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2015年6月21日 (日)

ワシントンによって生み出されたヨーロッパ/ロシア危機に関する国際会議でのポール・クレイグ・ロバーツ演説

2015年6月19日

2015年6月20-21日、ギリシャ、デルファイでの、ヨーロッパ/ロシア危機に関する国際会議におけるポール・クレイグ・ロバーツ演説

ワシントン帝国のもう一つの犠牲者としてのギリシャ

アメリカ合州国は建国の歴史の初期から帝国たらんと追求してきましたが、ワシントンが、全世界を思いのままにできると考えられるようになったのは、1991年のソ連崩壊からです。

ソ連崩壊は、ネオコンを権力の座に押し上げ、アメリカ政府に影響力を及ぼす結果になりました。ネオコンは、ソ連崩壊を、歴史が“アメリカの民主的資本主義”を新世界秩序として選択したものだと解釈したのです。

歴史によって、例外的で、必要欠くべからざる国として選ばれた、ワシントンは、世界に対して覇権を押しつける権利と責任を主張しています。ネオコンは自らの計画は、国内法、国際法や、他の国々の利益によって、拘束されるには余りにも重要だと考えています。実際、一極権力として、ワシントンは、アメリカの権力を拘束しかねない他の国々の勃興を防ぐようネオコンのドクトリンによって要請されているのです。

主導的なネオコン、ポール・ウォルフォウィッツが、ソ連崩壊後間もなくウォルフォウィッツ・ドクトリンを書きました。このドクトリンが、アメリカの外交・軍事政策の基盤です。

ドクトリンにはこうあります。

“我々の第一目標は、旧ソ連地域であれ、他の場所であれ、かつてソ連が引き起こしていた規模の脅威をもたらす新たなライバルの再登場を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の根底にある主要な考え方であり、統合的に管理すればグローバル・パワーを生み出すに十分な資源がある地域を、いかなる敵対的勢力にも支配させないよう、我々は尽力しなければならない。”

ワシントンの“第一目標”は、平和でも、繁栄でも、人権でも、民主主義でも、正義でもないことにご留意願います。ワシントンの“第一目標”は世界覇権だ。極めて確信をもった連中しか、これほど大胆に自分達の計画を公表しないでしょう。

冷戦時の当面の危機に対する委員会の元メンバーとして、ウォルフォウィッツの言葉が意味するところを、私は説明することができます。“かつてソ連がひきおこしていた脅威”というのは、世界のある場所において、一方的なアメリカの行動をソ連が阻止する能力です。ソ連は、あらゆる場所ではなくとも、ある場所では、アメリカの一方的行動に対する制約になっていたのです。ワシントンに対する、いかなる制限も脅威と見なされます。

“敵対的勢力”というのは、BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国や、南アフリカ)等が主張する独自の外交政策を持った国々のことです。イラン、ボリビア、エクアドル、ベネズエラ、アルゼンチン、キューバや北朝鮮も独自の外交政策を主張しています。

これは、ワシントンには許せない、あまりの独立です。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が最近述べた通り“ワシントンはパートナーは求めていない。ワシントンは属国を求めている。”のです。

ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、ワシントンが、ワシントンの意志に従わない政権を潰したり、打倒したりする様、要求します。それが“第一目標”です。

ソ連崩壊の結果、ボリス・エリツィンが解体したロシアの大統領となりました。ワシントンは、エリツィンの従順さに慣れきって、中東での戦争に熱中し、ウラジーミル・プーチンが、臣下のロシアであり続けることを期待していました。

ところが、第43回ミュンヘン安全保障会議で、プーチンはこう述べたのです。“今日の世界では、一極モデルは受け入れられないばかりでなく、不可能だと思います。”

プーチンは更にこう述べていました。
“国際法の基本的原理や、独自の法的規範に対する益々の軽視を我々は目にしている、実際問題、ある国家の法体系に近づいています。ある国家、もちろん何よりまず、アメリカ合州国は、あらゆる方法で国境を踏み越えています。これは、アメリカが他の国々に押しつける経済、政治、文化、教育政策に現れています。一体誰がこういうことを好んでいるのでしょう? これで満足なのは一体誰でしょう?”

