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2015年10月10日 (土)

世界で最も愚劣な帝国

Dmitry Orlov
2015年10月6日

過去数週間でこの帝国は極端に愚劣になったと認識せずにはいられない。余りに愚劣で、世界で最も愚劣な帝国の肩書きに相応しいと私は確信している。これまでも十分愚劣だったと思えるが、最近の進展は、愚劣さの水準の飛躍的進歩を示唆しているように見える。

上院委員会で、アメリカ合州国中央軍司令官、ロイド・J・オースティンIII陸軍大将が、アメリカ合州国が訓練した、実に少人数のシリア人戦士、おそらく5人程度が戦闘に残っていると語って、この極端な愚劣さの片鱗が最初に表面化した。彼らを訓練し、装備を与える経費は、5億ドルだった。戦士一人あたり1億ドルになるが、軍事契約企業が代金を貰える限り、かまわないのだ。後に、この僅かな戦士すら、シリアで、ISIS/アルカイダ(連中が自分のことを何と呼んでいようが)によってカージャックされ、車両と武器を奪われたことが後に判明し、一層事態の愚劣さは増した。

オースティン大将役を先に演じたのは、ティム・バートンの映画『マーズ・アタック!』のケイシー将軍だ。実に愚劣な役だったが、彼の今の役は、経歴の上でも、愚劣さの水準の上でも、決定的に役立つだろう。

次の愚劣な瞬間は、ニューヨークの国連総会で、オバマが、与えられた15分ではなく、30分も続けて(愚劣大統領は時計の見方を知っているのだろうか?)全ての時間を費やして、誰かにとって何か意味あることは絶対に何も語らなかったものだ。

しかし、下手な介入で中東を血まみれにしたアメリカを叱りつけ、帝国の愚劣さを、全員にわかるように説明したのはプーチンの演説だった。良く繰り返されている引用は“自分が何をしでかしたか、分かっていますか?”だが、これは決して正確ではない。ロシア語の“Вы хоть понимаете теперь、чего вы натворили?”というのは、より正確に翻訳すれば“どれほど面倒な事態なのか、一体どうしてまだ理解できないのだ?”言葉は重要だ。これは世界の指導者達の集会を前に、超大国に対して語るべき言葉ではない。これはバカで言うことを聞かない子供を叱りつける言い方だ。全世界から見て、この帝国が愚劣に見えてくる。

次に起きたのは、ロシアによる、シリア国内のあらゆるテロリストに対する爆撃作戦開始(そして、おそらくはイラクも。イラクの要求は、プーチンの未処理書類入れに入っている)開始発表だ。この爆撃作戦で注目すべきは、それが完全に合法であることだ。正当な、選挙で選ばれたシリア政府が、ロシアに支援を求めたのだ。作戦は、ロシア議会で承認された。一方、アメリカがシリアで行っている爆撃作戦は全く違法だ。他国の領土を合法的に爆撃するには、正確には二つのやり方がある。1. その国の政府から依頼されている、そして 2. 国連安全保障理事会の決議だ。アメリカはいずれも得ていない。

一体なぜこれが重要なのだろう? 安全保障理事会を備えた国連は、あらゆる類の国際的な経済的・政治的な悪影響なしに、各国がお互いに交戦するのを困難にし、戦争を防ぐ機関だからだ。第二次世界大戦後、戦争は、いやなものと見なされ、戦争を防ぐべく、何かしなければならない。しかし、アメリカは、こういうものは不要だと感じたのだ。ロシア人特派員(RTのガヤーネ・チチャキャン)が、ホワイト・ハウス報道官に、一体いかなる法的権限で、アメリカはシリアを爆撃するのか質問すると、彼は当初、質問の意味がわからないふりをし、それから支離滅裂なことをぶつぶつ述べて、愚劣に見えた。ごらんの通りだ。アメリカは戦争をしたがる(というよりは、それが連中の金儲けの方法で、しかも戦争が、アメリカ政府の中でも大きな部分になっているので、アメリカの軍事契約企業が戦争をしたがるためだ)。しかし、アメリカはいずれの戦争にも勝利できず、それゆえ戦争への取り組み全てが、むしろ愚劣なものになっている(残忍なやり方で)。

