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2015年8月 5日 (水)

ロシアと中国内のワシントン第五列

Paul Craig Roberts
2015年8月3日

ロシアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。

ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。

プーチンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけなのだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。

だが、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米は、自分をかなり粉砕している。

金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。

中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。

ロシアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきことだ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。

だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/

ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082

こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119

我々アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマリアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対する覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。

この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。

もし、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?

もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。

ワシントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/
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Russia Todayで、ロシアで、著名アメリカNGOの活動を規制する記事をみたばかり。

この国では、第5列は誰だろう?
資金は提供いただかず、国民の税金でまかなっているのだろうか?

悩まずとも、電気洗脳箱のスイッチをいれるだけで尊顔を拝見できそう。

新・100年予測 ヨーロッパ炎上
冒頭で、I ヨーロッパ例外主義 という見出しをみて 「アメリカ」の間違いではといぶかったのだが、最後の方に、近未来日本の状況を示す文があった。

邦題、英語とかなり違うのではないだろうか。Flashpoints The Emerging Crisis in Europe

396ページ

イギリスに危機が訪れるとしたら、それはEUからではないだろう。危機はアメリカから訪れる。ヨーロッパでの地位を保つために利用しているはずのアメリカが危機の原因になるのだ。イギリスはヨーロッパ内の大国の一つにすぎないが、アメリカは世界の超大国である。イギリスはヨーロッパとアメリカとを天秤にかけているが、イギリスはアメリカにとって地域の一部分にすぎない。にもかかわらず、一定の影響力を持てたのは、アメリカにとって「有用」だからだ。今後もその影響力を失いたくないと思えば、アメリカが何か紛争に関わる度にそれに追随しなくてはならない。自らの身を守るために積極的にどこかの紛争に関与する、イギリスはそんな世にも珍しい国家になっている。

397ページ

イギリスにとっての紛争の火種は、世界中のどこになるかはわからない。歴史をみればそれは当然のこととも言えるが、今のイギリスが特殊なのは、紛争に巻き込まれる場合には選択の余地なく巻き込まれてしまうということだ。

イギリスを、日本に、ヨーロッパを、アジアに、変えれば、ぴったり?

小林恭子の英国メディア・ウオッチ
【安保関連法案】「反対の声が将来に歯止めをかける」ー孫崎享氏に聞く

にも、上記イギリスとアメリカの軍事活動に似た質疑応答がある。

ー日本として海外派兵ができ、アメリカと一緒になってやることができるようになる状態というのは、これはいいことなのだろうか。

 いや、非常に悪い。

 一番簡単なことは、行く理由がないからだ。

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コメント

中国の状況は知りませんが、ロシアの「第五列」は、非常に面白いテーマなので少々書いてみたいと思います。

ロシアの政治討論番組では、中央の司会者の両側に意見を異にする4~6名ずつの論者を配し討論する形式ですが、例えばウクライナ問題がテーマの場合、片側にプーチン党の政治家、学者、評論家が居るとすれば、もう片方はキエフからの評論家、ジャーナリスト、それに加えてロシア人の親キエフ派です。彼らの職業は、ジャーナリスト、ヤブロコ(ヤブリンスキー党)の政治家、「人権活動家」等ですが、一般には「モスクワのリベラル派」と呼ばれています。彼らの主張を聞いていて、いつも驚くのは、キエフの言い分のコピーであり、西側のマスコミのコピーであることです。国際法を無視したクリミアの軍事占領、ドンバスへの軍事侵攻、プーチンの軍備拡張路線と人権弾圧、言論封殺、等々。プーチン派の政治家がアメリカの度重なる軍事侵攻を非難しこれについてどう思うかを聞かれると、まず彼らは、直接には質問に答えずアメリカ非難はソ連以降の政治プロパガンダだと逆に非難の応酬にし、他国の非難をする暇があれば自国の至らなさを見る必要があるという反応をします。彼らの口からアメリカ批判を聞いたことはありません。口を開けばプーチン批判ばかりです。彼ら「モスクワのリベラル派」の出自はソ連の反体制派に由来すると思っていますが、彼らの存在はロシアでは広く認識されており、テレビ番組には頻繁に出演しています。しかし僕が見るには、このテレビでの露出が完全に裏目に出ており、彼らの言い分、つまり、ウクライナは自由で民主的な国であり、ロシアは人権抑圧国、軍事侵略国だと主張すればする程、一般での信頼は低下し、プーチンの支持率が上がるという構図です。

ロバーツ氏は、大統領選後の反プーチン集会を第五列の集まりとしていますが、僕の感触では、その当時は第五列の要員以外にもそれなりに反プーチン気運があり「モスクワのリベラル派」に対する支持もあったように思います。それがほぼ壊滅状態になったのはウクライナ問題以降です。これで一般の人々の間の欧米に対する見方がかなり変わったのではないでしょうか。チョムスキーが「戦争のからくり」という対談本の中で、ハンガリーの反体制派の人々の西洋思想に対する無批判の愛情にはショックを受けたと述べていますが、「モスクワのリベラル派」も同じです。彼らの多くは学歴エリートでありインテリであり、自己の誤りを認めません。ロシアを否定し西洋に倣うことを絶対のように信じ、無知蒙昧な大衆を導く義務があるかのような言いぐさを常にします。仮にウクライナが政変以降、万事順調で誰が見ても正しい方向に向いているとされれば、彼らのポジションも多少なり強化されたのでしょうが、彼の国があの為体では「モスクワのリベラル派」も地に落ちたということになりそうです。そしてこれが大げさなことを言えば、19世紀以降続いてきたロシアでの「スラブ派」と「西洋派」の対立に終止符を打つことになるかも知れません。

ジョージ・フリードマンという名前が目に飛び込んできたので・・・

『新・100年予測』という本は読んでいませんが、筆者のジョージ・フリードマンはアンドリュー・マーシャルという人物と協力関係にあったことが知られています。マーシャルは1973年から今年1月まで国防総省のONAで室長を務め、冷戦時代はソ連脅威論の発信源でした。

ソ連が消滅した直後の1992年、国防総省でDPGの草稿が作成されます。アメリカを「唯一の超大国」と位置づけ、その地位を保ちつづけるための指針で、作成の中心人物がポール・ウォルフォウィッツだったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」と呼ばれています。このドクトリンが作成された際、助言していたのがマーシャルでした。

この草稿はアメリカ支配層の内部でも問題になったようで、メディアにリークされて書き直されますが、2000年にはPNACの報告書という形で再浮上、ジョージ・W・ブッシュ政権はその報告書に基づく政策を打ち出しています。なお、ウェズリー・クラーク大将によると、ウォルフォウィッツは1991年の時点でイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていたということです。

このブログを御覧の方には「釈迦に説法」でしょうから詳しい話は割愛しますが、マーシャルは1970年代からアメリカの好戦派の戦略を考えてきた人物で、イギリス出身のバーナード・ルイスから強い影響を受けています。このルイスはサミュエル・ハンチントンと同じように「文明の衝突」を主張、シオニストを支持しています。

ルイスの影響を受けたことで有名なヘンリー・ジャクソン上院議員のオフィスはネオコンの揺りかごのような場所で、ウォルフォウィッツのほか、リチャード・パール、ダグラス・フェイス、エリオット・エイブラムズ、エイブラム・シュルスキーなど、後にネオコンの中核メンバーを形成する人びとが働いていました。

フリードマンもネオコンということで、最近はBRICSの影響力を否定、つまりロシアや中国は21世紀の世界で大きな役割を果たせないと主張しているようです。

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