« 7月4日アメリカ独立記念日にギリシャの事等を熟考 | トップページ | ボコ・ハラム: 国際テロ企業への変身 »

2015年7月 7日 (火)

ギリシャはいかにして "エコノミック・ヒットマン"の犠牲となったか

Tyler Durden
2015年7月2日 18:00 -0400
Zero Hedge

“ギリシャは‘やられた’のであり、これは疑う余地はない”と、『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』の著者、ジョン・パーキンスは主張し、“[膨大な債務を抱えた国々]は私がコーポレートクラシー(大企業支配)と呼ぶものの使用人と化するのです … 現在、世界帝国が存在していますが、それはアメリカ帝国ではありません。それは国民的な帝国ではありません… それは大企業帝国で、大企業支配なのです”と書いている。

Truth-Out.org,

エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』の著者ジョン・パーキンスが、ギリシャや、他のユーロ圏諸国が、いかにして“エコノミック・ヒットマン.”の新たな犠牲になったかを論じる。

ジョン・パーキンスは、告白にはなじみ深い。彼の著名な本『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』で、国際通貨基金(IMF)や、世界銀行等の国際機関が、公式には、苦しんでいる国々や経済を“救う”と称しながら、いかにして、逆に、そうした政府を、おとり販売商法に引きずり込むかを暴露した。全て、もし、これらの国々が、こうした機関から膨大な金額の融資を借りれば実現するという、驚くべき成長率、輝ける新インフラ・プロジェクトや、経済的繁栄という将来を約束するのだ。ところが、楽勝の経済成長や成功を達成するどころか、こうした国々は、壊滅的で維持できない負債の重荷の犠牲になる。

そこに“エコノミック・ヒットマン”が登場するのだ。一見、普通の経歴をもった普通の人が、こうした国々にやってきて、彼等が味わっている経済的困難への“解決策”として、IMFや世界銀行が処方する厳しい緊縮政策を押しつける。パーキンズのような人々は、こうした停止しかけている経済から、富と資源の最後の一滴まで搾り取るよう訓練されており、現在まで、それを続けているのだ。ディアロゴス・ラジオで放送されたこのインタビューで、パーキンスは、ギリシャやユーロ圏が、いかにして、そのような“エコノミック・ヒットマン”の新たな犠牲になったかについて語っている。

ミカエル・ネブラダキス: ご本で、長年どのように、いわゆる “エコノミック・ヒットマン”をしていたか書いておられます。こうしたエコノミック・ヒットマンとは一体何者で、一体何をしているのでしょう?

ジョン・パーキンス: 基本的に、私の仕事は、我々の企業が望んでいる資源を持っている国を見つけ出すことでした。資源とは、石油の様なものであったり、あるいは市場だったり、あるいは交通システムだったりします。実に様々なものが対象です。こうした国々を見つけ出すと、我々は、そうした国々への膨大な融資を手配します、しかし資金は決して、実際にその国には入りません。そうではなく、金は、そうした国々で、発電所や幹線道路等のインフラ・プロジェクトを建設する我々の大企業に回り、極少数の裕福な連中と、我々の大企業の利益になりますが、こうしたものの株を購入する余裕がない国民の大半の利益にはならず、現在、ギリシャが負っているものと良く似た驚異的負債という、膨大な負債を抱えた形で取り残される。

[彼等が]その負債で束縛されてしまうやいなや、通常、IMFの形で、我々は再度登場し、現在のギリシャの場合、それはIMFとEU [欧州連合]で、その国に対して、とんでもない要求をするのです。増税し、支出を削減し、電力会社や、水道や、交通システム等の公共事業を民間企業に売らせ、民営化し、基本的に、我々の、大企業や、IMFや、ギリシャの場合には、EUの奴隷ににします。基本的に、世界銀行、IMF、EU等の機関は、私が“コーポレートクラシー(大企業支配)”と呼ぶ大企業の道具なのです。

ギリシャの具体例に入る前に、もう少し、こうしたエコノミック・ヒットマンや、IMFの様な機関が機能するのかという手口についてお話しましょう。あなたは、もちろん、どのように入り込み、どの様にして、こうした国々に膨大な負債を負わせるか、資金を入れて、すぐに取り戻すかについて書いておられます。ご本で、実際には、現実とは全く無関係な、こうした余りに楽観的な成長予測が、こうした国々の政治家達に売り込まれるとも書いておられますね。

