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2015年8月11日 (火)

ヨーロッパを破壊するアメリカ

Eric ZUESSE
2015年8月7日 | 08:00
Strategic Culture Foundation

リビア、シリア、ウクライナや、ヨーロッパの周辺部や端にある他の国々で、アメリカのバラク・オバマ大統領は、不安定化政策や、爆撃や他の軍事援助を追求し、何百万人もの避難民を、こうした周辺地域から、ヨーロッパへと追い出し、移民排斥という極右の火に油を注ぎ、周辺諸国のみならず、遥か北ヨーロッパに到るまで、ヨーロッパ中で、政治的不安定化をもたらしている。

2015年8月3日「オフ-ガーディアン」の“シリア内のオバマ‘安全地帯’は、この国を新たなリビアに変えることを目指すもの”という見出しの記事で、シェイマス・クックは、オバマが、トルコの為、これまで法的強制力のなかった、シリア上空の飛行禁止空域でのアメリカによる航空支援を承認したと報じている。アメリカは、これから、シリア領土の広大な部分を占領したISISを含む過激派イスラム集団を標的とする、シリアのバシャール・アル-アサド大統領の、あらゆる飛行機を撃墜することになる。

クックはこう報じている。

“トルコは、シリア戦争が始まって以来、オバマに、この飛行禁止空域を要求してきた。紛争中ずっと、そしてここ数カ月間も、議論されてきているが、真の狙いは常にシリア政府だった。そして、突如、飛行禁止空域が実現しつつある - トルコがずっと望んでいたまさにその場所に - ところが、適切な名前 '反クルド・反シリア政府派用安全地帯”の代わりに、 '反ISIS' 派の安全地帯というレッテルを貼られている。

ニューヨーク・タイムズは、 7月27日こう報じている。"この計画は、比較的穏健なシリア武装反抗勢力が、アメリカと、おそらくはトルコの航空支援を得て、領土を得ることを目指している。”ところが、タイムズは、(いつも通り)お上の速記役で、アメリカ政府情報筋から(そして、アメリカ政府の宣伝活動の為に)こう報じている。“比較的穏健”を定義しそこねているが、全てのシリア“比較的穏健な武装反抗勢力”集団は、ISISと協力して、彼等が、そこにいるあらゆる非イスラム教徒を見つけ出し、斬首し、時には、人質に取って身代金を要求するのを手伝っている。アサドの下、シリアは聖職者支配国家ではなく、信仰の自由を享受しているが、アサド支配に反対するシリア反政府派は全て、世俗主義と無縁だ。今やアメリカは、これまで以上に、明らかに、反アサド、親イスラム主義者寄りだ

セイモア・ハーシュは、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスで、2014年4月17日に報じている。2011年のオバマ政権によるリビア爆撃作戦は、オバマが既に、リビアで、まんまとしでかした様に、サリン・ガスを、リビアから、シリアのアル=ヌスラ戦線へと移動し、一般市民に対する毒ガス攻撃を引き起こすのを手助けし、アメリカ政権が、アサドの罪になすり付けて、シリアを爆撃する口実とするという広範な計画の一環だった。二人の独裁者、カダフィとアサドは、ロシアと同盟しており、特にアサドは、カタールのガス供給にとってではなく、ロシア・ガス供給輸送ルートとし、ロシアにとって重要だった。 カタールは、ヨーロッパに対する最大のガス供給国としてのロシアの立場にとって、主要な潜在的脅威なのだ。

国際関係の、そして軍事政策のオバマの第一目標は、ロシア打倒であり、ロシアの政権転覆を強いて、ロシアをアメリカ帝国の一部にし、ワシントンの支配に抵抗する主要大国でなくすることだ。

2011年に、アメリカがリビアを爆撃するまで、リビアは平和で繁栄していた。2010年、一人当たりGDP (収入)は、IMFによれば、12,357.80ドルだったが、我々がリビアを爆撃し、破壊した年、2011年には、わずか5,839.70ドルへと急落した。(ヒラリー・クリントンがこう大言壮語したのは有名だ。“来た、見た、彼は[カダフィ]死んだ!”) (しかも、アメリカの同盟国サウジアラビアとは違って、一人当たりGDPは、驚くほど平等に分配されており、教育も医療も公営で、全員が享受できていた。貧しい人々さえも。) より最近、2015年2月15日、NPR記者のレイラ・ファデルは“油田を攻撃されている、リビアの経済的将来性は暗い”と全段見出しで報じた。“生産担当の人物が、将来が暗いことを知っている。 '我々は生産できない。我々は生産の80パーセントを失っている。' と、リビア石油公社総裁ムスタファ・サナッラは語る”のを彼女は公表した。ワシントンの指示により、2011年以降、IMFのリビアのGDP数値報告は信頼できなくなり、現地の状況は、迅速に正常に復帰した(正常以上に良くなった。2012年、一人当たり13,580.55ドル GDP)だとしているが、誰もがそれがウソであることを知っている。NPRでさえも、実際、それは真実ではないと報告している。2012年、リビアの一人当たりGDPを、不合理にも、23,900ドルと、CIAは推計し、(彼等は、その年以前の数値は全く示していない)、リビアの一人当たりGDPは、その後、ごく僅か落ちたと言う。アトランティック・カウンシルは、2014年1月23日付けの、リビア経済に関する最新の体系的報告に、“リビア: 2014年、経済崩壊に直面”という見出しを付けて、少なくとも事態を正直に説明しようと努力しているが、公式推計で信頼できるものは皆無だ。

