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2015年9月 6日 (日)

文化帝国主義と認知操作: ハリウッドがアメリカ戦争犯罪をいかに隠蔽しているか

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年9月3日 | 00:00
Strategic Culuture Foundation

アメリカ外交政策を公然と支持しているハリウッドと、アメリカ政府の、暗黙ながら、極めて明白なつながりが存在している。アメリカの戦争犯罪を隠蔽し、NATOが駐屯するアフガニスタンや、英米で占領したイラクや、世界中至る所におけるアメリカ軍作戦の不都合な部分を消し去る上で、ハリウッドの映画産業は積極的だ。しかも、ヨーロッパやそれ以外の世界中における、文化帝国主義の道具としてのハリウッドの支配的地位のおかげで、ハリウッド映画は、世界に、ワシントンの考え方を伝え、誤解を招くような説明で、世界中の観客を鎮静させる為の素晴らしい手段になっている。

文化帝国主義と、認知を操作する為の手段としてのハリウッド

マスコミを除けば、アメリカや他の国々の一般人が戦争に関して持っている大半の考え方や意見が、映画、テレビ、ラジオ番組、ビデオ・ゲームと、エンターテインメント産業によるものであるのは驚くべきことではない。映画とエンタテインメント産業は、観客にとって、役割を特定するには理想的だ。観客の戦争や紛争に対する見方を作り上げる上で、多くの場合、映画やエンタテインメント産業の方がマスコミをしのいでいる。

映画は、どの人物、集団、国民や国が、英雄なのか、犠牲者か、侵略国か、悪漢かを特定するのに利用される。この点で、ハリウッドは、イラン、中国、ロシア、キューバや北朝鮮等の国々を悪魔化し、アメリカ合州国をもてはやす。ハリウッドは、歴史的叙述を歪曲し、歴史修正主義的叙述を具体化してもいる。これこそが、歴史的事実や現実から遠く隔たった形で、一体なぜ、大半のアメリカ国民や多くの西ヨーロッパ人が、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の結果が、ソ連によって、東ヨーロッパと中央アジアでではなく、アメリカによって、大西洋で、決定されたと信じ込んでいるかという理由なのだ。

アメリカや西ヨーロッパでは、大半の人々の物の見方は、歴史の教科書や学術著作ではなく、ハリウッドとエンタテインメント産業に影響を受けている。フランス世論研究所が、フランスで行った、第二次世界大戦に関する世論調査が、アメリカ文化帝国主義が、ハリウッドの影響力によって、一体どの様に展開されているかを実証している。1945年、世論調査を受けたフランス国民の57%が、第二次世界大戦で、ドイツが打ち負かされたのは、ソ連のおかげだと考え、20%がアメリカのおかげと考え、12%がイギリスのおかげだと考えていた。1994年までに、彼らの見解は歪曲され、世論調査を受けたフランス国民の25%が、ヒトラーが打ち破られたのは、ソ連のおかげだと考えており、一方49%がアメリカのおかげだと考え、16%がイギリスのおかげだと考えていた。2004年には、調査対象のフランス国民のわずか20%しか、ヨーロッパで第二次世界大戦を終わらせた主要部隊がソ連だとは認識しておらず、58%がアメリカのおかげだと信じ、16%がイギリスのおかげだと思っていた。

より若い世代や、第二次世界大戦を経験していない同時期出生集団は、彼等の認識が、現代のマスコミ、特に映画とエンタテインメント産業によって形成されているだろうと推論できる。これが、一体なぜ、CNNのクリスチャン・アマンポールが、2014年6月6日、ノルマンディー上陸作戦開始70周年に、フランスのベヌービル城で、“アメリカの取り組み、第二次世界大戦中アイゼンハワー将軍とルーズベルト大統領指揮下のアメリカ合州国による、この上なく英雄的な取り組みに、大陸中[つまり、ヨーロッパ]が過去70年間アメリカに感謝してきた”と大胆にも宣言できたのかという理由だ。CNNのアマンポールは、ロシアを批判し、第二次世界大戦における、ソ連の役割を傷つける一方、フランス政府が“アメリカ合州国に感謝する日だ”アメリカが“何よりとりわけ、歴史の流れを変えたことに”感謝するとも強調した。

ハリウッドと軍産複合体との垂直統合

ハリウッドとアメリカ政府のつながりは、1927年、無声の戦争映画「つばさ」制作で始まったのだと認識されている。この無声映画は、第一次世界大戦に関するもので、アメリカ陸軍航空隊に、大いに依存していた。1927年の『つばさ』制作以来ずっと、ペンタゴンとハリウッドの密接な関係が続き、中央情報局(CIA)等、16のアメリカ諜報組織を含む他の政府機関を包括するまで拡張発展するに至った。これが、ハリウッドとエンタテインメント産業の軍産複合体への垂直統合をもたらし、それが本質的に、ハリウッド映画を、文化帝国主義の道具と、偽装されたアメリカ・プロパガンダへとおとしめた。

