トルコでとうとう裏付けられた、アメリカでは禁じられたシーモア・ハーシュ報道
Eric ZUESSE | 30.10.2015 | 00:00
著名調査ジャーナリスト シーモア・ハーシュが、アメリカ出版社を見つけられず、結果的にイギリスでのみ刊行されたニュース記事が、この問題の調査研究の所見が10月21日、トルコ議会の委員会によって公表され、当日トルコの主要新聞“ザマン”に掲載されて、今や公的に確認された。
ここで調査されている疑問は、一体誰が、2013年8月21日、シリア、グータで1000人以上の犠牲者を殺害したサリン・ガス攻撃、アメリカのバラク・オバマ大統領は、これをシリアのバッシャール・アル・アサド大統領を打倒するために戦争をする根拠としてあげていたもの、を引き起こしたかだ。
2014年4月17日、ロンドン レビュー・オブ・ブックス掲載のハーシュ記事題名は“越えてはならない一線と、縄ばしごの段索。オバマ、エルドアンとシリア反政府勢力に関するシーモア・M・ハーシュの視点”だ。ハーシュ所見は下記の通り(主要部分を引用するが、[カッコ内]は、 ハーシュが言っていることを、読者がより容易にご理解いただくのに必要な筆者の解説である)。
あるアメリカの諜報コンサルタントが私に、8月21日の数週前、[アメリカ統合参謀本部議長マーティン]デンプシーと、国防長官チャック・ヘーゲル用に作成された極秘の説明資料を見たが、そこには[アメリカ-トルコ-サウジアラビア-カタールが支援する]反政府派の先細りの見通しに関する[トルコ大統領レジェップ・タイップ]エルドアン政権の‘強い懸念’が書かれていた。‘アメリカ軍の反撃’を促進するような何かをする必要性をトルコ指導部が表明したと分析は警告していた。[言い換えれば、トルコ指導者エルドアンが、アメリカ統合参謀本部に、エルドアンが引きずりおろしたがっている人物に対して、アメリカ軍の反撃を促進するような何かを彼らがする必要があると‘表明したのだ’。彼は、諜報機関によって‘偽旗攻撃’と呼ばれているものを奨めた。アメリカのバラク・オバマ大統領がtoシリア侵略のための公的にもっともらしい口実を得て、エルドアンが実現して欲しいと願っていたものを実施できるよう、偽旗攻撃を、エルドアンは欲しがっていた。]… 8月21日攻撃の後、オバマはペンタゴンに、爆撃の標的を書き出すよう命じた。その過程の早い段階で、‘統合参謀本部が提出した35の標的を、アサド政権に“痛みを加えるには不十分だとして、ホワイト・ハウスは却下した”。’と元諜報機関当局者は述べた。 [つまり、アサドを打倒するという大統領の決意を統合参謀本部は過小評価していたのだ… オバマの心変わり[反アサドの熱情を冷めさせた]原因は、ウィルトシャー、ポートン・タウンの国防省研究所だ。イギリス諜報機関が、8月21日の攻撃に用いられたサリンのサンプルを入手し、分析で、使用されたガスが、シリア軍の化学兵器庫に存在することが分かっているものとは一致しないことが明らかになった。シリアに対する主張は持ちこたえられないだろうというメッセージはアメリカ統合参謀本部に素早く伝えられた。
イギリスの報告は、ペンタゴン内部での疑念を高めた。統合参謀本部は既に、シリアのインフラに対する大規模爆撃とミサイル攻撃計画は、中東におけるより広範な戦争になりかねないというオバマへの警告を準備していた。その結果、アメリカ当局者が大統領に土壇場での警告を送り、それが、彼らの見解では、最終的に彼が攻撃を中止することになった… オバマの前提[ここで言う‘前提’は実は、ハーシュが 、大統領が、‘口実’をアメリカ国内で適用するのをより困難にするそつのない方法かもしれない。ハーシュは、ここでは、大統領がウソをついていたとはっきり言うのを避けているが] - サリンを使用できるのはシリア軍だけだという説はほころびつつあった。8月21日攻撃から数日のうちに、私に元諜報機関当局者が、ロシア軍の諜報工作員たちが、グータから化学物質の標本を回収した。彼らはそれを分析し、それをイギリス軍諜報機関に渡したと語った。これがポートン・ダウン[イギリスのCIAにあたるMI6の研究所]に送られた物質だった。
