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2015年10月30日 (金)

ジミー・カーターを呼び戻そう!

Paul Craig Roberts
2015年10月27日

シリアで不意打ちを食らって、アメリカ政府は恥をさらしている。シリア国内のISISに対するロシアの行動にウソの説明をしようとして、選挙で選ばれたシリア政権を打倒しようと取り組んで、シリア外から入ったテロリストは“うちの連中”だと、ワシントンは認めてしまった。

フォックス“ニューズ”のインタビューで、あるアメリカ政府幹部はこう述べた。“プーチンは、わが軍を意図的に標的にしている。うちの連中は命懸けで戦っている。”

“うちの連中”とは、欧米の軍事顧問、諜報機関工作員や、民間警備会社から採用された傭兵を含むのだとミシェル・チョスドフスキー教授は報じている。

国防省幹部はフォックス“ニューズ”に、ロシアは“ISIS”と戦う意欲について全く不誠実だと述べた。オバマ政権によれば、ISISに対する何百回ものロシア空爆とミサイル攻撃は、全てアメリカが訓練した穏健派テロリストに向けられており - 彼らのうち5人は - 連中の何百人もの欧米人顧問だ。

アメリカ中央軍トップのロイド・オースティン大将が゛最近上院軍事委員会で、わずか4人か5人のアメリカが訓練した“穏健派テロリスト”しか戦場に残っていないと述べたのを、この国防省幹部は、どうやら忘れているようだ。オバマは、シリア政府を打倒すべく“穏健派テロリスト”を訓練するため、アメリカ人納税者のお金を5億ドル無駄にする計画をキャンセルした。訓練兵は金をもらって、逃げたのだ。

フォックス“ニューズ”で働く無能連中ですら、4人か5人の穏健派テロリストと、連中の欧米顧問に対して、ロシアが数百回の空爆をし、巡航ミサイル攻撃で補完したなどと本当に思い込むと信じるのは困難だ。しかし、フォックス“ニューズ”の愚劣さと無知には限度というものがない。(何百万人もの愚かなアメリカ人が、フォックス“ニューズ”の前に座って、日々洗脳を受けていると思うのが、人生、何より切ない。)

ところが、それがアメリカ政府幹部が、だまされやすい、あるいは買収されたフォックス“ニューズ”に流しているお話なのだ。

ワシントンの傀儡となるのを甘受しようとしない、選挙で選ばれた政府を打倒しようとする違法な企みのため、ワシントンがISISを利用しているという、本当のことは、フォックス“ニューズ”は決して報じない。

はっきり言えば、完全に法律違反しているワシントンは、戦犯として振る舞い、選挙で選ばれた政府を、言うことを聞く傀儡で置き換えるべく、打倒しようとしているのだ。

ロシアの国益に影響する地域における、ワシントンによる戦争犯罪を、ロシアはこれ以上我慢するつもりはないとプーチン大統領は述べた。ロシアは正統なシリア政府から、対ISIS支援を要請されて、ロシア空爆がISISを壊滅しつつあるのだ。これでワシントン戦犯は腹を立てている。アメリカ国防幹部は、フォックス“ニューズ”で、シリアにおけるロシアの唯一の役割は、アサド打倒で、アメリカを支援することだ。ワシントンの幹部連中は、プーチンの言い分を聞いていないのだろうと私は思う。

是が非でも問われるべき疑問が、アメリカの紙媒体やTV、あるいは国営放送NPRでは、決して問われることはないのだ。その質問はこうだ。ロシアや、その行動、そしてその意図に関する、アメリカ政府の絶え間ないウソの真意は一体何なのだろう? ワシントンの主戦論者連中は第三次世界大戦を始めようとしているのだろうか?

ヒラリーも、全ての共和党の愚か者も、大統領候補連中は第三次世界大戦を断固始めようと決めているのは明白だ。アメリカ人が、次回選挙で第三次世界大戦賛成票を投じるのを御覧じろ。

アメリカ合州国政府は、国境外では、もはや全く信頼されておらず、国内でも、ごく僅かしか信頼されていない。共和党支配の最高裁判所のおかげで、アメリカ政府を丸ごと買収した半ダースの既得権益連中ではなく、国民を代表してくれるかもしれない第三の党をアメリカ有権者の62パーセントが望んでいることを示す最近の世論調査で明らかな通りだ。

両者とも一体何をする必要があるのか全く分かっていないとはいえ、バーニー・サンダースとドナルド・トランプを、これほど多くの有権者が称賛する理由は、この二人が、極少数のために仕える政治体制について騒ぎ立てている唯一の候補者だからなのだ。独裁者と権力剥奪ということで言えば、アメリカ人有権者は、人類史上で、権力を最も剥奪された国民だ。アメリカは民主主義だとされているが、政府の行動には民主主義の兆候など皆無だ。正当で入念な研究が、アメリカ政府の行動や決定に対し、アメリカ有権者は何の影響力もないことを示している。アメリカ政府は、他の独裁政治より以上ではないにせよ、国民からは全く隔たっている。心底、我々自身が解放される必要があるのだ!