その通りです。もしこうした投資は、驚異的な高い率で、経済を成長させる発電システムの様なものに対して行われます。事の真相は、こうした巨大なインフラ・プロジェクトに投資すると、経済成長はしますが、そうした成長の大半は、裕福な人々が更に益々裕福になるのを反映しているだけなのです。成長は、国民の大半を反映しているわけではなく、それを現在、アメリカ合州国で我々は目にしているのです。

例えば、経済成長や、GDPは成長していますが、同時に、失業も増加したり、ほぼ同じままだったりで、住宅の差し押さえが増加したり、一定なのです。こうした数値は、非常に裕福な人々のものを反映しがちです。統計的に言って、彼等は経済の膨大な比率を占めていますから。それでも、こうしたインフラ・プロジェクトに投資すれば、経済は成長しますし、しかも、普通考えられるより、ずっと早く成長する様子さえ見せられますが、それも、こうした、すさまじい、信じられない程、経済を衰弱させる融資を正当化するのに利用されるだけなのです。

標的にされる国々について、何か典型的な共通点があるのでしょうか。そういう国々は、例えば資源が豊富だったり、概して権力者にとって、何か他の戦略的な重要性を有したりしているのでしょうか?

ええ、そうしたもの全てです。資源は色々な形のものがあります。一つはis物的資源like 鉱物や石油; 別の資源には、戦略的な場所もあります。別の資源には、大市場や、低賃金労働力もあります。様々な国々が、様々な要求をします。今、我々が、ヨーロッパで目にしていることは、何の違いもなく、それには、ギリシャも含まれるのだと思います。

こうした標的にされた国々が、負債をもったら一体何が起きるのでしょう? こうした主要勢力、これらエコノミック・ヒットマン、こうした国際機関が、どのようにして再来し、膨大な負債を抱えている国々から、言わば“肉一ポンド”を奪うのでしょうか?

そうした国々が、電気・ガスなどの公益法人や、上水・下水、あるいは、学校、交通システムや、刑務所までも、大企業に売り渡す政策を採用するように言い張るのです。民営化、民営化。彼らの領土に、軍事基地を建設するのを認めさせます。色々なことが可能ですが、基本的に、こうした国々は、私が、コーポレートクラシー(大企業支配)というものの、使用人と化するのです。現在、既に、世界帝国ができていて、それはアメリカ帝国ではないのだということを想起しなければなりません。国民的な帝国ではありません。それはアメリカ国民の為にはなりません。それは大企業帝国で、大企業が支配するのです。大企業が、アメリカ合州国の政治を支配し、彼等は、中国等、世界中の国々で、政策のかなりの部分を、相当支配しています。

パーキンスさん、ギリシャの場合について見ると、もちろん、ギリシャは、エコノミック・ヒットマンと、これらの国際機関の犠牲になったというあなたのお考えを表明しておられますが、...最初に、ギリシャの危機と、ギリシャで実施されることになっている施策について聞かれた際、一体どのように思われましたか?

私はギリシャをずっと注目してきました。ギリシャのテレビに出ました。ギリシャの映画会社が“エコノミック・ヒットマンの謝罪”というドキュメンタリーを制作したのです。アイスランドと、アイルランドでも、かなりの時間を過ごしました。アイスランド国民に、負債は返済しないと国民投票する様、奨励支援をする為、アイスランドに招かれ、私は実際、返済しないよう勧め、彼等は「反対」投票し、その結果、アイスランドは現在、他のヨーロッパの国々と比較して、経済的に非常に良くやっています。一方、アイルランドですが。そこでも私は同じことをしようとしましたが、アイルランドの人々は、かなりの賄賂が行われていたという多くの報道があったにもかかわらず、国民投票で反対したのです。

