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2015年8月20日 (木)

ニュージーランド: 環太平洋戦略的経済連携協定に何千人もの抗議行動

By our reporters
2015年8月18日

土曜日、提案されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対するニュージーランドの抗議行動で、25,000人以上の人々が行進した。21の都市や町での集会は、3月の反TPP抗議行動規模の三倍で、緊縮計画や、大企業や政治エリートの陰謀への反対が増大したことを示している。オークランドでは、10,000人以上が参加し、首都ウェリントンでは、5,000人、クライストチャーチでは4,000人だった。

抗議行動は、“TPP破棄!”というスローガンの下、ニュージーランド国民党政府に、交渉から撤退するよう圧力をかけることを目指す“行動週間”の頂点だった。12ヶ国の貿易大臣が、日本からチリまでの太平洋を囲み、世界経済の40パーセントを占める貿易圏を交渉している。乳製品参入を巡って一歩も譲らないニュージーランドや、自動車を巡って対立している日本とアメリカを含む鋭い対立が続く中、今月始め、交渉は行き詰まった。


ウェリントン反TPP行進の一部

ニュージーランド政府はTPPの熱心な擁護者だ。ところがニュージーランド・ヘラルドによれば、先週土曜、ティム・グローサー貿易相は、協定を早くまとめたがっている他国政府から“日本、カナダや、アメリカ合州国の厳重に保護された市場への、ニュージーランドの乳製品輸出拡大要求で屈服するよう強烈な圧力”をかけられていると述べている。

“自由貿易”協定とされているが、TPPは、実際は、協定から事実上排除されている中国に対して向けられたアメリカ“アジア基軸”の経済兵器なのだ。アメリカ・コングロマリットや、他の多国籍企業と緊密に相談しながら、協定は秘密裏に交渉されている。

アメリカは、国有企業を優遇するものを含む国別規制措置の解体と、ソフト、メディアや医薬品等の主要分野におけるアメリカ企業の“知的所有権の保護を強要している。これに合致しそこねた政府は、何百万ドルもの訴訟、あるいは、アメリカ市場からの排斥に直面しかねない。

金曜日、TPP抗議行動に対して警戒し、そばに寄らないようオークランド在住のアメリカ国民に忠告する前例の無い声明をアメリカ国務省が出したことで、交渉を巡る緊張が浮き彫りにされた。オークランドのアメリカ総領事館は、“抗議行動が平和なものを意図していても、対立的なものになりかねないので”アメリカ国民は行進を避けるよう電子メールで促した。

ニュージーランドにおける反TPP抗議行動は、過去三年間、様々な社会階層を惹きつけて拡大してきた。全ての既成政治勢力が、金融エリートによる緊縮計画の押しつけを支持している状態で、抗議行動は、全般的な政治・社会的不満の手段になる。

行進の横断幕は、医療の受けやすさ、グローバル企業の権力や強欲、“チャーター・スクール”の勃興や、地球温暖化を含む、様々な話題を掲げていた。国家秘密と、政府がTPP協定文章の公開を拒否しているが主な懸念だ。

ところが、ワシントンの対中国戦争準備増強や、深化する資本主義の世界的危機に根ざす、市場原理主義的再編への取り組みに異議申し立てをするどころか、反TPP運動主催者達は、反対を反動的な民族主義的、保護主義的方向に逸らす為、時間をかけて動いてきたのだ。TPPは、ニュージーランドの“主権”や“自らの法を制定する”権利を脅かすというのが彼等の主張だ。

抗議行動は、様々な労働組合、学者、グリーンや、マオリ民族主義者のマナ党等の統括団体である組織“我々の未来のニュージーランド(It’s Our Future New Zealand)”が主宰した。これは、TPPを、彼等自身の経済権益に対する脅威と見なしている特権的な中産階級層、現地企業や、マオリ・エリートを代表している。オークランド集会での演説の主な話題は、TPPは、何百万ドルもの金を、マオリ部族の事業に提供する、国が支援する仕組みである、ワイタンギ条約を損なうというものだった。

集会において重要な存在としての政党は、ニュージーランド国民党が率いる政府の連立与党で、反労働者階級の緊縮計画を支持しているマオリ党だ。マオリ党共同代表者のマラマ・フォックスは、厚かましくも貧者支持者のふりをし、マオリは、自分達の“主権が剥奪される”のが“どのようなことかを知っている”と宣言した。

マオリ“主権”要求の意味は、2011年にマオリ党から分裂したが、同じ資本主義志向の綱領のマナ党が詳細に述べている。マナ党のウェブ・サイトは、“現地生産よりも多国籍企業を優遇し、地域企業の支援を妨げる”自由貿易協定からの撤退を要求している。

俳優組合副委員長、テッド・リッポンは、ウェリントン集会で、三つの主要テレビ局で、放送された国産ドラマは、わずか一本だと述べた。リッポンによると、1994年の世界貿易機関の協定は、ニュージーランドが、“先住民向け”放送を除いて、現地製コンテンツ割り当てを課するのを非合法にした。リッポンは、そうした保護主義的措置を強力に擁護し、現地俳優達は“極めて裕福なアメリカ企業の為に、排斥されるのが一体どのような気分か知っている”と述べた。リッポンは、ローカル・コンテンツは“国のアイデンティティーや、自己意識や、誇り”を促進する為に、極めて重要で、TPPは“小さく、美しく、脆弱な”ニュージーランドを脅かしていると主張した。

