリカの傲慢さにはもう辟易しているということだ。ロシア国民は、いつもそうしているが、指導者を押し上げたが、欧米諸国は、そうすることがあるにせよ、ごく稀だ。欧米は、指導力ではなく、技術で勝利したのだ。だが、ウラジーミル・プーチンは、ロシアが選んだ指導者だ。ロシアも技術を持ち、多様化した欧米には、もはや存在していない自意識も持っている。

ウオール街、軍産複合体、イスラエル・ロビー、アグリビジネスや、採掘産業(エネルギー、鉱業、材木)等の私益集団に指示を仰ぐ、買収された傀儡連中の一団が支配している欧米のどこにも、プーチンのような人物はいない。

国連70周年(9月28日)、プーチンは、中国主席の支援を受け、世界の半分は、もはやアメリカの単独覇権主義を容認しないと発言した。更に、プーチンは、ロシアは、ワシントンによる覇権追求の結果生じた世界諸問題の状況をもはや容認しないと述べた。

二日後、プーチンは、シリアのISISに対する戦いに着手した。

プーチンは、依然ワシントンとの合意当てにして、NATO-ロシアの空中遭遇戦を防ぐべく、ロシアは、ISIS施設攻撃を事前に発表するという合意を信頼している。ワシントンは、ロシアのワシントンに対するこの信頼につけこんで、トルコのジェット戦闘機に、何も知らないロシア戦闘爆撃機を待ち伏せ攻撃させたのだ。http://sputniknews.com/analysis/20151211/1031591091/us-defense-analyst-su-24-downing.html

これは、ワシントンとトルコが行った戦争行為であり、従って、ワシントンのヨーロッパNATO傀儡諸国による、“超大国アメリカ”を含めた、ありとあらゆる国の全ての生命を絶滅することができる核大国に対する戦争行為だ。

この単純な事実から、国旗で身を覆うようなアメリカ超愛国者連中さえ、“自分たちの”政府や、あらゆる番組で終始絶えずウソをついている、フォックス“ニュース”、CNN、NPRや、その他の売女マスコミに置いている信頼を疑問に思って良いはずだ。

ところが、そうはならない。アメリカ人とヨーロッパ人は余りに無頓着だ。彼等は、無力な人々が、現実を理解することなしに暮らすのに満足している『マトリックス』の世界にガッチリ閉じ込められている。

各国政府の政策に対して影響を与える力が皆無の、従順で大勢に従う欧米諸国民に伝えようとしても無意味なことを理解して、今やプーチンは彼のメッセージを、直接ワシントンに送った。

対ISISのためのシリアにけるロシアの作戦に関し、ロシアに対するあらゆるアメリカ/NATO作戦に向けられた彼の命令中にあるプーチンのメッセージは明瞭だ。

“ロシア軍集団や、陸上インフラを脅かすあらゆる標的は、即座に破壊されねばならない。” http://www.theguardian.com/world/2015/dec/11/putin-immediately-destroy-target-threatening-russia-syria

プーチンは、この命令を、ロシア国防省委員会に対する次の命令で補足した。

“戦略核戦力の戦闘能力の強化と、宇宙防衛プログラムの実施に特別な注意を払うべきこと。計画で概要を記した通り、三元戦略核戦力の全要素を、新しい武器で装備することが必要だ。” http://sputniknews.com/russia/20151211/1031582368/putin-air-defense.html
ロシア国防相セルゲイ・ショイグは、国防省の会議で、56パーセントのロシア核戦力は新しく、95パーセント以上が、常に準備できている状態にあると報告した。この進展を報じた僅かな欧米のニュースは、ロシアが理由もなく”軍事力を誇示し威嚇している”ことにしている。

無頓着な欧米諸国民にさえはっきりとさせれば、レーガンとゴルバチョフが生み出した全てのものが、狂った、痴呆症で、邪悪なアメリカ・ネオコンによってひっくり返されてしまい、連中の世界覇権への欲望が、世界を絶滅へと追いやっているということだ。

7か国を破壊し、何百万人ものイスラム教徒を殺害し、四肢を損ない、強制退去させ、ネオコン戦争からの何百万人もの難民をヨーロッパに送り込んだのと同じ残忍な戦犯なのだ。こうした戦犯の誰一人、テロ攻撃から守られはしない。もし“イスラムの脅威”とされるものが本当ならば、今頃、パリのカフェに座っていたり、カリフォルニア州のパーティに参加したりしていたような無辜の人々でなく、戦犯が一人残らず死んでいるはずだ。

ネオコンは、ロシアと中国に対する武器を得るため、意図的に“対テロ戦争”を作り出した非人間だ。これらの非人間を、毎日テレビのトークショーで見ることができ、ウイークリー・スタンダード、ナショナル・レビュー、ウオール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダや、無限の欧米新聞で読むことができる。

欧米ではウソが勝っており、そして、ウソが世界を絶滅に追いやりつつある。専門家は、地球上の生命を破壊するには、一つのミスと30分で十分であることを教えてくれている。https://www.rt.com/shows/sophieco/324941-nuclear-cold-war-us/

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/12/quarterly-call-for-donations-and-new-column/
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テロの話題で重要な翻訳記事を思い出した。彼氏の言う通り?こういう本、翻訳されない。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

Paul Craig Roberts氏、映画『マトリックス』を題材にした、アメリカ社会分析をいくつも書いておられる。映画『マトリックス』をご覧になっていないと、記事の真意ややわかりにくかろう。『マトリックス』、決して楽しい映画とは思わないが。映画中の下記セリフが全てを語っている。

"ネオ、マトリックスというのはシステムだ。そのシステムは我々の敵だ。しかし、その内部に入りこんで、あたりを見回すと、何が見えるだろう?
ビジネスマン、教師、弁護士、大工。我々がまさに救おうとしている人々の心だ。だが、我々が救い出すまでは、これらの人々は依然としてそのシステムの一部
だ。それで彼らは我々の敵になっているのだ。こうした人々の大半は、システムから切り離される用意が、まだできていないことを、君は理解しなければならな
い。そして、彼らの多くは余りに慣らされ過ぎていて、絶望的なほど、このシステムに依存しているために、彼らはそのシステムを守ろうとして、闘おうとするのだ。" - マトリックス (1999)

寄付要請の趣旨もコラムも、お説の通り。恐縮だが、一カ所だけ追加させていただこう。

ネオコンは、ロシアと中国に対する武器を得るため、意図的に“対テロ戦争”を作り出した非人間だ。これらの非人間を、毎日テレビのトークショーで見ることができ、ウイークリー・スタンダード、ナショナル・レビュー、ウオール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、イギリス、ドイツ、オーストラ
リア、カナダや、日本や、無限の欧米新聞で読むことができる。

ファシスト連中から非難のやり玉にあげられている、二つの番組は対象外。昼間のバラエティー番組の余りの愚劣さ、見ていて腹が立つやら、涙がでそうになるやら。

洗脳番組制作者や出演者に「IWJの方々の爪のあかを煎じて飲め」と言っても蛙の面に水。

日刊IWJガイド 「『饗宴VI』まで1週間! 共産、社民以外の野党まで新設を認める『緊急事態条項』のヤバさを徹底解析し、来夏の参院選に備えよう!2015.12.14日号~No.1188号~

2015年12月14日 (月)

シリアで動けなくなったトルコ、イラクの‘スンニスタン’を狙う

Pepe Escobar

2015年12月12日
"RT"

トルコのイラク“侵入”は、冷酷で計画的な動きだ。そして、またしても、何よりも重要なのは - ほかならぬ - 分割して統治せよだ。
トルコは、イラク国家の一部であるクルディスタンに、25台のM-60A3戦車に支援された400人強の大隊を派兵した。今や、モスル北東のバシカ・キャンプに駐留するトルコ軍は、総計約600人に達したと報じられている。

簡潔な分析。これは、アンカラが歪曲して言っているような“訓練所”ではない。これは本格的な、恐らくは、恒久的軍事基地だ。

先月アルビルで、極端に腐敗しているクルド地域政府 (KRG)と、当時のトルコ外務大臣フェリドゥン・シニルリオールの間で、怪しい取り引きがまとまった。

トルコの歪曲発表の奔流は、これは、ISIS/ISIL/ダーイシュと戦うための単なるペシュメルガ“訓練”だというものだ。

全くのたわごとだ。重大な要素は、アンカラは、イラン、イラク・シーア派と、シリア・アラブ軍(SAA)、更にヒズボラが、ロシアと団結する“4+1”対「イスラム国」戦争同盟を恐れているということだ。

“背後から一突きした”Su-24撃墜後、シリアで、アンカラは事実上麻痺状態だ。トルコ大統領の家族の盗まれたシリア石油への連座をロシアが暴露した(ビラル・エルドアン、別名、エルドアン‘ミニ’は全てを否定している)。ロシア空軍は、トルコの第五列、トルクメン人を容赦なく爆撃している。S-400や、カリブル巡航ミサイルを装備した第三世代潜水艦配備は言うまでもない。

そこで、今やアンカラは、トルコが作り出した、KRG (石油をトルコに、違法に売っている)と、無秩序に広がるモスルのヌセイフ部族の指揮下にあるとされる北イラクのスンナ派の“反撃同盟”を使う、イラクへと注力先を切り換えたのだ。

これは典型的な新オスマン主義の発動だ。アンカラで権力の座にあるAKPにとって、北シリアと、北イラクは、旧オスマン帝国の県にすぎず、トルコ・ハタイ県の東側の延長であることを我々は決して忘れてはならない。‘オスマン・トルコ皇帝’エルドアンの(口には出さない)夢想は、ここをまるごと併合することだ。

一方、ダーイシュが依然モスルを支配している。しかし、イラクのスンナ派と、イラク軍は、ゆっくりと、攻勢を準備しつつある。

アンカラが、このモスルに近いこの軍事基地で狙っていることは、下記二つの“見えない”狙いと結びついている。連中がどこにいようと、彼らの第五列、トルクメン人を保護すること、そして、イラクのクルディスタンに避難しているPKKクルド人と戦う、より多くの兵力を現地におくことだ。

‘オスマン・トルコ皇帝’エルドアンの理屈は、バグダッドは、北イラクをもはや支配できていないことだ(いい点を突いている)。しかしアンカラにとって問題は、地域における本当の権力者が、シーア派とPKKになりかねないことだ(ありそうもないことだが、エルドアンはそう考えているのだ。)

‘オスマン・トルコ皇帝’エルドアンは、KRG‘暴力団最高司令官’マスード・バルザニと、極めて緊密な商取引をしている。彼等の石油輸出取り引きは、違法にバグダッドを迂回している。バルザニは、予想通り、トルコ軍の構想には何の問題も感じていない。結局“彼の”石油に、トルコが金を払ってくれるのだから。

決定的要因は、地政学のエース、ミック・ジャガーが言う通りだ。ガス、ガス、ガスだ。(訳注:ローリングストーンの歌、Jumpin' Jack Flashの歌詞)

アンカラの動きは、究極の‘パイプラインスタン’戦争に直結している。競合する二つのガス・パイプライン、カタール-サウジアラビア-ヨルダン-シリア-トルコ経由と、イラン-イラク-シリア経由の衝突がシリアの悲劇の核心なのだ。

ロシアが、Su-24撃墜後、トルコへのガス供給を止めかねないというエルドアンの被害妄想から、ガスプロムがよもやするはずもないのだが、カタール ガス・パイプラインが、シリア領ではなく、イラクを通過することを“受け入れる”ようアンカラは、バグダッドにギャング流で必死に強いているのだ。

この強引な構想が、“4+1”同盟の一員であるバグダッドにとっては絶対禁物であることは言うまでもない。しかも、イランとロシアが、あらゆる手を使って、内部対立で悪名高いクルド人の分裂につけこんで、エルドアンの入念な計画を爆撃させる可能性がある。

エルドアンの狙いは大物だ。トルコの安全保障構想のもとで、極端に腐敗したKRGと様々なスンナ派が共同管理する、ほかならぬイラクの‘スンニスタン’を狙っているのだ。ワシントンとテルアビブが、彼がそうしても放免するかのようだ。

事実は少なくとも、当面、シリアでの彼のゲームはお流れになりかねないが、エルドアンは、話をそらし、イラク分割という彼の戦略に全力を注ぐと決断したのだ。

そこで、またしても、ダーイシュが一体どのようにして、昨年、イラク第二の都市、モスルを戦闘なしに征服できたのかという疑問に到るのだ。そしてまた、シリアからイラクへ砂漠を横断した、連中の悪名高いぴかぴかの白いトヨタの車列が、宇宙の歴史始まって以来、最も先進的な衛星監視システムによる探知を避けることができたのかだ。

このミステリーに関しては、中東中や“4+1”連合での間で続いている諜報機関のうわさが火を噴く運命にある。

うわさによれば、昨年モスルで「イスラム国」と戦うはずのイラク軍が怖じ気付いて、逃亡したというペンタゴン公式説明は神話だ。

ペンタゴンに訓練されたイラク軍が大量の戦車や重火気を置き去りにし、それをISが、しっかり手にいれたといわれている。だからISが、この非常な力を持った‘贈り物’を収集できたのは実に幸運だったと。

新たな説明は、イラク軍に一種の戦術的撤退として、あらゆる並外れたハードウエアを置いて逃走するようペンタゴンが意図的に“指示した”というものだ。

つまりペンタゴンは、一見もっともらしい反証で完全に保護されているというわけだ。

かくして「イスラム国」はシリア内の代理/政権転覆軍として、しっかり兵器化された。シリアにおける‘混乱の帝国’という戦略目標に沿った完璧な混乱製造手段だ。ちなみに、混乱の帝国は、完全な政権転覆がない場合、シリアにおける‘スンニスタン’の形成も含んでいる。

うわー。しかしペンタゴンは決してそのような行為はおこなわないはずだろう?

Pepe Escobarは、独立した地政学専門家。RT、スプートニクや、TomDispatchに寄稿しており、アメリカから東アジアにまで到るウェブサイトや、ラジオやTV番組にも頻繁に寄稿、出演している。アジア・タイムズ・オンラインの元移動特派員。ブラジル生まれで、1985年から海外特派員をしており、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、ワシントン、バンコクと香港で暮らした。9/11前から、特に、大国間の地政学、エネルギー戦争に集中して、中東から、中央アジア、東アジアに到る円弧の報道を専門にしている。彼の著書に "Globalistan" (2007)、"Red Zone Blues" (2007)、"Obama does Globalistan" (2009) および "Empire of Chaos" (2014)があり、いずれもNimble Booksより刊行。最新刊は "2030"で、これもNimble Booksから、2015年12月刊行予定。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/325218-syria-turkey-iraq-war/
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忘年会?で、S紙読者、Y紙読者、A紙読者、T紙読者が、それぞれの紙面を自分の意見であるかのごとく言い合って遊んだ。某二紙の読者、ビールがもらえるやら、なにやら、もっぱら特典を喜んでいる。

今朝は全員読まずに済んでいる。

RT、今年で創立10周年らしい。宗主国政府は、理不尽にも、締め出しを検討しているというが、記事を読んでいると、締め出したくなる理由がわかる。

日刊IWJガイド 「『饗宴VI』まで1週間! 共産、社民以外の野党まで新設を認める『緊急事態条項』のヤバさを徹底解析し、来夏の参院選に備えよう!2015.12.14日号~No.1188号~

2015年12月13日 (日)

一時的に電力を失ったクリミア、クリミアを永遠に失ったウクライナ

Tony Cartalucci

2015年12月11日
"NEO"

ロシアのクリミアの送電線が、ウクライナに切断され、半島と200万人以上の住民が、一週間以上、暗闇にしたという、ほとんど報道されない出来事で、連中が統轄していると主張する“ウクライナ”に対し、キエフと彼等のNATOの支援者連中が実際に持っている薄弱な支配力が世界に明らかになってしまった。

海底ケーブルで、クリミアへの電力復旧を開始するのはロシアだ。クリミアに関する論議は両側で、依然行われている、ウクライナと、そのNATO支援者たち双方の行動で、もし実際にそういう問題があったのだとすれば、“クリミア問題”にロシアが最終的に答えているように見える。

ロシア、電力を復旧させ、主権を行使

12月第一週、インターナショナル・ビジネス・タイムズは、“ウラジーミル・プーチン、電撃訪問時に、クリミア・エネルギーの橋落成を祝う”という記事でこう報じている。

ウラジーミル・プーチン大統領が、半島を電撃訪問し、ロシア本土とクリミア間送電線の最初の区間落成を祝った。地域が広範囲の停電で真っ暗になった後に、戦略的に重要な領土への彼の訪問が行われた。

ウクライナのエネルギー封鎖に見舞われたとモスクワが主張しているクリミアは、“電気の橋”が完成すれば、ロシアから電力を受け始める。海底ケーブル・プロジェクトは、12月末までに完成する予定だったが、クリミアの電源供給が止められた後、前倒しにされた。

クリミアが、ウクライナに、電力や他の必需品で依存していることが、半島がウクライナ領土の不可分の部分であることを証明する手段として利用されかねない、電力を絶ち、一週間以上、ウクライナ側から修理を阻止したテロリストを制御できないキエフは、この地域を運営する関心も能力もないことを証明したに過ぎない。

テロリストが、実際は現在キエフを占拠している特定利益集団のみならず、NATOと特にアメリカ合州国に支援されていることが、ウクライナ人と彼らの隣人たちが直面しているものがNATOとキエフにいる代理人の反対側についたことに対する懲罰的措置であることを示している。またしても、クリミア住民が、そもそもウクライナの一部として残るのではなく、賢明にもロシア連邦に再帰するよう決めさせたきっかけをもはっきり示している。