ギリシャの場合、私の反応は“ギリシャは、やられた”というものでした。それには全く何の疑念もありません。確かにギリシャは失敗もしました。御国の指導者達はいくつか間違いをおかしましたが、国民が実際に間違いをしたわけではありませんが、今国民は、指導者達が、その多くは、大銀行とぐるになって、おかした失敗に対し、賠償するよう要求されているのです。連中は、こうしたいわゆる“間違い”で大変な金額の金を儲け、そして今、間違いをしていない国民が賠償するよう要求されているのです。これは世界中どこでも一緒です。中南米で我々はそれを目にしました。アジアで我々はそれを目にしました。世界中の実に多くの国々で我々はそれを目にしています。

これは直接、私が問う次の質問につながります。私の見るところでは、少なくともギリシャでは、危機には、自己非難や、自己嫌悪という感覚の増大が伴いました。ギリシャでは、多くの人々がギリシャをだめにした、国民がだめにしたという雰囲気があります...ギリシャでは、もはや抗議行動もほとんどなく、もちろん、膨大な“頭脳流出”があり、国を去る人々が多数います。こうしたことは、直接経験をお持ちの他の国々と比較して、あなたにとっては、よくあることの様に見えますか?

その通りです。当たり前のことで、驚くにあたりません。人々に、自分達のせいだと思い込ませ、自分達は劣っていると思わせるのです。当時、世界に北ベトナム人が悪であると信じ込ませたベトナム戦争でも、コーポレートクラシー(大企業支配)は、その点、信じられない程たけています。現代では、悪いのはイスラム教徒です。それは「連中対我々」という政策です。我々は善だ。我々は正しい。我々がしていることは全て正しい。お前達が間違っている。そしてこの場合、こうしたエネルギーの全てが、ギリシャ国民に向けられて、“あなた方は怠惰だ。あなた方は正しいことをしなかった。正しい政策に従わなかった”と言っているわけです。実際には、ギリシャにこういう没落の道を進むよう奨励した金融界こそ大いに責任を問われるべきなのです。人々は、自分達の住宅が差し押さえられたので、自分達は馬鹿だった、家の買い方を間違えたと思い込まされる、何か非常によく似たことが、アメリカ合州国で起きていることを申しあげたいと思います。彼等は浪費しすぎたのだと。

事の真実は、銀行家が、彼等にそうするように言ったのです。世界中で、我々は、銀行家を信じるようになっています。あるいは、そうでした。アメリカ合州国では、実際、我々には300,000ドルの住宅しか買う余裕がない時に、銀行家が我々に、500,000ドルの住宅を買うように言う、などとは決して思いませんでした。差し押さえをしない方が、銀行の利益になるものだと我々は思ってきました。しかし、数年前に、銀行家が、300,000ドルの住宅しか買う余裕がないとわかっている人々に、500,000ドルの住宅を買うように言って、それが変わったのです。

“倹約しなさい。数年で、住宅は百万ドルになりますよ。大儲けできますよ”... 実際、住宅の価値は下落しました。市場は消滅しました。銀行は、こうした住宅を差し押さえ、手を入れて、また売ります。ダブルパンチです。国民はこう言われました。“あなた方は馬鹿だった。あなた方は貪欲だった。一体なぜ、そんな高価な住宅を買ったんだ?”しかし実際には、銀行家が彼等にそうしろと言ったのですが、銀行家は信じられると思うように我々は育てられたのです。非常に良く似たことが、世界中、ギリシャを含む非常に多くの国々で大規模に起きています。

ギリシャでは、伝統的な既成大政党は、もちろん圧倒的に、これまで押しつけられてきた厳しい緊縮政策を支持していますが、主要企業やマスコミも、圧倒的に支持しています。あなたは、これに驚かれますか?

いいえ、全く驚きませんが、緊縮策は効果がないのですから:、馬鹿げた話です。何度も証明済みですが、恐らく最大の証しは真逆です。アメリカ合州国では、大恐慌の間、ルーズベルト大統領が、人々を仕事につけ、お金を経済に注ぎこむ、あらゆる政策を始めました。それが機能したのです。こうした状況では、緊縮策は機能しないことがわかっています。

