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2015年10月18日 (日)

アメリカの壊滅的代理戦争: シリアはその最新のもの

Wayne MADSEN
2015年10月17日 | 00:00

第二次世界大戦における、枢軸国に対する連合国の決定的な軍事的勝利以来、アメリカ合州国は、交互に行う全面的軍事作戦や代理戦争を戦ってきた。朝鮮戦争は、北朝鮮と、こう着状態で終わり、そこでアメリカ合州国は、キューバ、旧ベルギー領コンゴ、チベット、ラオスやインドネシアで、傀儡国家と傭兵部隊を利用した、一連の低レベル代理戦争を行うことを決定した。

1960年代中期、アメリカ軍“顧問”と現地軍に頼って、南ベトナムで戦っている低レベル代理戦争に満足せず、東南アジアで“共産主義と戦う”ため、アメリカ合州国は、50万人以上の軍隊を投入した。決定は、アメリカのほとんど忘れ去られた軍事侵略行為の一つ、1965年のアメリカの全面的なドミニカ共和国侵略の直後に行われた。インドシナ戦争は、アメリカ合州国にとって、1975年、サイゴンのアメリカ大使館屋上から大慌てで、アメリカ軍ヘリコプターで外交・軍事要員を撤退させた光景で記憶されている大失敗だった。

ベトナムでの大失敗後、アメリカは、ソ連の拡張主義と見なすものに対し、代理戦争を戦うという構想に立ち返った。アメリカは、アフガニスタン、アンゴラとニカラグアで、ゲリラ勢力にてこ入れした。ありもしない脅威まで発明するアメリカの強迫観念の結果、アメリカ合州国は、対ベトナム代理戦争の間、共産主義者で、親中国派だったが、ハノイの不倶戴天の敵であるカンボジアの冷酷なポルポト独裁体制を支持した。アメリカによるポルポト支援は、最少150万人のカンボジア人虐殺という結果を招いた。サンディニスタが支配するニカラグアに対する、コントラ傭兵を利用したアメリカの代理戦争には、ニカラグアの港への違法な機雷敷設や、ニカラグア高官の標的暗殺が含まれていた。

CIAの様々な代理傭兵軍は、アメリカ合州国にとって、諜報の世界で“ブローバック”として知られる過程という、別の結果をもたらすこととなった。キューバ人傭兵は、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺やウォーターゲート・スキャンダルと直接つながっている。ニカラグア・コントラ傭兵は、ロナルド・レーガンが大統領の座からすんでのところで追い落とされるところだったイラン-コントラ・スキャンダルでの主な要素だった。

CIAが、アフガニスタンのイスラム主義ムジャヒディンに武器を与え、採用したことが、タリバンとアルカイダを生み出すのを促進し、裕福なサウジアラビア-イエメン建設業の大立者の、ほとんど無名の息子オサマ・ビン・ラディンを、カルロス・ザ・ジャッカル以来、世界でも偉大なテロリストに変えた。イギリスのMI-6秘密情報局の極秘ファイルに対する全責任を負い、自由に利用することができた元イギリス外務大臣ロビン・クックは、2005年に早世する前に、“アルカイダ”とは、アフガニスタンのムジャヒディン兵卒への補給を維持するために設計された、アラブ聖戦士新兵、訓練生、傭兵、財政援助者や兵器供給業者に関するCIAのコンピューター・データーベースにすぎないと書いていた。

アフガニスタンと中米での代理戦争の後、アメリカ合州国は、全面的軍事侵略の構想に回帰した。1983年、カリブ海の小国グレナダへのアメリカ侵略成功が、迅速な軍事行動を唱導したペンタゴンの計画立案者に大きな弾みをつけた。この新たな政策は、1989年のパナマ侵略と、1991年のイラク侵略に終わったが、後者はイラク指導者サダム・フセインのクウェート侵略に由来している。パナマ侵略は、パナマの絶対的指導者マヌエル・ノリエガ打倒という結果になったが、CIAとつながる麻薬密輸のかどで、彼をアメリカ刑務所幽閉にしたことが、中南米全体で反米感情を強める結果となった。アメリカ合州国は、サダム・フセインがバグダッドで権力の座に残ることを許し、2001年の9/11攻撃では、アメリカがかつてのアフガニスタンで、支援したビン・ラディンに罪をなすりつけ、イラクの“衝撃と畏怖”侵略と占領を正当化するのに利用した。