アメリカ政府は、益々ハリウッド映画の脚本内容を操り、アメリカ軍を美化し、その作戦をもてはやす様になっている。ペンタゴンとアメリカ政府は、実際は邪悪なアメリカの戦争の役割を暴露する映画やテレビ番組制作は支援しない。財政的・物質的支援は、戦争とアメリカ外交政策を、英雄的で、高貴な解決策であるかの様に見せる戦争映画にだけ与えられる。『オペレーション・ハリウッド』の著者、デイヴ・ロブは、これを実証する素晴らしい仕事をしている。例えば、ペンタゴンは、1961年『名犬ラッシー』の“ティミーと火星人”編の筋と脚本を丸ごと変更させた。この一話は、本来、主人公の「名犬ラッシー」が、ティミーに、飛行機の墜落を知らせようと吠えるというものになる予定だった。プロデューサー達は、元々、ラッシーが、設計ミスがあった為の甲高いノイズを感じ、アメリカ軍の飛行機が墜落した場所を特定できたという番組を作りたかったのだ。ところが、アメリカ軍は、アメリカの戦闘用機器に、設計ミスが有り得ることをほんのわずかでも示唆する様な、いかなる脚本も受け入れようとしなかった。アメリカ軍にとって、将来の新兵募集の障害になるので、アメリカ政府とペンタゴンは、アメリカ軍装備品に欠陥が有り得るなどと子供達に思われたくはないためだ。そこで、ペンタゴンの支援を得る為、番組の飛行機墜落の状況は、描き直すしかなかった。

この関係は、実際に、ワシントンの外交政策を正当化し、アメリカの戦争と侵略の好ましくない部分を隠している。それは歴史的に歪曲された映画の制作をもたらしている。一方では、ハリウッドが、自主検閲をするようになっており、もう一方では、政府の補助金を受けるプロパガンダと化している。ハリウッドの制作予算を大幅に引き下げ、プロデューサーが膨大な金額を節約できる、ペンタゴンとアメリカ政府からの支援を依頼することになるのを知っているので、ハリウッドの脚本家達は、自己検閲した映画脚本を書いている。ハリウッドの脚本は、この関係で、常時変更されており、ペンタゴンには、ロサンゼルスに、映画調整部(Film Liaison Unit)という名称のハリウッド監督やプロデューサーに対応する組織まである。

アメリカ戦争犯罪を隠蔽する上でのハリウッドの役割

アメリカは、『トップ・ガン』等を、宣伝・新兵募集用資料として利用し、『グリーン・べレー』の様な映画を、戦争におけるアメリカの役割を歪曲する為に利用し、CIAが事実確認をしたと言われている『アルゴ』の様な映画を、歴史認識を歪曲する為に利用している。『アイアンマン』や『ローン・サバイバー』等のハリウッド映画は、アフガニスタンや中央アジアへのアメリカ軍駐留の背後にある状況については決して説明しない。こうした映画は、アメリカ軍現地駐留を、招かれたものとして描き、現地アメリカ部隊を、単なる平和維持部隊にしてしまっている。『トランスフォーマー』、『G.I.ジョー』や、『ファンタスティック・フォー』『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』等の映画は、アメリカが、ロシアと中国を含め世界のどこででも、他の国々の主権を無視し、アメリカ軍基地を他国に設置までして、何の責任を問われることなく行動する権限があるものとして描いている。

アメリカ軍には、中国領土に対する管轄権などなく、ペンタゴンも、ロシア領土に基地などない。これらのハリウッド映画は、他国へのアメリカの干渉を自然なものに見せ、アメリカ軍は何であれ好きなことをする権利があるという間違った印象を生み出している。

アメリカ外交政策の暗い面には触れないと同時に、『フォレスト・ガンプ』の様なハリウッド映画には潜在意識メッセージがある。アメリカ文化とエンタテイメントに関する雑誌、ローリング・ストーン誌の紹介はこうだ。“『フォレスト・ガンプ』のメッセージは、もし堅いことを余り考え過ぎると、AIDSになるか、足を失うかしてしまうことになるということだ。主人公は、国が彼に何かおかしなことをするよう命じる度に肩をすくめ、‘はい!’と答える知的障害者だ”。ローリング・ストーン誌が言っているのは、「するように命じられていることに従え」だ。

更に、アメリカ外交政策を、個人的性格という安易な考え方に帰結してしまう『アメリカン・スナイパー』の様な映画がある。この映画は、物事や兵士を、もし人がアメリカの戦争を批判すると、兵士達や彼らの信念を攻撃することになるという方向に向けてしまっている。映画は、違法な侵略と占領という本当の問題を、兵士達の背後に隠し、注目からそらしている。アブグレイブや、デタラメな大量破壊兵器のウソについては全く触れない。ローリング・ストーンの『アメリカン・スナイパー』に関する言い分はこうだ。“『スナイパー』は、政治的主張が実に馬鹿げていて、愚かしく、普通の状況であれば、批評に値しない映画だ。ほぼそっくり似た世界観が、問題の戦争に我々を引きずりこんだ大統領の、クルミ大の心を奪っているという驚くべき事実だけが、我々がこの映画を真面目に扱うよう強いている”。“映画が人気があるのは事実で、実際に、非常に多くの人々が納得できるというのが問題だ”とも書いている。実際、映画のおかげで、アメリカでは、憎悪犯罪やアラブ人やイスラム教徒に対する否定的な感情が増えた。