アメリカの反抗にもかかわらず、国連は実際、戦争を防いでいる。最近国連は、アメリカが“厚かましい化学兵器使用に対応して、アサド政権に対し限定的攻撃を行うのを防いだ”(オバマは国連での演説でそう述べた)。これは手際良いロシア外交に支援され、その過程で、シリアは自発的に化学兵器備蓄を放棄した。外交で阻止されることなく、アメリカはシリアの方向に数発の巡航ミサイルを発射したが、ロシアはすぐさま撃墜し、それがペンタゴンでの大幅見直しのきっかけとなり、もちろん、アメリカを更に愚劣に見せた。

だが一度物笑いのたねになってしまったら、止める理由があるだろうか? 実際、オバマは止めようとする意図を見せなかった。国連総会の聴衆全員が、シリア政府の自国民に対する化学兵器攻撃など決してなかったことを知っていたのだ。化学兵器は、サウジアラビアが供給したもので、シリア反政府派が、うっかり、自分たちに使用したのだ。全員が、あなたがウソをついているのを知っていて、自分自身、自分がウソをついているのを知っていて、ウソをつくこと、これ以上愚劣なことがあるだろうか?

そう愚かな介入によって、地域全体を混乱に陥れておいて、中東で“自由と民主主義”について延々しゃべり続けるのはどうだろう? アメリカにおける唯一の理性の声は、サダム・フセイン、ムアマル・カダフィや、バッシャール・アル・アサド支配下の方が、中東はより安定していたと最近述べたドナルド・トランプのものだけのようだ。実際そうだったのだ。アメリカに残された唯一愚劣でない政治家が、あの長々とおおげさに語る金持ちのトランプだという事実が、国全体の愚劣さのハードルを高く設定してしまった。

地域全体が数千年にわたり部族社会で、更に数千年間は部族社会でありつづけるのだから、中東で“自由と民主主義”についてまくしたてるのも愚劣だ。それぞれの地域で、どれかの部族が頂点にいる。もし、そうした地域を、主権のある領土単位に切り分けようと考えれば(そのいずれも多様な国民がいるので、どれも国家とは見なせない)ので、それぞれの領土単位は、いずれかの部族によって支配されることになり、他部族は不平を言う。連中の不平につけこみ、“政権転覆”を引き起こし、その場全体が必ず燃え落ちる。

ここでの話題はイスラエルだ。イスラエルには最高の地位にある部族、ユダヤ人がおり、彼らは誰であれ、何のおとがめもなく、銃撃なり爆撃なりすることが可能なのだ。イスラエルは、 ユダヤ人は投票をするので“民主的”と見なされており、それはユダヤ人にとっては結構なことだ。シリアのアラウィ派も投票をする。そしてバッシャール・アル・アサドに投票する。もうこれで十分ではないか? アメリカの偽善と二重基準のおかげだ。

徹頭徹尾そういうことのようだ。サウジアラビアは、たった一つの部族、サウド王室によって所有されており、それ以外の全員が権利を剥奪されている。イラクはかつて、サダム・フセインの部族のスンナ派によって支配されていたが、アメリカが連中を追い出したので、今や残されたイラクの部分は、南部からきたシーア派に支配されており、スンナ派は逃亡し、ISISに加わった。これは全て、実に単純なことに思えるのだが、世界は、アメリカのイメージにあわせて、作りなおさなければならないと命じる連中のイデオロギーに反することになるので、アメリカにとってはそうではないのだ。そこで連中は、これをしようとし続け、(あるいは、連中の軍事契約企業が代金を貰っている限り、結果などどうでも良いのだから、し続けるふりをしているのだ) 、それで、自分たちが大いに愚劣に見えることを全く気にしていないようだ。