クリミア返却を主張するアメリカ

すっかりお馴染みになったパターンで、アメリカ合州国は、現実とは逆の発言をし続けている。アメリカ副大統領ジョセフ・バイデンは、ロシアにクリミアをウクライナに返すよう呼びかけたと報じられている。クリミア住民に対して行われた明らかなテロ行為や、テロの背後にあるキエフの明らかな役割にもかかわらず。

ブルームバーグは、“バイデン、ロシアによる‘違法な’クリミア占領は終わるべきだと語る”という記事でこう報じている。

ウクライナ政府との団結を誇示して、ジョー・バイデン副大統領は、ロシアのクリミア併合を“違法”と呼び、アメリカは、シリアの「イスラム国」に対する戦いで、ロシアの協力を得るために、ウクライナ支持を手放すようなことはしないことを示した。

“継続している - 私は強調したい「継続している」 - ロシアとロシアが支援する分離主義者による武力侵略に向かい合う中、アメリカ合州国は、断固ウクライナ国民の側に立っている”と、バイデンは、月曜キエフで、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領との会談後に述べた。

モスクワ・タイムズなどの新聞は“活動家、クリミア送電線再開を阻止”という欺まん的な見出しをつけ、記事本文で、これらの“活動家”が実際は、東ウクライナに対するNATOの代理戦争で、第一戦での役割で悪名高い重武装したネオナチ民兵組織の右派セクターであることを明らかにしている。

モスクワ・タイムズはこう報じている。

活動家が、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が、先に、キエフは電力供給の復旧を認めると述べたにもかかわらず、ウクライナの修理班が、クリミアに、本土から電力を供給している送電線四本のうち一本の復旧を阻止したと、ロシアとウクライナのマスコミが、月曜日報じた。

カホフスカヤ-ティタン線を再開する最初の試みを、極右民兵組織右派セクター集団のメンバーが、日曜日夜に阻止したことを、RIAウクライナ通信社と、depo.uaニュース・サイトが翌朝報じた。

キエフは、自分の領土で起きていることを管理できないのか、右派セクターや他の集団に、クリミア封鎖を始めるよう命じたのかのいずれかだ。いずれにせよ、バイデン副大統領の、ロシアはクリミアをウクライナ支配下に戻せという呼びかけは、よくて無責任だ。文字通りのネオナチによる、200万人の一般市民への電力遮断 -あからさまな戦争犯罪 - クリミアに関するロシアの行動と、ロシア連邦内に居場所を求めようとしたクリミア住民自身の決断の正当性を更に示すだけのように見える。

主権ゲーム

キエフ政権のみならず、それを作り出し、今日まで、その存在を永続させているNATOの違法性が、ウクライナの領土的一体性を維持するため、両者が訴えようとしている原則をむしばむのを促進している。ウクライナの先では、似たようなシナリオが、NATOがロシア国境に益々近く拡張しようとしている、東ヨーロッパ中で展開しつつあり、ファシズム、および/またはナチズムとつながった過激派ではない同盟相手を見つけるのが益々困難なことに気がついている。

これら過激分子と同盟することで、NATOが支援する政治、経済と、治安の支配下にある住民たちが、クリミアが、あるいはドネツクとルガンスクの分離共和国がしたように、ロシア側につく可能性が高まる。

東ヨーロッパ以上に、NATOによるシリアとイラクの主権侵害の継続が、ウクライナに関する主権と領土的一体性を訴えることが、飛躍的に一層困難にしている。欧米は、シリアをいくつかのより弱小な地域に“バルカン化”することを繰り返し呼びかけている。地域における力の、あるいは世界的な力のバランスが変われば、自分たちの同盟相手が分割される運命に直面した場合に、国家主権と領土的一体性に対し、既存諸国に示したこの軽視のしっぺ返しを食らうことに、欧米は気がつくかも知れない。

クリミアのロシア連邦への再編入は、それがその最中に起きた、NATOが推進している無法状態ゆえに可能になったと主張するむきもある。この無法状態が続けば、クリミアはひたすらロシア連邦の奥深くへと追いやられるのは確実だ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/12/11/crimea-loses-power-temporarily-ukraine-loses-crimea-forever/

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最近の孫崎享氏のメルマガで大いに驚いたことがある。若者の世論に関するアエラ記事についてのもの。

12月14日号アエラ掲載「本誌1030人調査でみる18歳の世論」

                 男子     女子

・安倍内閣を支持する     54.6%   33.6%
        支持しない    45.4%   66.4%

・原発の再稼働 賛成     66.4%   36.9%
           反対     33.6%   50.9%

・安保法制   賛成     59.0%   36.9%
          反対     41.0%   63.1%

投票の参考にするのは

       テレビ       62.9%   66.2%
       新聞        40.6%   30.9%
       ネット       33.0%   27.8%

「投票の参考にするのは」に驚いたのだ。ネットは玉石混淆というのはわかる。まともな情報を報じているのもは少ない。しかし、ごく少数は、まともな情報を報じている。

大本営広報部は、決して玉石混淆では全くない。内容は厳格に管理されていて、実に均質で安定している。必要な情報を報じているものはほとんど皆無で、虚報だらけという意味で、厳格に管理されていて、均質で安定している。

ちなみにこのブログを読まれている方で、50歳以上の方は推計3.8%。10代の方は、5.7%。

2015年12月12日 (土)

ロシアのSu-24に対するトルコ攻撃のレーダー記録

Valentin Vasilescu

2015年12月5日
"Voltaire Network"


ロシア空軍幕僚長ヴィクトル・ボンダレフ大将

モスクワでの記者会見で、ロシア空軍幕僚長のヴィクトル・ボンダレフ大将が提示した内容は -  軍事協調の合意に従って、ロシアのスホイ爆撃機の飛行計画を知らされていたトルコ空軍が、攻撃位置につくよう事前に指示を受けていたことを明確にした。こられの要素は、NATOの立場を無効にしている。

シリア空域での、トルコF-16による、ロシアのSu-24への攻撃から二日後、ロシア空軍幕僚長ヴィクトル・ボンダレフ大将は、これまでのところトルコの主張しか発表していない欧米マスコミによる報道を完全に書き換える驚くべき発言を行った。

シリア作戦に関し、モスクワとワシントンが10月26日に調印した覚書に従って、ロシア司令部は、アメリカに、北シリアでの二機のSu-24爆撃機の任務を12時間前に通知した。彼等は、離陸時刻 - 午前09.40 - 高度 - 5,600から6,000メートル - 爆撃標的 トルコの辺境ハタイ県に接する、北シリアのチェフィル、モルトロウと、ザヒア地域のものを含め、任務のあらゆる詳細を送っていた。Su-24戦術爆撃機は、それぞれ4発のOFAB-250爆弾を装備し、フメイミム空軍基地を、所定の時刻、午前09.40に離陸した。午前09.51から10.11まで、ロシア爆撃機は保持領域を、それぞれ高度 5,650メートルと、5,800メートルで、シリア南部の都市イドリブまで飛行した。午前10.11、二機のロシア爆撃機は、標的のGPS座標を受け取り、午前10.16に標的上空を最初の垂直通過し、爆弾を投下した。第二次攻撃のための位置につくのに必要な操縦を行った後、午前10.24、Su-24爆撃機の一機に、トルコのF-16によって発射された空対空ミサイルが命中した。

シリア空域を監視しているレーダーネットワークによって裏付けられる的中結果の制御解析で、午前09.08から午前10.29の間に、シリア国境にあるトルコのハタイ県上空を、 4,200メートルの高度で飛行していた二機のトルコF-16の存在が明らかになった。トルコ戦闘機は、午前08.40に離陸し、午前11.00に着陸した。

ジェット機が、エンジンを起動し、ディヤルバクル空軍基地を離陸し、基地から410キロにある軍務地域に到達するために必要な時間からして、2機のトルコF-16は、ロシア爆撃機が離陸する一時間前に命令を受けていたことを示している。これはまた、二人のトルコ人パイロットは、ロシアのSu-24と交戦することがわかっていて、行動に備え、ロシアがトルコ空域に侵入したように見えるようにロシア機を撃墜する位置につけられるよう爆撃機の任務詳細を知っていたことも証明している。彼等は、つまりトルコも調印している国際条約協定に規定されている手順を適用しないようにという命令を受けていたのだ。言い換えれば、迎撃、そして視認、警告砲撃、そしてもし必要とあらば破壊という手順だ。

ヴィクトル・ボンダレフ大将によれば, Su-24爆撃機は、トルコF-16が、Su-24の方向にほぼ直角に飛行した、熱線追尾式空対空ミサイルを発射可能な地域に入るまでは、全飛行航程中、トルコ-シリア国境から5キロ以上の距離を維持していた。トルコ機は、ロシア爆撃機に対しミサイルを発射し後部に命中させるため、1分40秒もかけて、110度旋回した。この旋回のため、トルコF-16は、シリア空域内に2キロ侵入し、Su-24がトルコ空域を17秒しか侵犯しなかったのに対し、40秒留まった。この時間は、攻撃後のF-16を、フメイミム空軍基地のレーダー画面で補足するのに十分だったが、戦闘機は2,500メートル以下に急降下していた。

旋回操縦によって、F-16はミサイルを発射できる接近速度で、ロシアSu-24爆撃機の一機の背後5から7キロにつけた。攻撃後、協調行動のための連絡用の特別チャンネルを含め、パイロットからも、トルコ司令部からも、記録された無線交信はない。

ボンダレフの結論は、トルコのパイロットが、トルコ・シリア国境でロシア爆撃機撃墜をするため数週間訓練を行い、待ち伏せ攻撃の最終的な詳細は、離陸前にロシアが送った情報が届いた後の12時間に、- 恐らくNATO同盟諸国とともに -トルコによって入念に精緻化されたということだ。

Valentin Vasilescu -

英語への翻訳
Pete Kimberley

記事原文のurl:http://www.voltairenet.org/article189543.html
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属国大本営広報部、宗主国・属国傀儡に不利な情報は報道管制する。爆撃機撃墜の話題のみならず。

反鉱害を訴え、持続可能な経済・農業を主張し、徹底的反戦を主張した田中正造、天皇直訴で有名だが、直訴は、1901年(明治34年)12月10日、東京市日比谷。114年前の昨日。

IWJで、【IWJ検証レポート】113年の時を超えて届いた田中正造の「直訴状」 〜「足尾鉱毒事件」の跡をたどった天皇陛下の胸中を探る旅(記者:原佑介)が読める。

報道管制で徹底しているのが、TPP。ヨイショ記事・報道以外は許さない。「検証TPP 全国フォーラム」の報道、大本営広報部では全く見聞きしたことがない。

TPP 隠された危険を検証 調印・批准阻止へフォーラムとして、「赤旗」に載っているのが読める。日本農業新聞にも掲載されているようだ。

記事にはないが、フォーラム資料に収録された鈴木宣弘東京大学教授の下記文章を一読すれば、TPPの御利益なるものの実態、それを推進する異常な連中の本性、即わかる。 

隠され続けるTPP合意の真実と今後の対応策

東京大学教授 鈴木宣弘

どこまで国民を欺くのか~TPP合意の政府説明の異常

 米国では、TPP(環太平洋連携協定)の影響試算を出し、それに基づいて議会で議論する手続きと日程が明示されているのに、我が国では、TPP協定の日本語版も国民に示さず、影響試算もいつ出すか曖昧にされたまま、国会決議を守ったと強弁するための国内対策だけが先に示され、しかも、関連団体から要望を聞いたふりをしただけで、対策も半年以上前に決まっていた。政府が考えている以上のセーフティネット政策の必要性を要請項目に挙げた団体には、政権党の幹部が激怒し、役所を通じて、政府が考えている以上のことを要請するなと事前に要請事項の削除を迫るという、信じられない「暴挙」が行われた。
 6,000ページに及ぶ協定の日本語版がそのうち出されたとしても、その条文の背景説明を求めると、交渉過程は4年間秘密なので説明できないとの回答が返ってくるだろう。そして、どさくさに紛れて批准してしまうという、こんな異常な手続きが「民主主義国家」で進められている。

米国の「草刈り場」日本

 TPP(環太平洋連携協定)が合意に達したとされたアトランタ会合で、日本は、決着することを目的化し、合意のためには何でもする「草刈り場」と化して、他の国が「よくそこまで譲れるね」というほどに譲歩を一手に引き受けた。
他の国が医薬品の特許の保護期間などで最後までもめたら、どちらともとれる表現を提案し、火種を残したままでも、とにかく合意した形を作ろうとした(現に、豪州政府の「成果:バイオ医薬品」によると、『重要なことは、この規定は、豪州の現在のバイオ医薬品に関する5年間のデータ保護又は我々の健康に関する制度の他の部分は、一切変更しない、従って医薬品のコストは増大させない」と発表し、米国が反発している(JC総研木下寛之顧問による))。
 日本政府は、自動車での利益確保に、ハワイ会合を決裂させるほどにこだわった(ハワイ会合の「戦犯」は本当は日本だった)のに、アトランタでは、それさえ差し出した。TPP域内での部品調達率が55%以上でないとTPPの関税撤廃の対象とならないとする厳しい原産地規則を受け入れたが、TPP域外の中国やタイなどでの部品調達が多い日本車はこの条件のクリアが難しくなっている。また、米国の普通自動車の2.5%の関税は15年後から削減を開始して25年後に撤廃、さらには、メディアも意図的に報道しなかったが、大型車の25%の関税は29年間現状のままで、30年後に撤廃するという気の遠くなるような内容である。
「農林水産業への影響は軽微のウソ

 農林水産物で「重要品目は除外」と国会決議しながら、重要5品目に含まれる関税分類上の細目586品目のうち174品目の関税を撤廃し、残りは関税削減してしまい、自動車ではほとんど恩恵がないという合意内容で、日本の経済的利益を内閣府と同じGTAPモデルで暫定的に試算してみると、控えめに推定しても、農林水産物で1兆円、食品加工で1.5兆円の生産額の減少が生じる一方、自動車でも、むしろ生産額の減少が生じ、全体で日本のGDP(国内総生産)は、わずか007%しか増加しない可能性がある。

表1TPP「大筋合意」の日本経済への影響の暫定試算

                   「大筋合意」    全面関税撤廃
GDP増加率               0.069%    0.184%
GDP増加額               0.5兆円    1.3兆円
農林水産生産増加額    ▲1.0兆円    ▲2.1兆円
食品加工生産増加額    ▲1.5兆円    ▲2.1兆円
自動車生産増加額        ▲0.4兆円    2.8兆円

資料:GTAPモデルによる東大鈴木研究室試算。

注 関税、輸入制度、原産地規則等の変更に伴う影響を試算したもの。内閣府が算入した「生産性向上効果」(価格下落と同率で生産性が向上)及び「資本蓄積効果」(GDP増加と同率で貯蓄が増加)は未考慮(GTAPモデルは国産品に対する輸入品の代替性を低く仮定しているため、関税撤廃の影響は過小評価傾向になることに留意「大筋合意」内容を暫定的に組み込んだ試算で確定値ではないことに留意。

政府は農林水産業への影響は軽微であるとし、国内対策を少し行えば、国会決議は守られたと言えると主張しているが、内閣府のモデルでも少なくとも1兆円の損失が見込まれるのを軽微とは言えない。そもそも、政府は、前回、関税撤廃された場合の生産減少額として、鶏肉990億円、鶏卵1,100億円、落花生100億円、合板・水産物で3,000

億円と示し、これだけでも5000億円を超えていた。今回は、同じ品目が全面的関税撤廃という同じ条件なのに、「影響は軽微」という説明は、まったく説明がつかない。またV現在の輸入先がTPP域外だから関係ないというのは間違いで、関税撤廃で有利になったTPP域内国からの輸入に置き換わる可能性(貿易転換)があることこそがFIA(自由貿易協定)なのである。
 すべては、「TPPはバラ色」との政府見解に合わせて「影響は軽微」だから、この程度の国内対策で十分に国会決議は守られた」というための無理やりの説明である。コメについては備蓄での調整のみ(しかも5→3年と短縮)、牛豚肉の差額補填の法制化と豚肉の政府拠出の牛肉並みへの増加、生クリームを補給金対象にする、などの対策は、牛豚肉の赤字の8割補填から9割に引き上げる点を除いて、TPP大筋合意のはるか半年以上前に決まっていた。TPPの農産物の日米合意と「再生産可能」と言い張るための国内対策はとっくの昔に準備されていて、あとは「猿芝居」だったのである。

「踏みとどまった感」を演出した「演技」

 牛肉関税の9%に象徴されるように、今回の主な合意内容は、すでに、昨年4月のオバマ大統領の訪日時に、一部メディアが「秘密合意」として報道し、一度は合意されたとみられる内容と、ほぼ同じだ。つまり、安倍総理とオバマ大統領は、昨年4月に、実は、寿司屋で「にぎっていた」のである。
 そのわずか2週間前に日豪の合意で、冷凍牛肉関税を38.5%→19.5%と下げて、国会決議違反との批判に対して、19.5%をTPPの日米交渉のレッドラインとして踏ん張るからと国民に言い訳しておきながら、舌の根も乾かぬうちに9%にしてしまっていたのであるから、恐れ入る。
 その後は、双方が熾烈な交渉を展開し、必死に頑張っている演技をして、いよいよ出すべきタイミングを計っていただけの「猿芝居」だったのだ。フロマンさんと甘利さんの徹夜でフラフラになった演技はすごい。「これだけ厳しい交渉を続けて、ここで踏みとどまったのだから許してくれ」と言い訳するための「猿芝居」を知らずに将来不安で悩み、廃業も増えた現場の農家の苦しみは、彼らにとってはどうでもいいこと。いかに米国や官邸の指令に従って、国民を騙し、事を成し遂げることで自身の地位を守るのがすべてなのである。
そもそも、3.11の大震災の2週間後に「これでTPPが水面下で進められる」と喜び、「原発の責任回避に「TPP」と言い、「TPPと似ている韓米FTAを国民に知らせるな」と箝口令をしいた人達の責任は重大だ、このような背信行為に良心の呵責を感じるどころか、首尾よく国民を欺いて事を成し得た達成感に浸っている。すべてがウソとゴマカシで塗り固められている。