…ポートン・ダウン報告のおかげで、統合参謀本部が深刻な懸念を持って大統領を尋ねることになった。ホワイト・ハウスが狙っている攻撃は正当化できない侵略行為になる。[言い換えれば、もし彼がそれを理由に侵略するようなことがあれば、彼の口実のインチキさが広く知られてしまうのだ。] オバマに方針を変えさせたのは統合参謀本部だった。変心に対する公式ホワイト・ハウス説明 - 記者団が語っている話 [ハーシュはここで、ホワイト・ハウスの単なる速記者に過ぎないアメリカ‘記者団’を侮辱している]では、大統領は、大統領首席補佐官デニス・マクドノーと、ローズ・ガーデンを散歩中に突然、彼が長年対立してきた激しく分裂している議会に攻撃の承認を求めることに決定した。…
これがアサドを打倒するためのアメリカによる攻撃を‘正当化’するため、オバマ側の連中による偽旗攻撃だというハーシュの所見を裏付ける今日のザマン紙ニュース報道抜粋は下記の通り。
共和人民党CHP[スンナ派イスラム主義指導者エルドアン大統領に反対する、トルコの主要な非宗教的政党]シェケル副党首は、[CHPの同僚]エルデムの後に話して、[誰が2013年8月21日、シリアのサリン・ガス攻撃を引き起こしたのか]という問題を、サリンは[エルドアンもオバマも倒したがっている国]ロシアが提供したと主張して、政府は国民を欺いていると指摘した。[政府のウソの]狙いは、認識を生み出すことだ、シェケルによれば、“アサドが自国民をサリンで殺害したので、アメリカ軍のシリア介入が必要だ”。
捜査のあらゆる資料と証拠が、戦争犯罪がトルコ共和国の国境で行われたことを示していることを彼は強調した。
“調査は、トルコ諜報機関は彼らの活動を知っていたことを証明し、サリン製造に必要な化学薬品を密輸した連中は困難に直面しなかったことを明らかに示している。この連中は、違法行為のかどで監獄にいるべきなのに、一人も投獄されていない。元首相と内務大臣は事件における彼らの怠慢のかどで責任を問われるべきだ”とシェケルは更に述べた。
エルデムは、この件で訴追しない判決をだした人々、化学薬品の輸送を妨げなかった人々や、後に釈放された容疑者の逮捕を最初に命じた連中を含め、責任者たちを刑事告発する予定だと補足した。
潘基文国連事務総長は、8月末に、アサドのシリア政権と、2011年に、内戦が始まって以来、シリア国内で戦っている反政府集団の双方によっておこなわれたとされる毒ガス攻撃の調査を開始したは発表した。
ところが、毒ガス攻撃に関与した可能性で、トルコを非難しているのはエルデムだけではない。ピューリッツァー賞受賞者のジャーナリスト、シーモア・M・ハーシュも、2014年に発表された記事で、MIT [トルコ版アメリカCIA]が、アサド政権と戦っている過激派シリア人集団に関与していたと主張していた。
記事の中で、ハーシュは、アメリカやヨーロッパが主張するように、アサドが攻撃の背後にいたわけではなく、トルコ-シリア反政府派は協力して、アサド政権を打倒するため、アメリカのシリア介入を挑発しようとしていたと書いていた。
ザマンのニュース記事題名は、“政府、シリアでの化学兵器攻撃におけるトルコの役割調査を否定”だ。言い換えれば、エルドアンは、CHP党のこの事件に対する調査への協力を拒否しているのだ。
ハーシュの報道記事の前にすら、同様にオバマを相手にした、詳細な(しかも、より良くかかれた)説明のこれは“偽旗”作戦で、(オバマが率いる)対ロシア軍の狙いが背後にあるという記事が、偉大な調査ジャーナリスト、クリストフ・レーマンによって報じられている。彼は2013年10月7日 彼のnsnbcニューズ・サイトで“アメリカとサウジアラビアの高官が、シリアの化学兵器に関与”という見出しの記事をこう書きだしている。“証拠は、直接、ホワイト・ハウス、統合参謀本部議長マーティン・デンプシー、CIA長官ジョン・ブレナン、サウジアラビア諜報機関トップのバンダル王子と、サウジアラビア内務省とつながっている”。(1945年以来、アメリカは対ロシアで、サウジアラビア王家と同盟している。) レーマンは更にこう報じている。“マフラクに、CIAは支局を置き、アメリカ特殊部隊(JSOC)が武装反抗勢力を訓練し、他にいくつかのアメリカの施設がある。