アメリカが、アフガニスタンで、タリバンとその同盟者の聖戦士を打ち破るのに失敗し、イラクが、イランとつながるシーア派が率いるバグダッド政権の支配下に落ちた後、アメリカ合州国は、またしても代理戦争という構想に立ち戻ることに決定した。リビア指導者のムアマル・カダフィや、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領に対する“アラブの春”反乱の場合、この再復活した代理戦争政策で、アメリカ合州国は、1980年代以来の、アフガニスタンでの旧友、アルカイダや、傭兵の一部がシリアとイラクで、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)を名乗り、連中の自称カリフ領を、インドネシアから、中東、中央アジアや、アフリカから、スペインやバルカン半島にまで拡張するという連中の意図を隠そうとしていないアルカイダ分派と同盟している。

ISILは、実は、2006年、バグダッドのシーア派主導のアメリカ傀儡政権に反対している、西イラクのスンナ派部族に武器と資金を与えるために作られたネオコンの計略、アメリカが率いる“スンナ派覚醒評議会”に根源を持っている。ところが、単にこれら部族がシーア派とイランに反対しているからといって、必ずしも彼らが連中の内部にいる、サウジアラビアが資金提供しているサラフィー主義者/ワッハーブ派工作員に反対であることを意味するわけではない。スンナ派覚醒評議会の唯一の成功は、イラクで聖戦運動の覚醒で、これがISILの営巣地を生み出した。イラクのスンナ派覚醒評議会とアルカイダは、唯一ネオコンのお気に入りで、セックス・スキャンダル不祥事を起こしたデービッド・ペトレイアス元陸軍大将に、スンナ派覚醒評議会の育ての親として、ISIL立ち上げ支援に感謝すべきだろう。

“穏健”シリア反政府派軍に訓練、機器、兵器を与えていると主張しながら、アメリカ合州国は、実際は中核の大半が、チェチェン、アフガニスタン、ウイグル人、イラク人、リビア人、イエメン人や、アルジェリア人から徴募された外国人と、アフガニスタン、イラク、イエメンや、リビアの戦争で歴戦のつわもので構成されている最も過激なイスラム主義ゲリラ、ISILに軍事援助を注ぎ込んでいる。シリアの“穏健”反政府派向けCIA兵器の80パーセントがISILやその系列の手中に落ちているという、情報に基づいた推定がある。

ソ連・アフガニスタン戦争中の、アフガニスタンや“アラブのアフガニスタン”ムジャヒディン兵士へのアメリカ支援と同様、シリアのアメリカ聖戦士軍への財政支援は、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーンとクウェートといった石油豊富なワッハーブ派支配者によるものだ。まさにこの同じ石油豊富なワッハブ派国家が、イエメンの残虐な内戦で、シーア派のフーシ反政府派と戦うための軍隊や兵器や傭兵も提供している。アメリカ合州国は、いずれもイランに支援されている、シリアとイエメンで、最も過激な聖戦士軍団が、アサドとフーシ派に対して戦うのに満足していた。基本的に、中東全体で、アメリカ合州国は、イランや、その代理人と戦う代理戦争で、サラフィー主義者や、ワッハーブ派や、聖戦スンナ派を利用している。

アメリカ合州国をアフガニスタンとイラクへの悲惨な直接軍事介入に追い込むのを促進した正に同じ連中であるアメリカ・ネオコン幹部は、アメリカが、アルカイダを含む聖戦士を代理として、組むよう主張した。元CIA長官のペトレイアスがアメリカ-アルカイダ同盟を推進したのだ。元NATO司令官のウェスリー・クラーク元陸軍大将は、アメリカ合州国に、地域におけるロシア軍用機を標的にした“飛行禁止空域”を設定し、北シリアの聖戦士集団を支援するよう強く促した。アメリカのアシュトン・カーター国防長官は、新たなシリア反政府派新兵“訓練し、武器を与える”というアメリカの計画を廃止し、代わりに、彼らの多くが本質的に聖戦士である、既存のシリア人反政府戦線へのアメリカ軍による支援に集中すると発表した際、クラークの助言を取り入れたもののようだ。

聖戦士分子とつながるシリア反政府集団は、しっかり根付いており、既にアメリカ合州国から、TOW対戦車ミサイルや、飛行機から投下される何トンもの兵器を受け取っている。アメリカ・ネオコンは、肩に担いで発射できる対空ミサイルを、反政府派に供給するようにとまで主張している。

シリアでの無意味な代理戦争で、途方もない代償を強いられる可能性があることに、アメリカ合州国はまだ気づかないのかも知れない。シリア国民は、アメリカが支援する、ISIL、アルカイダ、アル・ヌスラ戦線、ムハジリン・ワ・アンサール同盟、アハラール・アル・シャーム、アンサール・アッ・ディーン、ヤルムーク殉教者旅団、ジェイシ・アル・ジハドやホラサン集団の白黒聖戦士旗の下で戦っている暴力的イスラム教過激派によって、自宅から追い出されているのだ。