「TPPがビジネス・チャンス」のウソ

 日本が、ここまでして合意を装いたかったのはなぜか。アベノミクスの成果が各地の一般国民の生活には実感されないのを覆い隠すため、TPP合意発表で明るい未来があるかのように見せかけようとした側面もある。しかし、ビジネス拡大のバラ色の世界が広がるかのように喧伝されているが、TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。冷静に考えれば、ベトナムの賃金が日本の1/36という下での投資や人の移動の自由化は、日本人の雇用を減らし、賃金を引き下げる。端的に言うと、グローバル企業の利益拡大にはプラスで、中小企業、人々の雇用、健康、環境にはマイナスなのがTPPだ。

「健康と環境は訴えられない」のウソ

 特許の保護期間の長期化を米国製薬会社が執拗に求めて難航したことに、「人の命よりも巨大企業の経営陣の利益を増やすためのルールを押し付ける」TPPの本質が露呈している。グローバル企業による健康・環境被害を規制しようとしても損害賠償させられるというISDS条項で「濫訴防止」が担保されたというのも疑問だ。タバコ規制は対象外に(カーブアウト)できるが、その他は異議申し立てしても、国際法廷が棄却すればそれまでである。健康や環境よりも企業利益が優先されるのがTPPだ。

「消費者は利益」のウソ

 消費者の価格低下のメリットが強調されているが、輸入価格低下の多くが流通部門で吸収されて小売価格はあまり下がらない。さらには、日本の税収40兆円のうち1割程度を占める関税収入の大半を失うことは、その分だけ消費税を上げるなどして税負担を増やす必要があることになり、相殺されてしまうのである。
 さらには、米国などの牛肉・豚肉・乳製品には、日本では認可されていない成長ホルモンなどが使用されており、それが心配だと言っても、国内で生産農家がいなくなってしまったら、選ぶことさえできなくなる。

「食の安全基準は守られる」のウソ

 食品の安全性については、国際的な安全基準(SPS)の順守を規定しているだけだから、日本の安全基準が影響を受けないという政府見解も間違いである。米国は日本が科学的根拠に基づかない国際基準以上の厳しい措置を採用しているのを国際基準(SPS)に合わさせると言っている。例えば、「遺伝子組み換え(GM)でない」という表示が消費者を「誤認」させるとして、「GMが安全でない」という科学的根拠が示せないならやめろと求められ、最終的には、ISDS条項で提訴され、損害賠償で撤廃に追い込まれることも想定しなくてはならない。
 それらを隠して、「TPPはバラ色」と見せかけ、自身の政治的地位を少しでも長く維持するために、国民を犠牲にしてでも米国政府(その背後のグローバル企業)の意向に沿おうとする行為は容認できない。

米国の要求に応え続ける「底なし沼」

 農産物関税のみならず、政権公約や国会決議で、TPP交渉において守るべき国益とされた食の安全、医療、自動車などの非関税措置についても、軽自動車の税金15倍、自由診療の拡大、薬価の公定制の見直し、かんぽ生命のがん保険非参入、全国2万戸の郵便局窓口でA社の保険販売、BSE(牛海綿状脳症)、ポストハーベスト農薬(防かび剤)など食品の安全基準の緩和、ISDSへの賛成など、日本のTPP参加を認めてもらうための米国に対する「入場料」交渉や参加後の日米平行協議の場で「自主的に」対応し、米国の要求が満たされ、国民に守ると約束した国益の決議は早くから全面的に破綻していた。
 しかも、『TPPとも米国とも関係なく自主的にやったこと」とうそぶきながら、結局、TPP合意の付属文書に、例えば、「両国政府は、①日本郵政の販売網へのアクセス、②かんぽ生命に対する規制上の監督及び取扱い、③かんぽ生命の透明性等に関してとる措置等につき認識の一致をみた。」などの形で前言がうそだったこと、国会決議違反を犯したことを平然と認めているのが、なんとも厚顔無恥である。国民を馬鹿にしているとしか言いようがない。
 さらには、米国投資家の追加要求に日本の規制改革会議を通じて対処することも約束されており、TPPの条文でなく、際限なく続く日米2国間協議で、日米巨大企業の経営陣の利益のために国民生活が犠牲になる「アリ地獄」にはまった。

説明責任を果たさずしての批准はあり得ない

 米国では批准が容易でない状況にある。米国議会がTPA(オバマ大統領への交渉権限付与)の承認にあたり、TPPで米国が獲得すべき条件が明記されたが、通商政策を統括する上院財政委員会のハッチ委員長(共和党)がTPP合意は「残念ながら嘆かわしいほど不十分だ」と表明し、このままでは議会承認が難しいことを示唆し、再交渉も匂わせている。
ハッチ氏は巨大製薬会社などから巨額の献金を受け、特に、間、ISDSからタバコ規制が除外できることなどを問題視している。次期米国大統領の最有力候補のヒラリー・クリントンさんはじめ、労働者、市民、環境を守る立場から与党民主党はそもそも反対である。「巨大企業の経営陣の利益VS市民生活」の構造だが、双方から不満が出ている。米国議会批准のために水面下で日本がさらに譲歩することが懸念される(もうしている模様)。
 農業について、政府は「規模拡大してコストダウンで輸出産業に」との空論をメディアも総動員して展開しているが、その意味は「既存の農林漁家はつぶれても、全国のごく一部の優良農地だけでいいから、大手企業が自由に参入して儲けられる農業をやればよい」ということだ。しかし、それでは、国民の食料は守れない。食料を守ることは国民一人ひとりの命と環境と国境を守る国家安全保障の要である。米国では農家の「収入―コスト」に最低限必要な水準を設定し、それを下回ったときには政府による補填が発動される。農林漁家が所得の最低限の目安が持てるような予見可能なシステムを導入し、農家の投資と増産を促し輸出を振興している。我が国も、農家保護という認識でなく、安全保障費用として国民が応分の負担をする食料戦略を確立すべきである。
 TPPに反対してきた人や組織の中にも、目先の自身の保身や組織防衛に傾き、条件闘争に陥る人もいるだろう。しかし、それでは国民は守れないし、現場で頑張っている地域の人々や農家に示しがつかない。結局、組織も見放される。現場の人々ともに、強い覚悟を持ち、食と農と暮らしの未来を切り開いていくために主張し続ける人たちが必要である。
食料のみならず、守るべき国益を規定した政権公約と国会決議と整合するとの根拠を国民に示せない限り、批准手続きを進めることは許されない。

2015年12月11日 (金)

アメリカが支援するシリア‘穏健派’幹部、アラウィー派‘絶滅’を呼びかける

Eric Zuesse
Global Research
2015年12月7日

12月7日、月曜日、イエメンの独立新聞アル・マスダール・ニュースが“アメリカが支援するシリア反政府派幹部、アラウィー派絶滅を呼びかける”という見出しで、レイス・ファデルがこう報じている。

“宗教的に多様な“シリア・アラブ軍”(SAA)のせいで、11月中に一連の敗北をした後アメリカが支援するシリア反政府派の著名幹部が、アラウィー派イスラム教徒の村々を絶滅させるよう呼びかけた。

“トルコに移り、シリア国民評議会議長ハーリド・ハアジャと行動をともにしている元アレッポを本拠とする弁護士、アブドゥッラー・アル・アリ[…]が、自由シリア軍 (FSA)にいる信奉者や友人に、シリアに多数いるアラウィー派イスラム教徒に対して意図的な宗派攻撃を行うよう助言しているが、シリア国民評議会が、欧米世界に広めようとしている非宗教的な性格というものとも矛盾している。

“ヌサイリ(アラウィー派に対して使われる蔑称)の村を根絶することが、シリアの首都を解放するより重要だ”と、アブドゥッラー・アル・アリは述べた。[…] アル・アリの宗派的立場は、メンバーの中にはこの発言を気に入った人々もおり、シリア国民評議会内の人々によって、許容されているように見える。”

アル・マスダール・ニュースは、2011年のイエメンにおける、シーア派のアリー・アブドッラー・サーレハ大統領に反対するアラブの春抗議行動で、この新聞社のカメラマンがサーレハの軍隊に殺害され、新聞社そのものがニュースになったことがある。新聞は完全に無党派で、あらゆる宗派主義に反対している。

スンナ派カタールが所有する、宗派的でスンナ派を支持する新聞アル-アラビ・アル-ジャディードは、12月2日、“シリア人活動家: アサド壊滅は「イスラム国」集団壊滅だ”という大見出しでこう報じた。“シリア人活動家の多くは、シリアの「イスラム国」集団爆撃に関するイギリスの議論にいらついており、問題の原因であるアサドが完全に無視されていると感じている。” カタールの王家、サーニー家は、全員スンナ派である聖戦戦士集団に対する主要援助資金供与者だ。新聞は、欧米は“ISが繁栄するのを可能にしている問題の根源: アサドと彼の残虐行為”の破壊に集中する必要があると語るスンナ派集団の発言を引用している。

11月18日、バグダッドでの記者会見で、他国で販売するため、ISISが盗んだイラクとシリア石油を運んでいるISIS石油輸送車に対する最初のアメリカ爆撃をアメリカ国防省は、誇らしげに発表し、こう述べた。

“これは、石油輸送車に対する最初の攻撃で、一般市民のリスクを最小化するため、攻撃前に、ビラ投下を行った。… ビラには、“今すぐトラックから降りて、走って遠く離れよ。… 警告: 空爆が行われる。石油輸送車は破壊される。すぐさま石油輸送車から離れよ。生命を危険にさらしてはいけない。”

ロシアは過去一カ月半、そうしたISISの闇石油輸送車を何千台も既に爆撃したが、運転している人々に警告はしなかった。

ISISは、非宗教的なシーア派のバッシャール・アル・アサドを権力の座から追い出すためにシリアで戦っている多数のスンナ派聖戦戦士集団の一つだ。

2011年から、2013年まで、オバマのCIA副長官をつとめたマイケル・モレルは、11月24日、PBSのチャーリー・ローズ・ショーで、こう説明した。“環境被害を起こしたくなく、インフラを破壊したくなかったので、ISISが支配している油田を探して、実際に油田を爆撃することはしなかった。

対照的に、シリアにおけるアメリカ爆撃は、バッシャール・アル・アサドの軍が依然支配している地域にある発電所を含め、シリアのインフラに向けられている。こうした対シーア派攻撃で爆撃された誰も事前警告を受けていなかった。

イラクのシーア派は、アメリカがISISなどのスンナ派聖戦士を支援しているので、イラクはアメリカを追い出すべきかどうか検討している

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは、新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者

本記事の初出はGlobal Research

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/official-of-u-s-backed-syrian-moderates-calls-for-exterminating-alawite/5494217

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野坂昭如が亡くなった。週刊誌連載中の『俺の舟唄』21 末尾で 「誤嚥など起こしている場合じゃない」という文章を読んだばかり。

コンサートも楽しませてもらった。彼のLPが確か二枚ほどあるはずだが、聞きたくとも、プレーヤーはない。

「戦後の日本は平和国家だというがたった一日で平和国家に生まれ変わったのだから同じくたった一日でそのその平和とやらを守るという名目で軍事国家つまり戦争をすることにだってなりかねない。気づいた時二者択一など言ってられない、明日にでもたった一つの選択しか許されない世の中になってしまうのではないか。昭和十六年の十二月八日を知る人がごく僅かになった今、またひょいとあの時代に戻ってしまいそうな気がしてならない。」というのがTBSへの最後の言葉だったという。

選挙にも出たが、日本の元気を奪う集団から立候補する後輩とは品格が違っていた。

ロシア空爆で一般人が死亡したという報道は見たような気がするが、この元CIA副長官が語るおどろくべき事実、大日本属国の大本営広報部・大政翼賛会報道で全く見聞きしていない。不思議な話。いや当然の話。

ところで、大本営広報部、軽減税率という自民公明のゴミ茶番を延々報じるが、TPPは完全報道管制。万一、報じる場合は、ヨイショ歪曲虚報のみ。

TPP違憲訴訟の岩月浩二弁護士、日本語が正文でない問題点を強調しておられる。

日本語が正文とされなかったことから、適用されるTPP法は、英文である。つまり、日本の国内裁判所で英語の条文が直接適用される。

TPPの第一の目に見える衝撃は英語化の急速な進展である可能性がある。なお、裁判所法は、法廷では日本語を用いるとしている。

選挙対策で、様々なTPP衝撃緩和政策、短期的な農民買収政策を、政府が検討していること自体、政府なりの翻訳があることを意味しているだろう。し
かし、TPP違憲訴訟を起こしている方々からの日本語はどうなっているのかという質問に対する政府側の回答は、「締結したら、日本語訳を出す」というものだったという。根っからの売国集団。

重要契約をする際、契約書をすみからすみまで読まずに印鑑を押し署名をする馬鹿がいるだろうか。英語契約書を自由自在に読みこなせたり、英語で議論できたりする能力、トップにも、経済破壊担当相にもないだろうに。根っからの傀儡集団。

裁判官も、弁護士も、政府官僚も、与党政治家も、すべからくTOEIC 900点以上とれないと、受験資格や、立候補資格、なくなるだろう。日本語能力はとわれない。

しかし、一般人が必死に英語を身につけようとしても、『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』で施光恒氏が説明されている結果にしかならないのは明白。野坂氏が憂えた悲惨な未来が待っている。

国会で、英語翻訳を出せ、と売国傀儡政府に迫ってもしかたがない。日本語を正文にしない条約など無効だ。日本経済は、TPP参加国で二番目に大きく、日本が承認しない限り、発効に必要な85%の規模が実現しない。フランス語、スペイン語が正文に入っているのに、日本語が入っていないのは、意図的に正文化を避けたとしか考えられない。変なところで素晴らしい交渉力を発揮する売国奴。

内容のひどさを国民に知られないまま売国条約を結んでしまうには、正しい日本語訳が正文になって、知られては困るのだ。根っからの売国奴詐欺師集団。彼等をヨイショだけする大本営広報部、別名マスコミも同類。いずれもテロリストより恐ろしい手におえない集団。そして、そういう連中に我々はずっと支配され続けている。

2015年12月10日 (木)

オバマ大統領執務室演説 平易な言葉への非公式翻訳

ノーマン・ソロモン
Global Research
2015年12月7日

日曜日夜の大統領執務室からのオバマ大統領演説簡略版[ノーマン・ソロモンによる]平易な言葉への非公式翻訳。

ISILとのこの紛争は勝てないかも知れないと私は感じているが、短期的には、来年の大統領選挙戦で共和党が勝利するという脅威に勝てるよう願っている。

実際問題、ニューヨーク・タイムズが、ちらりと触れたことに関する平衡感覚が欠けた現在のヒステリーには助言が必要だ。“9月11日の攻撃以来、アメリカ本土での聖戦戦士テロによる死亡者数は45人で、白人至上主義者や他の右翼過激派イデオロギーが動機のテロ攻撃で殺害された48人とほぼ同数だ…。そしていずれの合計も、同時期の200,000人以上にのぼる通常殺人総計と比べれば些細だ。”

一定の銃規制を行うよう私は主張するが、規制は決してペンタゴンには適用しない。統合参謀と部下たちは、アメリカ合州国軍の制服を着るのに必要な全ての身元調査に合格しているのだから。

我々に向けられるあらゆる銃の使用を我々は非難しなければならないのと同様、我々のために銃を相手に向け、テロリストや、テロリスト容疑者、そして、時には、不幸にも結婚式や、誤認した車両や、戦士らしき姿勢を狙った攻撃の後、あるいは標的の前で邪魔になった子供が、死後“戦士”に分類される十代の青年に向け、ミサイルを発射する勇敢な男女兵士を、我々は讃え続けねばならない。

我々が殺害する連中には我々自身の姿を見ることはできない。しかし、サンバーナーディーノにおける祭日パーティーの友人や同僚達に、我々は自分たちの子供の姿を見るのを私は知っている。パリで殺害された若者たちの顔に、我々は自分たちの子供の姿を見ているのは知っている。

また今年、わが同盟国サウジアラビアによって、大半が剣で斬首され処刑された150人の罪のない人々に我々自身の姿をみることはないことも私は知っている。

サウジアラビア政府がイエメンで日々の空爆で殺戮している人々に我々自身の姿をみて気を揉むべきではない。我々はサウジアラビアにサンバーナーディーノの殺戮さえちっぽけに見える量の何十億ドルもの兵器を輸出した。時として物事はそういうものだ。

私は、数年前、民主的社会は、なぜ永久戦争を行えないかという高遠な大演説をした。そういう甘ったるい理想について語るのが私は好きだ。少量の甘言は苦い二重思考の薬を飲み込むのに役だつのだ。

我々がすべきではないことについて一言いわせてもらいたい。イラクやシリアで、長期間の金のかかる地上戦に引きずりこまれてはならない。アメリカ合州国の空軍力は素晴らしいので、それを活用する。大騒ぎは不要だ。現在、実に速いペースで使われているため弾頭供給が追いつかなくなっている爆弾の下にいる人々を除いては。

そう、地上でも若干エスカレートしており、アメリカ軍はシリアには派兵しないという、私の数多くの公式声明 - 2013年8月以来、総計十回以上になるが - にもかかわらず、シリアには何百もの特殊作戦部隊を配備している。同様に、私が厳かに“イラクにおけるアメリカの戦闘任務は完了した。”と宣言した5年後、イラクにも数千人の兵士がいる。

しかし大事なのはこれだ。中東で、アメリカは、爆弾投下と、ミサイル発射の点で第一位だ。たっぷりと! 我々が連中を殺せるより早い勢いで我々は敵を生み出し続けているのは本当だが、それが野獣の本性だ。

アフガニスタンでもそうだ。昨年末、私はおごそかに宣言した。“アメリカ史上、最長の戦争が責任ある結果に至りつつあり”アメリカ合州国は“アフガニスタンには、限定された駐留を維持する。”しかし10か月後、私は方針を変更し、5,500人のアメリカ軍兵士がアフガニスタンに2017年まで駐留すると宣言した。

この秋までに - パリでのテロ攻撃前 - 昨年、アメリカ合州国は、シリアで平均週約50回の空爆をおこなったが、ニューヨーク・タイムズ、アメリカ軍は、シリア領の“「イスラム国」に対する空爆強化のため”準備をしていると報じた。

ペンタゴン公式数値によれば、アメリカが率いるイラクでの空爆は、昨年、4,500回を超え、平均週100回に達している。

わが軍は我々に対する策謀を企んでいるテロ計画者を追い詰めるつもりだ。イラクとシリアで、空爆は、最新のISIL指導者たち、重火器、石油輸送車や、インフラを破壊しつつある。こうした行動がISILを打ち負かすだろうと申しあげねばならないが、空爆が多数の一般市民を殺害する一方、怒りと悲しみをかき立て、人々が武器をとり、我々に対して立ち上がらせるための強力な徴募手段として機能するという、そもそもISILを生み出した状況の新サイクルを開始させていることについて、私は申しあげてはならない。

テロリスト部隊を打ち破るという名目で、我々の航空戦は連中の徴募に役立っている。一方、シリアでは、我々が政権転覆に執着するあまり、過激派聖戦戦士との緊密な連携に追いやられた。彼等は、最終的には連中の武器庫に納まる膨大な量の我々の兵器を感謝しているのは確かだ。

皆さんは、この政策に納得がゆくわけはないと思うが、いかがだろう?