理解しなければならないことがあります。例えば、アメリカ合州国で、過去40年間、中流階級は、実際のドル建てで、減少していますが、経済は伸びています。実際、そういうことが、世界中で起きています。世界的に、中流階級は弱体化しています。大企業はそれを認めなければなりません。まだ認めてはいませんが、それは誰にとっても長期的な利益にもならないことを認識する必要があるのです。中流階級は市場なのです。そしてもし、中流階級がギリシャなり、アメリカ合州国なり、世界的なりで、弱体化し続ければ、究極的に、各企業が、つけを払うことになります。顧客がいなくなるのです。ヘンリー・フォードはかつてこう言いました。“わが社の労働者全員が、フォード自動車を買いにゆくのに十分な賃金を支払いたい。” これは非常によい政策です。賢明です。この緊縮策は、逆方向に動いており、愚劣な政策です。

2004年に書かれたご本の中で、ユーロは、アメリカの世界覇権、アメリカ・ドルの覇権に対する拮抗勢力の役を演じられるかもしれないという希望を述べておられました。欧州連合現在見られる様に、ギリシャのみならず、スペインや、ポルトガル、アイルランド、イタリアでも、そして更に他の国々でも、緊縮策を見ることになるだろうと、予想されましたか?

この時期に私が全く気がつかなかったのは、コーポレートクラシー(大企業支配)がどれほど、統一ヨーロッパを望んでいないかということでした。我々はこれを理解する必要があります。彼等は、ユーロ、一つの通貨については十分満足しているかも知れません。市場が開放されるの十分な程、統一されるというところまでは満足なのです。 ところが、彼等は、標準化されたルールや規則を望んではいないのです。事実を素直に認めましょう。大企業、コーポレートクラシー(大企業支配)は、ヨーロッパの一部の国々には、ずっと緩い税法があり、ある国々には、ずっと緩い環境法や社会的法律があるという事実につけこんで、諸国をお互いに戦わせるのです。

もし、マルタや他の場所に、タックスヘイブンがなくなったら、大企業はどう思うでしょう? コーポレートクラシー(大企業支配)にとって、当初強固なユーロ、欧州連合は、非常に良いものの様に見えたのですが、進展するにつれ、起きつつあるのが、社会法や環境法や規制が、標準化されようとしていることだと彼等は気がついたということを認識する必要があると思います。大企業は、それは望んでおらず、ヨーロッパで起きている物事のある程度は、コーポレートクラシー(大企業支配)が、ヨーロッパは、少なくとも、あるレベルで、ダメになって欲しいと思っている為だということがあります。

80年代末の石油価格崩壊後、膨大な負債を抱えていることに気がつき、もちろん大規模な緊縮政策に至ったエクアドルのや他の国々の例を書いておられますが ...ギリシャで今、我々が目にしているものと全くそっくりに思えます。自分達が同様な状況にある事に気がついたエクアドルや他の国々の国民達は、最終的に一体どのように抵抗したのですか?

エクアドルは、かなり立派な大統領、ラファエル・コレアを選びました。彼はアメリカ合州国の大学で経済学の博士号を得ています。彼は制度を理解しており、私がエコノミック・ヒットマンで、国が、CIAとアメリカの支配下にあった軍事政権によって支配されていた頃に、エクアドルがこれらの債務を背負いこんだことを彼は理解していました。軍事政権が、この膨大な債務を抱え込み、エクアドルは巨額の負債を負ったのです。国民はこれには同意していませんでした。ラファエル・コレアが民主的に選出された際、彼は即座にこう言いました。“我々はこうした債務は返済しない。国民が借金をしたわけではない。あるいは、IMFが債務を返済べき、あるいは、もちろんマイアミかどこかに引っ越し、とうの昔に消え去っているが、軍事政権が債務を返済すべき、あるいはジョン・パーキンスや、他のエコノミック・ヒットマン達が債務を返済すべきだが、国民が返済すべきではない。”

そして、それ以来、彼は交渉を続けて、債務を減らしており、“債務の一部は返済する用意がある”と言っています。非常に賢明な動きでした。これは、違う時期に、ブラジルやアルゼンチンなどで、より最近では、この手本に倣って、アイスランドで行われた、大成功してる、似たような先例を反映しています。コレアは、それ以来いくつか挫折していると言わなければなりません...彼は、実に多くの大統領達と同様、もし、体制に対して余りに激しく抵抗すると、もしエコノミック・ヒットマンが不満で、思い通りにならなくなると、ジャッカルがやってきて、指導者を暗殺するか、クーデターで打倒するということを認識していなければなりません。彼に対するクーデター未遂がおきました。大統領が抵抗した為、彼からさほど遠くない国、ホンジュラスでは、クーデターが成功しました。

