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2015年9月 9日 (水)

アメリカが爆弾を投下し、EUが難民と非難を受ける。これは正気ではない。

Eric ZUESSE
2015年9月7日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

2011年から、アメリカ合州国は、親ロシア派の独裁者ムアマル・カダフィを打倒する為にリビアへの爆弾投下を開始した。現在、このアメリカのリビア爆撃作戦と、更には、シリア爆撃作戦によって、引き起こされている難民危機に対する、ヨーロッパ諸国の態度への罪悪感で、EU自身が引き裂かれている。

ヨーロッパは、東ウクライナにおける、アメリカが支援する爆撃作戦(2014年にアメリカが据えた反ロシア・ウクライナ政府が、2014年2月のアメリカ・クーデターを拒否しているこの親ロシア地域の人々に、‘テロリスト’とレッテルを貼り、それゆえ爆撃されても、あるいは焼夷弾爆撃までされても当然だということで‘対テロリスト作戦’略称‘ATO’と呼ぶ爆撃作戦)からの難民も受け入れている。

ところが、アメリカが引き起こした、ヨーロッパへのこの何百万人もの難民にもかかわらず、NATO自体の存在理由(東からの共産主義者の侵略に対するヨーロッパ防衛)がすっかり消滅してから何十年もたっても、ヨーロッパ諸国は、いまだにアメリカ軍が、ヨーロッパの地に駐留したままでいるのを認めている。(ソ連版のこの等価物、ワルシャワ条約は、1991年、ソ連自身が解体した際に、解散し消滅したのに、NATOは存続し続け、ソ連の脅威を喧伝したのと同様に、あたかも、共産主義が崩壊した際に、何の変化もなかったかの様に、まるで、冷戦のイデオロギー的理由が、ずっとインチキであったかのごとく、‘ロシアの脅威’を絶えずしつこく宣伝している。“新冷戦”は、どの様にしても、正当化などできようがない。) ロシアは今、この新たに変貌したNATOの対ロシア軍事演習で、益々可能性が高まっているNATOのロシア侵略に備える為、同様なロシアの防衛戦略で対応することで、アメリカが作り出したヨーロッパのこの新たなロシアに対する敵意に対応しようとしているのだ。

だから、現在の難民危機は、実際、ロシアを破壊しようという、アメリカの持続的な執念、EUが同調している執念によって引き起こされており、今やEUは、ロシアという貿易相手国を失ったためのみならず、この新冷戦によってもたらされた、ヨーロッパへの何百万人もの難民流入で、大いに苦しんでいるのだ。この危機は、益々攻撃的になるNATOに対する、ロシアの防衛措置手段によってもたらされたわけではない。それはEUが支持し続けているアメリカの武力侵略によって引き起こされたのだ。

現在の危機の、そもそもの発端に戻ろう。

2013年10月7日、偉大な調査ジャーナリストのクリストフ・レーマンは、彼のnsnbcニュース・サイト、“シリアでの化学兵器使用に、アメリカとサウジアラビア幹部が関与”という見出し記事を書いたが、書き出しはこうだった。“ホワイト・ハウスと、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と、ジョン・ブレナンCIA長官と、サウジアラビア諜報機関のトップ、バンダル王子と、サウジアラビア内務省と、証拠は直接つながっている”。(1945年以来、アメリカは、サウジアラビア王家と同盟している。) “オバマが化学兵器攻撃は彼のせいだと非難して、親ロシア派のシリア独裁者バッシャール・アル・アサドを倒す為、爆撃を計画した理由として、バラク・オバマ大統領が言及している、2013年8月21日のダマスカス・東グータ地域”での化学兵器攻撃についてレーマンは論じている。だが、もう一人の偉大な調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが、その後、2014年4月17日、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスで報じたのと同様(異なる情報源を用いて)、 レーマンの更に前の調査で、アメリカが化学兵器攻撃をお膳立てしたこと、そして攻撃は、実際、アメリカ自身がトルコ経由でシリアに送り込んだ、イスラム原理主義聖戦戦士によって遂行されたことが判明している。レーマンはこう報じている。

主にカタールが支援したムスリム同胞団と、2012年6月と7月に、リビア人を入れて増強された、自由シリア軍(FSA)勢力が敗北した後、アメリカ-サウジアラビア枢軸は強化された。新たな司令部を受け入れなかった、カタールが率いる非協力的な旅団は排除せざるを得なかった。サラフィー・ワッハーブ主義戦士のシリア流入は、国際危機グループICGによる“暫定的聖戦”と題する報告書で文書化されている。

ハーシュの記事は、化学兵器攻撃の原因が、アサドの軍ではあり得ないことを発見したイギリス諜報機関による、レーマンの有力な確認を強化するものだ。ところがイギリスは、もちろん、オバマのウソを公に明らかにはしなかった。結局、トニー・ブレアが、イラクとアフガニスタンにおいて、ジョージ・W・ブッシュの“ポチ”だったのと同様、デービッド・キャメロンは、シリアとリビアにおいて、オバマのポチなのだ。

