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2015年7月28日 (火)

「イスラム国」最悪の敵、クルド人に対する戦争を開始したトルコ

Moon Of Alabama

2015年7月25日

2013年以来、トルコ国と、南東トルコの反政府派、クルド労働者党(PKK)との停戦協定は良く守られてきた。政府は、クルドの文化的自治支持を約束し、引き換えに、与党の公正発展党(AKP)は、クルド人有権者の一部から票を得ていた。AKP政府は、北イラクのクルド人とも、良い関係を保ってきた。政府は、クルド地域政府から石油を購入し、自治イラク地域を支配するバルザニ一派の泥棒政治を支持している。

クルド労働者党(PKK)は、トルコ国内の戦闘的なクルド人組織だ。シリア国内の同様組織は、人民防衛隊(YPG)という名で知られている。集団は、イランでは、クルディスタン自由生活党(PJAK)、イラクでは、人民防衛軍(HPG)と呼ばれている。トルコの国民民主主義党(HDP)党は、クルド労働者党(PKK)の政治部門だ。クルド民主統一党(PYD)は、シリア人民防衛隊(YPG)の政治部門だ。こうしたものは全て、本質的に、クルド人自治や独立を目指す平等主義で、非宗教的なマルクス主義/アナーキスト組織だ。

トルコは、トルコ、イラクとシリアのPKKクルド人に対する戦争を再開した。トルコ警察は、トルコ国内で何百人ものクルド人活動家を一斉検挙し、今夜、何十機ものトルコ戦闘機がシリアとイラクのPKK拠点を攻撃した。この戦争はエスカレートし、長期的で、残虐なものになる可能性が高い。その大半はトルコ国内での戦闘となるだろう。一体どうしてこういうことになったのだろう?

対シリア戦争と、シリア政府と戦っている最も過激なイスラム原理主義者に対するトルコによる支援が、クルド人との関係を変えた。トルコが、自由シリア軍のみならず、イラクとシリア国内の、シリアのアルカイダ系ジャバト・アル-ヌスラや「イスラム国」を支援していることは否定しようがない。トルコは、こうした組織への参加を希望する世界中の自爆犯にとって、通過国だ。シリアトルコ諜報機関の支援を得て、兵器、弾薬や他の物資が密かに持ち込まれており、「イスラム国」は石油をトルコに輸出している。「イスラム国」は、トルコで新兵採用を行っており、トルコ全土に多数の潜伏細胞を保有していると思われている。

「イスラム国」が北シリア、コバニのクルド拠点を攻撃した際、アメリカがクルド人側にたって介入した。トルコは腹を立て、当初、あらゆる支援を阻止した。コバニのクルド人は、トルコ国内のクルド反政府派同様、PKK/YPGに組織されている。彼等は北シリアに、トルコ・シリア国境沿いの全てのクルド人居留地を結ぶ統合自治区を望んでいる。

アンカラは、こうした地域が、南東トルコのクルド地域に加わりかねないと恐れている。これはトルコにとって脅威となるだろう。トルコは、対シリア戦争で、領土を失うことなく、獲得だけしたいと願っている。シリアのイドリブとアレッポ、そしてイラクのモスルは、エルドアンが領土に加えたいと思っている地域だ。

シリアとイラクのクルド人が、「イスラム国」との戦闘で多少、勝利し、領土を増した為、トルコのAKP政府としては、計画が目茶滅茶になった。更に、AKPは、トルコでの最近の選挙で敗北したのに、クルドHDP党は、党史上初めて、トルコ議会に議席を得た。議会での安定過半数がなければ、より大きなオスマン・トルコを支配する全能大統領になるというエルドアンの計画は終わってしまう。

状況を変える為、エルドアンは、アメリカの対「イスラム国」戦争に参加するという口実で、対クルド戦争を再開することに決めたのだ。

7月20日、南部国境の町スルチで、若い社会主義者クルド人の集会で爆弾が爆発した。約30人が死亡し、百人以上が負傷した。トルコは、攻撃を即座に「イスラム国」のせいにしたが、ISは決して自分達がやったと主張していない。クルドPKKは即座に、トルコ国のせいだとし、「イスラム国」と共謀していると非難している。翌日、PKKは、トルコ警察官二人を爆撃への報復として殺害した。

昨年、トルコ首相と、トルコ諜報機関トップの会話の秘密録音テープが流出した。彼等は、シリア侵略の口実として、トルコの標的を対象にする偽装攻撃を企んでいたのだ。トルコがトルコ国内のクルド人を攻撃する為「イスラム国」と共謀しているというPKKの仮説は、それゆえ、大いに妥当すると思われる。攻撃を可能にした"諜報工作上の失敗"とされるものは単なる煙幕のように思われる。攻撃によって、現実には、クルド人を攻撃しながら、トルコは「イスラム国」と戦っている、という広報上の主張が可能になる。

水曜日、トルコ警察は、国中で、何百軒もの住宅を家宅捜索した。大量逮捕は「イスラム国」戦士に対する行動だと喧伝された。だが、少数の有名なIS幹部の他に、何百人ものクルド人活動家や左翼政治家達が拘留された。イスタンブールや他の都市において、クルド人による抗議行動や暴動がおきた。今日、トルコ裁判所はクルドの報道機関やメディアを禁止した。トルコのトルコ・マスコミとインターネットも再度、一部検閲されている

