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2015年10月25日 (日)

協力すべき頃合い? バルダイ会議で欧米との間の懸橋を築こうとしているプーチン

公開日時: 2015年10月23日 17:31
編集日時: 2015年10月23日 17:38
Bryan MacDonald
Russia Today

2014年10月24日ソチのバルダイ・クラブ会合で演説するウラジーミル・プーチン大統領 ミハイル・クリメンチェフ / ロイタ

ウラジーミル・プーチンは、欧米と親しくしようとしている。NATO指導部は彼のオリーブの枝を受け入れることも、悲惨な政策を継続することもできる。選択するのは彼らだ。

モスクワ-ワシントン関係の行き詰まりは、スクリューボール・コメディと呼ばれる、おかしな男女の恋愛喜劇の筋に似て来た。片方は協力して塀を直そうと、心からキスをし、仲直りしたがっている。問題は、相手側が非常に頑固で、やり方を変えようとしないが、多分結局変えざるを得まいことは知っているのだ。どちらがどちらなのか当てても賞は出ない。

バラク・オバマには問題がある。7年前に政権を握った頃、アメリカは冷戦後作り出した一極世界に、なんとかしがみついていた。ところが中国の急速な成長と、ソ連の廃墟からのロシア復活と、イラクとアフガニスタンでの金のかかる戦争の予期しない影響の組み合わせがこの現実を変えた。ウラジーミル・プーチンはこれを知っている。オバマも知っている。後者はアメリカ覇権を“投げ捨てた”大統領として記憶されるのに到底耐えられないのだ。

もちろんこれは、オバマが一体なぜロシア幹部との接触を制限しているのかの説明になる。先週彼は、かつては親しかったドミトリー・メドベージェフが率いるモスクワ代表団との面会を拒否した。この頃、オバマがロシア政府幹部と会見すると必ず、アメリカ国内マスコミは弱さの印ととらえるのだ。

国家首長と政府の "ビッグ・エイト"サミット前に挨拶するロシアのドミトリー・メドベージェフ首相 (左) とアメリカのバラク・オバマ大統領。 ミハエル・クリメンチェフ / RIA Novosti

実際に交戦する代わりに、両国は情報戦争を開始した。過去二年半、ウクライナと中東の混乱時期に、一度だけ、短時間、深夜の二国間会談をしただけだ。その代わり、マスコミを通して話し合っている。オバマは、ロシアは弱体だと歪曲しがちだ。わずか二週間前に、CBS司会者スティーヴ・クロフトが、プーチンはオバマの指導力に挑戦していると主張した。オバマは答えた。“国家経済を駄目にしておきながら、唯一の同盟指導者にてこ入れするために(シリアに)派兵しなければならないのであれば、指導力の定義を変えねばならない。”

1月、アメリカ大統領は、ロシアは孤立しており、経済は"ぼろぼろだ”とのべた。昨年彼は、ロシアをエボラやISISと同一視した。オバマにとっての問題は、特にヨーロッパで、そしてアメリカ国内でも、彼の言い分を受け入れる人の数が益々へりつつあることだ。

心理戦

もちろん代替案はある。マスコミでぶつかるのではなく、プーチンとオバマは、テレビ討論することが可能だ。例えば、ノートやプロンプター無しで二時間。聴衆に判断させれば良いではないか? いや、酷評する審査員サイモン・コーウェルがいる。それよりも、オバマがプライドを捨て、プーチンに向き合い、二人の違いの解決策を練り上げた方が良いだろう。これをこそ、ロシア指導者は望んでいるように見える。

近頃、ウラジーミル プーチンが外国人聴衆に話す際、彼はアメリカのことを語る。間接的なことが多い。彼が特に懸念しているのは、単極世界とアメリカ覇権と見なされているものだ。彼は主権国家へのアメリカ介入についても怒っている。

木曜日、ソチ近郊のバルダイ・フォーラムで、プーチンは、先月の国連総会で主張したテーマを続けた。ニューヨークでは、彼の話は大まかだったが、今回はより直接的だった。大統領は、オバマに謙虚になるよう要求し、世界の安定性を回復すべく協力するよう提案した。

ロシアが、シリアで、シリア国を守り、テロと戦うという目的は明快だが、アメリカは、複数の相いれない狙いを持っている。アメリカの中東における主目的がISIS粉砕であるということにモスクワは納得していないとプーチンは主張した。ワシントンは二股をかけているとプーチンは考えている。アメリカ政策を非難するため、ズビグニュー・ブレジンスキーによる冷戦時代の戦略の幻影を、彼は呼び起こした。

“対テロリストの戦いを宣言しながら、同時に、中東のチェス盤上の情勢を自分に有利にするため、彼らの一部を利用しようとして、表裏ある手段をろうするのは、常に困難です。言葉遊びをして、テロリストを、穏健派と穏健派でないものに分ける必要はありません。その違いが一体何か知りたいものです”大統領は言った。"彼らはやさしく首を切るのでしょうか?”