この最新のアメリカ代理戦争に対して、アメリカが支援する聖戦士反政府派のために、家族の一員や住宅を失ったシリア国民に補償するため、恐らく一つの解決策がある。1986年、ハーグ国際司法裁判所が、ニカラグアの港湾への違法な機雷敷設や、ニカラグア反政府派コントラへの兵器提供を含むアメリカの対ニカラグア代理戦争に対処した。裁判所は、アメリカ合州国が、主権国家ニカラグア共和国に対する代理戦争で、国際法に違反したことを認めた。アメリカ合州国は、アメリカに対する、裁判所の裁判権と裁定を敵対的に拒否し、ワシントンに、裁判所の裁定に従うよう要求する国連安全保障理事会決議に拒否権まで行使したが、裁判所の裁定は、代理戦争に関わった国々に対する画期的な裁判となった。シリア・アラブ共和国政府も、アメリカ合州国に対して、1986年に、ニカラグアが行ったと同様な訴訟を起こすことが可能だ。

もしアメリカ合州国が、国際法の軽視と、国際司法裁判所による再三の裁定の無視を続けるのであれば、他の対策がある。アメリカ合州国が、シリア国民に対する自らの罪を、そして、その延長として、アメリカ代理戦争で被害を受けた人々への認めるまで、対アメリカ合州国経済制裁、アメリカ高官用のビザ発給禁止、アメリカ人幹部が保有する在外資産の凍結や、在外のアメリカ航空機、船舶や、他の資産の差し押さえだ。虐げられた他の人々には、イラク、リビア、イエメン、東ウクライナや、アメリカ代理戦争の権力者連中によって標的にされた他の国々や地域の人々が含まれる。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/10/17/america-disastrous-proxy-wars-syria-latest.html

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「朝からTPP洗脳番組」という悪夢。

黒岩比佐子『日露戦争 勝利のあとの誤算』を読むと、焼き討ち暴動は、大本営広報部の不正確な報道やら、あおりが原因の一部に思えてくる。

現代では、反政府感情をあおるのとは逆に、売国政策翼賛。民衆をあおるかわりに、催眠術をかけているように思える。あおるか、催眠術か、その中間の、真実の報道というものは、大本営広報部にはありえないのだろう。

そこで重要なのは、前の記事に、海坊主様からいただいたコメントの通り。国民の記憶力の確かさだろう。

残念ながら、大本営広報部の強烈な洗脳の中、まっとうな記憶が残るとはどうしても思えない。なにしろ、国会が率先して、記録を書き換え、それを「マスコミ」つまり大本営広報部は批判するどころか、マンション土台問題に話をそらしてごまかすばかり。

マンション四棟の住民の方々は大変だろう。しかし建て直しで、ある程度根本的対策がとれる。

戦争法案、TPP、壊滅的代理戦争をおこなう宗主国に、いいように利用され、むさぼりつくされるだけ。救済策皆無。地獄につきおとされるだけ。

個人的に、日頃、沖縄の辺野古問題の話題を気にして関係書籍を読んだり、講演を聞いたりするが、TBSの佐世保情況報道には驚いた。住民の皆様、米国海軍が占拠している情況を至極当然と感じておられるというものだった。

日本人の多数は、戦争被害を直接受けた沖縄の方々の感覚ではなく、基地でお金が落ちるという、第二次世界大戦前からの経済優先思考の中にいるのだろうとわかる目からうろこ番組だった。

長崎には数日滞在したことはあるが、あの時、佐世保に行かなかったことを残念に思っている。

佐世保、横須賀と雰囲気が似ているように思う。小学校の旅行で三笠を見学したことがあったが、その当時はもちろん、何もわからず、記憶もない。

数年前にも所要ででかけ、海軍カレーを食べたが、再訪予定は皆無。行きたいと思わない。

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コメント

アメリカ合衆国!の悪行を、これほどすべて暴いている記事はいままで見たことがありませんでした。
断片的に聞きかじりしていた事柄が、ジグゾウパズルのようにつながり、想像を超えた悪行をしていたことがみえてきました。対抗策も現在アメリカのしていることを皮肉り、痛快です。
原文筆者のWayne MADSENさん 海外記事翻訳 ありがとうございます。
以前韓国の朴元大統領が部下により銃で殺されましたが、実はこれも大統領が核武装をとなえた為CIAの指示によるものだということを、当時の日本の公安委員長の方が、最近暴露されていました。信じ難かったですが、ジグゾウパズルにはきっちり入り込みます。

「アメリカ合州国」と訳されているのは意図的でしょうか。
「アメリカ合衆国」が見慣れているので、多数出てくると読みにくいです。

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