シリア作戦が今そうしているのと同様(そしてウクライナ作戦も、その方向に向かっている様に)、リビア作戦はリビアを破綻国家に変え、ヨーロッパは現在、結果として生じた難民を迎えているのだ。

偉大な調査ジャーナリストのジョン・ピルジャーが、オバマ大統領と、ヒラリー・クリントン国務長官が、リビア国民に対して、しでかした、恐ろしい意図的大惨事について、最高の要約説明をしてくれている。例えば“2011年、NATOは、リビアに対し、9,700回の‘作戦出撃’を行ったが、そのうち三分の一以上が民間標的を狙ったものだった。劣化ウラン弾頭が使用された。リビアの都市、ミスラタとスルトは絨毯爆撃された。赤十字は、集団墓地を発見し、国連児童基金は‘[殺害された子供達の]大半は十歳未満’だと報じていた”。こうしたものは、決して起訴されないだろう国際戦争犯罪だ。その過程で非常に多数の人々の命が失わたことも、おかまいなしに、彼女とオバマが、カダフィ殺害でしたことを、ヒラリー・クリントンは、誇らしげに陽気に語った(“来た、見た、彼は死んだ! (笑い)”)。ヨーロッパは、アメリカが犯した悪事が元で、酷い報いを受けているのだ。

これら三つの爆撃作戦全てが、いかに、ヨーロッパ向けの石油とガスの主要供給源から、ロシアを外し、サウジアラビアや他のアラブの王国に向けようという、オバマ政権とサウジアラビア王家による取り組みの一環であるのかを随所でご説明してきた。

アラブ産油諸国の王家から資金を提供されているイスラム原理主義聖戦を辞めさせる為にも、そして、こうした難民の流れの根源に終止符を打つためにも、そして、堕落し衰えつつあるアメリカ帝国を、最終的に失墜させ、恐らくは、平和に対する世界最大の単一の脅威であり、果てしない戦争の世界最大の単一スポンサーでもある国を、終わらせるであろうユーラシア新興経済圏を立ち上げ、その一環となる為にも、一体なぜ全てのEU諸国が、NATOを放り出し、ロシアと組まないのか説明できるEU指導者が、多分誰かいるだろう。

それとも、EU指導者達はアメリカに雇われているのだろうか? 例えば、2012年、アンゲラ・メルケルのドイツが、シリアの反政府聖戦戦士に、スパイ支援をしていた理由が他にあるだろうか? (メルケルのスパイは、同時期、サーラ・ワーゲンクネヒトや、メルケルの反ロシア政策に反対する他のドイツ連邦議会議員達をスパイしていた)。ドイツ指導者メルケルは、それだけで、ドイツや他のヨーロッパの国々に安全な避難場所を見いだそうとするシリア人殺到の助長に加担していることになる。(そして、この難民流入に実際は加担したのだが、加担したのではなく、まるで反対したようなふりをすることで、EUの指導者達は、極右反政府派の台頭を難民流入のせいにすることができるのだ。)この背後にある堕落だけでも途方もないものだ。だがその背後にある偽善は、確実に耐え難い。

すると、ヨーロッパの有権者達は、一体なぜ、これを受け入れているのだろう? (例えば、一体なぜ、誰かワーゲンクネヒトの様な人物がドイツを率いないのだろう?) 一体なぜメルケルの様なアメリカのポチが権力の座にいるのだろう? 一体なぜ、彼等は拒絶されないのだろう? 国民は、彼らのおかげで、大いに苦しんでいる。ヨーロッパは彼等、アメリカの代理人によって破壊されつつあるのだ。

今何が起きていて、その理由が何なのかを、ヨーロッパ人は知らないのだろうか? アメリカのくびきからの自由を実現するものは国粋主義ではない。右翼ではない。それは愛国心だ。退行ではなく、進歩だ。過去にではなく、将来に目を向けることだ。指導者が、その代表なのだと主張している、国民の為に奉仕することだ。それが本当の民主主義だ。アメリカは、もはやマーシャル・プランで援助をしてくれた国ではない。その国は、不幸にも、他のものにとって代わられてしまったのだ。新たな集団が乗っ取ったのだが、彼らが執念を抱いているのは帝国だ。あるいは、オバマ大統領自身が傲慢にも語っている様に“アメリカ合州国は、一つの必要欠くべからざる国であり、そして、そうあり続けるのだ”。彼は、それをそのまま維持すると約束した。“これは過ぎ去った世紀には真実だったし[彼は‘過去’の綴りを間違えた [[ホワイト・ハウスの重要人物は‘過去’と‘過ぎさった’の違いさえわからなかったのだ]] 、次の世紀にも真実となろう”。(少なくとも彼は、1000年王国の予言はしなかった。彼とて、それほどまでひどくはないのだ。)