“民主主義”と“我々自身の法律を、我々自身の国で制定する権利”の為、“武力”によって遂行された、第一次世界大戦へのニュージーランド参戦を、ドキュメンタリー映画監督のブライアン・ブルースが、戦争賛美的に言及しているのは意味が深い。実際、イギリス帝国を守る為、第一次世界大戦の大虐殺に、ニュージーランドが参戦し、18,000人以上の青年の死亡をもたらしたのだ。

オークランドやウェリントンで演説した人々の誰も、オバマ政権の対中国戦争準備におけるTPPの役割には触れなかった。彼等は、ニュージーランド軍と、諜報機関を、反中国“基軸”に組み込む動きについても、沈黙していた。これは偶然ではない。“我々の未来のニュージーランド(It’s Our Future New Zealand)キャンペーンの民族主義的視点は、ニュージーランドを、アジア-太平洋地域における自らの野望を持った弱小帝国主義国家としてではなく、“外国の”ご主人達に支配されている植民前哨基地として描き出している。

TPP抗議行動で積極的な多数の組織が、深まる社会的不満を、反動的方向へと逸らす為、反中国外国人嫌いを強烈に推進している。2012年以来、グリーンと、マナ党は、ニュージーランド労働党や、反移民のニュージーランド・ファースト党と共に、中国からの投資に反対する抗議行動に関わってきた。この活動は、ニュージーランドをより完全に戦争への動きに取り込もうというアメリカの取り組みと符合する。

ウェリントン集会の締めくくりで、高等教育組合委員長のサンドラ・グレイが、抗議行動の視点の破綻を明確に示していた。“民主主義”の為の様々な扇動的呼びかけをした後グレイは国会議事堂を指さして、こう宣言した。“これは我々の議会だ、彼等は耳を傾けるだろう。”

実際、TPPは、戦争への執拗な動きと、世界的な資本主義破綻の重荷を労働者に対して、押しつける一環だ。世界規模の計画社会主義経済を樹立する為、利潤制度や、そのあらゆる手先に対する統一世界闘争によってしか、労働者階級は、その利益を守ることができない。これには、あらゆる形の国粋主義や狂信的愛国主義を拒否し、帝国主義と戦争に反対して、世界中の労働者が団結することが必要だ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/08/18/nztp-a18.html
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戦争法案成立のはるか前に、防衛大臣が、アフリカでの自衛隊活動を検討させている大問題は一切報道せず、伝えるのは高校野球、猟奇的誘拐殺人事件、タイ爆弾テロ事件のみ。洗脳大本営広報部大政翼賛会。

一方、さすがに民放は、防衛大臣の「存在を知らない」から、「自分が指示した」という支離滅裂答弁を報じている。

この活動は、日本をより完全に戦争への動きに取り込もうというアメリカの取り組みと符合する。

「自衛隊を、アメリカ軍の二軍にして、世界中に出せと言われています」と与党幹部の顔に書いてあるとしか、素人には読めない。支離滅裂さの背景、宗主国の無理難題にあるだろう。

談話を巡って、アメリカの東アジア専門家三人が、ワシントンで議論、評価をして下さったという記事を夕刊でみかけた。ヘリテージ財団上院研究員、CSISの彼氏、ブルッキングス研究所研究員。書く内容を事前に細かく指示しておいて、発表後、評価するという手前味噌。

談話、もともと英語で宗主国に向けて書かれたのではという岩下俊三氏記事を拝読したばかり。

「70年談話」の内容より腹痛を懸念する。

記事は、ニュージーランドの反TPP運動に対する手厳しい意見。

大本営広報部による徹底的な洗脳のおかげで、反TPP運動が停滞し、wsws存在感が皆無な日本に対するご意見を伺いたいもの。

日本なら、人口比でいえば全国で75万人のデモ。戦争法案、反原発デモ並み動員数。
動員数の違いには唖然とするばかり。

民主党は安保法制、TPP、原発で旗幟(きし)鮮明にする -政権奪還には「昔の民主党」との決別が必要- 15.08.17 しのはら孝

実にごもっともだが、篠原氏のようなまともな考え方の民主党議員、一体何人おられるだろう。大半、所詮は自民党別動隊ではあるまいかと危惧している。

前回選挙で、山田正彦元農林水産大臣を含む、まっとうな民主党議員の皆様ことごとく落選した。一方、傀儡両与党や、異神や、解党したやつらや、将来世代を破壊する連中、いずれも自称野党、実質自民党別動隊、TPP・戦争法案賛成派がこぞって当選した奇怪な状況。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

2015/08/11 「現在は、幕末・維新期に次ぐ第2の国難に見舞われた状態」ハワイでのTPP閣僚会合をどう見るか ~現地入りした山田正彦元農水相、内田聖子PARC事務局長に岩上安身が聞く

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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