ノーマン・ソロモンは“War Made Easy: How President and Pundits Keep Spinning Us to Death” の著者。Institute for Public Accuracyの理事長で、RootsAction.orgの共同創設者。

本記事の初出はGlobal Research。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/obamas-oval-office-speech-translated-unofficially-into-plain-english/5494171
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同じ筆者の文章をいくつか訳している。例えば下記。

要するに、対テロ戦争なるもの、「軍需企業」とそれが支配する「傀儡国家」「傀儡政治家」「御用広報機関」「御用学者」「御用組合」用のプロジェクトなのだろう。

宗主国、戦争と農薬・GMOと金融、保険、医療という人の命を喰って存続している。世界最大の属国もそうなる。シャム双生児、つながっているのは戦争だけではない。

とりあえずでっち上げた敵は複雑怪奇、八面六臂の活躍で、打倒困難なのは当然だが、それだけでは必要十分な兵器を消耗したり、新製品開発したりするにはたりない。

そこで具体的な敵国を毎回作り出し、大量消費する。
もちろん、そこに天然あるいは、人的資源がないと、あとで搾取できないので、敵国にして攻撃する価値はない。
また、一挙に潰してしまっては、兵器消費が続かない。

というわけで、パリのテロ、そして、戒厳令?

次に、サンバーナーディーノのテロ、そして、シリア爆撃強化。あるいは地上軍派兵?

話はそこでは終わらない。当然、直接、我々の身に降りかかってくる。具体的に、どのような偽旗テロを使うのかは、神のみぞ知る。今回の靖国トイレ爆破や、頻発する鉄道事故は予行演習なのだろうか?

各国のテロ同様、本当に責任があるトップは絶対に対象にならず、被害をうけるのは、必ず一般市民になることだけは、馬鹿でも予想できる。

この国、宗主国支配層の意図、属国傀儡により「放射能汚染不沈空母」の道をまっしぐら。

航空母艦では、食糧供給は、医療は、戦闘は、そして規律は、どうなっているのだろう。
まさか狭い艦内で、牛豚鶏を飼ったり、米、麦、野菜を栽培したりはしないだろう。
深刻な病人は、艦内では治療せず、本国に送ってしまうだろう。
そしてもちろん、甲板から爆撃機が出撃し、空母に従う艦船から上陸用舟艇がでて、あるいはヘリコプターがでて、戦闘兵員を送り込むだろう。
そして、艦内では鉄の規律が施行される。

TPPで、食糧供給も、医療制度も破壊する。

そして、戦争法案で、侵略戦争に戦闘兵員を送り込む。

更に、鉄の規律を施行して、放射能汚染不沈空母の支配体制は完成する。

鉄の規律」というのは、もっぱら憲法破壊、傀儡勢力による壊憲によると思い込んでいた。

そうではない。もっと手っとり早い方法がある。緊急事態条項だ。来年の選挙で、それが実現するかしないかが決まる。もちろん傀儡政府も、その大本営広報も、もっぱら経済問題に目をそらせつづける。選挙までは。選挙に勝利するやいなや、憲法破壊まっしぐらになる。

ぐたぐたと書いたが、簡潔に要点をまとめた文章を引用しよう。『増補改訂版 前夜』の岩上安身氏による「まえがき」の一部だ。本自体、分厚く、読みでがある。

洗脳歪曲呆導しかしない大本営広報部電気洗脳箱を見たり、紙媒体を読んだりする前に、摂取必須の抗生物質ではあるまいかと愚考する。

 来年(二〇一六年)夏、参院選が改選を迎える。この参議院選挙に安倍政権は、自民党改憲草案を引っさげ、憲法改正の必要性を世に問う。すでに衆議院は改憲発議に必要な三分の二の議席(定数四七五議席、改憲発議に必要なのが三一七議席、自民・公明両党で三二六議席、さらにおおさか維新を足すと三三七議席)を改憲勢力が占めている。参議院は(定数二四二議席、改憲発議に必要なのが一六二議席、改憲勢力は自民・公明両党で一三ー二議席、その他改憲勢力として次世代の党が五議席、おおさか維新が六議席、そしておおさか維新と統一会派を目指す日本を元気にする会が七議席で一五一議席)、あとわずかに十一議席程度である。実は議席数からみて、日本国憲法が崖っぷちに瀕していることを、ほとんどの国民は知らされていない。
 憲法改正論議といえば、改憲賛成派も改憲反対派(護憲派)も、憲法九条を前提にしてきた。しかし、安倍政権がもくろむのは、憲法九条の改正ではなく、緊急事態宣言の創設である。
 安保法制の「成立」から間もない九月二四日、自民党本部で開かれた記者会見では、二〇一六年夏の参院選において憲法改正を「公約に掲げる」と明言した。さらに十一月一〇、十一日両日行われた衆参での予算委員会において、安倍晋三首相は、「緊急事態条項」の新設を重視すると明言した。
 「緊急事態」は、自民党改憲草案で新たに付け加えられた一章であり、その第九九条として「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」と明記されている。
 つまり、自民党改憲草案に示されている緊急事態条項とは、国会の事前同意を必ずしも必要とせずに、国民の各基本権が停止させられ、公権力が制限なく全権を振るえるものであり、国会は完全に形骸化され、言論報道機関も統制され、行政府が立法府を兼ね、法律と同じ効力を持つ政令を国会にはかることなく乱発できて、予算措置も取れ、期間の延長もできるという、事実上無制限の権力を行使できるものである。
 これはかつてナチスが利用した「全権委任法」と極めて酷似している。「緊急事態」の名の下で、我々の人権は制限され、憲法を変えることなく様々な法案が内閣のみで決定されていくことになってしまう。
 たとえ激甚災害であれ、災害のために、こんな危険な国家緊急権が必要なはずはない。災害時に公的機関が出動する被災地域は限定であり、国土全土や社会の全領域を覆う必要はない。
 これは非常時にかこつけて、全権を手にする危険な非常事態宣言である。これさえ手に入れてしまえば憲法九条の改正すら必要ない。現行憲法を無効化する立法は簡単にできてしまう。
 ドイツで一九三三年に国会放火事件が起きた直後に出された緊急事態宣言によって、ナチスへの抵抗勢力は根こそぎにされ、そののちに全権委任法が成立した。全権委任法の導入前に、緊急事態宣言の段階で、勝負は決していたと考えられる。
 ナチスの当時の緊急事態宣言と比較しても、自民党が導入するという緊急事態宣言条項は極めて強力なもので、ナチスが全権掌握していったその轍を踏む危険性が現実的にありうる。帝国の「属国」でありながら、ファシズムという最悪の政体が成立しかねない。

個人的に幼なじみの退屈な忘年会が近づいている。こういう本を読むのに余りある財力と時間と体力がありながら忌避する連中のお誘い、断固拒否予定だ。時間的にも、精神的にも、金銭的にも、失うばかりなので。

幸か不幸か、彼等彼女ら永久にこのブログを読むことはないだろうから安心して書いている。

2015年12月 9日 (水)

差し迫る戦争。止めるには遅過ぎるのだろうか?

Paul Craig Roberts
2015年12月7日

軍事史の教訓の一つに、戦争のための動員が始まってしまうと、勢いがついて、制御がきかなくなってしまうことがある。

これこそが、気がつかない間に我々の目の前で起きていることなのかも知れない。

9月28日国連70周年演説で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領ロシアは、もはや世界の現状には我慢ができないと述べた。二日後、シリア政府の要請でロシアはISISに対する戦争を始めた。

ロシアは、ISIS兵器補給廠を破壊し、シリア軍がISISの進撃を押し返すのを支援するのに素早く成功した。ロシアは、積み荷の盗んだシリア石油をトルコに輸送し、トルコを支配している悪党の家族に売ってISISが資金調達をする何千台もの石油輸送車も破壊した。

ロシアの果断さに、ワシントンは不意をつかれた。ロシアによるその様な断固たる行動の素早い成功が、ワシントンが対アサド戦争を継続すること、そして、ロシアに圧力をかけるのに、ワシントンがキエフの傀儡政権を利用することを、ワシントンのNATO傀儡諸国が支持する気持ちを削ぐことを恐れ、シリア内のロシアによる空爆作戦空域では空対空遭遇戦をしないようにするという、ロシアとNATO間の合意にもかかわらず、ワシントンは、トルコにロシア戦闘爆撃機を撃墜させたのだ。

あらゆる責任を認めずに、ワシントンは、攻撃に対しトルコが謝罪しないことへのロシアの控えめな対応に付け込んで、ヨーロッパに、ロシアが張り子の虎だと保障している。欧米の売女マスコミはこう吹聴している。“張り子の虎ロシア”http://www.wsj.com/articles/turkey-shoots-down-a-paper-tiger-1448406008

挑発に対するロシア政府の控えめな対応は、中東や、ウクライナ、ジョージア、モンテネグロや他の場所でも、ロシアに圧力をかけ続けることに何の危険もないと、ヨーロッパを安心させるため、ワシントンに利用されている。ワシントンによるアサド軍攻撃は、戦争を避けるためのロシアの責任ある対応は恐れと弱さの印だと、ヨーロッパ諸国政府に吹き込まれている考え方を強化するのに利用されている。

9月28日に、ロシア大統領と中国国家主席が再確認した両国の自立した政策が、ワシントンによって、アメリカ覇権にとって“存続に対する脅威”と見なされていることを、ロシア政府と中国政府が一体どこまで理解しているのかは不明だ。

アメリカ外交政策の基盤は、ワシントンの一方的行動を抑制できる大国の登場を断固として防ぐ。ロシアと中国のこれができる能力ゆえに、両国は標的になるのだ。

ワシントンは、テロに反対してはいない。ワシントンは長年、意図的にテロを生み出してきた。テロは、ワシントンが、ロシアと中国を不安定化させるために ロシアと中国国内のイスラム教徒に武器を輸出し、利用しようとしている武器なのだ。

ワシントンは、無力なロシアは、同盟国として、中国にとって魅力が減少するので、ロシアの無力さを、ヨーロッパと、中国に実証するために、ウクライナを利用したのと同様、シリアを利用しているのだ。

ロシアにとって、挑発に対する責任ある対応が、更なる挑発を助長してしまうため、お荷物と化してしまった。

言い換えれば、ロシアと中国に残された唯一の選択が、アメリカ臣下になるのを受け入れるか、戦争に備えるかしかなくなり、ワシントンと、ヨーロッパ傀儡諸国のだまされやすさとが、人類を極めて危険な状況に追いやっているのだ。

プーチンは、ワシントンや、そのヨーロッパ傀儡諸国よりも、人命に重きをおいていること、そして、挑発に対し軍事的対応を避けていることに、敬意を表されるべきだ。とはいえ、ロシアは、ワシントンの対ロシア攻撃に適応していることには、深刻な代償があることを、NATO加盟諸国に気づかせる何かをしなければならない。例えば、ロシア政府は、ロシアに対する事実上の戦争状態にあるヨーロッパ諸国に、エネルギーを売るのは意味がないと決断することが可能だ。冬がやって来た今、ロシア政府は、ロシアはNATO加盟諸国にはエネルギーを売らないと、宣言することが可能だ。ロシアは収入を失うが、国家主権を失ったり、戦争したりするよりは安上がりだ。

ウクライナでの紛争を終わらせるため、あるいは、ヨーロッパが参加する意欲を削ぐほどのレベルにエスカレートさせるため、ロシアは分離主義州のロシアに再併合するという要求を受け入れることができよう。キエフが紛争を継続するには、ウクライナはロシアそのものを攻撃しなければならなくなるだろう。

ロシア政府は、責任ある、挑発的でない対応に頼ってきた。ヨーロッパ諸国政府が理性を取り戻し、自分たちの国益が、ワシントンの国益とは異なることを自覚し、ワシントンの覇権政策を可能にするのを止めることを当てにして、ロシアは外交的手法をとってきた。ロシアの政策は失敗した。繰り返そう。ロシアの控えめな責任ある対応が、ロシアを誰も恐れる必要がない張り子の虎として描き出すためにワシントンに利用されてきた。

戦争を避けるというロシアの決意が、直接、戦争に導きつつあるという逆説を、我々は押しつけられている。

ロシア・マスコミや、ロシア国民や、ロシア政府の全体が、これを理解していようといまいと、ロシア軍にとっては明らかなはずだ。ロシア軍指導部がすべきなのは、NATOが“ISISと戦う”ために配備した軍隊の構成をじっくり見ることだ。ジョージ・アバートが書いている通り、アメリカとフランスとイギリスが配備した航空機は、狙いは地上攻撃ではなく、空対空戦闘用の戦闘機だ。戦闘機は、現地のISISを攻撃するためではなく、ISISの地上標的を攻撃するロシア戦闘爆撃機を脅かすために配備されているのだ。

ワシントンが世界をハルマゲドンに押しやっており、ヨーロッパが、アメリカの悪行を助長していることに疑問の余地はない。ワシントンの金で買収されたドイツ、フランスとイギリスの傀儡連中は、ワシントンの支配から逃れるには、間抜けなのか、むとんちゃくなのか、無力なのかのいずれかだ。ロシアがヨーロッパを覚醒させられない限り、戦争は不可避だ。

アメリカ政府を支配している徹底的に邪悪で愚かなネオコン戦争商売人どもは、プーチンに、戦争は不可避だと教えたのだろうか? https://www.youtube.com/watch?v=9QxWYIAtCMU#action=share

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/07/war-is-on-the-horizon-is-it-too-late-to-stop-it-paul-craig-roberts/

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大日本帝国が愚かにも太平洋戦争を開始して74周年の日、大変に申し訳ないことだが、個人的にはキング・ジム新製品とは一体何かが最大関心事だった。ポメラ愛用者なので。

筆者、間違いで、下記のように書かなかったわけではないような気がする。この国、トルコと同じパシリだ、と婉曲に示唆しているのではと推察してしまう。

ワシントンが世界をハルマゲドンに押しやっており、ヨーロッパが、アメリカの悪行を助長していることに疑問の余地はない。ワシントンの金で買収されたドイ
、フランスとイギリスと日本の傀儡連中は、ワシントンの支配から逃れるには、間抜けなのか、むとんちゃくなのか、無力なのかのいずれかだ。ロシアがヨーロッパと日本を覚醒させられない限り、戦争は不可避だ。

孫崎享氏もこう言っておられる。

12月8日、真珠湾攻撃の日、何故真珠湾攻撃と言う馬鹿な選択をしたか 嘘と詭弁で崩壊の道は今の安倍政権と何と類似していることか。

宜野湾市へのディズニーランド招致に尽力すると奸氏。アメとムチを絵に書いた例。

年金受給者1250万人に、3万円を配る。来年の選挙用買収以外何ものでもない。
嬉しそうに説明する連中のドヤ顔。経済破壊担当大臣の肩書も間違い。
万一もらえたら嬉しいが、連中になど決して投票しない。

現代日本人の一部は『朝三暮四』中国春秋時代の猿と同じ水準と見なしているのだろう。

《中国、宋の狙公 (そこう) が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見える故事から》

目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと。

3万円を配った後、一般国民から永遠に全てを引き剥がすTPPが待っている。たしかに、猿は未来の地獄を想像しない。

「自民党と公明党との間の軽減税率を巡る攻防」なるものも、来年の選挙のための工作。公明党は頑張っていますというアピールを、大本営広報部を使って行っている。これから、選挙までずっと、全ての大本営広報部を活用し続けるに違いない。