だから、典型的なパターンはこうだ。アメリカは、ある国を爆撃して、粉々にし、地上軍で侵略し、傀儡政権を樹立し、すぐさま、あるいは、そうすぐにではなく撤退する。傀儡政権が崩壊すると、統治しようのない混乱になるか、なんらかの新たな、とりわけひどい形の独裁制、あるいは、リビアやイエメンや、アフガニスタン、イラクやシリアなどの国のような破綻国家になる。こういう結果になっても、大して問題ではなく(軍事契約企業が代金を貰っている限りは)アメリカのモットーは、"愚劣になって、先に進もう"というもののようで、国を破壊し、次の爆撃作戦に向かうのだ。

しかし、ここで連中は完全に愚劣になる。シリアでは、連中は、それすら達成できていない。アメリカはISISを一年間爆撃してきた。一方、ISISは更に強大化し、更なる領土を占領した。だが連中も、アサド打倒に動き回ってはいない。そうではなく、ISISの連中は、黒い頭巾を被り、白いバスケットボール靴を履いて砂漠中を飛び回り、自撮りをし、考古学遺跡を爆破し、女性を奴隷にし、気に入らない連中の首をはねるのに忙しいのだ。

だが今や、アメリカが一年かけてできなかったことを、ロシアは五日間の爆撃で実現し、ISISの連中はヨルダンに逃亡したように見える。他の連中は、ドイツにいって、亡命を求めようとしている。これでアメリカは激怒した。アメリカが採用し、武器を与え、訓練した“自分の”テロリストをロシアが爆撃したからだ。愚劣だが、事実だ。ロシアはそうではない。ロシアのやり方は、もしテロリストのように見えて、テロリストのような動きをすれば、それはテロリストだから爆撃するというものなのだ。

だが、このやり方が、アメリカに不人気なのは理解できる。彼らは、ここで入念に兵器や機器をたっぷり注ぎ込み、そうしたもののどれも決して吹き飛ばさないよう、周辺を注意深く爆撃していたのに、ロシアが入り込み全てを吹き飛ばしているのだ! サウジアラビアは、その大半に資金提供したのだから、もう徹底的に激怒している。更に、テロリスト連中は、彼ら自身のワッハブ派-タクフィール主義の同胞で、自分たちの気にくわない様々な他のイスラム教徒のことを、自分たちのシャリア法に直接違反する不信心者と呼びたがる連中なのだ。読者はこれで誰かを思い起こされるだろうか? 誰か愚劣な人物を?

だが、ISISを捕まえ、詰め物をし剥製にしようとしているロシアや中国や、ロシアが爆撃任務で、ISISが集積したあらゆる軍需物資を破壊した後に行進して、ISIS残滓を掃討する用意ができているイランやヒズボラ戦士を止めるために、アメリカが何かができるようには見えない。だから今や、アメリカにとって、民間人死傷者を生み出したと言ってロシアを非難する情報戦を始める頃合いというわけだ。

もちろん、アメリカ人なので、連中は、この情報戦を、できる限り最も愚劣な方法で遂行する必要がある。まずロシアが全く作戦出撃もしないうちに、民間人死傷者がでた、という主張を持ち出すのだ。ウワー! それから、ジョージ・ソロスの負担で、事前に制作された、ホワイトヘルメッツの俳優連中と負傷した子供たちのエセ画像をソーシャル・メディアに公開する。そして、証拠を要求されると、いかなるものの提出も拒否する。

今のところ順調だが、もっと愚劣になるだろう。ロシアが民間人死傷者をもたらしていると大声で叫んですぐ、アメリカは、爆撃前にも、その最中にも、位置を知らされていたにもかかわらず、国境なき医師団が運営しているアフガニスタンの病院を爆撃した。“こんな形で民間人を殺害するな!” これ以上愚劣になれようか? もちろん、なれない。アメリカは、出来事について、厚顔にも、あからさまなウソを言いだすことができるのだ。“病院にはタリバン戦士が隠れていた!”いや、いなかった。“アフガニスタン人があの病院を爆撃してくれと我々に言った!”いや連中は要求していない。あの病院の爆撃は、実際、戦争犯罪だと国連は言っている。ロシアが戦犯からの批判に耳を傾けようとするだろうか? バカを言うな!