プーチンが、アメリカ一極支配に対するこの根本的な異議申し立て発言をした頃、ワシントンは、アフガニスタンとイラク侵略が成功しないことで頭が一杯でした。 任務完了ではなかったです。

2014年には、ワシントンが中東で、結婚式、葬儀、村の長老、子供達のサッカー試合を爆撃している間に、ロシアがワシントン支配からの独立を実現し、ワシントンの一極支配に対する強大な挑戦者となっていることにワシントンも気がつくようになりました。プーチンは、オバマが計画していた、シリア侵略と、イラン爆撃を阻止したのです。
紛れもないロシアの勃興で、ワシントンは中東からロシアの脆弱性に方向転換しました。

長い間、ロシアの、後にはソ連の一部だったウクライナは、ソ連崩壊のすぐ後、ワシントンの工作によって、ロシアから分離しました。2004年、ワシントンは、オレンジ革命で、ウクライナを取り込もうとしましたが、ウクライナをワシントンの手に入れることには失敗しました。結果的に、ネオコン国務次官補ビクトリア・ヌーランドによれば、以後十年間、キエフの街頭に出動させられるウクライナの非政府組織(NGO)の育成と、進んでワシントンの権益を代表するウクライナ人政治指導者の育成に、ワシントンは50億ドル費やしました。

2014年2月、ワシントンは、デモを組織し、暴力も用いて、クーデターをしかけ、選挙で選ばれたビクトル・ヤヌコビッチの民主的政府の打倒と、逃亡をもたらしました。言い換えれば、ワシントンは、新しい国の民主主義を、民主主義が根を下ろせるようになる前に、クーデターで破壊したのです。

ワシントンにとって、ウクライナ民主主義などどうでも良いのです。ロシアに、安全保障問題をもたらし、成長しつつあるロシアとヨーロッパの経済・政治的関係を破壊すべく“ロシア侵略”に対する経済制裁を正当化する為に、ワシントンはウクライナを占有するつもりなのです。ワシントンは、こうした関係が、ヨーロッパに対するワシントン’の支配力を損ないかねないと恐れていました。

経済制裁は、ヨーロッパの利益に反します。それでも、ヨーロッパ各国政府は、ワシントンの狙いに、協調しています。何十年も昔に、後に国際安全保障担当国務次官補になった、私の博士号論文審査委員会委員長が、その理由を説明してくれました。ワシントンは一体どのようにして、外国政権に、彼ら自身の国の利益ではなく、ワシントンの利益になるよう行動させることができているのかを、彼に尋ねる機会がありました。彼は言いました。“金だ。”私は尋ねました。“経済支援ですか?” 彼は答えました。“違う。我々は政治家達に、金がつまった袋を渡すのだ。連中は我々のものだ。連中は我々の要求に答えるのだ。”

最近、ドイツ人ジャーナリストのウド・ウルフコッテが『買収されたジャーナリスト』という本を書き、そこで、あらゆる著名なヨーロッパ・ジャーナリストは、CIA協力者として機能していると言っています。

私はこれに驚きません。アメリカ国内でも状況は一緒です。
ヨーロッパは、ワシントンの付属物、属国の集合体、ヨーロッパが、ワシントンが創り出したプロパガンダに過ぎない“危機”を巡って、ロシアとの紛争に追いやられつつある程までに、ワシントンの覇権追求を可能にしたのです。

マスコミは、真実を隠蔽します。クリントン政権時代に、6社の巨大メディア企業が、アメリカの印刷、TV、ラジオと、娯楽メディアの90%を取得することが認められましたが、多様性と、独立を破壊した集中化でした。現在、欧米世界中で、マスコミは、ワシントンの為のプロパガンダ省として機能しています。欧米マスコミは、ワシントンの真実省なのです。未来予測者のジェラルド・セレンテは、欧米マスコミのことを(マスコミ)と(売春婦)prostitutesを組み合わせて“presstitutes”(売女マスコミ)と呼んでいます。

アメリカでは、プーチンとロシアは、終始悪魔化され続けています。あらゆる放送が“ロシアの脅威”を呼び起こしています。プーチンの表情すらもが心理学的に分析されています。プーチンは新たなヒトラーだ。プーチンは、ソ連帝国を再生させる野望をもっている。プーチンがウクライナに侵略したのだ。プーチンは、バルト諸国やポーランドを侵略するつもりだ。プーチンは、エボラや「イスラム国」並みの脅威だ。スティーブン・コーエンの様に、事実を語っているアメリカ人ロシア専門家達は“プーチン擁護者”として片づけられます。反プーチン、反ロシア・プロパガンダに異議を唱える人々全員が、9/11懐疑論者が“陰謀論者”として片づけられるのと同様、“プーチン擁護者”として片づけられます。欧米世界では、ごく少数の真実を語る人々が、プーチンやロシア同様に、悪魔化されます。