これらの大統領達は、実に弱い立場にあり、指導者は、ある程度までしか抵抗できないのですから、最終的には、我々国民が立ち上がらなければならないということを、我々は自覚しなければなりません。現在、多くの国々で、指導者達は単に弱い立場ではすまないのです。指導者を倒すのに、もはや銃弾は不要です。スキャンダル、性的不祥事や麻薬スキャンダルで、指導者を引きずり下ろせるのです。ビル・クリントンに、IMFのストロス・カーンに、それが起きたのを我々は目にしています。そういうことが起きるのを何度も目にしてきました。これら指導者達は、自分達が極めて脆弱な立場にあることを十分理解しています。もし彼等が余りに激しく、現状に反抗したり、逆らったりすると、連中は何らかの方法で追放されます。連中はそれがわかっており、それゆえ、我々国民は、自らの権利の為に、本当に立ち上がる義務があるのです。

アイスランドの最近の例に触れられましたが ...この緊縮策のスパイラルから脱出し、成長の道と、ずっと前向きな見通しに戻るために、実施された国民投票以外に、他にどの様な国家が採用できる手段があるのでしょう?

お金を、人々を仕事に就かせるような計画に投資することと、問題を引き起こした銀行家達の一部を裁判にかけ、人々の士気を高揚させることもあります。それで、アイスランドは、“いやだ。我々は緊縮策はとらない。こうしたローンは返済しない。我々は、お金を、人々を仕事につけるようなことに投入する”という計画をいくつか立ち上げましたが、そして、究極的に、それこそが経済を駆動し、人々を仕事につけるのです。高失業になると、現在のギリシャの様に極めて高い失業になると、国は必ず困難に陥ります。失業を減らさなければなりません。人を雇わなければなりません。人々を仕事に戻すことが極めて重要です。失業率は約28パーセントです。これは驚くほどのもので、可処分所得は40パーセントも減り、もし高失業であれば、低下し続けます。ですから、経済にとって重要なのは、雇用を増して、可処分所得を取り戻して、国民が自国に、商品に、サービスに投資できる様にすることです。

最後に、過去三年間ギリシャで実施されてきた緊縮政策の極めて過酷な結果を味わい続け、切り抜けなければならないギリシャ国民に、どのようなメッセージを頂けますか?

ギリシャの歴史を生かして頂きたいと思います。あなた方は誇り高い、強い国、戦士の国です。戦士の神話は、ある程度、ギリシャに由来しますが、民主主義もそうなのです! 現在、市場は民主主義ですから、自分のお金の使い方は、投票と同じ効果があります。アメリカ合州国のものを含め、大半の政治的民主主義は腐敗しています。大企業が支配している為、民主主義は、政府という基盤では、実際は機能していません。しかし、民主主義は、市場では機能しています。ギリシャ国民には、立ち上がるようお勧めしたいと思います。こうした債務は返済しないように。自分達の国民投票をしてください。債務返済を拒否してください。街頭の抗議に出て、ストライキをしてください。

 

ですから、私はギリシャ国民に、これを継続するようお勧めします。国民が悪い、国民に責任がある、緊縮策だ、緊縮策だ、緊縮策で苦しまなければならないなどという批判を受け入れてはいけません。緊縮策は金持ちの為にしかなりません。庶民、中流階級の為にはなりません。中流階級を増やしましょう。雇用を取り戻しましょう。ギリシャ庶民の可処分所得を取り戻しましょう。そのために戦いましょう。それを実現させましょう。権利のために立ち上がりましょう。戦士と、民主主義の指導者としての歴史を尊重し、世界に示してください!