2015年12月 8日 (火)

シリア: 究極のパイプラインスタン戦争

Pepe ESCOBAR
2015年12月7日 | 00:00

シリアはエネルギー戦争のただなかにある。その核心は、提案されている二つのガス・パイプラインの浅ましい地政学的競合、21世紀の帝国主義的エネルギーの戦場に対し、私がずっと以前に作った言葉、究極のパイプラインスタン戦争だ。

それは、EUに供給すべく、サウジアラビア、ヨルダンやシリアを横断し、はるばるトルコまで、イランが所有する南パース・ガス田に隣接する、カタールのノースフィールド・ガス田からのパイプライン建設を、カタールがダマスカスに提案した2009年に始まった。

ダマスカスは、そうはせず、2010年、競合する“イスラム・パイプライン”としても知られている、イラン-イラク-シリアの100億ドルプロジェクトを優先することを選んだ。合意はシリアの悲劇が既に始まったいた2011年7月に正式に発表された。2012年、覚書(MoU)が、イランとの間で調印された。

それまで、シリアは、GCCオイルダラー・クラブ諸国と比較すれば大した量の石油もガスもないため、地政学的-戦略的に無視されていた。しかし消息通は、地域エネルギー回廊としての重要性を既に知っていたのだ。これは後に、相当な量の海洋石油とガスの可能性が発見されて、更に強化された。

イランは、石油とガス大国として確立している。10年以上たってもヨーロッパの統一エネルギー政策を打ち出せずにいる、いつまでも続くブリュッセルでの騒ぎが、イスラム・パイプラインを巡って、かろうじて抑えている興奮の原因だ。これがガスプロム依存から多様化する理想的戦略となり得るのだ。しかしイランは、アメリカとEUによる核に関連した経済制裁を受けている。

そこでそれは、少なくともヨーロッパにとって、イランの核問題を外交的に解決するための主要な戦略的理由となった。(欧米にとって)“社会復帰した”イランは、EUにとって、主要エネルギー源となり得る。

ところがワシントンの観点からすれば、戦略地政学的問題がずっと頭から離れないのだ。いかにして、テヘラン-ダマスカス同盟を崩壊させるか. そして究極的には、いかにして、テヘラン-モスクワ同盟を崩壊させるか。

ワシントンにおける“アサドは退陣すべき”妄想は、複数の頭をもつ怪獣ヒドラだ。この妄想には、ロシア-イラン-イラク-シリア同盟の破壊(今や、シリアのサラフィー主義聖戦戦士各派と積極的に戦っているヒズボラを含む実質上“4+1”同盟だ)も含まれる。しかし、これは、アメリカの巨大エネルギー企業とつながる湾岸オイル・ダラー傀儡/属国が恩恵をえるため、彼らの間でのエネルギー協力から孤立させることも含まれる。

そこで、これまでのワシントンの戦略は、よく知られている「混沌の帝国の論理」を、シリアに注ぎ込むことだった。CIA、サウジアラビアとカタールによって事前に計画された、国内混乱の火を注ぎ、大詰めはダマスカスの政権転覆だ。

イラン-イラク-シリア・パイプラインは、アメリカの諸属国が敗北するというためだけでなく、なによりも、通貨戦争の点で、それがオイル・ダラーを迂回してしまうことになるので、アメリカ政府にとっては受け入れがたい。イランの南パース・ガス田は、ドルに変わる通貨バスケットで貿易されることになる。

これが、アメリカ政府の中で広く奉じられている歪んだ考え方と相まって、このパイプラインは、イラン、カスピ海や中央アジアからのガスの流れをロシアが更に支配することを意味するとされた。たわごとだ。ガスプロムは、合意のいくつかの点に関心があると既に述べているが、これは本質的に、イランのプロジェクトだ。実際、このパイプラインは、ガスプロムの代替役をつとめることになるはずだ。

オバマ政権の姿勢は、“イランに拮抗する方法として”また同時に“ヨーロッパへのガス供給をロシアだけでなく多様化する”ため常にカタール・パイプライン“支持”なので、そこでイランもロシアも“敵”と設定されたのだ。

岐路にあるトルコ

カタール石油が率いるカタール・プロジェクト、ヨーロッパの主な首都でのアメリカの大変な圧力と、カタールの強力なロビー活動を考慮すれば、様々なヨーロッパ諸国を引き付けられることは予想されていたことだ。パイプラインは、以前ウィーンに本部を置いていたプロジェクト、今や消滅したナブッコという悪名高いパイプライニスタン・オペラの経路の一部と重なる。

だから暗黙のうちに、始めから、EUは実際、ダマスカスの政権転覆推進を支持していた -これまで、サウジアラビアとカタールは少なくとも40億ドルを費やした(更に増えつつある)。1980年代のアフガニスタン聖戦と非常によく似た構図だ。戦略的仲介者(アフガニスタンの場合にはパキスタン、シリアの場合にはトルコ)に助けられて、アラブの国が国籍の聖戦戦士/傭兵集団に、資金提供し/武器を与えていたが、今や非宗教的なアラブの共和国と直接戦っている。

常に政権転覆を標的にして、“穏健派”反政府勢力を支援する、あらゆる種類の秘密作戦を、アメリカ、イギリス、フランスとイスラエルが、積極的に大幅強化して、もちろん状況は激化した。

イスラエル、パレスチナ、キプロス、トルコ、エジプト、シリアとレバノン沖、東地中海で最近発見された海洋ガスの富でゲームはさらに拡大した。この地域全体に、17億バレルもの石油と、3兆4,52億立方メートルもの天然ガスが埋蔵されている可能性がある。しかもそれはレバント地域における未発見化石燃料総量のわずか三分の一に過ぎないかも知れないのだ。

ワシントンの視点からすれば狙いは明確だ。新たな東地中海のエネルギー「たなぼた」から、ロシア、イランと“政権が変わらない”シリアをできる限り遠ざけることだ。

そこでトルコがSu-24撃墜後、今やモスクワから攻撃を受けやすい位置に立ったわけだ。

アンカラの野望、実際は妄想は、トルコを、全EUにとっての主要エネルギー分岐点にすることだ。1) イラン、中央アジアや、更には、ロシア(トルコ・ストリーム・ガス・パイプラインは破棄されたわけでなく、一時中断だ)からのガスの主要輸送拠点として。2) 東地中海における大規模ガス田発見の輸送拠点として。3) 更に、北イラクのクルディスタン地域政府(KRG)から輸入されるガスの輸送拠点として。

トルコは、カタール・パイプライン・プロジェクトで、主要エネルギー分岐点役を演じている。しかし、カタールのパイプラインは、シリアとトルコを経由する必要がないことに留意しておくことが重要だ。サウジアラビア、紅海、エジプトを経由し、東地中海に出ることが簡単にできる。

だから、ワシントンの観点からすれば、全体像として何より重要なのは、またしても、イランをヨーロッパから“孤立化させる”ことだ。ワシントンの策略は、EUのガスを、ガスプロム頼みから、多様化させる供給源として、イランでなくカタールに、そして輸送拠点として、トルコに特権を与えることだ。

これは、ズビグニュー“大チェス盤”ブレジンスキー本人が直接アゼルバイジャンで推進している金のかかるバクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプライン建設の背後にあるのと同じ論理だ。

現状、二つのパイプラインの見通しはかなり暗い。シリアに関するウィーン和平交渉は、リヤドが、彼等が武装させた一団を“テロリストでない組織”リストに載せておくことを主張し、アンカラが、盗まれたシリア石油での怪しい事業に関与しながら、聖戦戦士の自由な国境通過を認めている限りは、全く先に進むまい。

確実なのは、地政学的-経済的に、シリア内戦をはるかに超えているということだ。これは、その大賞が、21世紀エネルギー戦争での大勝利を意味する、目のくらむように複雑なチェス盤における、浅ましいパイプラインスタン権力闘争だ。

Pepe ESCOBARは、独立した地政学専門家。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/07/syria-ultimate-pipelineistan-war.html
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自民党支持率 33.3%という。絶望的数値。えらい国、えらい時代に生まれ合わせたもの。
そして、統一会派結成は、与党助成・野党分裂策の一環。

高校の英語教科書、教科書採用工作であげられた三省堂のCrown Readerだった。興味深い題材が多かったように思う。
コンサイス英和辞典、クラウン英和辞典など、様々な辞典で今もお世話になっている。
違法フライイングなどしなくても、売れるのではと、素人は思ってしまう。

一方で、社会科で、とんでもない右翼教科書採用が広まっているという。
教師だか、教育委員会だかの皆様は本気で良い教科書と思って選んでいるのだろうか?

心配で、わざわざ教科書選択に関する議会だか、教育委員会の討議?だかを傍聴に行かれた知人がいる。まともな論議ではなかった、という感想を伺った。

子供が洗脳されるのを放置するわけには行かないのだが。

おかしな親が幼児に覚醒剤を飲ませるなど、とんでもないことだ。それは報道される。
おかしな傀儡政権が生徒に洗脳教科書を押しつけるなど、とんでもないことだが報道されない。

-stan、ペルシャ語由来で、「国」ということのようだ。たしかに○○スタンという国、イラン周辺に多い。

2015年12月 7日 (月)

カダフィ下のアフリカ最裕福な民主主義から、アメリカ介入後、テロリストの温床と化したリビア

2015年10月20日 10:47
Garikai Chengu
counterpunch.org

この火曜日で、アメリカが支援したリビアの元指導者ムアマル・カダフィ暗殺と、アフリカで最も偉大な国家の一つが混乱への零落から4周年だ。

1967年に カダフィ大佐は、アフリカで最も貧しい国の一つを受け継いだ。暗殺される前に、彼はリビアをアフリカで最も豊かな国へと変えていた。2011年のアメリカが率いた爆撃作戦までは、リビア、最高の人間開発指数、最も低い幼児死亡率、全アフリカで最も長い平均余命を誇っていた。

現在、リビアは破綻国家だ。欧米軍事介入が、あらゆる最悪のシナリオをもたらした。欧米大使館は全て退去し、リビア南部は、ISISテロリストの温床に、北部海岸は不法移民の中心地と化した。エジプト、アルジェリアとチュニジアは、全てリビアとの国境を閉鎖した。こうしたこと全てが、蔓延する強奪、暗殺や拷問を背景に起きて、骨の髄まで破綻した国家の全体像となっている。

リビアには現在、中央銀行と国営石油会社の支配を巡って、支配を主張する二つの競合する政府、二つの議会があり、機能する国家警察も軍もなく、アメリカ合州国は現在、ISISが、リビアの広大な地域で、訓練所を運営している考えている。

一方で、国の西部では、イスラム主義者と連携する民兵が、首都トリポリや他の主要都市の支配権を奪取し、以前に選出された議会を追い出して、自らの政府を設立した。

もう一方の、リビア東部では、反イスラム主義の政治家たちが支配する“正統な”政府が、1,200キロ離れたトブルクに亡命し、もはや何も支配していない。欧米の政府が、リビア国民に約束した民主主義は、カダフィ大佐が打倒された後、全て消滅した。

一般的に考えられていることとは逆に、欧米マスコミが決まって“カダフィの軍事独裁制”と表現するリビアは、実際は世界で最も民主的な国家の一つだった。

カダフィの独特な直接民主主義の下で、伝統的な政府機構は解散され、廃絶され、権力は様々な委員会や議会を通して、直接国民のものだった。

たった一人が全てを支配するどころか、リビアは非常に分権的で、本質的に国家内の“ミニ自治州”であるいくつかの小さな共同体に分割されていた。こうした自治州が、各自の地域支配し、石油収入や予算資金をいかに配分するかを含め、様々な決定をすることができた。こうしたミニ自治州の集合で、リビア民主主義の三つの主要な組織は、基礎人民会議と、県地区人民会議と、全国人民会議だ。

ムアタマル・アル-シャビ・アル・アサシスィ、基礎人民会議(BPC)は、イギリスの庶民院やアメリカ合州国の下院と同等のリビア機関だ。ところが、リビア基本人民会議議会は単なる、国民にかわって議論し、法案を提出する選挙で選ばれた代表で構成されるものではなかった。そうではなく、議会は、全てのリビア国民が、この過程に直接参加することを認めていた。800の人民会議が国中に設置され、リビア国民全員が自由に参加して国家政策を策定し、予算、教育、産業や経済を含む、全ての重要な問題を巡る決定をした。

2009年、カダフィは、リビアの直接民主主義を、二週間見学するようニューヨーク・タイムズをリビアに招いた。カダフィ大佐の民主的実験に対し、伝統的に大いに批判的だったニューヨーク・タイムズがリビアでは譲った。“全員があらゆる決定に参加し…外国との協定から学校建設に到るまで、あらゆることを議論し、票決するために、何万人もの国民が、地域委員会の会合に参加している。”

欧米の民主的制度と、リビア・ジャマヒリヤ直接民主主義との間の基本的な違いは、リビアでは、わずか数百人の裕福な政治家連中で構成される議会ではなく - 何万人もの一般国民が参加する何百もの委員会で全ての国民が、直接自分の意見を言うことが許されていたことだ。軍事独裁制どころではなく、カダフィ支配下のリビアは、アフリカで最も繁栄した民主主義だったのだ。

カダフィの提案が、議会で国民の投票により、否決され、彼と反対の案が採択されて、法律になったことは数多い。

例えば、カダフィは何度となく極刑の廃止を提案し、従来の学校制度ではなく、在宅学習を進めようとしていた。ところが、人民議会は、死刑と伝統的な学校を維持したがっており、人民議会の意思が優先した。同様に、2009年、カダフィ大佐が、基本的に中央政府を完全に廃絶し、全ての石油売上利益を、直接各家庭に渡すという提案をした。人民議会は、この考え方も拒否した。

40年間以上、カダフィは、経済民主主義を推進し、国有化した石油の富を、全リビア国民向けの進歩的社会福祉施策維持に用いていた。カダフィ支配下で、リビア国民は無料医療や無料教育だけでなく、無料の電気や無利子融資を享受していた。今や、NATO介入のおかげで、何千人ものフィリピン人医療従事者がリビアから脱出し、医療部門は崩壊の瀬戸際で、リビア東部の高等教育機関は閉鎖し、かつて繁栄していたトリポリでは停電が日常茶飯事だ。

欧米と違い、四年毎にリビア国民が大統領を選挙したり、各地の必ず裕福な国会議員が、国民のためにあらゆる決定をしたりはしなかった。普通のリビア人が、対外、国内、経済政策に関する決定を自らが行っていた。

2011年のアメリカ爆撃作戦は、リビア民主主義のインフラを破壊しただけではなく、アメリカは、リビア民主主義の確立を不可能にする組織、ISISテロ集団指導者のアブデルハキム・ベルハジも精力的に支援した。

アメリカ合州国には、北アフリカと中東でのテロリスト集団支援の、長く熱心な実績がある事実に驚くのは、ニュースを見るだけで、歴史を無視している連中だけだ。

CIAは、冷戦時代は、最初、過激派イスラム教徒と提携した。当時、アメリカは世界を、どちらかと言えば、単純に見ていた。かたや、ソ連と、アメリカがソ連の手先と見なした第三世界の民族主義。かたや、欧米諸国と、アメリカが、ソ連に対する戦いの同盟者と見なす過激イスラム教徒だ。

以来、アメリカは、エジプトでは、ソ連拡張に対して、ムスリム同胞団を、インドネシアでは、スカルノに対して、サレカト・イスラムを、パキスタンでは、ズルフィカール・アリ・ブットーに対して、ジャマート・エ・イスラミ・テロ集団を用いてきた。最後になるが、重要なことに、アルカイダもいる。

CIAがオサマ・ビン・ラディンを生み出し、1980年代中、彼の組織を育てたことを決して忘れてはならない。元イギリス外相ロビン・クックは、イギリス庶民院(下院)で、アルカイダは、紛れもなく欧米諜報機関の産物だと語った。クックは、アラビア語で、文字通り“ベース”を意味するアルカイダは、元々、アフガニスタンで、ロシアを打ち破るため、CIAが訓練し、サウジアラビアが資金提供していた、何千人ものイスラム主義過激派のコンピューター・データベースだと説明した。イラクとシリアのイスラム国(ISIS)は様々な名称を用いている。イラクのアルカイダ。

アブドルハキム・ベルハジの指揮下、ISISはリビアで、驚くべき勢いで転移している。フォックス・ニューズは最近、ベルハジが“オバマ政権と議員たちから、かつて誘われたことがあり”、カダフィ打倒を追求する上で、彼はアメリカ合州国の忠実な同盟者と見なされていたことを認めた。2011年、アメリカ合州国とマケイン上院議員は、ベルハジを“英雄的な自由の戦士”と称賛し ワシントンは、彼の組織に武器と兵站支援を与えてきた。現在、マケイン上院議員は、ベルハジの組織ISISを“アメリカや、我々が支持するあらゆるものに対する恐らく最大の脅威だ”と呼んでいる。

カダフィ支配下では、イスラム・テロリストは事実上存在しておらず、2009年、アメリカ国務省は、リビアを“対テロ戦争における重要な同盟国”と呼んでいた。

アメリカ介入後、現在のリビアは世界最大の武器のずぼらな隠し場で、穴だらけの国境は、トゥアレグ分離主義者や、マリ国軍をティンブクトゥから追い出した聖戦士や、元アメリカ同盟者のアブドルハキム・ベルハジが率いて、次第に増加しつつあるISIS民兵を含む、多数の重武装した非国家的行為者連中が頻繁に通過している。

経済と直接民主主義というカダフィの制度は、21世紀の最も徹底的な民主的実験の一つであったのは明らかで、NATOのリビア爆撃は、実際、21世紀最大の軍事的失敗の一つとして歴史に残るのかも知れない。

