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2015年7月30日 (木)

NATO、トルコ/アメリカのシリア政権転覆攻勢を支援

Jean Shaoul
2015年7月29日

火曜日、NATOは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に、バシャール・アル-アサド大統領のシリア政権に対するワシントンの介入をエスカレートする為の隠れ蓑として利用されている、アメリカが率いる「イラクとシリアのイスラム国 」(ISIS)に対する軍事攻勢に、トルコが参加することについて、満場一致で支持した。

見返りにトルコが得たものに、先週まで、ワシントン、ベルリンや、他のNATO大国によって、対ISIS戦争の基盤として称賛されていたクルド勢力に対する攻撃へのアメリカによる支持がある。

イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長はこう述べた。“トルコの戸口と、NATO国境での不安定さに対処する為、我々は同盟国トルコとしっかり団結している… 。”

NATOで二番目に大きい、総勢700,000人の軍隊を擁するトルコは、シリアを侵略し、領土を占拠し、トルコ軍がISIS戦士を標的にすることを可能にする緩衝地帯をトルコ国境沿いに確立する。そのような地帯は、クルド民主統一党と、その民兵、クルド人民防衛隊(PYD/YPG)という、シリア・クルド勢力に対する集結地点にもなる。

彼等は更に、ロシアやイランと同盟しているダマスカスの政権を打倒する力を準備する為に、アメリカと、その同盟国によって、武器を与えられ、資金を提供されているいわゆる“穏健派”反アサド勢力の為の安全な隠れ場所を作り出すつもりだ。

PYD/YPGは、トルコで非合法化されているクルド労働者党(PKK)や、イラクのクルディスタン地域政府(KRG)と同盟しており、北東シリアの自治区を築いている。アンカラは、それが拡大し、南東トルコまでとりこみかねないと懸念して、シリアのクルド自治区に反対している。

アメリカは、ここ数年、シリアに“飛行禁止空域”をもうけるエルドアンの公正発展党(AKP)の提案を拒絶してきたが、それと等しい“安全地帯”に今や同意している。

2003年イラク侵略の十年以上前、アメリカは、イラク航空機を飛べなくし、イラク防空システムを標的にする為、北と南イラク上で“飛行禁止空域”を利用した。反カダフィ抗議行動参加者を保護する目的だという建前で、リビアで同じような空域を設定するという名目で、2011年、アメリカとNATOは航空戦をしかけ、政権を打倒し、究極的に、その指導者を殺害する為、代理人連中の地上軍をとりまとめた。

最新の計画は、シリア主権に対するあからさまな攻撃で、事実上のダマスカスに対する宣戦布告に等しい。これは、資源の豊富な中東全体を支配するという、ワシントンのより広範な戦略の一環だ。

アンカラは、シリアとイラクのISIS標的を攻撃するために、アメリカがインジルリクとディヤルバクルのトルコ空軍基地を使用することに同意した。ISISや、アルカイダとつながった、アル-ヌスラを含む様々なイスラム過激派民兵と、クルド民兵以外に、有効な反アサド派戦闘勢力がない為、ワシントンは、シリア国内で支援している“穏健派”勢力の名前をあげることを拒否した。

グローバル対テロ戦争に関するあらゆる語り口からして、ISISを封じ込める取り組みとされるものにおいて、アメリカ軍は、アルカイダとつながった勢力の地上軍への上空援護を行い、彼等の事実上の空軍として機能する可能性が高い。

ブリュッセルでの90分の会談は、シリア政権転覆の為の全面的NATO戦争の準備だった。会談は、アンカラの政府が、トルコの安全保障について同盟諸国と、相談することを可能にするため、NATO条約、第4条のもとで、トルコの要求で招集された。

エルドアンはこう述べた。“現在、トルコは攻撃されており、自国を防衛する権利を行使しており、この権利は最後まで行使するつもりだ。”彼は更に述べた。“NATOにも義務が生じる可能性があり、我々は、NATOに、それに備えるよう要求した。”

彼が言及しているのは、先週、トルコ南東部のクルド人が多い町スルチでおきた、シリアの都市コバニにでかけ、再建を支援する計画をしていた32人の活動家を殺害した自爆攻撃だ。トルコ政府は、攻撃はISISが行ったと主張しているが、ISISは犯行声明をだしていない。

スルチでの自爆事件は、PKKによる攻撃を引き起こし、それが国内の反政府派、1,000人以上のISISメンバー容疑者、PKKや左翼集団の逮捕を含め、政府取り締まりの口実に利用された。過去数日間に、5人のトルコ人治安要員と、4人の民間人が衝突で亡くなっている。

日曜夜、トルコ戦闘機が北イラクのPKK標的を攻撃した。PKKは、攻撃は、約40,000人の人命を奪った30年間の武力紛争の後、2013年に合意した脆弱な休戦の終わりを意味すると述べた。