記事原文のurl:http://www.zerohedge.com/news/2015-07-02/how-greece-has-fallen-victim-economic-hit-men

----------

こうした記事を翻訳しているのは、決して議論をしたいからではない。それゆえ、せっかくのコメントにもほとんどお答えしていない。そもそも、回答するほどの能力、持ち合わせていない。

単純に「マスコミ」なるもので触れられない視点があることを示したいだけのこと。

意に沿わないコメントを頂くことも、まれにあるが、公開しないことにしている。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏がおっしゃるように、大変な時間をかけて書いた(この場合、翻訳した)記事に対する「数行の悪罵」を公表する寛容の精神、小生には全くない。

ご自分のブログで、「原文なり、翻訳なり」批判いただければよいだろう。

コメントではないが、今回のギリシャの件で、「日本のマスコミは分析が足りないのでは」という趣旨の書き込みをtwitterで拝見して驚いた。

「日本のマスコミは分析しているから書かない」と思うから、具体的に示したくて、へたな翻訳をしていることをご理解頂きたいと思う。分析が足りないのではない。分かっていて書かないのだ。分かっていなければ、知的に大問題だろう。

全く同意しかねるコメントとして某大手掲示板に転載された記事に対する書き込みで、「ポール・クレーグ・ロバーツ氏の記事は、宗主国諜報機関の走狗であり、世論分裂を狙う発言である」がごとき趣旨のものがあった。

書き込みの、余りの悪意、余りに低劣な知性に驚いた。ポール・クレーグ・ロバーツ氏に失礼だろう。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏の記事を、まとめてお読み頂ければ、とんでもない言いがかりであることは明白だろう。

なお、掲示板等への転載、別名で小生が書き込んでいるわけではない。

どなたかが全く勝手に、(善意で?)転載しているものだ。

転載は自由だが、転載の多くで、小生コメントは、不思議なくらい無視・削除されている。
自国の場合を考えさせられる記事を選んで翻訳しているのだ。

様々な転載、決して小生によるものではないことを改めて明記させて頂きたい。

もちろん、小生の意見が絶対に正しいなどと言いたいわけでは全くない。

« 7月4日アメリカ独立記念日にギリシャの事等を熟考 | トップページ | ボコ・ハラム: 国際テロ企業への変身 »

アメリカ」カテゴリの記事

中南米」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

新自由主義」カテゴリの記事

ホンジュラス・クーデター」カテゴリの記事

ギリシャ」カテゴリの記事

コメント

           V.ヌ-ランド ギリシャ・ツィプラス首相と会う
           -ツィプラス首相は国民を裏切ったのか-

 本文で Tyler Durden 氏は,「・・・大企業が支配している為、民主主義は、政府という基盤では、実際は機能していません。しかし、民主主義は、市場では機能しています。ギリシャ国民には、立ち上がるようお勧めしたいと思います。こうした債務は返済しないように。自分達の国民投票をしてください。債務返済を拒否してください。街頭の抗議に出て、ストライキをしてください」と訴えた。
 しかし,ツィプラス首相・ギリシャ議会は,EUに対して大幅譲歩案を可決した。アイスランドや,ラファエル・コレア大統領のエクアドルに学ばなかった。つまり,EUやIMFの背後に控える「大企業支配」からの借金返済に同意した。おそらく,ジャッカルの総帥ことヌ-ランドがギリシャ・ツィプラス首相と会って大幅譲歩案を強要したのであろう。

 他方,中国では最近,株価が急激に値下がりし,中国政府のある機関部は『悪意ある空売り』として調査を開始した。しかしなぜ空売りが問題になるのか,門外漢にはよく分からない。そこで空想するほかに手段はないので空想すると,空売りを無制限に許せば,資金が豊富な方が勝つ確率が高い。かつてジョ-ジ・ソロス氏がポンド売りを浴びせて英国政府に勝った例がある。
 現在ウクライナに投資しているソロス氏以外にも,資金豊富な兆万長者は世界人口の0.1%を占め,さらに裕福になり,彼らに億万長者が続く。そういう長者が「空売り」をすれば,勝つのは火を見るより明らかである。

 また,価値がないのにその国のお札を「たくさん」刷り,その札束の大半を握り,他国のお札をかき集める。例えば,ドルをたくさん刷り,ポンドに交換し,買い漁る。その後ドルの価値は下がったとしても,買い漁っておいたポンドでポンドや他の通貨に空売りを仕掛ける。その結果,アイスランドやギリシャのような小国はドルやポンドに翻弄される。