アメリカ統合参謀本部議長のヨルダン訪問に関して特に重要な点は下記の通りだ。マフラクは、2012年以来サウジアラビアとアメリカの武器出荷と、2013年8月始め以来、サウジアラビアとアメリカの高度兵器の武装反抗勢力への引き渡し主要中継地点だ”。それで、アメリカ大統領は“アメリカ軍の対応を促進する”計画に没頭することになったのだ、ハーシュが、5カ月後に表現した通り。2003年、ブッシュがイラクを侵略するため公に発表できる口実を必死に欲しがっていたのと同様、2013年、オバマは、シリア侵略のため、公に発表できる口実がどうしても欲しかったのだ。(そして、いずれの場合も、アメリカ‘報道’機関は、大統領の詐欺に協力した。” 8月21日の攻撃の前と後に収集した技術情報の政府解釈は、正しくない可能性がある”ことを証明した2014年1月14日のMITの詳細な証拠分析は、アメリカ‘報道’機関にあっさり無視された。)
あらゆる証拠が、アメリカと同盟しているスンナ派カタールからのガスと、アメリカと同盟しているスンナ派サウジアラビアからの石油が、世界最大のエネルギー市場ヨーロッパで、ロシアの石油とガスに取って代わるようにすべく、シリア国内でのパイプライン建設を可能にする(エルドアンの望み通りの)ロシアに敵対的なスンナ派イスラム主義政権で、アサド政権を置き換えられるよう、シリアの大統領バッシャール・アル・アサドが退陣するまで、アメリカがシリアを爆撃する根拠を作り出そうと、アメリカのオバマ大統領とトルコのエルドアン大統領が協力していたことを示している。アメリカ支配階級と、スンナ派アラブ諸王家の共同作戦で、基本的に、アメリカ-ワッハーブ派作戦なのだ。
オバマ、エルドアン、サウジアラビアのアブドゥッラー王と、カタールのハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニー首長が、ヨーロッパの石油とガス市場をロシアから奪い取るための共同の取り組みで協力していたのだ。スンナ派イスラム主義者には、これは更に何十億ドルも荒稼ぎするスンナ派支配階級にとっての直接的な経済的利益となり、その一部は、更にスンナ派聖戦士や聖職者に資金提供されて、ワッハブ主義スンナ派信仰を更に広め、国のスンナ派支配階級のみならず、スンナ派聖職者をも満足させることになる。しかし、オバマにとって、これはアメリカの支配階級が望んでいる通りに、ロシア経済を損なわせ、打倒するためのもう一つの手段に過ぎない。シリア打倒は、バッシャール・アル・アサド同様に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の辞任を強いるアメリカの計画に協力することを拒否したウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領のオバマによる2014年2月の打倒にぴったりの続編だろう。
2015年5月11日、ガブリエル・シャーマンが、いい加減なニューヨークの雑誌で“なぜシーモア・ハーシュの‘もう一つの’ビン・ラディン物語がニューヨーカーに掲載されなかったのか”という見出しで、ニューヨーカーの編集者で、ハーシュの記事を見せられた際に拒絶した(反ロシア宣伝屋で、オバマ支持者の)デイヴィッド・レムニックについてのインタビュー記事を書いた。今回、レムニックは、ビン・ラディン殺害に関するオバマのウソを暴露するハーシュの記事を拒絶した。レムニックは、リビアに関するオバマのウソに関するハーシュ記事を前回拒否し、次にシリアに関して拒否したこと(我々の話題はこれだ)を、アメリカ‘報道’機関は完全に無視している。しかし、このシャーマンの記事も、そうしたものと同様かも知れない。いい加減なジャーナリストのシャーマンは、レムニックの対応を何も引用していない。彼は、ハーシュの所見に対するレムニックの対応を表現して、ハーシュ発言を引用しているに過ぎない。“デイヴィッドは言った。‘ブログに書いたら’とハーシュは回想している”。(想像願いたい。ほとんど、どの雑誌が発表するよりも大きく重要なニュースの話題を、国民に語るため“ブログに書いたら”だ。ハーシュに対する、なんという侮辱だろう。)