中東の今後は

シリア(あるいはイラク)国が崩壊した場合に、アメリカに戦略が欠如していることも、プーチンを苛立たせている。“テロ組織、いわゆる「イスラム国」が、膨大な領土を支配しています。ご想像ください。もし彼らが、ダマスカスやバグダッドを占領すれば、テロリスト集団は、政治的に公式権力の立場を獲得してしまいます。これは世界的拡大の足場になるでしょう。皆様はこれについてお考えでしょうか?”ワシントンに、問題に今すぐ対処することを考えるよう促した。彼は更にのべた。“50年前、レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)の街路で、もしも喧嘩が不可避なら、先に殴らねばならないことを学びました。”

大統領は、ロシア、特に国の幹部を酷くいらだたせている問題についても触れた。つまりアメリカによるロシア内政への干渉だ。これは、2012年、アメリカ大使が任命からわずか数日後に、過激な反政府派連中と会見した際に頂点に達した。“アメリカには、ウクライナに関する法律がありますが、それは直接ロシアに触れており、その法律の目標は、ロシアの民主化だと述べています。ロシアの法律に、我々の狙いは、アメリカを民主化することだと書き込むことをご想像ください…”と、プーチンはのべた。

ロシアの国境地方におけるアメリカの干渉の話題では、大統領はこう述べた。“民主主義がわが国境に接近するのを心配しているわけではありません、我々が心配しているのは、軍事インフラ(NATO)が、わが国境に接近することです。” またしても、この話題に関して、プーチンは長いこと首尾一貫しているというのが公正だろう。

かつて2008年、NATOがジョージアとウクライナに言い寄るのを、彼は“直接の脅威”だと表現した。欧米で愛されたミハイル・ゴルバチョフのような他の主要ロシア人も、プーチンの立場を完全に支持している。実際、ゴルバチョフは、NATOが旧ワルシャワ条約諸国やバルト諸国に拡張して、1990年代に彼にした約束を破ったと主張した。

こうしたとけとげしさの中で、プーチンは、モスクワとワシントンは矛を収めようではないかと提案したのだ。“冷戦終結時、2000年代始めのテロ攻撃時(ジョージ・W・ブッシュ一期目)に、我々は協力する好機を見逃しました、二度と機会を見逃さないようにしましょう。”この言葉で、プーチンは、米露関係緊張緩和の道を開いたのだ。オバマには同意する勇気があるのだろうか?

ブライアン・マクドナルドは、ジャーナリスト。彼がジャーナリズムの仕事を始めたのは、15歳でまだ中学生の時、故郷アイルランドの町カーロウのナショナリスト & レニスター紙でだった。後に彼はダブリンでジャーナリズムを専攻し、ウイークエンダー・イン・ナヴァンで働き、アイリッシュ・インデぺンデントに移った。その後ロンドンで、彼は、後にアイリッシュ・メール・オン・サンデーと改名した、アイルランド・オン・サンデーで働いた。 デイリー・メイル紙で、しばらく演劇評論家をつとめ、ニュース、特集記事でもはたらき、常連の論説筆者だった。アイルランドで、アイルランド放送協会RTE、ニューズトークや、RTにも良く出演している。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/319514-putin-obama-valdai-syria/

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独自政策を推進している他国トップの話は、傾聴にあたいするとおもう。現れるなり電気洗脳箱の消音ボタンを押したくなるためリモコンを手放せない人物の演説とは違う。

肖像だらけの国を、うらやましいとおもっているに違いない。
11時過ぎの夜間外出も禁止。携帯電話も官邸持ち込み禁止。
2兆円商談をかちとったのは領袖様の成果だと、全くの北朝鮮状態。
勝手にライバルと思っているかもしれない主席の商談は7兆4,000億円相当。

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はじめまして。
埼玉在住のbfと申します。
毎日本サイトを読むことを楽しみにしております。
既にご存じかもしれませんが、スプートニクにもバルダイ会議に関する記事がありましたので、ご連絡致します。

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