良くはわからないが、今や何でもありうるように思える。例えば、アメリカには、もはや外交政策は無いように見える。ホワイト・ハウスがあることを言うと、国務省は違うことを言い、ペンタゴンは更に違うことを言、サマンサ・パワーは、国連で、ツイッターを使って、彼女の外交政策を推進し、ジョン・マケイン上院議員は、シリア反政府派に武器を与えて、ロシア戦闘機を撃墜させたがっている。(五つ全てを? ジョン、馬鹿をいってはいけない!) もはや、ワシントンの神経中枢が明瞭な信号を送っていないため、この全ての混乱に対応して、欧州連合のアメリカ政治傀儡は、抑えきれずに痙攣し始め、台本にないことを言いだしている。

これは一体どのような結末になるのだろう? そう、どうせ我々は皆愚劣なのだから、私は控えめな提案をさせて頂きたいと思う。アメリカは、ワシントン政府中心部のあらゆるものと、バージニア州のいくつかの郡を爆撃すべきだ。これは極端に愚劣でありつづけるアメリカの能力を大きく弱めるに違いない。そして、もしそれでも効果がなかったら、だからどうだというのだろう? 結局、結果などどうでも良いのは明らかだ。軍事契約企業が代金を支払われている限りは、実に結構なのだ。

ドミトリー・オルロフは、ロシア系アメリカ人のエンジニアで、彼が“永遠の危機”と呼ぶ"アメリカ合州国の経済的、生態学的、政治的衰退と崩壊の可能性"について書いている。http://cluborlov.blogspot.com

記事原文のurl:http://cluborlov.blogspot.jp/2015/10/the-worlds-silliest-empire.html

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「世界で最も愚劣な属国」の民としては、ひとごとでない記事。連日のTPP洗脳報道を見るたびに悲しくなる。

民放も、あの元外交官氏を呼んで、TPPの虚報・洗脳宣伝。音声を消しているので何をいっているのかわからないが、「関税の話」だけに見える。もう一つの民放も同じ。そしてロシアのシリア作戦の悪魔化。全てが、本当に電気洗脳箱。TPPの狙いは関税ではない。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ、文学賞受賞
日本では講談にもなっている『チェルノブイリの祈り』随分前に購入したまま未読だが、読む気力を失った。

彼女についてのWikiPedia記事冒頭はこうだ。

ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつ。父親が第二次世界大戦後に軍隊を除隊すると、ベラルーシ・ソビエト社会主義共和国に移住し、両親は教師となった。
ベラルーシ大学でジャーナリズムを専攻

ネットで彼女の記事をいくつか読むと、かなり反ロシア的な人のよう。ベラルーシは、ウクライナとは違い、さほど反ロシア的雰囲気はないように思うが、母親がウクライナ人であるためだろうか。

『不思議の国ベラルーシ―ナショナリズムから遠く離れて』 服部倫卓著しか読んだことがない素人には、断定不可能。

『死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録』という著書も彼女にはある。
これも読んだことはないが、
『死に魅入られた人びと―日本崩壊と自殺者の記録』と読み替えたくなった。