ハーシュの最近の報道記事のような真実は、ニューヨーカー等の‘報道’機関には合わないもののようだ。たとえニューヨーカーの一部読者がこのような真実を知りたいと思っても、(編集者を雇っている)雑誌オーナーは、読者にそのような真実を知って欲しくはないのだ(それがこういう編集者を雇っている理由だ)。ハーシュは、どうやらこれを理解していないふりをしているようだ。シャーマンは、ハーシュは“金の問題だ”といったとしており、つまりレムニックは、そのような記事に金を払いたくなかっただけだとしている。ハーシュはそれほど馬鹿ではない。彼はアメリカでは、ジャーナリストが、アメリカ支配階級頂点の政治的腐敗を暴露して、金を得ているわけではないことぐらい知っている。
その代わり、ロシア・バッシングは続けられ、真実はくたばれというわけだ。もしプーチンがアメリカ支配階級に協力をしようとしなければ、抵抗することで彼が支払わねばならない代償がこれだ。ロシアやその同盟国の立場は、アメリカでは報道されない。そして、もし彼らが国際問題で真実を報道したければ、アメリカの新聞王連中にはねつけられるのは、自立したアメリカのジャーナリストが支払わねばならない代償だ。ジャーナリストたちも、これを知っている。そして彼らのなかのごく少数の人々が、それでも真実を報道するため、この代償を進んで支払っている。リバタリアン連中の言い分とは違い、‘能力’は、支配階級のウソに異議を申し立てるのではなく、支配階級に仕えない限り、決して市場で能力は報われることはない。アメリカの‘自由な報道機関’、もはやこれまで。
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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。
写真: eaworldview.com
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昨日の紙媒体、ウクライナの賄賂撲滅運動とやらの記事?があって驚いた。
率いているのが、あのサアカシビリ。親米ロシア人の名前もあったような。
電気洗脳箱、マンション地盤の話やら、野党モドキ連中の内紛やら、シリア内戦の呆導ばかり。わけのわからない方針解説をする彼氏の外遊報道も。
日本の‘自由な報道機関’、もはやこれまで。
中国にも、TPPを議論しているサイトがある。なんとなく意味が想像できるものもあった。
TPP不一定是发展中国家的仙丹,也许是毒药
ネットの自動翻訳を少し直すと、こういうことのようだ。
TPPは発展途上国の起死回生の妙薬とは限らず、多分毒薬だ。
先進属国にとっては、100%毒薬。
ロシアやその同盟国の立場は、日本では報道されない。そして、もし彼らが国際問題で真実を報道したければ、アメリカの新聞王連中にはねつけられるのは、自立した日本のジャーナリストが支払わねばならない代償だ。ジャーナリストたちも、これを知っている。そして彼らのなかのごく少数の人々が、それでも真実を報道するため、この代償を進んで支払っている。リバタリアン連中の言い分とは違い、‘能力’は、支配階級のウソに異議を申し立てるのでなく、支配階級に仕えない限り、決して市場で能力は報われることはない。
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