 ドルを「たくさん」刷り,IMFや世銀にドルを拠出させ,世界中にドルが撒き散らされた結果,ドル無しでは二進も三進もいかなくなったアジア通貨危機に代表されるように,レッセ・フェ-ルの,規制がないドル支配によって,さらなる空売りが横行する。そこでそのような空売りに対抗するために,マレ-シアはペッグ制を導入し,日本ではかつて株の『空売り規制』が導入され,最近その規制が大幅に緩められた。

 他方,29年以来の世界大恐慌の反省に立って立法されたグラス・スティ-ガル法がある。つまり証券業界と銀行(大企業)が結びつかないようにしたのがグラス・スティ-ガル法である。この種の法律も日本でもすでに,取り払われてしまっている状態。

 ところでフセイン大統領のイラクは,石油取引をドルでなく『ユ-ロ』で行いたいと主張したことでブッシュ・ブレア連合軍に侵略された。そこで,米国やCIAによって政権転覆されたチリやホンジュラスなどの例を併せ鑑みて,中国元の世界をつくろうとアジア・インフラ投資銀行AIIBが設立された,と考えて良い。
 AIIBは透明性がないなどと批判されているが,透明性がないのはTPPやTTIPであろう。その事実を認めた上でさらに考えれば,中国元が市場に出回れば出回るほど,米国ドルは使われなくなる。その結果,ドルは過剰になり,減価する。減価すれば,アメリカの力は弱まり,「力は正義,正義は力なり」の「大企業支配」は勢いをなくす。しかしそればかりではなく,空売りされてもドルは必要とされないのでかつての英国政府のように,ドルを買い自国通貨を防衛しない。

 ところで,ジョ-ジ・ソロス氏は「ギリシャがEUから抜け出ても良い」と発言したことがある(スプ-トニク)。おそらくヌ-ランドとツィプラス首相との会談とは,「EUに残れ」というよりは「EUから抜け出ろ」という内容ではなかったのか。
 なぜなら,ソロス氏が新ドラクマに戻れば,ドラクマ空売りでまた一財産儲けようと考えたとしても,少しもおかしくないからである(EUに残留すれば,いくら何でもユ-ロ売りはしないだろうからだ)。

 ギリシャ・ツィプラス首相が,"OXI"を突き付けた国民を裏切ったとする意見が日本の識者の間では優勢になっているが,小生の空想によれば-外れることが多いとしても-ギリシャはEUから脱退するのではないだろうか。

追記: EU脱退は,ギリシャが空売り規制を強化しない限り,ソロス氏の魔の手から逃れられることを意味しないだろう。

毎回、毎回貴重な翻訳と紹介に頭が下がります。“ギリシャは‘やられた’のであり、これは疑う余地はない”と、『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』の著者、ジョン・パーキンズが主張しているように弱小国がコーポレートクラシー(大企業支配)と呼ぶものにいかに騙され、翻弄されてきたかを鮮やかな分析で開示。大企業支配による弱小国の搾取のされ方が手に取るようにわかる。ギリシャの経済的苦境を大手紙はギリシャ国民が怠惰で要求ばかり過大であることを強調していたが、とんでもない誤報を日本人に振りまいていたことになる。スラヴィストの当方は過去よりずっと、ウクライナの行く末を憂えているが、これと本質変わらぬことがソロス等を筆頭にワシントン筋と大企業の共謀により、起こりうるであろうと類推する。悲しいかな、ウクライナ人はギリシャ人のように誇り高く行動しうるかは疑問だ。カレイドスコープも熟読しているが、今回のような鋭い分析はみられなかった。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

» 羅馬じゃなくて希臘人になってみる?(お前は阿部寛かっ) [岩下俊三のブログ]
高利貸しから借りた金など返すつもりはない!ギリシャ国民はそう「きっと」そう考えたに違いない。 したがって ここからは希臘人に血憑依してやる〜〜〜ぅ。 〜〜〜〜〜〜〜 ... [続きを読む]

« 7月4日アメリカ独立記念日にギリシャの事等を熟考 | トップページ | ボコ・ハラム: 国際テロ企業への変身 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