世界は、現在、まさに今、真実は、欧米世界において、最も歓迎されざる存在だということに留意すべきです。ワシントン、ロンドン、東京や、ワシントン帝国のあらゆる政治首都のどこでも、誰も真実は聞きたがらないのです。

“サダム・フセインの大量破壊兵器” 、“アサドの自国民に対する化学兵器使用”、イランの核兵器”カダフィに関する果てしないウソ、9/11、靴爆弾犯、下着爆弾犯、シャンプーとボトル入り飲料水爆弾犯にだまされたのと同様に、アメリカ国民の大多数が、反ロシア・プロパガンダにだまされています。金持ちを富ませ、貧者を貧困にするワシントンの果てしない戦争と、警察国家政策の為、恐怖を維持するため、常に新たなウソがつくられます。
国民がだまされやすいおかげで、ワシントンが、新冷戦の為の、あるいは、対ロシア先制核攻撃の為の、新たな基盤を確立することを可能にしてしまいました。ネオコンには後者を好む連中もいます。連中は核戦争で勝てると思い込んでおり、連中はこう言います。“もし使うことができないのなら、核兵器の目的は一体何だろう?”

中国は、ウォルフォウィッツ・ドクトリンが制約を要求する、もう一つの勃興勢力です。ワシントンの“アジア基軸”によって、新中国を支配し、南シナ海における、ワシントンの覇権を恒久化する為の、たな海軍基地と、空軍基地が建設されています。

ここで結論です。ワシントンの姿勢は、交渉不能です。ワシントンはロシアや中国と妥協することに興味は皆無です。ワシントンはいかなる事実にも興味はありません。ワシントンの取り引きとはこうです。“お前たちは、我々の属国としてなら我々の側になれるが、他に道はない。”
ヨーロッパ各国政府と、もちろん、言いなりのイギリス政府は、ロシアと中国に対するこの暗黙の戦争宣言に加担しています。もし戦争ということになれば、ヨーロッパが存在を停止することになり、ヨーロッパ人は、メルケル、キャメロンや、オランド等、彼らの指導者達の反逆罪に対し、究極的な犠牲を支払わされることになります。

ロシアと中国との戦争は、ワシントンの能力を超えます。ところが、もし悪魔化した“敵”が、圧力に屈せず、ワシントンの指導力を受け入れない場合、戦争は不可避となります。ワシントンは既に攻撃を始めました。ワシントンは一体どのように譲歩するでしょう? アメリカ政権 が“我々は間違っていた。何とか解決しようではないか。”と言うなどと決して期待してはなりません。アメリカ大統領候補だと宣言した全員が、アメリカ覇権と戦争の支持を確約しています。

ワシントンは、ロシアを欧米から孤立化させることが可能で、この孤立化が、ロシア国内の、欧米の一部になりたいと願う、非宗教的で、欧米化された分子が、プーチンに対して、より積極的な反対行動をするよう動機づけになるだろうと考えています。The Sakerは、こうしたロシア人達を“大西洋主義の統合主義者”と呼んでいます。

20年間、ワシントンのNGO第五列がロシアに潜入した後、とうとうロシア政府はワシントンによるロシア政府転覆工作の一環である、ロシア国内の欧米が資金提供する何百ものNGOを規制する行動をとり始めました。ところが、ワシントンはいまだに、経済制裁によって、ロシア国内経済生活の十分な混乱を引き起こし、反政府抗議行動参加者を街頭に繰り出すことができると期待しています。ウクライナと同様、政権転覆は、ワシントンの道具の一つです。中国では、アメリカは、香港“学生”反乱を組織し、それが中国国内に広がることを望んでおり、ワシントンは、カザフスタンと国境を接する中国の州に住むイスラム教住民の独立を支持しています。

イデオロギーに支配されている政府の問題は、理性ではなく、イデオロギーが政府の行動を突き動かすことです。欧米国民の大多数には、独自の説明を探す関心が欠けている為、国民は、政府に何の制約も課すことができません。
ワシントンを理解するには、オンラインで、ネオコン文書や政策方針書をお読み願いたい。法律にも、道徳にも、同情にも、常識にも拘束されない計略を目にするでしょう。悪の計略を目にするでしょう。

