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2015年11月16日 (月)

勢力圏を拡大する『マトリックス』

Paul Craig Roberts
2015年11月14日

注: アメリカ左翼の残滓は、公式説明が左翼の批判的立場に役立つので、またしても、パリ攻撃の公式テロ説明に同意した。何とロシアまでもが、テロに対し、我々全員団結しなければならないという彼等の立場に役立つので、公式説明に相乗りしている。驚くべきことだ。ワシントンは、世界が全く何もみえない状態にあるのにつけこめる。

パリ攻撃から一時間もしないうちに、何の証拠も無しに、犯人はISILであるという物語が石に刻まれた。プロパガンダは、このようにして機能する。

欧米がプロパガンダをすると、欧米の先導に従うことに世界が慣れているので、必ず成功する。例えばロシア報道機関が、ロシア自身、仕掛けられたエセ報道で年中苦しめられているにもかかわらず、パリ攻撃の公式説明を広めるのを手伝っているのを見て驚いた。

ロシア・マスコミは、MH-17を忘れたのだろうか? マレーシア旅客機が、分離主義者の持つロシア・ミサイルで、東ウクライナ上空で撃墜されたと報道されるやいなや、罪はロシアのせいにされた。しかも、証拠も無いのに、非難はそのままになっている。

ロシア・マスコミは“ロシアによるウクライナ侵略”を忘れてしまったのだろうか? このばかげた話が、欧米至る所で、金科玉条のように受け入れられている。

ロシア・マスコミは、全ての著名なヨーロッパ人ジャーナリストは、CIAの手の者だと書いた、ドイツ新聞編集者の著書を忘れてしまったのだろうか?

経験から、ロシア・マスコミは、欧米発の説明について、注意するように学んだはずだろうにと思いたくもなる。

石に刻まれた、もう一つのエセ物語となる可能性があるものを、我々は見ているのだ。カッターナイフしかもたない少人数のサウジアラビア人が、アメリカ安全保障国家を丸ごと出し抜いたのと同様、ISILは、パリで一連の攻撃を組織する上で、入手し難い武器の入手に成功し、フランス諜報機関を出し抜くことができたのだ。

ISILは一体なぜこれを実行したのだろう? ワシントンの中東における暴力行為におけるフランスの些細な役割に対する報復だろうか?
一体なぜ、アメリカでなかったのだろう?

それとも、ISILの狙いは、国境閉鎖により、ヨーロッパへの難民流入を阻止することだったのだろうか? シリアやイラク内で自分たちに反対する人々全員ヨーロッパに追い出すことができるのに、そのまま止めておきたいと、ISILは本気で思っているのだろうか? 一体なぜ逃亡を阻止し、何百万人もの人々を殺害したり、支配したりしなければならないのだろう?

確定された物語に対して、マスコミにより、いかなる説明も疑問もされるなど期待してはならない。

ヨーロッパの政治支配層にとっての脅威は、ISILではない。脅威は、増大しつつある、反EU、反移民政党だ。ドイツのペギダ、イギリスの独立党、フランスの国民戦線。最近の世論調査では、国民戦線のマリーヌ・ルペンが、フランス大統領になる可能性で首位だ。

ワシントンによる戦争からの多数の難民と、ヨーロッパのワシントンへの従属にも冷たい政党のせいで敗北に直面している支配政党に対して、何かがなされなければならなかった。

EUの難民と移民に関する決定や、ドイツの難民100万人の受け入れや、難民を締め出すために塀を建設したがった東ヨーロッパ各国政府に対する厳しい批判のおかげで、国境閉鎖が不可能になっていた。

パリのテロ攻撃によって、不可能なことが可能となり、フランス大統領は、即座にフランス国境閉鎖を発表した。国境閉鎖は広がろう。勃興する反対政党の主要な主張は除去できる。EUは安泰で、ヨーロッパに対するワシントンの支配力も安泰だ。

パリ攻撃が、こうした結果を得る目的の偽旗作戦であろうとあるまいと、攻撃によって、こうした結果が生まれた。こうした結果は、ヨーロッパの既成政治勢力とワシントンの利益にかなうのだ。

ISILは、こんなことがわからないほど野暮なのだろうか? もしISILが、それほど野暮ならば、ISILは、一体どうして、これほど容易にフランス諜報機関を欺けたのだろう? 実際、フランス諜報機関は、本当に知的だったのだろうか?

