プーチン、ワシントンを非難
Paul Craig ROBERTS
2015年10月2日
“世界の状況には、もはや我慢できません”。ウラジーミル・プーチン大統領
先の月曜日 (2015年9月28日)に、世界はロシアとワシントンの違いを目にした。プーチンのやり方は真実を基にしている。オバマのやり方はただの自慢とウソによるもので、しかもオバマはウソの種が尽きかけている。
欺瞞に満ちた時代に、真実を語ることで、プーチンは革命的行為をしたのだ。ワシントンが、中東、北アフリカと、ウクライナにもたらした虐殺、破壊と、混乱と、解き放たれた過激な聖戦戦士勢力に触れ、プーチンはワシントンに問うた。“自分がしでかしたことを理解していますか?”
プーチンの質問で、赤狩りの中心人物ジョセフ・マッカーシー上院議員に、喚問された弁護士ジョセフ・ウェルチがした質問を連想した。“あなたには品位はないのでしょうか?” ウェルチのこの問いは、マッカーシー没落のきっかけになったとされている。
おそらくプーチンの質問は同じ影響力を持っており、“アメリカ例外主義”支配を終わらせることになるだろう。
もしそうであれば、プーチンはワシントンへの世界の従属を覆す革命を開始したのだ。
プーチンは、シリア政府の要請によって行われる、シリアにおけるロシア介入の正当性を強調している。シリアへの介入で、ロシアは国際法を尊重していることと、ワシントンやフランスの政府が、要請されておらず、違法な軍事行動でシリアの主権を侵害していることを、彼は対比している。
世界は“国際基準に違反している”のは、ロシアではなく、ワシントンと、その属国諸国だということを目の当たりにしている。
自分勝手な一方的な行動を隠す聖人ぶったワシントンの独り善がりが、あらゆる人々の目にさらされている。
ワシントンは、ウソの武器庫に依存している。マスコミを駆使したワシントンの偽情報機関は実に見境がない。ちょうど、ビルがまだ明らかに背後に建っているのに、ワールド・トレード・センター第7ビル崩壊を、BBCのTVレポーターが、尚早に説明してしまったのと同様、ロシア空爆による最初の民間人死傷者に関する、ワシントンのウソ声明は“我が航空機が離陸する前だった”と、ワシントンの偽情報戦に触れて、プーチン大統領は述べた。
ワシントンに従属した結果、すっかり言うなりになって、可能にしてしまった、ワシントンの戦争からの難民で、ヨーロッパ傀儡諸国は溢れている。ワシントンの傀儡であることの代償が、しっぺ返しでヨーロッパに戻ってくれば、ヨーロッパ各政党の地位も影響を受けることになる。新たな政党や与党連合は、ワシントンの傲慢さと不遜から流れ出る途方もない過ちの代償から自らを守るため、より自立した道を進む可能性が高い。
帝国崩壊は間近だ。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/10/02/putin-calls-washington-paul-craig-roberts/
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大本営広報は、嬉しそうに、TPPの自動車妥結を報じている。マイナンバー通知も近い。シリア関連報道、読む気になれない。
属国崩壊の方が間近に思える。
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「マスコミに載らない海外記事」さんが、最新のポール・クレーグ・ロバーツの記事を訳してらしたのでリンクさせていただく。
プーチン、ワシントンを非難Paul Craig ROBERTS2015年10月2日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-af37.html
<略>
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欧州の国民も難民の発生で ワシントンがフセイン、カダフィ、アサド攻撃し、中東利権を奪う代償に難民を作り 更に難民発生をくいとめようとしているロシアを非難する 強欲、矛盾に気がつきはじめるでしょう。欧州の政権もワシントンの脅し(パリのテロ VW問題 )に屈することなく 国民の声を糧に対米従属から梶をきる絶好の機会です。 難民が来ない日本国民が気が付くのは、難しいか。
投稿: 赤胴鈴之助 | 2015年10月 4日 (日) 18時40分