クリス・カイルは、実生活では、ハリウッド映画が描いている様な、アメリカの生活様式を守る英雄ではなかった。彼は決してイラクにいるべきではなかった占領軍の一部で、イラク占領に抵抗すべく出現した、彼が“反乱勢力”と呼ぶものと戦っていたのだ。カイルは、ニューオリンズで、略奪をしたいたかどで、30人のアメリカ人を殺害するよう命じられたとも主張していた。彼はウソつきであることも知られており、著書の中で、イラク人殺害を楽しんでいたことも認めていた。

ハリウッドは、アメリカ戦争犯罪の都合の悪い部分を消し去り、偽りのイメージを生み出すのを手助けしている。ハリウッド映画が、諜報工作の一環であっても驚くべきことではない。映画『アルゴ』の監督で、CIA賛美者で、『アルゴ』制作で彼等と協力したベン・アフレックは、キャサリン・ショードに、ハリウッドは、CIA工作員だらけなのかと質問された際、答えは“ハリウッドは、多分、CIA工作員だらけだと思う”だった。

ハリウッドへのCIAの関与に関する、アメリカ上院議員トム・ヘイデンの言葉は紹介に値する。“考えて頂きたい。ハリウッドが、何か不快な形で、CIAと結託しているのではなく、CIAが、アメリカで最も人気の高い娯楽を通して、自らに関する肯定的なイメージ(言い換えれば、プロパガンダ)を植えつけようとしているのだ。CIAとエンタティメント産業のコネが、余りにも当然のものになってしまい、法的あるいは道徳的影響を問題にするむきはほとんどない。これは他に類のない政府機関だ。その活動の真実は国民の審判に委ねられてはいない。CIAの隠れた説得者達がハリウッド映画に影響を与えて、この組織自体のイメージをできる限り、魅力的なものへと歪曲するのに利用し、あるいは、少なくとも、不都合なイメージが定着するのを防いでいる。もし余りに近親相姦的であれば、こうした関係は、法の精神や条文に違反していると、ジェンキンズは主張している”。

アメリカ外交政策と戦争の手段としての映画の重要性は無視できない。アメリカの戦争犯罪や現実を隠蔽すべくる為、映画はアメリカ合州国国内で検閲までされていることが、その重要性の証明だ。戦争で精神的外傷を受けたアメリカ兵達の生活に関する、ジョン・ヒューストンが監督した1946年のドキュメンタリー映画『光あれ Let There Be Light』は、それがアメリカ国民に気付かせてしまう内容ゆえに、30年以上アメリカでの上映を禁じられていた。

ハリウッドが中立だったり、北朝鮮での政権転覆を促進する、セス・ローガンの喜劇映画『インタビュー』の様なものが無害だろうか? 考え直して頂きたい。認知を操作し、アメリカ戦争犯罪を隠蔽する為の戦争を、ワシントンが行うのを、ハリウッドは幇助している。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/03/cultural-imperialism-and-perception-management-how-hollywood-hides-us-war-crimes.html

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戦争法案、こうした洗脳で推進する理不尽な宗主国侵略戦争への直接参加を実現する仕組み。

大本営広報部は、8月末から行われている、カリフォルニアでの、宗主国・属国共同侵略上陸作戦演習を報道して下さっている。

映画も原作も全く見ていない『永遠の0』を思い出した。

サブリミナルより性悪なプロパガンダ。 フォレスト・ガンプ

『光あれ Let There Be Light』については、町山智宏氏の詳しい記事がある。
<第17回>『光あれ(Let There Be Light)』
今回のお題:帰還兵のPTSDを記録したために「封印」された巨匠の映画

『アルゴ』については、例えば下記記事を翻訳した。

『アメリカン・スナイパー』については、例えば下記記事を翻訳した。

最近見た映画は、ドキュメンタリー映画。『100年の谺

内容については、例えばこちらを。映画「100年の谺―大逆事件は生きている」を観る

桂太郎が事件をでっち上げ、反戦運動を完封し、戦争を続けた結果が現在の属国状況。

その属国を、更に侵略戦争に直接参加し、世界から嫌われる度合いで、一、二位を争う国にしようとしている、同じ県出身後輩。

よかれあしかれ、この文にある通りのマスコミの影響力を利用すればこそ、ゴミ番組出演。

出演者は間違いなく糞バエ。ああいう番組をご覧になる皆様を辺見庸氏は何と表現されるだろう。

見るべき番組は他にある。

IWJガイド「『積極的平和主義』の生みの親・ガルトゥング博士の単独インタビューを本日全編字幕付きで初配信!『安倍総理は言葉を乱用している』…博士の提言する日本の平和的安保政策とは」

本日20時より、CH1で初配信!!

配信ページは以下です。

【Ch1視聴ページはこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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