欧米の人々は、いかなる証拠以前に、石に刻まれた物語にだまされる程度の賢明さなのだろうか? 欧米では、政府による虫のいい声明によって、事実が作り出される。調査は過程の一部ではない。90パーセントのアメリカ・マスコミが、巨大企業6社に所有されていては、他にどうにもなりようがないのだ。

『マトリックス』は、主張のばかばかしさを増すにつれ、それでもなお、益々無敵になりおおせている。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/11/14/the-matrix-extends-its-reach-paul-craig-roberts/

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「政府は必ずウソをつく」という言葉、下記の故ハワード・ジンの素晴らしい講演ではじめて目にした。政府が、自分の狙いを実現するため、エセ事件を自分で起こす例、満載の感動的講演。長文ではあるが、この機会にご一読願いたい。

全ての著名なヨーロッパ人ジャーナリストは、CIAの手の者だと書いた、ドイツ新聞編集者の著書」というのは、ウド・ウルフコッテ氏と、著書『買収されたジャーナリスト』のこと。例えば、下記の関連記事を翻訳してある。

「この国では、大手マスコミの主立った連中は皆CIAの手の者」と思っていたので、彼の暴露には全く驚かなかったが、素人の想像通りだったことがわかっても決して嬉しくはない。

Paul Craig Roberts氏、映画『マトリックス』を題材にした、アメリカ社会分析をいくつも書いておられる。

日本の人々は、いかなる証拠以前に、石に刻まれた物語にだまされる程度の賢明さなのだろうか?日本 では、政府による虫のいい声明によって、事実が作り出される。調査は過程の一部ではない。90パーセントの日本マスコミが、外資に所有されていては、他にどうにもなりようがないのだ。

植草一秀の『知られざる真実』下記の2015年11月15日記事でも、宗主国大本営広報部のTPP隠しの異常さを厳しく指摘しておられる。蛙の面に水。皆様それが仕事だ。

「いのちよりカネ条約」=TPPを止める裁判に集結

というわけで、昨日の苫米地氏の番組に関する記事部分を再度貼り付けておこう。

ヤラセ・テロも十分恐ろしいが、大本営広報紙媒体や電気洗脳箱が、全く報じないTPPの影響は、確実に全員を、未来永劫襲うことなるので、よほど恐ろしいと思う。個人的に、顔を剥がされる目に会う懸念は皆無だ。

苫米地氏が示しているパネルの数値で、電気洗脳箱、一体なぜ、宗主国大本営広報部として、しっかり機能しているのか納得。残念ながら、この番組そのものは見ていない。
たまたま、ネットにある画像を拝見したのみ。

今夜は寝れ9 LIVE画像をテキストにした。勝手ながら外資比率の順序に変えた。

日本のテレビメディアの外資比率

    • フジテレビ     29.8%(違法状態、外資が2、3位)
    • 日本テレビ    21.9%(違法状態)
    • 電通          19.6%(筆頭株主は外資)
    • TBS           13.5%(上位外資2社が外資)
    • テレビ朝日    12.5%
  • MXテレビ       0%

外資比率が恐らく皆無であろう組織の報道しか信じられない。

2015/11/12 【京都】『内田聖子TPPアトランタ閣僚会合緊急報告会』~TPPは「大筋合意」で終わりじゃない!(動画)

TPP関連記事を多数翻訳している。下記がリスト。

そもそも、宗主国の狙いは、米国議会図書館で、堂々公表されている。

(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある 米国議会図書館議会調査局文書

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