アメリカ帝国は少なくともあと一世紀は続くのだと彼は語った。ヨーロッパの人々は、本当にそれを許容できるのだろうか、とりわけ、それが自分たちを、一体どのような方向に向かわせているのかが見えるようになった今? これら難民に対する本当の思いやりは、アメリカを、EUから追い出すよう要求することだろう。そしてNATOを終わらせることだ。EUでは、反難民等々の代わりに、反アメリカという大衆の大規模な意思表示が、一体なぜ行われないのだろう? ヨーロッパ人は、マーシャル・プランで援助をしてくれた国がまだ存在していると本当に思っているのだろうか? もしそうなら、彼等は間違っている。大いに間違っている。

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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/07/us-drops-bombs-eu-gets-refugees-and-blame-this-is-insane.html
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難民問題を巧妙にに利用して、シリア攻撃を一層激化させるのが、アメリカ・NATO方針に見える。

この記事にあるヨーロッパ傀儡大国と同じ運命に邁進するポチ軍団出陣式。あの正気を失っているゾンビー諸氏の嬉しそうな顔が不気味。売国の、侵略戦争の、何が楽しいのだろう。

消費税還付を餌にしたマイナンバー制度、国民徹底監視制度推進策。

着々と『1984年』が現実化しつつある。ヤラセ戦争だけでなく、奴隷状態を当たり前と思う状態も含めて。

理不尽な侵略戦争参戦で、兵器産業やゼネコンが大儲けできればそれでよいのだろう。国民は、昔も、これからも、砲弾の餌食。

十分な見返りが売国傀儡政治家の懐に入るだろう。戦争宣伝洗脳を担う大本営広報部にも広告料はたっぷり入るだろう。

日本人は、ガリオア・エロアやララ物資で援助をしてくれた国が、まだ存在していると本当に思っているのだろうか? もしそうなら、彼等は間違っている。大いに間違っている。

大本営広報部に期待するのは無意味だが、頑張って下さる民放番組もある。決してミネエ茶坊主番組や、くだらないことだけ言っていい介抱番組だけではない。まれだが。

日本にも、この記事と同じ趣旨を、(碩学が日本の場合について、)具体的に正論を語って下さるインタビュー番組がある。

「岩上安身によるヨハン・ガルトゥング博士インタビュー」の一部を引用させていただこう。

ガルトゥング氏「私が最善だと思うのは深刻化しそうな状況を割り出し、その解決に貢献することです。それによって暴力や戦争を回避させるためです。もう一方で日本政府は、私が45年以上前の1968年に日本に来たときから全く変わっていません」

ガルトゥング氏「紛争を検知して解決する努力が皆無です。米国の立場を繰り返すのみです。それは平和への貢献とはまるで違います。米国は世界飛び抜けて好戦的な国です」

ガルトゥング氏「1805年から248の軍事介入を行ってきました。史上最高です。1990年代前半にローマ帝国を追い抜きました」

岩上「米国との関係について。戦後米国は、在日米軍を置いて再武装を抑えこみ、日本が半人前の国家であることを望んできました。国会で審議中の安保法制は、日本に平和をもたらすのでしょうか?ガルトゥング氏「日本・中国・米国の三角関係ですね。もっともよいのは、お互いが相手を独立した国と認識することです。この点で問題なのは、中国ではなく米国で、米国は事実上日本を占領していることです」

ガルトゥング氏「占領を象徴しているのが、ある六本木のビルのヘリポートです。ここはその占領用地に近いですね。占領というのは、アメリカ大使による、細部にまで日本の行政を支配するやり方で、しかも日本のリーダーはそれを受け入れています」

ガルトゥング氏「『はいはいはいはいはい』と全面的に従順です。それを70 年も続けているのです。いつからかの議論はあり得ますが何十年間も続いています。ですから、米国が問題なだけではなく、日本も問題なのです」

ガルトゥング氏「もし日本が素直に独立を宣言すれば、皆の利益になります。大げさな宣言ではなく、行動で独立するのです。例えば、中国との尖閣を巡る紛争を軍事化の口実に利用せず、創造的な解決策をもたらすチャンスとして利用すること」

ガルトゥング氏「日米はこうした解決策を計画していません。日本は単にそれを実行してしまえば良いのです。しかしそれは米国が許さないだろうとの意見も出るでしょう。近隣国との問題を解決することになぜ日本が米国の許可を得なければならないのでしょうか」

ガルトゥング氏「米国の許可なんて、全く必要ありません。日本は条約に調印した1952年、53年以降、ある意味、事実上、独立国です。この決して米国にとって脅威とはなり得ない方法を単純に実行し、ちゃんと自立した国になければならない」

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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