リビアは、ヨーロッパにとって大問題だ。何百万人ものリビア国民が、リビアの混乱から逃げ出している。彼らの中には、地中海を渡り、南イタリアの難民キャンプにたどり着く人々もいる。ヨーロッパの他の場所に避難している人々もいる。

そして、今やシリアは、ロシアを征服する為に破壊されつつあるもう一つの国なのだ。プロパガンダ活動があからさまな、ニューヨーク・タイムズですらも、その‘ニュース’報道で認めている通り、"トルコも、シリア武装反抗勢力も、シリアのバシャール・アル-アサド大統領打倒を最優先事項と考えている。”そこで、ロシアの同盟者バシャール・アル-アサドを打倒し、彼の非宗教政府を、イスラム教政権と置き換える為に、アメリカ爆撃機が、シリアの一部に、飛行禁止空域を設けたので、 '反ISIS'云々は、うわべだけなのだ。PRであり、プロパガンダなのだ。大衆は、ロシア打倒なぞより、遥かにISIS打倒を期待している。ところが、アメリカ支配層のものの見方は違うのだ。彼らの狙いは、アメリカ帝国の拡大だ -彼等自身の帝国拡張だ。

同様に、2014年2月、オバマは、‘イスラム・テロに反対する’やら、だまされやすい連中をけむに巻くのに、アメリカ政府が良く使う文句の様なインチキ偽装の代わりに、‘民主主義’デモというインチキ偽装によって、ウクライナで、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチの中立的な政権を打倒し、猛烈な反ロシア、人種差別主義者-ファシスト、つまりナチス政府を、ロシアの隣国ウクライナに、アメリカが据えつけ、支援した。アメリカが侵略し破壊するまでは、リビアが平和だった様に、アメリカとトルコが侵略し破壊するまでは、シリアが平和だったのと同様、ウクライナも、アメリカがクーデターをしでかし、ナチスを据えつけ、民族浄化作戦を実施し、ウクライナも破壊してしまう前は平和だったのだ。

カダフィ打倒前のリビア、あるいは、アサドを打倒しようという現在の取り組み前のシリア、あるいは、より最近では、ウクライナの民主的に選出されたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の見事な打倒と同様、全てが、ロシア打倒を目指しているのだ。

オバマや他のアメリカの保守派、帝国主義者に、押しつけられた惨状を、ヨーロッパの全てが、共有している事実は、ワシントン DCの権力者にとっては、ほとんどどうでも良いことだが、万一、彼等にとって、何か意味があるとすれば、それはおそらく、この広範な作戦の魅力的な側面だろう。中東の国々のみならず、ヨーロッパの各国を弱体化させることによっ、オバマの対ロシア戦争は、アメリカが引き起こす混沌と破壊が終わった後、アメリカが“最後まで生き残った男”になるのを確実にするのだ。

結果的に、例えばアメリカ国際戦略からすれば、対ロシア経済制裁が、ヨーロッパ諸国経済に大変な損害をもたらしているという事実は、悪いことではなく、良いことなのだ。

あらゆる競技で勝利の道は二つある。一つは、自らの能力を向上させることによるものだ。もう一つは、何としてでも競争相手の能力を弱体化させることによるものだ。アメリカ合州国は、現在、もっぱら後者の戦略に依存している。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/07/us-is-destroying-europe.html

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天皇と軍隊』、新聞に上映情報が載ったためだろうか?大変な人気。東京で、長期間上映されないのは残念だが、全国各地で上映が決まっているようだ。語りはフランス語。2010年制作のものゆえ、当然、ドイツやフランスの人々はとうの昔に見ている。

今の時点で、字幕付きで本格公開となったのは余りのタイミング。

大本営広報部は、決して放映しないだろう。孫が、手先のように報道機関を活用している姿は大叔父の佐藤栄作直伝。佐藤は退任記者会見で、「 新聞記者は出て行け、偏向している新聞は嫌いだ、私は直接国民に語りかけたいんだ」 と言って、記者たちを追い出した。あれ以来、大本営は、直接国民に語りかける為の手段。

無用悪、原発再稼動を推進中。昼間のテレビで、御用大学教授が、原発や他の方法による発電費用のインチキな比較表を示し、再稼動を正当化していた。何万年ものゴミ対策費用については全くしらんぷり。「有識者」でなく、ゆゆしき者。

とんでも議員落選運動が沸き起こっているという。現地在住でないの実態はわからない。

麻生太郎財務相は6日、自民党麻生派の会合で、同派所属の武藤貴也衆院議員がツイッターで安全保障関連法案の反対デモをする学生団体を「利己的」などと批判した問題を念頭に「政府与党の議員の立場を踏まえて発言してもらわないと。自分の気持ちは法案が通ってから言ってくれ。それで十分間に合う」と語った。

ナチス手法を推奨するだけのことはある。恐ろしい政治家。

「国民は、政府の暴走に反対する立場を踏まえてすぐに行動しないといけない。自分の気持ちを、法案が通ってから言っても、それでは全く手遅れ。」ということと翻案理解している。

OLDsという戦争反対抗議が、年寄りの原宿・巣鴨で行われているという。川内原発稼動反対や、議員落選運動の現場には行けないが、そちらなら、可能かもと思う。

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