一体なぜ、エルドアンは今対クルド戦争をたちあげるのだろう? 彼の狙いは何だろう? こうしたことが思いつける。

    • クルドの攻勢後、「イスラム国」が失った北シリアのクルド県の統一を阻止すること
    • 北シリアを、トルコに組み込むという長期的な狙いでのアルカイダ、「イスラム国」や、他の反シリア集団に対する確実な補給路を維持すること。
    • 次回選挙で、民族主義者の支持をエルドアン側に集める。再度、AKPの圧倒的過半数を勝ち取るため、クルドHDPを次回選挙で締め出すこと。
    • エルドアンの政敵ではあるが、将来のクルド自治を大きな脅威と考えているトルコ軍の支持を得ること。

昨日、トルコ政府は、アメリカの対「イスラム国」攻撃飛行用に、インジルリク空軍基地を開放すると発表した。アメリカが、シリア上空に飛行禁止空域を設定することに合意したとも主張した。アメリカは公式に後に否定した。トルコ戦闘機は、北シリアの「イスラム国」標的とされるものに対して数回攻撃飛行を行った。トルコは、空き家を何軒か爆撃したに過ぎないと、クルド人は語っている。公式発表された計画は、トルコが実際に行っていることとは違っているように見える。

トルコとアメリカ合州国は、トルコ-シリア国境の両国が「イラクとレバントのイスラム国」(ISIL)禁止区域と呼ぶ場所から、聖戦テロリストを排除する目的の軍事行動計画に同意した。
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アンカラとワシントンが作り上げた計画は、この地域もしISILが、この地域から完全に排除された場合、シリア民主統一党(PYD)が、欧米に対して影響力を更に拡大したり、暴力から逃れたシリア国民や、祖国に帰国を希望する人々を収容するための安全な環境を作ったりするのを阻止するため、自由シリア軍部隊の配備を見越している。

昨夜、トルコ空軍は、「イスラム国」戦士や拠点ではなく、イラクのクルド人に対する全面的攻撃を行った。数十機のトルコジェット機が、北イラクのPKK拠点を攻撃した。これらジェット機はシリア空域を飛行したとされている。これは、国際的支援を得て「イスラム国」との戦闘で最も成功している集団に対する攻撃だ。計画のこの部分に、アメリカ合州国が、一体どこまで同意したのだろうか不思議に思う。

今度は、対クルドPKK戦争で、アメリカはアンカラと共謀しているのだろうか? その場合には、いかにすれば、PKK/YPGを「イスラム国」との戦いでの同盟者として利用し続けることが可能だろう?

アメリカの姿勢は混乱している

オバマ政権幹部は「イスラム国」に対する戦いで、PKKとYPGには互いにつながりがあることを認めているが、彼等は、アメリカは、PKKとは正式に付き合わないことにしているが、YPGとは直接対応し続けているという。両集団は、別の指揮命令系統で動いており、異なる狙いを持っているのだと当局者は言う。
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わずか二年前、バラク・オバマ大統領は、トルコに、アメリカは、PKK“テロリスト”に対する戦いで、トルコの支援を継続すると語った。アメリカは、PKKに関する諜報情報をトルコと共有し続けており、両国軍幹部は、ジョージ・W・ブッシュ政権がトルコのテロ集団との戦いを支援する為設置したアンカラの諜報情報共有セルで会議している。

だが今や“アメリカはYPG空軍となり、YPGはシリアにおけるアメリカ地上軍です”と、現在リーハイ大学につとめる元国務省トルコ専門家ヘンリ・バーキーは語っている。

繰り返すが、PKKとYPGは、実際には、別々の組織ではない。二者は本質的に同じものだ。アメリカは、「イスラム国」を支援しするトルコ政府が、クルド拠点を標的にしているを支援しながら、同時に、「イスラム国」と戦う、同じクルド人への上空援護を行っているように見える。

ワシントンの一体誰が、このような気の狂った政治姿勢を思いついたのか、そして背後にある本当の狙いは何だろうか?

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2015/07/turkey-re-lauches-war-on-kurds.html
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政党名や、軍団?の名前の略語、実に混乱してしまう。何ともわかりにくい。そもそもは、英語ではない言語がもとだろうから、たとえ略語でなくとも、わかりにくいだろうけれど。

略語と言えば、人気のSEALDS、Students Emergency Action for Liberal Democracys
というようだ。自由と民主主義のための学生緊急行動

一方、同じような名称のUnited States Navy SEALsはアメリカ海軍特殊部隊。
Sea, Air, Land Teamsの略語。

英米語学や、英米文学にはまったく無縁のメタボ老人としては、そもそもの名前が、あまりに陰湿な組織と重なる名前であったり、ホームページで、英語単語が色々つかわれていたりするのが気になってしまう。

紫式部や清少納言の文化を受け継いで、もっと素敵な組織の名前は考えられなかったのだろうか?

ソーシャル・ネットワークの駆使は良いことだろうが、宗主国がアラブや東欧であきずに繰り返しているソーシャル・ネットワークを駆使したお手盛り「カラー革命」と全く無縁のものであってほしいと、ついつい被害妄想気味になる。

60年安保時の全学連主流派や、70年安保時の全共闘のような末路を辿らないことを心から祈りたい。あの人々、結局は、宗主国を、そして傀儡政権を応援した結果にしかならなかったのではないだろうか?と、素人は思っているので。

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