TPP祝賀、強制収容所に向かうのが分かっている列車中で、酒盛りを強いられている気分。

「チュジニアの人権運動」ノーベル平和賞で、オバマ受賞を思い出した。そして下記記事を。

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部

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コメント

日本のマスゴミはあたかもTPPが大筋合意したと発表しているが海外の報道は全く違うけどね。TPP参加国のマスコミは大抵が○○に反対しているとか何%の人が反対しているとかいろいろと報道しているけどね。
この様子から見るに日本市民に対して事実誤認のTPP締結とマスゴミが洗脳しているようにしか見えない。
気になるのは日本のマスゴミは何を誤魔化したいのか気になる。マスゴミは大抵ワンパターン、こういう時は国会で日本市民が大反対する物を強行させているのがいつものパターンだ。

昨晩のロシアのテレビ番組、今日の記事の内容にも関係するので少し。
http://www.tvc.ru/channel/brand/id/36/show/episodes/episode_id/41510/

討論のテーマは「輸出型民主主義」で、米国の中東民主化は何故失敗続きかについて、いつものように、反米親プーチン派と親米反プーチン派が議論を戦わすという内容です。議論の中心は「民主主義とは何か」というとで、ある米国人の参加者は、ロシア人達に向かって「あんた方は、民主主義について何も分かっていない」と説教を垂れだし失笑を買う場面もありました。最後の方で、オブザーバー参加の学者の言葉が皆の注意を引いていました。彼は、90年代のジノビエフの言葉を引用し、「西側では現在「全体主義的民主主義」なるものが蔓延っている。それは、無競争、オルタナティブの不在の状態であり、価値観、ライフスタイルを含む社会全般の、唯一無二のスタンダードの強制だ。ロシアの役割は、この世界統合のような動きを制御することにあるのではないか。」と語り、参加者の同調を集めていました。最後に司会者の締め括りは、「フランスのサルコジの選挙スローガン、フランスの価値を取り戻す、というのは単により良い生活の為か。そうではないでしょう。彼らは米国に押し付けられるのに嫌気がさしているのです。自分のことは自分で決める、そういう意味でしょう。徐々にですがあるべき方向に変化するのではないでしょうか。今はその過程でしょう。」

これが現在ロシアで、夕食時、全国放送されているメインストリームのテレビ番組です。ウクライナ危機以降この種の番組がかなり増え、ほぼ毎日、あらゆるテーマで討論されています。議論の内容は深く本質的で自由闊達に見え、毎日見ていても全く飽きません。

※ジノビエフ(アレクサンドル)は、10年ほど前に他界したソ連の論理学者ですが、ソ連社会の本質について常に考えていた人で、70年代反体制派として追放後、ミュンヘンに住み、西側生活に疑問を持ち、ロシアを通した現代社会の根本問題についての著作が多数あります。プーチンの演説を聴いているとジノビエフの哲学がかなり投影されていると感じます。

『フェア・ゲーム』: ハリウッド・リベラル派、イラク戦争への衝動を扱う
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-00bc.html
という映画批評記事を翻訳しております。

愚劣なアメリカと言えばこちらのブログでも取り上げられたかも知れませんがプレイム事件は外せないでしょう。「イラクが核開発のためにニジェールからウランを購入した」という情報提供者が金目当てで適当に捏造した文書を元にイラクに大量破壊兵器があると断じ、イラク戦争に踏み切ったアメリカ政府を批判した外交官に対し、報復としてその妻がCIA工作員であることを政府が暴露した事件です。この事件でアメリカ政府のバカげたところはもちろん第一に根拠の貧弱さやあらゆる専門機関の調査によって情報が虚偽であることを知らされていながらイラク戦争に踏み切ったことにありますが、その過ちを取り繕うために絶対秘密のはずの自国の工作員の正体をバラすことにもあります。その大人気ない行為、そして自国の工作員の正体は必死に隠し相手の工作員の正体を暴くことに血道を上げるスパイの世界において、くだらない自己保身のためにわざわざ訓練を積んだ自国の工作員の正体を自分から明かすという大変理解に苦しむ行為をアメリカ政府は取ったのです。全く正気の沙汰とは思えません。まあこの大スキャンダルが今となっては風化しつつあることが最も正気の沙汰とは思えませんが。

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