Garikai Chenguは、ハーバード大学の研究者
counterpunch.org

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/10/20/libya-from-africas-wealthiest-democracy-under-gaddafi-to-terrorist-haven-after-us-intervention/
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リビアについて翻訳した記事のなかで、特に気になっているのは下記記事。

リビアで二度と見られなくなる16項目

今回の記事を翻訳しながら見ていた『介護危機!衝撃の実態』は力作。

『ザッカーバーグ、5.5兆円の寄付』。彼とその企業については下記記事を訳している。

NSAと協力しているフェイスブック

リビアの三つの会議については、素人には皆目見当がつかないので『リビアを知るための60章』92ページ「リビアの国家機構概念図」にある組織名を借用代入させていただいた。代入内容が間違っている可能性きわめて大きいが、あしからず。

Paul Craig Roberts氏が、トルコ戦闘機の待ち伏せ攻撃による、ロシア爆撃機撃墜記事で、別人によるロシア爆撃戦闘機の「失速速度」数値を引用したところ、足を引っ張る連中があらわれたため、氏は補足の文章を二度書いておられる。

氏は、文の趣旨は「失速速度」が正確な数値か否かで影響を受けることはないと言われる。
三組織名の間違い、ロシア爆撃戦闘機の「失速速度」数値同様に扱っていただきたい。

趣旨ということでは、『遊牧民から見た世界史 増補版』冒頭、8-9ページに下記文章がある。

なお、この小文を綴っている三月三十一日の時点で、リビアのカダフィーというおよそとんでもない独裁者と、その与党がなお抗戦をつづけている。ともかく、そう遠くない頃に、カダフィーの政治上の意味は消え去るだろうし、またそうあることを望みたい。

もう一冊思い出した本がある。『ブラッドランド ヒトラーとスターリン大虐殺の真実』。今日の書評を見て、翻訳が刊行されたのを知った。

以前訳した下記記事で、この本と著者について読んでいたので、翻訳が出たのにびっくりぽん。

帝国主義に仕える右翼“知識人”キエフに集合

2015年12月 6日 (日)

うわっバットマンだ! エルドアンは退陣すべき

Finian Cunningham

2015年12月4日
"RT"


トルコへの石油輸送経路. © ロシア連邦国防省 / Sputnik

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシア戦闘機を撃墜して以来、不注意な発言を続けている。テロを支援しているという非難を、彼はロシアがそれを証明すべきだと迫りけんか腰で否定した。そこで、うわっバットマンだ!
そう、バットマンだ。マントを羽織った映画のヒーローではない。そうではなく、話題はトルコ南東部地域にある同名の都市だ。トルコの国営石油産業が集中している場所だ。

ロシア国防省が今週発表した航空偵察写真によれば、バットマンは「イスラム国」テロ・ネットワークが運営している石油密輸経路の中心地でもある。

航空偵察写真は、シリアの東部の国有油田から盗んだ石油を輸送する何千台ものトラックが、シリア国境近いトルコの都市バットマンで合流していることを示している。

石油密輸作戦は、いわゆる「イスラム国」(IS)テロ集団が、デリゾール近くの東シリアの油田を制圧して以来、少なくとも二年間続いている。違法取り引きで、聖戦士たちは、一日300万ドル稼ぐと推計され、アサド大統領のシリア政権に対する連中の戦争を資金援助になっている。

だが事業が回るには、密輸された石油の買い手が必要だ。トルコを見よう。今週、ロシア国防省による最新データ公開前に、ウラジーミル・プーチン大統領は、トルコ当局が、テロリストの石油取り引き促進に関与しているという主張を繰り返した。プーチンは、パリ気候変動会議で、世界の指導者たちに、これが一体なぜトルコ戦闘機が、先週ロシア戦闘機を撃墜し、パイロットと、その後の救出作戦で、もう一人の兵士が亡くなったかの背後にある要素だったと語った。
エルドアンは“中傷”だと片づけ、この主張に怒って対応した。エルドアンはイライラして、証拠を示せとロシアに迫った。

“トルコが「イスラム国」から原油を購入しているという非難は受け入れ難く、そんなことを言うのは非道徳的だ”とエルドアンは述べた。“言いっぱなしでは済まされない。証拠を提示する必要がある。もし証拠があるのなら、見ようではないか。もしこの事実が証明されたなら、私はこの地位に留まらない。

疑わしいのだが、もしエルドアンが約束を守る人物なのであれば、退陣の準備をすべきだ。即座に。


トルコのタイイップ・エルドゥアン大統領(左)と息子ビラル © Reuters

ロシア軍最高司令部が提示した証拠は、もちろん確実に、トルコが「イスラム国」の違法石油取り引きの、テロ集団が暴力活動の資金を賄う能力の中心であることを示している。

ロシア国防副大臣アナトリー・アントノフは、暴露に際し、歯に衣を着せなかった。彼はこう述べた。“我々のデータによれば、トルコ政府指導部 - エルドアン大統領と彼の家族は、この犯罪的事業に関与している。

ロシア・データで、特に有罪を示すものと言えば、ISが運営する東シリアの石油経路が、トルコの都市バットマンに向かっていることだ。バットマンは、トルコ石油産業の中心だ。バットマンは、トルコ最大の油田があり、主要精油所の拠点だ。

バットマンには、いずれもイスケンデルン湾に位置する、西の地中海の港湾都市デルチョルとジェイハンへ向かう500キロのパイプラインがある。年間3000万バレルの原油を輸送可能なパイプラインは、トルコ国営のBOTAS石油会社が所有し、運営している。

ジェイハン港は、エルドアン大統領の息子ビラルや他の家族が所有する認可を得ている海運会社BMZが本拠にしている場所だ。BMZは、世界石油貿易における主要トルコ企業だ。

重要なのは、トルコの新聞Today's Zamanが、今年9月、エルドアンのBMZは、二隻の新たな石油タンカーを購入するのに、3600万ドル費やし、保有船団を5隻にしたと報じたことだ。タンカーは、原油の大半を日本や他のアジア諸国に輸送していると考えられている。事業は活況だが、驚くにはあたらない。

プーチンは、エルドアンがテロリストの石油密輸への共謀を否定したのに対し、先に“トルコ当局が、国境を越える産業規模の石油輸送に気がつかなかったとは考え難い”と反撃した

ところが、今やロシアの航空画像が、この膨大な石油供給が、国有企業によって、トルコ内でどのような経路を辿っているのかという全体像を示したのだ。

彼の家族の海運事業を通した個人的共謀のかどで、エルドアンの辞職は確実となった。更に戦争犯罪に相当する国際法の酷い違反のかどで、トルコ大統領は起訴されるべきだ。

アメリカは産業規模の石油密輸経路を知っていたに違いないではないか? アメリカが「イスラム国」テロ・ネットワークに対するものだとされる対シリア爆撃作戦を開始して以来、一年以上、石油密輸は手つかずだった。

今週、アメリカ統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード大将は、議会の委員会で、ペンタゴンがISの石油経路に対する空爆を本格化させたのは、過去わずか二カ月だと述べた。国務省と十分連絡をとっていなかったため、一年以上、ペンタゴンが放置していたことを彼は認めた。ダンフォードと同じ委員会で、証拠を提示した、アメリカ国防長官アシュトン・カーターも、テロリストが運用している石油トラックを攻撃しないという決定は“一般市民の死傷者を避ける”ためになされたと主張した。

説明は辻褄が合わない。事実は、ロシア国防省代表者のセルゲイ・ルツコイ中佐が語った通りだ。アメリカは、シリアからのテロリスト石油取り引きを止めるのに、ほとんど何もしてこなかったに等しい。ロシアは、対照的に、わずか二カ月前に軍事介入を開始して以来、何十もの石油精製設備と、1,000台以上のトラックを破壊し、ロシア軍によれば、テロリストの密輸収入を、50パーセント削減した大規模損害を与えた。

今や「イスラム国」や他の聖戦テロ集団が、シリアにおける連中のテロ作戦に、いかにして資金を賄っているかという証拠をロシアが提示した以上、対応すべきはアメリカの側だ。

トルコは、ヨーロッパの安全保障と防衛を維持するのが任務だとされる組織、アメリカが率いるNATO軍事同盟の加盟国だ。テロを支援している役割のかどで、トルコは確実に、NATOから追放されるべきだ。
特にフランスが、わずか三週間前のパリ街頭での大量殺害に関与したテロ集団に資金提供している国と同じ軍事同盟に、一体どうして居つづけられるだろう?

ところが、ワシントンと同盟諸国には、更に答えるべきことがある。北のトルコへと向かう石油の車列は、巨大な密輸の半分にすぎず、残りの半分は、シリアへと南に向かう兵器と聖戦士の車列だ。アメリカ人ジャーナリストのシーモア・ハーシュによれば、アメリカとイギリスの軍諜報機関が、このテロ輸送に関わっている。

トルコの国家諜報機関が結託した、トルコからシリア内のテロ集団への兵器供給は、国家が支援する石油・兵器密売を大胆にも暴露したトルコ人ジャーナリストが先週逮捕されて、明らかになった。

ロシアによる最新証拠で厳しい選択が迫られている。シリアにおける、そしてさらに広範な地域での、紛争とテロに油を注いでいるのは誰か今や世界に見えている。トルコはテロ支援国家だ。他のNATO加盟諸国も関与している。もし正当な経済制裁が行われないようであれば、我々は、恐ろしいことに、世界がギャング行為と野蛮状態に落ち込んだのを悟ることになる。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は20年以上、編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、Sputnik、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/324602-turkey-oil-batman-erdogan/
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地名Batman、バトマンと呼ぶようだ。(バットマンとも呼ぶらしい。)原文が語呂合わせ風なので、あえてバットマンとした。

先日の両国首脳怪談の内容、お互い、対ロシア戦線の東と西で、パシリとして活躍しましょう。投票計算システム・ノウハウをご提供しますし、例の石油はしっかり買わせていただきますよ。という話だったのかと妄想。

いずこもご同類。悪よのう。

戦争伝える中学生朗読劇、町が中止 写真「衝撃大きい」
という記事を読んで驚いた。原爆の衝撃大きくて当然だろう。それを避けるのは教育でなく、狂育。

釜山にでかけた際「莱邑城址」を見学し、式典用の横断幕に驚いた。
「壬辰倭乱415年」的なものだった。(年数の記憶、定かではない。)
壬辰倭乱とは、文禄・慶長の役。
広島・長崎原爆投下に対しても、同様な「周年」(執念)が必要だろう。

COP21で、日本の評判が悪いようだ。ポスターを見ればわかる。
頭の上の発電所煙突から煙がモクモク。

背景には、もっぱら石炭火力発電所ばかり外国に売りたがる姿勢があるようだ。
日本の借款によるインドの石炭火力発電所が粉塵や廃水で公害を起こしているという。
粉塵で作物の収量が激減した農家や、水が汚染した飲めないという人。
取材班が、現地の警察に監視される?場面もあった。
他の国だったか、水銀も検出されているというものもあった。

自国内の豊富な酷い鉱害・公害実績を連想した。

古河鉱業足尾鉱毒事件
チッソ水俣病
昭和電工第二新潟水俣病
三井金属鉱業イタイイタイ病
東京電力福島第一原発事故

公害、なぜか発生源企業名を削ることが多い不思議。
商品の広告はまずいという理由で、企業名を外すのはそれなり理由があるかも知れない。しかし、公害を起こした企業名を消すのは、公害責任追求の放棄だろう。

国内の事件すら極力隠蔽する国の企業・政府が装置を輸出すれば、それは自動的に公害の輸出になるだろう。
ただアルンダティ・ロイの記事を読むと、受け手側にも問題なしとしないように思う。、
資本主義: ある怪談

アルンダティ・ロイの本、岩波書店から刊行されている。この記事も含まれている。
『民主主義のあとに生き残るものは』1,600円

2015年12月 5日 (土)

"余りに大きな間違い":ジョセフ・スティグリッツ、TPPを推進するオバマを厳しく非難

2015年11月12日
Democracy Now!

ゲスト
ジョセフ・スティグリッツ

ノーベル賞を受賞した経済学者、コロンビア大学教授で、ルーズベルト研究所首席経済学者。新刊書『アメリカ経済のルールを書き換える: 成長と、共有された繁栄のための計画案』

議会では環太平洋戦略的経済連携協定TPPを議論する中、我々はノーベル賞受賞経済学者ジョセフ・スティグリッツと、この貿易協定について話をした。"皮肉なのは、大統領の、'貿易ルールを決めるのは、中国か、アメリカ合州国かという問題です'という言葉です" スティグリッツは語った。"しかし最大の問題は、誰が貿易ルールを決めるのかです。アメリカ国民が、民主的過程で作るのか、それとも大企業が作るのかです。そして、それが一体誰のために作られるのか、つまり大企業のためなのか、それとも我々全員のためなのかです。"

書き起こし
これは急ぎの書き起こしである。文章は、最終的なものではない可能性がある。

エイミー・グッドマン: 非常に興味深いのは、バーニー・サンダースが、不平等を本当に強調していることです。これで、ヒラリー・クリントンが、こうするよう追いやりました。彼が大いに勢いを得て、何万人もの人々を集会に惹きつけていますから。共和党側では、いくつかの分野では、ドナルド・トランプが、ヒラリー・クリントンより、リベラルに聞こえます。これらの貿易協定に即反対しています。

ジョセフ・スティグリッツ: ええ、ですから、ある意味で、共和党と民主党で目にしていることは、ある意味、何かおかしいのです。アメリカは初めての中流階級社会でした。我々は、中流階級社会であることを止める初めての社会になろうとしています。中流階級の一員であることの基本的な要求、子供を進学させる能力、退職後の生活の確保、こうしたこと全てが脅かされています。そして『ルールを書き換える』で論じていることの一つは、いかしてこれを取り戻せるかです。しかし、両党で見えているのは、怒りの感情です。民主党候補者は、いずれも、それに対処する説得力ある方法を示していると思います。長い議論になるでしょう。問題は、共和党側には怒りはあるのですが、基本的に秩序だっていません。これは、実際、基本的にルールを間違った形に書き換え、ことを以前より更に不平等にする税改革で、辻褄が合いません。

エイミー・グッドマン: 対談の第1部では、オバマ大統領が支持しているTPP、環太平洋戦略的経済連携協定について話します。大学教授として、実際あなたが教授をしておられるコロンビア大学で、こうした話題で学んだオバマ大統領に、一体どのような評点をつけられますか? あなたは貿易協定を "茶番"と呼んでおられますね。

ジョセフ・スティグリッツ: ええ、残念ながら、彼はやってしまいました。彼は、私が必要だと考えるような金融部門での基本的改革を支持していません。TPPは大変な間違いだと私は思います。一方

エイミー・グッドマン: 民主的社会や政府ではなく、大企業が貿易を支配するのですか?

ジョセフ・スティグリッツ: その通りです、特に古い貿易協定が対象にしていた関税引き下げの問題から離れて、規制を対象にしているのです。非常に多くの規制は調和させる必要があります。そうした規制は変えなければなりません。しかし、それを大企業にまかせることはできません。変化しつつある世界では、現在の規制構造に固定されてはいけませんが、TPPはそれをしようとしているのです。それで

エイミー・グッドマン: TPPをご存じでない方々のために、こうした世界的貿易ルールを巡って、誰が判断するのかをご説明ください。これは何が支配するのですか? 世界経済の40パーセントですか?

ジョセフ・スティグリッツ: ええ。そして皮肉なのは、大統領はこう言ったのです。"皮肉なのは、大統領の、'貿易ルールを決めるのは、中国か、アメリカ合州国かという問題だ'" しかし最大の問題は、誰が貿易ルールを決めるのかです。アメリカ国民が、民主的過程で作るのか、それとも大企業が作るのかです。そして、それが一体誰のために作られるのか、つまり、大企業のためなのか、それとも我々全員のためなのかだと私は思います。

エイミー・グッドマン: オバマ大統領はこれを理解していないとお考えでしょうか?

ジョセフ・スティグリッツ: 理解していません。

エイミー・グッドマン: 彼は理解していないとお考えなのか、彼が

ジョセフ・スティグリッツ: 彼は、何らかの実績を上げたがっているのだと思います。つまり共和党がそうさせませんから、議会で彼は何も成立させられないので、彼は何か共和党が望んでものを実現しなければなりません。そして共和党は貿易協定を望んでいます。TPP中の投資に関する条項は、ビジネス・ラウンドテーブルの最重要議題だった条項です。

エイミー・グッドマン: ビジネス・ラウンドテーブルとは何か、ご説明ください。

ジョセフ・スティグリッツ: アメリカの巨大企業の団体です。

エイミー・グッドマン: 家族経営店舗のではありませんね。

ジョセフ・スティグリッツ: 家族経営店舗のではありません。ですから、これは大企業が自らを保護することができるということです。まずはっきりさせてください。我々が普通理解している所有権の問題ではありません。アメリカ通商代表の言っていることをご存じでしょうか。彼等は言います。"我々は、法制度の機能の仕方を信じることができない国々と対処するのだから、こうした国々を信じることはできないので、こうした保護策を盛り込まなければならない。"同じ類の条項を、ヨーロッパとの、ドイツとのアメリカの貿易協定でも、我々は主張するのだと。そしてドイツは言っています。"わが国にも、アメリカと同程度の法制度がある、一体なぜアメリカは我々の法制度を超越しようとするのか?" つまり、ここで彼等は例えばGMOを懸念しているのです。彼等は様々な種類のことに関し大いに懸念しています。

エイミー・グッドマン: 遺伝子組み換え生物ですね。

ジョセフ・スティグリッツ: 彼等はこう言っています。"少なくとも消費者が知ることができるようにしたい。人々が選択可能になるように。" そして、もしこれが成立すれば、もし表示をしなければならないという規制を作り、アメリカストや、人々が、"GMO製品は買わない" というと、彼等は訴えられかねません。というのは

エイミー・グッドマン: 製品にGMOが入っている可能性があるのを知らせるため、もし表示をすれば、訴えられかねません。

ジョセフ・スティグリッツ: 訴えられる可能性があります。良くわかってはいませんが、はっきりさせましょう。我々は全ての条項を知ってはいません。彼等はそれを秘密にしています。しかし、これは言わなければなりません

エイミー・グッドマン: 彼等は秘密にしたままどうやって逃げおおせるのですか?