月曜日、トルコのメヴルト・チャヴシュオール外務大臣は、記者団に、トルコが直面している、安全保障上の脅威を説明したいと言って、“我がNATO同盟諸国の団結と支援を我々は期待している”と述べた。彼は“PKKと、ダーイシュ [ISIS]に違いはない。ダーイシュと戦っているからといって、PKKの方がましだとは言えない。”と述べて、ISISとPKKとのいかなる差異をも説明することを拒否した。

緊急NATO会談の最も顕著な特色の一つは、より広範な地域での戦争の突発や、トルコ国内での内紛急増をもたらす恐れがあるトルコの計画を、全てのヨーロッパ大国が支持する用意があるように見えることだ。

約100万人のクルド人を含め、約400万人のトルコ人が暮らすドイツの懸念があってもこうなのだ。ドイツは、トルコの対応は、トルコが直面する脅威と釣り合うもであるべきだと述べ、アンカラのクルド人との和平交渉は継続すべきだと強く促した。

アンカラが、既にクルド人に対して戦争をしかけていることからすれば、これは第一級の政治的皮肉だ。ベルリンは以前、北イラクのKRGと密接なつながりを確立し、イラク・クルド人ペシメルガ民兵に兵器を与え、間接的に、シリア・クルド人にも与えた。ドイツはペシメルガ戦士訓練もしている。

今や、ヨーロッパ諸大国も、ワシントンも、対ISIS戦での正式同盟者、クルド人を見捨て、トルコを支持する用意があるように見える。彼等が、規模17番目の経済であるトルコは、彼等自身の中東支配の取り組みと、ロシアと中国を出し抜く上で、より貴重な地域的協力者だと考えているのは明らかだ。

シリア内戦の最初の数年間、トルコ--ワシントンに支援されて--アサドを打倒し、クルド人を封じ込め、シリアにおけるクルド国家の出現を防ぐ為の取り組みで、ISISや、他のイスラム過激派勢力を、積極的に支援してきた。より最近では、イラクにおけるアメリカ権益への脅威としてのISIS出現後のアメリカによる圧力の下、より低姿勢な、対ISISとの取り組みへと方針をいやいやながら変えたのだ。

2013年に、アメリカが、対アサド戦争で腰が引けた後、トルコは、アメリカとの同盟を利用して、地域における陰の実力者になろうとするトルコの取り組みが阻止されていることに気がついた。トルコは、今ならこれが実現可能だと考えている。月曜、アフメト・ダウトオール首相は、CNNに、ISISの存在は、シリアのアサド政権に対する国際的な無為の結果だと語った。

"アサドは、ずっと前から正統性を失っている”と彼は主張した。“残念ながら、国際社会が無為だった為、彼は犯罪を継続し、力の真空状態を作り出した… ISISを殲滅することは、もちろん、戦略的目標だが、何か他の要素があるべきだ。我々は、シリアの将来について、戦略を持たねばならない。"

地域を不安定化させることになったアメリカ政策の頻繁な急変で揺さぶられながら、長年の急速な成長後、経済が失速し、自動車産業での山猫ストも起きて、AKP政府は、国内における混乱の増大に直面している。特にイスタンブールや、東部、主として、クルド諸州で、大規模な街頭抗議行動、過激なバリケードや自動車の焼き討ちも起きている。

6月選挙で、絶対多数を失って以来、AKPは、いまだに連合政権を組めていない。エルドアンの計算で大きな部分を占める要素は、どのような新選挙でも、AKPに議会の過半数を確保できるようにする為に、彼が恐怖の雰囲気を醸成できることだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/07/29/turk-j29.html
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対シリア攻撃本格化だろう。

外出していて実況をみそこなった共産党小池副委員長の追求。
アメリカ軍、あるいはオーストラリア軍?の為の、あらゆる弾薬の提供、戦車等の武器輸送なんでもあり。本格的な後方支援、正確には、兵站。

「攻撃国の意思は総合的に判断する」正気ではない連中の恣意的判断が恐ろしい。

アベ政治を許さない。という最近の大ヒット、金子兜太氏の書の通り。

大企業の儲けの口として、戦争は、一番美味しいのだろう。

宗主国の軍需企業であれ、属国の軍需企業であれ。そして、そういう企業からの政治献金は膨大なのだろう。それをいうなら、保険業界や、医薬品業界やGMO産業の政治献金も。

戦争法案の迫力を利用して、TPPの方を、大本営広報部、まんまと隠しおおせている。
意図的にバター不足を起こしておいて、TPPで安いニュージーランドのバターが買えるという宣伝。

安いバターや、GMO食品や、ホルモン漬けの肉を食べて、病気になると、TPPのおかげで、医薬品が途方もなく高くなり、医療費が目玉が飛び出るほどになることは決して報じない大本営広報部、戦争法案説明で、リスクは上がらないという政府と同じ穴のむじな。

自国の食料生産が高いからといって、自国の農業をこれ以上破壊すれば、宗主国が意図する、食料でも日本を締めつけられる計画にのるだけのこと。そうしていじめる宗主国の侵略戦争にどうして参加するのだろう。

戦争をしないための法案をつくれと命じてくださっている宗主国、こういう歴史のお国だ。

アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争

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