ジミー・カーター元大統領が最近言った通り、アメリカはもはや民主主義ではない。アメリカは小数独裁政治だ。

カーターがこれまで正しいことを言ったのに、腐敗したアメリカ支配集団が決して評価しようとしなかった実に多くのこと同様、カーターはまたしても正しい。

ジミー・カーターを呼び戻そうと私は言いたい。彼は道徳的で知的だ。彼は、どの大統領候補出馬者より百万倍ましだ。90歳という年齢で、癌との戦いに破れつつあるとは言え、ジミー・カーターは我々にとって最善の策だ。

関連記事:

http://www.foxnews.com/politics/2015/10/14/official-russia-deliberately-targeting-us-backed-forces-in-syria/

http://www.cbsnews.com/news/us-program-isis-fighters-syria-general-lloyd-austin-congress/

http://www.globalresearch.ca/washington-accuses-putin-of-targeting-our-guys-including-cia-operatives-and-western-military-advisers-inside-syria-instead-of-isis-terrorists/5482475

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:
http://www.paulcraigroberts.org/2015/10/27/bring-back-jimmy-carter-paul-craig-roberts/
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マンションが傾くと大騒ぎ、そして宮崎軽自動車暴走。国が傾き、政権が暴走しても報じない。

マンション基礎のデータ改竄は、特定の個人によるものだということになっていたが、どうやら組織ぐるみ。

大本営広報部は、企業のデータ流用をしきりに非難している。しかし、属国支配層が、宗主国ジャパン・ハンドラー様のご命令である第三次ナイ・アーミテージ報告の内容を、そのまま流用し、国家政策にしていることは非難しない。山本太郎議員が指摘しただけ。不思議な話。

【安保法制国会ハイライト】山本太郎議員が日本政府の「属国タブー」を追及!原発再稼働、TPP、秘密保護法、集団的自衛権…安倍政権の政策は「第3次アーミテージレポート」の「完全コピーだ」

(再掲)2013/02/03 【IWJブログ】CSIS「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載

TPP不安払拭へ具体策を急ぐなどと屁理屈をいっても、国の全てを破壊することで儲ける政策から、どうやって不安を払拭できるだろう。大本営広報部があるので隠蔽はできるだろう。

TPP影響の改竄、特定権力者によるものでなく、国家ぐるみ。政界・財界・学界・労組・マスコミ。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

国立大学授業料を40万円値上げし、小中学校教師を削減するという。宗主国傀儡の権力者連中、国家破壊のため、ありとあらゆる策を推進している。

2011年4月10日に翻訳掲載した記事、国名と、国民名を変えればそのまま。
アメリカ合州国は、なぜ教育制度を破壊しているのか

Russia Today、辺野古問題を早速報じている。日本会議放送協会も見習って欲しいもの。

Japanese police drag away elderly protesters as work starts on controversial US airbase (VIDEO)

論争の的のアメリカ軍航空基地建設作業が始まる中、警察は高齢の抗議行動参加者を引きはがす(ビデオあり)

ところで、この文章の著者、Paul Craig Roberts氏、「売女マスコミ」を表現するもとの言葉、ジェラルド・セレンテの造語、pressとprostituteを合成した、presstituteと書いておられる。うまい訳語を思いつけないので、「売女マスコミ」と、やむなく置き換えている。これについて、下記ご提案を頂いたので、ご報告させていただく。ご本人、非公開をご希望されているが、むしろ、こういう要点、皆様にもお知らせすべきだろうと思う。

ご提案いただいている言葉、「マスコミ」では余り使われない単語のようだ。当面、申し訳ないが、このまま続けさせていただく。

Presstitutes という言葉が一言でマスコミの汚さ、ずるさ、いい加減さや社会に与える悪影響などまでを含めたイメージを表しているのに、日本語でそれを一言で表しつつ、原文のニュアンスを伝えるのに苦心されて「売女マスコミ」と訳していらっしゃることと思います。
ですが、「売女」という言葉は、身を持ち崩した女性(男をだます悪い女でもいいんですが)に男性から浴びせられる侮蔑の言葉という女性蔑視のイメージがあります。英語で言えばwhoreですか。一方、prostituteはprostitutionに従事する者で、性差なく悪いヤツを思い浮かべます。このイメージの差は読む者に誤解や違和感を与えると思うのです。
「女」という文字を使わずに、たとえば淫売マスコミとでもするとか、プレスティテュート(プロスティテュートはカタカナ語としては通じないかも知れませんが)のままで行くか、御再考いただく事を、読者の立場から提案させて頂きます。

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晩御飯を食べてお茶の用意をしつつ、がやがやとおしゃべりをしながらふと付いていたテレビを見たら、我が国大本営広報部(NHK)が、シリア問題でロシアやアメリカやらが集まって話をしているというニュースを報道したいた。 真剣には聞いていなかったのだが、ふと小耳に...... [続きを読む]

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