ジョセフ・スティグリッツ: ええ、これは驚くべきことです。連中の主張は、またしても、非常に複雑な交渉をしているので、もし全てが公開されれば、全員で大混乱になるというのです。しかし連中は協定を本当に秘密にしているわけではありません。彼等は大企業には話していますから。大企業は交渉の席にいて、こう言っているのです。"そう、この条項を盛り込むことは我々にとって実に重要だ。この条項を盛り込むことは実際重要だ。" しかし一般国民は交渉の席にはいません。我々が何が起きているのかを知る唯一の方法は漏洩文書です。また、高い透明性に対し、より強力で民主的な責任感を持った他の国々からも多少の漏洩があります。ところがアメリカ政府はますます秘密にしているのです。

エイミー・グッドマン: ノーベル賞受賞経済学者のジョー・スティグリッツとお話していま。彼は新著『アメリカ経済のルールを書き換える』を出されました。この国で、一体何が、労働者の力、組合の力を活性化させるでしょう?

ジョセフ・スティグリッツ: ええ、こうしたこと全てルール書き換えの問題です。つまり、基本的な考え方は、過去35年間、我々は労働者の力を弱体化させ、金融部門の力を強化させる方向で、ルールを書き換えてきたということです。力の均衡が、間違った方向に変えられてきたのです。そしてTPPは

エイミー・グッドマン: 35年前に何がおきたのでしょうか? レーガンですか?

ジョセフ・スティグリッツ: レーガン大統領ですが、ヨーロッパでも同時に同じことが起きていたので、彼も時代精神の一部です。それに、TPPは間違ったやり方でルールを書き換えるもう一つの例だと言いいたいのです。かつて1980年頃に始まった、不均衡を増して、物事をより困難にした傾向の継続です。ですから、我々はルールを再度書き換える必要がありますが、今我々は21世紀にいるのです。1980年以前に我々がいたような所に戻るわけではありません。近代化する必要があります。ただし、これまであったような力のパランスを破壊するような形で、ルールを書き換えて実現するのです。

エイミー・グッドマン: もしあなたが、国民を、圧倒的多数の国民を助けるような環太平洋戦略的経済連携貿易協定を書く担当だったとしたら、このTPPのルールは一体どの様なものになるでしょう?

ジョセフ・スティグリッツ: はい、ここまででお話していないことの一つ、最も議論になっている側面の一つに、ジェネリック医薬品の入手があります。一般の人々が医薬品を安い価格で入手できることが必要です。アメリカ合州国では、ハッチ-ワックスマン法で、これをうまく両立させました。この法律は、"結構!大手製薬会社は、投資と研究に対して、何らかの利益を得られてしかるべきだ"というものでした。しかし研究の大半は、実際は大学で、より明確にはアメリカ国立衛生研究所NIHが資金提供している研究所で行われているのです。けれども、全ての薬品の80パーセント以上を占めるジェネリック医薬品が価格を引き下げています。市場を機能させるのは競争です。我々はこの両者をうまく両立させていたのですが、この貿易協定で、連中は、大手製薬会社に有利なようにバランスを変えようとしているのです。オバマ大統領の遺産の話ですが、彼の大きな遺産の一つはオバマケアで、これは医薬品を入手しやすくするものと考えられています。ところが世界中の多くの国々で、医薬品の入手を制限することになりますから、TPPは正に逆方向に向かっています。ですから、これは問題です。

    しかし、投資協定を考えましょう。私なら二つ実行します。第一に、企業が訴訟できる条件が間違っているように思えます。もしある国が、医療であれ、安全、環境あるいは、経済運営であれ、規制を成立させたら、企業が国を訴えられるようではいけません。こうしたものは公用制限(regulatory takings)と呼ばれるものです。自国民を守り、経済を守り、環境を守るルールを設計するのは国の基本的権利だと、アメリカの裁判所は繰り返して言ってきました。ですから、企業が訴えることができるという条件は間違いです。誰が訴えることができるかが間違っているのです。企業が政府を訴えるのでなく、政府対政府であるべきなのです。

    第三に、それが行われる裁判手続きですが、民間法廷でおこなわれるべきではありません。最も重要な公的機能の一つは紛争解決です。WTOを作った際は、紛争解決のための国際陪審団を設けました。投資協定でも同じことが可能です。しかし、そうはせず、彼等は、利益相反に満ちた、非常に金のかかる民間仲裁で行うよう決めたのです。フィリップ・モリスが訴えたウルグアイのことを先にお話しましたが。

エイミー・グッドマン: アルトリアという名前になったのでしたか?

ジョセフ・スティグリッツ: アルトリアがフィリップ・モリスの後継企業です。費用が余りに高価で、ウルグアイは訴訟費用が払えないのです。それで喫煙を非常に懸念しているブルームバーグ知事が、人々の健康を守ろうという規制を成立させたばかりのウルグアイが、アルトリアに対して守れるよう支援するため、費用を寄付し支払っています。

エイミー・グッドマン: ノーベル賞受賞の経済学者で、『アメリカ経済のルールを書き換える』著者ジョー・スティグリッツさんでした。番組はすぐ再開します。

記事原文のurl:http://www.democracynow.org/2015/11/12/a_very_big_mistake_joseph_stiglitz

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大本営広報部「普天間一部を先行返還」針小棒大の誇大広告。

大本営広報部、大政翼賛会、TPPをヨイショし、交渉に尽力したという真っ赤な嘘を報じるのみ。英語、スペイン語、フランス語は正文で、二番目に大きな市場の日本語、正文ではないのに。

日本語を正文にすることを実現できなかった時点で、既に、交渉担当者、それを許した間諜(官庁ともいう)幹部、傀儡政権幹部、ヨイショする大本営広報部、全て売国奴だろう。

大本営広報部、大政翼賛会と、スティグリッツ氏の意見、全く違う。
両方が正しいことはあり得ない。つくづく、「マスコミ」なるものの罪は重いと思う。昔戦争を散々あおった新聞、犯罪を償ったわけではない。

そして今、昔はなかった「電気洗脳箱」TVも加わって、国を滅ぼすTPPをあおっている。選挙に向け、洗脳呆導ますます激化するだろう。

【IWJブログ・特別寄稿】「いのちの市場化」にNO!~TPPと国家戦略特区は「新自由主義」を実現する双子である (アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長 内田聖子)

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある 米国議会図書館議会調査局文書

TPP関連主要記事リスト

2015年12月 4日 (金)

“対テロ戦争”はウソであることを、これらの表が証明している

Rebecca Sumner
The Canary
2015年11月28日

ずっと昔“対テロ戦争”で世界はより安全になると言われたものだ。ところが永久戦争の14年後、世界中のテロ攻撃は、6,500%と驚くほど急増した。

テロを終わらせることが目標だったのであれば、“対テロ戦争”は絶望的な失敗だ。2001年に開始されて以来、テロ攻撃と、それで殺害された人々の数はうなぎ上りだ。

2000年-2014年の国別テロ死者数

 

上の図は、経済平和研究所が発表した、『2015年世界テロ指標』からのものだ。この指標は、昨年のテロによる全死者の78%が、5か国だけで生じていると書いている。イラク、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンとシリアだ。

1. イラク

イラクが指標第1位で、2014年、テロ死亡者は衝撃的な9,929人 - 全ての国の中で最高記録だ。下記の図(指数の数値に基づく) イラクでのテロ攻撃の増加が、2003年の侵略直後から始まっていることをはっきり示している。(青は件数、赤は死者の数)

2. アフガニスタン

第2位は、アフガニスタンで、不朽の自由作戦が、9/11から数週間後に開始され“対テロ戦争”の最初の標的となった国だ。作戦の目的の一つは、アフガニスタンが テロリストの温床になるのを防ぐことだった。ところが、14年間の介入で、テロ事件は、2002年の30件から、2014年の1591件へと、5,000%以上増えている。

3. ナイジェリア

年々、300%以上、テロ死亡者数が増加している、ナイジェリアは、指数で第3位だ。ボコ・ハラムとISILによる死者の合計は、2014年の世界テロ死亡者の半数を越える

4. パキスタン

パキスタンでは、2002年以来、テロ攻撃は、4,000%以上増えた。9/11以前の14年間、パキスタンでは、わずか一件の自爆攻撃しかなかったが、以来、14年間で、486件の自爆攻撃があり、6,000人以上が亡くなったと、メフディ・ハッサンは書いている。

5. シリア

2011年に始まったシリア内戦では、グラフではっきりわかる。明らかでないのは、連合国空爆がテロ事件数に影響したのか、したのであればどのようにだ。

対テロ戦争は更なる戦争を生み出し、さらなるテロを生み出す

昨年、もっともテロの多かった5か国中、“ナイジェリアだけ、その年、アメリカ空爆も軍事占領も経験しなかった”と世界テロ・データ分析で、ジャーナリストのポール・ゴッティンガーが書いている。

イラクの場合には、欧米の介入がテロの急増をもたらしたことが広く認められている。イギリス諜報機関とアメリカ政府の報告書も、同様に認めており(トニー・ブレアすらもが、うっかり口を滑らせそうになっている)、アルカイダの戦略家アブ・ムサブ・アル-スリが、その結果を祝っている

イラクでの戦争が、ほぼ独力で、聖戦運動丸ごと救済してくれた。

欧米の失敗した介入が10年以上続いた結果、恐らく290万人もの人々が死亡し、イラク国民に途方もない苦難を引き起こしている。ニュー・ステーツマンで、メフディ・ハサンが指摘した通り “もし爆撃が‘機能していれば’、イラクはとうの昔にスカンジナビア風のユートピアに変身していたはずだ。”ところが逆に、テロ活動の新記録で、イラクは混乱状態にあり、更なる外人戦士たちが日々イラクに押し寄せている

シリアの場合には、つながりはさほど明瞭ではない。アメリカの諜報機関でさえ、連合国の爆撃により、何百人もの一般市民や、何千人もの戦士が死亡した後も、ダーイシュ (Isis)が一年前より、決して弱体化していないのは確実だと認めている。実際、戦士の人数は、20,000-31,500人から、少なくとも昨年、80,000人にまで膨れ上がっている

世界テロ指標は統計分析を行い、二つの要素がテロと最も関連することがわかった。

国家が行う政治的暴力の水準と、国内における武力紛争の水準だ。報告書で、[…]  1989年から2014年までの全テロ攻撃の88%が、武力衝突が起きたか、関与した国々で起きた。

“対テロ戦争”が優れている点が一つあるとすれば、更なる戦争を生み出すことで、もう一つ優れた点があるとすれば、更なるテロを生み出すことだ。

木曜日、デービッド・キャメロンは、それで“我々はより安全になる”と主張し、シリア空爆をイギリスが開始する‘道義的理由’を主張した。だが、対テロ戦争が我々をより安全にしないのは極めて明白だ。もし、テロを打倒するのが目標なのであれば、破壊ではなく、生み出すものに対する戦いを始めるべきなのだ。

写真は、アメリカ軍/Flickr.

最初の図は、経済平和研究所、『2015年世界テロ指標

以降の各図は『2015年世界テロ指標』のデータにもとづく、著者によるもの。

記事原文のurl:http://www.thecanary.co/2015/11/28/entire-war-terror-lie-charts-prove/

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宗主国の銃撃事件、映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』を思い出した。今年は、銃の売り上げが、これまでになく多いという。

永久対テロ戦争で儲かるのは、無限に兵器を売り続けられる軍需メーカー、そのリベートをもらえる与党政治家。こういうものに傀儡は前のめり参加。自分のポケットは重要だが、後は、庶民など野となれ山となれ。

『日刊ゲンダイ』
許していいのか TPP合意文書「日本語訳」がない驚愕

国民の将来を未来永劫、世界企業囲い込みの餌食にする法制度で、二番目に大きな経済圏の国の言語を正文にしないよう、意図的に工作し、主権を積極的に放棄する異常な傀儡政権のとんでもない実態を批判しない組織「傀儡権力の番犬」以外、形容しようがない。

2015年12月 3日 (木)

さらば、欧米生活水準

Paul Craig Roberts
2015年12月1日

強欲な銀行幹部やIMFによって、ギリシャ女性が売春を強いられていることに関する私のコラム記事“資本主義作動中”に、緊縮策がヨーロッパ中で同じ影響をもたらしているという証言を伝える女性から多数ご意見を頂いた。

下記はポルトガルからのメールだ。

“あなたの記事‘資本主義作動中’は、まさにポルトガルで起きていることを描いています。大学の授業料や食費を払うため、若い女性が体を売るのはありふれたことです。

“潜水艦に関しては、我々も経験しています。この購入の責任者は、パウロ・ポルタスで、この‘スキャンダル’にもかかわらず、最近まで副首相でした。彼等は政権にいる社会主義者とはいえ、連中は実に腐敗していて、前の右翼政権よりひどいくらいです。実際、全ての左翼政党、ポルトガル共産党さえ。連中は自分の利益にしか興味がなく、国民にはパンくずしか与えません。この国は、ろくでなし連中が支配するバナナ共和国です。これを容認している以上、この状況は当然の報いです。”

何十年もの戦いで、ヨーロッパ資本主義とヨーロッパ社会を、人間味あるものにしてきたヨーロッパの社会主義政党は、もはや存在していない。土地を私有財産にして、債務証書で金融化するため、使用権を持っていた土地から人々が引き離された、かつての囲い込みの現代版をヨーロッパ人は経験しつつあるのだ。

今回、ヨーロッパ人は、資本主義での生活を暮らしやすくしていた社会福祉制度を奪われつつあるのだ。同時に、最も大きな借金を抱えた国々は略奪されつつある。腐敗した政権が招いた詐欺的な借金を返済するために、国民の生活水準は死ぬほどに押し下げられつつある。

ヨーロッパを見回していただきたい。本当の指導者を持った国民がいるだろうか? ジェレミー・コービンが、伝統的政党を率いる唯一残った社会主義者、あるいは準社会主義者だが、イギリス労働党は、彼を必ずしも断固支持しているわけではない。

フランスには国民戦線を率いるマリーヌ・ルペンがいる。この党は民族主義で、フランスはフランス人のものだと考えているため、党は右翼政党とレッテルを貼られている。しかしワシントンの傀儡オランドの社会党よりもフランス国民を良く代表している。

ギリシャでは、緊縮政策問題を巡り、圧勝して政権についた左翼政党は、あっと言う間に、強欲な銀行幹部連中の共犯者となり、ギリシャ国民を売り渡した。

世界経済は衰退しており、ヨーロッパは、おまけに、ワシントンの果てしない戦争からの何百万人もの難民という重荷まで負わされ、大いに称揚された欧米文明の生活水準は落ち目なのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/01/good-bye-to-western-living-standards-paul-craig-roberts/

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北京の大気汚染が最悪と大本営広報部は繰り返す。霞む大気は放射能と違い絵になる。
黒澤監督の映画『夢』では、放射能の流れ、カラフルだったが。
東電福島第一原発事故、放射能汚染がどうなったかには、彼等同じ熱意はない。

そしてコーヒー浣腸。この国の大本営広報部の異常さは果てしがない。
正確に知らなければ孫子末代にまで祟る重要な問題に関する情報は決して報じず、知っても知らなくとも全くどうでもよいゴミのようなことばかり報じる。
あなたたち自身が流す情報こそ、コーヒー浣腸。

トリプルスリーが流行語とは知らなかった。野球を全く見ず、チーム名、選手名、ルールさっぱりわからない。「アベ政治を許さない」の巧妙安全な代理。

総理の祖父、安保条約改訂時、抗議行動参加者が国会を包囲した際言った言葉とつながる。

『国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつも通りである。私には“声なき声”が 聞こえる』

良い賞というか、ヨイショ賞。

タイトルにひかれ朝の電気洗脳箱番組を見てしまった。下流老人、人ごとではない。年収1200万だったサラリーマンが、介護離職を機会に、どんどん貧しくなり、とうとうホームレスになった例。ある日、JRホームで、どの電車も見過ごす女性をじっと見ていたら、最後に、飛び込んだという。「全部見てしまいました。サラリーマンが、電車が遅れて迷惑だ!とののしったので更に悲しくなりました。」

住宅ローンや、貯金のしかた、熟年離婚を避けるための日頃の暮らし方など、専門家が対策やらヒントを説明してくれたが、そもそも社会体制が、この記事の方向に進んでいる時、そうした個人的対策やらヒント、気休めになっても、根本的対策になり得ない。

海外勤務が多かったため、その期間は年金対象にならず、月7万円しかもらえないという元ホテルマンの例があった。

虎の子の年金基金、ど素人幹部連中が、リスクの高い投資にぶちこみ、当然大損害をだした。つまり、いくら個人で、対策しても、年金そのものが崩壊する可能性消すことはできない。意図的に、宗主国に貢ぎ続ける、アホノミクス推進者連中が政権にいる限り。

TPP対策と称して、貸した農地の税金を低減したり、休耕地への税金を上げたりの策謀が進んでいる。TPP、まさに、現代版囲い込みにほかなるまい。

電気洗脳箱呆導番組、そういう事実だけは、報道せず、決して気づかせない。

2015年12月 2日 (水)

「イスラム国」 (ISIS)向け“人道援助物資”:シリア国境で止められたNATOテロ車列

Tony Cartalucci

New Eastern Outlook
2015年11月29日

長年、NATOは、ISISやアルカイダ向けの補給品を満載した車列を何のおとがめもなく認めてきた。ロシア空爆が、トラックのまま完全に止めたのだ。もし本当の、シリア国内の一般市民向け人道援助物資を搭載した、十分に裏付けられた支援車列が、実際にロシア空爆で破壊されていたなら、世界は報道をずっと聞かされ続けることになっていたはずだ。

ところが、いわゆる「イスラム国」(ISIS)やアルカイダに残された補給線が通るアフリン-ジャラブルス回廊の一番端に位置するシリアのアザズ付近で破壊された“支援”車列とされるものや、“緩衝地帯”より正確には、シリア領奥深くでテロをおこなうため、NATOが占拠するシリア内の跳躍台と表現すべきものを作り出すというNATOの念願について、世界の大半は、ほとんど何も聞かされていない。

トルコを本拠とする新聞デイリー・サバーは“北西シリアの町アザズの支援車列を標的にしたロシア空爆で、7人死亡”という記事で、こう報じている。

    水曜、北西シリアの町アザズ近くの対トルコ国境検問所で、支援車列を標的にしたロシア爆撃機によるとされる明らかな空爆後、少なくとも7人が死亡し、10人が負傷した。

Daily Sabahもうこう報じている。

    人道救援財団(IHH)のセルカン・ネルギスは、標的とされた地域は、オンキュピナール国境検問所の南西約5キロにあると、Daily Sabah紙に述べた。

    ネルギスは、IHHがアザズに民間防衛部隊を持っており、その部隊が現地住民がトラックを絶滅するのを支援したと述べた。トラックはおそらく援助物資や商品を運んでいたのだとネルギスは述べた。

Daily Sabahの報道は、オンキュピナールのトルコ-シリア国境検問所を、いわゆる“反政府勢力”が掌握していることも明らかにしている。オンキュピナール国境検問所は、ドイツの国際放送ドイチェ・ヴェレ(DW)の調査報道撮影班が、アンカラの全面的承認を得ているらしい、国境で待機して、ISIS領に向かう、何百台ものトラックを撮影した、まさにその現場なのだから、多くの方がご存じのはずだ。

この報道は、丸一年前の2014年11月に発表され、まさに他に説明のしようもない、一見無尽蔵の戦闘能力を、ISISがいかに維持していることを明らかにした。“トルコ経由の‘IS’補給チャンネル”と題する報道には映像と下記の説明がある。

    毎日、食品、衣料や他の補給品を満載したトラックが、トルコからシリアへと国境を越えている。一体誰が品物を受け取るのかは不明だ。運送業者は、貨物の大半が“「イスラム国」”民兵宛てだと考えている。石油、武器や兵士も、国境を越えて、密航、密輸されており、補給の阻止を目指して、現在クルド人志願兵が地域をパトロールしている。

この報道や多くの同類のもののおかげで、もしアメリカが“ISISと戦う”という口実で、シリア領奥深くで、危険な軍事作戦を遂行する気があるのなら、特にトルコ領内や、ISIS補給車列が国境を越える、まさにその国境沿いに、アメリカ合州国は、軍用飛行場、訓練所や、諜報機関の出先を維持していることを考えれば、アメリカと同盟諸国は一体なぜ、トルコ領内のトルコ-シリア国境を固めるという、遥かに危険の少ない戦略を本気で実行しないのかを、世界中の多くの人々がいぶかしがっている。

理想的には、NATOは、シリアへの国境を越える前に、これら補給車列を阻止し、運転手連中を逮捕し、トラックに貨物を詰め込んだ連中を発生源まで追跡し、彼等も逮捕すべきなのだ。あるいは、ISIS占領地域に向かっていたのは明らかだったトラックを、国境か、あるいは、少なくともシリアに入り次第破壊されるべきなのだ。

こうしたことが全く行われていないということが、このあからさまな兵站ネットワークに対して、何のおとがめもせずにいたのは、彼等が“戦っている”と主張している、まさにそのISISテロリストに対する補給に、NATOが意図的に直接関与してきたと、多くの人々に結論をさせるのだ。

ロシア介入

ISISを打ち負かすことに本当に関心がある国なら、その根源 - 補給線を叩くはずなのは明らかだ。何世紀もの間に軍事兵器は変化しても、軍事戦略、特に敵の補給線の特定と遮断は、あらゆる紛争で勝利を実現するため、実証済みの方法だ。

それゆえ、ロシアは、当然の標的であるこれら車列を探しだし、補給品が無事、ISISの手に届く、あらゆる可能性をなくすため、シリア-トルコ国境のできるだけ近くで攻撃しようとすることになる。特にアザズの車列に関し、もし車列が合法的に救援物資を運搬しているのであれば、申告し、活動を地域で軍用機を運用している全ての国々に通知していたはずだと、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は述べた。

最近の空爆で攻撃されたトラックは、DW調査の際と全く同様、欧米がニュースを見聞きする人々に思わせたがっているような“ミルクとおむつ”ではなく、コンクリートと鋼鉄を輸送していた。この補給品が“反政府派”が支配する検問所を通過していたということは、補給品が、西のアルカイダのアル・ヌスラ戦線なり、東のISISなり“反政府派”が支配する地域に向かっていたのは確実であることを意味する。

ロシア空爆が、いずれにも、補給品が決して届かないようにした。

国境でNATOテロリストの息の根を止める

シリア-トルコ国境沿いにおけるロシアの活動強化は、シリア紛争の終局段階を表している。シリアとクルドの部隊が、ユーフラテス東国境を確保しており、アフリーン-ジャラブルス回廊が、シリア内のテロリスト向け補給品を通す唯一残ったルートだ。シリア軍は、アレッポから東のユーフラテス方向に前進を開始し、更に、北方、ジャラブルス近くのシリア-トルコ国境へと進むだろう。アフリーン、アルダナ、アザズの約90-100 km西方国境で、ロシアが、テロリスト補給線の切断を開始したように見える。シリア軍が、この地域にも至って、確保する可能性が高い。

地上部隊なしの空爆だけでは、紛争に勝てないと主張し、ロシア空爆を批判している連中にとって、今やシリア・アラブ軍が、その地上部隊となり、ISISとアルカイダに対処し、紛争において、連中の目を見張るような敗北をもたらしているのは明らかなはずだ。

この回廊が閉ざされ、供給が遮断されれば、シリア軍が全国で秩序を回復しつつある中、ISISやヌスラ戦線や、NATOが支援する各派は衰え、死ぬだろう。これがmay be why欧米が、一体なぜ、突然手先を地域に“急ぎ”派遣したり、アメリカ合州国に、シリア領そのものに特殊部隊を配備したり、シリア-トルコ国境近くで、トルコがロシアSu-24を、待ち伏せ攻撃したりしている要因なのかも知れない。

こうした物事全てをまとめれば、まさに、なぜシリア紛争が決、して本当の“内戦”でなかったのかを、くっきり示す図解になる。シリア政府や国民に対して戦っている過激派への支援の総体は、シリア国境外から来ている。この支援が遮断されて、こうした過激派が根絶されてしまう可能性こそ、シリア国家に対する陰謀で、失敗した連中が、より直接、かつあからさまに陰謀を救済しようとする、紛争の背後にいる本当のスポンサー連中の動きなのだ。

我々が目の当たりにしているのは、最初からずっと疑われていて、明白とさえ言えるもの、つまり地域における欧米覇権の野望のため、過激派部隊と戦うのでなく、連中を意図的に助長するよう、始められ、戦われている代理戦争なのだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/11/29/natos-terror-convoys-halted-at-syrian-border/

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この件で両国首脳と良好な関係を誇る人物が仲介するというパロディを読んでびっくり。
エープリル・フールにはまだ早い。

日本・トルコ合作『海難 1890』、驚くタイミングで公開。12/5。反露同盟推進作。

台風が近づく嵐の中出航し、和歌山串本沖で沈没した軍艦エルトゥールル号乗組員を救ったお礼に、1985年イラン・イラク戦争勃発時、テヘランに取り残された日本人のため、トルコ政府が救援機を出した事を描いたお話のようだ。ご丁寧に「人を助ける」飛行機が登場。WikiPediaから一部流用させていただこう。いかにもな企業名や彼氏の名があるので見る気力皆無。

製作:Ertugrul Film Parters(「海難1890」製作委員会(東映、木下グループ、東映ビデオ、電通、讀賣テレビ放送、クリエイターズユニオン、ぴあ、イノベーションデザイン、ノーリツ鋼機、読売新聞社、朝日放送、毎日新聞社、BSフジ、MXエンターテインメント、北日本新聞)、トルコ共和国文化観光省映画総局)

本作は2005年頃から企画され、2013年10月に会談した内閣総理大臣安倍晋三とトルコ首相レジェップ・タイイップ・エルドアンとの間で合作について議論された。

2014年1月、『エルトゥールル』の仮題で制作が発表され、同月に会談した安倍首相とエルドアン首相との間で合作することに合意し、日本外務省・トルコ文化観光省が製作を全面バックアップすることになった。日本での撮影は12月から開始され、2015年7月からはトルコでの撮影も行われた。

両国首脳、完成した映画を、トルコで並んで鑑賞したと報じられている。

国際版「永遠のズル」。

安政東海地震地震の津波で大破した、ロシア使節プチャーチンが乗っていたディアナ号、修理のため伊豆下田から伊豆戸田村へ回航中、1854年12月12日?に沈没。乗ってきた船が破壊されては帰国できないロシア人一行、日本人とともに新船を建造する。日本初の本格的洋式帆船「ヘダ号」。プチャーチン一行は、安政2年3月22日、ロシアに向けて旅立った。
この興味深い話には『幕末のスパシーボ』というアニメがある。こちらは見てみたいが、入手困難のようだ。

矢吹晋著『対米従属の原点 ペリーの白旗 』を読み始めたばかり。
ペリーとプチャーチン、門戸開放を要求するにあたり手法は対照的。属国民、自虐的になるものらしい。

パリ街頭では、ユニークなポスターが貼られたという。

2015年12月 1日 (火)

資本主義作動中

Paul Craig Roberts
2015年11月28日

Zero Hedgeは、タイムズ紙に最初に掲載された“ギリシャについて話続けよう”記事を報じている http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/europe/article4624755.ece

記事によると、ドイツのメルケル首相とヨーロッパの銀行によって、ギリシャ国民に強いられた生活水準急落のおかげで、非常に多くの若いギリシャ女性が売春に追いやられている。性的サービスを提供する女性の数が大量に増えたため、価格は、一時間4ユーロにまで低下した。つまり、チーズパイや、サンドイッチに十分な4.24ドルが、強欲銀行幹部が押しつけた緊縮策が、女性の体を一時間利用するのに対して付けた値段なのだ。30分なら、価格は、2.12ドルだ。彼女たちは、最低賃金さえ得られない。

このような記事を読むとパロディーか戯画だと思いたくなる。ロンドン・タイムズは、かなり落ちたものだが、それでもスーパーのカウンターで購入する類の新聞ではない。

この記事で、生活費を援助する経済的余裕がある男性の愛人になると、女子学生たちが広告をしているアメリカのウェブサイトが信ぴょう性を獲得する。様々なニュース記事によれば、愛人こそが、NYUのような授業料が高い大学の女子学生の本業のように見える。

NYUの女子学生は、ギリシャ女子学生よりずっとましだ。愛人関係は、1対1の関係で、長期間続き、愛情のこもったものになる可能性もある。堅物の人々は年齢の差を問題にするが、年齢の差は、長らく上流階級の結婚の特徴だ。売春婦は、多数のパートナーを相手し、相手は皆、性病を持っている可能性があるが、売春婦は見返りに現金しかもらえない。ギリシャでは、もし記事が正しければ、料金が余りに安いので、その代金では、女性は昼食までしか生きのびられない。

つまり資本主義が作動しているのだ。アメリカでは、困窮は、大学予算の75%が、教授陣や学生支援でなく、管理に費やされ高騰する授業料と、卒業生が、学生ローンを返済するのに十分な雇用が欠如していることによる。今どきは、レストランの給仕が、俳優として常勤の仕事に尽きたいと願っている、非常勤講師または非常勤大学教授という可能性がある。愛人として暮らすNYU女子学生の方がより良い結果を得るだろう。

ギリシャでは、困窮は、ギリシャが愚かにも、緊縮策と引き換えに、主権を放棄して加盟してしまった欧州連合によって、ギリシャ国外から押しつけられている。強欲銀行幹部や、EUやドイツ政府にいる連中の代理人は、ギリシャ国民は融資で恩恵を受けたのだから、融資を返済する責任があると主張する。しかし、融資はギリシャ国民に対してなされたわけではない。融資を受け入れるよう、貸し手から賄賂を貰った腐敗したギリシャ政府の連中に対して融資がなされ、その資金は概して、融資をしている国から、物を購入するのに使われることが多かったのだ。例えば、ギリシャ政権は、ドイツ潜水艦を購入するため、ドイツや、他の外国銀行から借金するように賄賂をもらったのだ。ギリシャの借金が膨らんだのは、この種の腐敗によってだ。

強欲銀行幹部のサクラを演じる経済マスコミとネオリベラル経済学者が語る筋書きは、ギリシャ国民が、無責任に金を借り、それを自分たちの幸福のために使い、融資の成果を享受したのに、返済するのをいやがっているというものだ。そんな話はウソだ。しかし、ウソは、銀行自身の過剰貸し出しという失敗を補填するため、ギリシャ国民からしっかり略奪するのに役立つ。銀行は、融資手数料と、潜水艦造船業者からのリベートの両方で儲けた。(潜水艦造船業者は、融資が使われる、様々な外国の製品やサービスの総称として引き合いにだしているに過ぎない。)

ギリシャでは、融資は、ギリシャ人の年金や教育や社会福祉や公務員雇用を削減して“節約された”お金と、港湾や市営水道や保護されていた島などの公有資産売却で得たお金で返済されている。年金、教育、社会福祉や雇用の削減は経済を枯渇させ、公有資産の売却は、政府予算を枯渇させる。マイケル・ハドソンは、彼の新刊『Killing The Host』で、これを非常に巧みに語っている。

結果は広範な困窮で、困窮の結果、若いギリシャ女性は身を売らねばならない。

マルクス、エンゲルスとレーニンが言った通りなのだ。

至る所で、人々は激怒するはずだと思いたくもなる。ところが、Zero Hedgeにコメントを書いた人々の大半にとって、これは単に野卑な冗談を言う対象でしかないのだ。“考えてみろ、バイアグラは女性器の値段の4倍だ。”“女性とデートして、夕食にいくほうがましだ。”大いに称賛されている“欧米の価値観”を代表する連中は、これが憤慨すべきものとは全く見なさないのだ。
http://www.zerohedge.com/news/2015-11-28/meanwhile-greece-price-prostitute-drops-?4-hour

指導力の点で欧米に期待を寄せる親欧米ロシア人の比率は急速にゼロに近づくに違いない。

一体何がより重要だろう? 女性の尊厳か、それとも強欲銀行幹部用の10億ドルか?
欧米“文明”は、答えを出した。強欲銀行幹部用の10億ドルだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/11/28/capitalism-at-work-paul-craig-roberts/
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ゲゲゲの鬼太郎。週刊少年マガジン連載をリアルタイムで愛読していた。貧乏人が毎号買えるわけがない。製本会社で働いていた身内が、発売後にもらってきたものを愛読していた。左腕を戦争で失った水木氏、反戦平和の権化。

GPIF損失問題。『再発する世界連鎖暴落―貧困に沈む日本』でも読んだばかり。
宗主国に入れ揚げて、すってんてんになるのが属国傀儡幹部のお仕事。いくら国民の財産をすっても、偉くなりこそすれ、罪をとわれることはない。アメリカの勲章をもらえるのかも。

福島児童の甲状腺癌多発問題。検出精度が上がった、しっかり調べるようになった結果と平然とのたまう政府系学者・医者、たいこもち犯罪人。

ロシアのチェルノブイリ法制定のため奮闘されたチェルノブイリ原発事故処理作業者、リクビダートル、アレクサンドル・ヴェリキン氏は言われた。「広島・長崎の原爆被害国で、国中に原発がある国に、事実上、国民に対する明確な被爆量制限規定がないこと自体が驚きです。」

おりしも岸井氏排除問題で話題の「News 23」で、「恋活 ハッピーメール」事件を報じているのに、びっくりぽん。

先日、芝居「からゆきさん」を見て、男性の経済的徴兵の女性版がこれだったと痛感したと書いた。決して過去の話ではないと。

まさか、我々にとっての宗主国、Paul Craig Roberts氏にとって自国で、同じ状況になりつつあるということを、Paul Craig Roberts氏の文章で拝読するとは思わなかった。

生後16日の長女をごみ箱にいれた夫婦は酷い。国民丸ごとごみ箱に入れる与党、官僚、マスコミ、御用学者、労組、宗主国ジャパンハンドラーの凶悪な行為無視してよいはずがない。

大いに称賛されている“宗主国の価値観”を代表する連中は、これを憤慨すべきものとは全く見なさない。

一体何がより重要だろう? 国民の尊厳か、それとも為政者や強欲銀行と政権幹部用の10億ドルか?
欧米、そして属国日本の“文明”は、答えを出した。強欲銀行と政権幹部用の10億ドルだ。

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