オバマのウクライナ担当国務次官補は一体誰でしょう? ウクライナ・クーデターを計画し、新たな傀儡政権を権力の座につけたネオコンのビクトリア・ヌーランドは、一層過激なネオコン、ロバート・ケーガンと結婚しています。

オバマの国家安全保障顧問は一体誰でしょう? ネオコンのスーザン・ライスです。

オバマの国連大使は一体誰でしょう? ネオコンのサマンサ・パワーです。

次に、物質的利益を見てみよう。世界覇権というネオコンの狙いは、一兆ドルの年間予算が、実戦であれ、冷戦であれ、戦争次第である強力な軍安保複合体の役にたちます。

アメリカ覇権という狙いは、ウオール街や巨大銀行の権益に役立ちます。ワシントンの力と影響力が拡大すれば、アメリカ金融帝国主義の力と影響力も拡大します。アメリカ・石油会社や、モンサントの様な、アメリカ・アグリビジネス大企業の勢力範囲も拡大します。

ワシントン覇権は、アメリカ大企業が世界中で他の国々を略奪することを意味しています。

ネオコン・イデオロギーの危険性は、それが強力な経済権益と完璧に調和していることにあります。アメリカでは、左翼は、自ら無能化してしまっています。左翼は、アメリカ警察/好戦国家が、代替する指導部を生み出すことを不可能にしてしまった政府のあらゆる根本的な嘘を信じています。わずかながら生き残ったアメリカ左翼は、感情的な理由から、政府の9/11説明を信じています。宗教に批判的な左翼は、正教ロシアによる自由な思考に対する脅威を信じ込んでいます。左翼は、アメリカ人は人種差別主義者だと確信し、マーチン・ルーサー・キング暗殺に関する政府説明を信じているのです。

虐げられた人々が反撃することが、アメリカ左翼にとって、感情的に重要なので、左翼は、政府のあからさまな9/11おとぎ話を受け入れています。アメリカ左翼にとって、フランス、イギリスやアメリカによって、長いこと虐げられ、搾取されてきた中東が、9/11攻撃で、一極権力に、反撃し、恥をかかせたことで、感情的に満足するのです。

左翼にとって、この感情的な必要性が極めて強力な為、おかげで左翼は、飛行機を操縦できない、少数のサウジアラビア人が、FBI、CIAや、世界中をスパイしているNSAのみならず、ワシントン自身が創り出したものを含め、あらゆるテロリスト組織に潜入している、16ものアメリカ諜報機関全てと、NATOのワシントン属国諸国の諜報機関と、イスラエルのモサドを出し抜いたというありえない話が見えなくなっているのです。

このサウジアラビア人達は、どうにかして、NORADや、空港警備を出し抜くことができ、同じ日の一時間の内に、四回も警備体制を打ち破りました。彼等は、アメリカ空軍が、ハイジャックされた旅客機を迎撃するのを、史上初めて、防いだのです。航空管制はなぜか、ハイジャックされた旅客機を、レーダー画面から見失いました。二機の飛行機のうち、一機はペンシルバニア州の田舎に墜落し、もう一機は、ペンタゴンに突入し、何の残骸も残しませんでした。攻撃のリーダー、モハメド・アタのパスポートが、ワールド・トレード・センター・タワー二棟の瓦礫中から、唯一の破壊されないものとして発見されたと報道されました。パスポートの話は余りにもばかげていた為に、書き換えざるを得ませんでした。

この信じ難い説明にも、従順な欧米の印刷・TVメディアは眉をひそめはしませんでした。

右翼は肌の色が濃い人々の移民のことで頭が一杯で、9/11は移民反対の議論となりました。左翼は、虐げられた人々が迫害者に対して反撃するのを待っています。9/11のおとぎ話が、生き残っているのは、左翼、右翼双方の利益になっているためです。

もしアメリカの国家安全保障が、9/11公式説明にある通り、完璧に失敗していたのであれば、ホワイト・ハウスや、議会や、マスコミは、調査を求めて叫んでいたはずだと私は断言できます。国家安全保障国家で、これほどの大規模な失敗を許した組織で、何人も幹部の首が飛んだはずだ。いかなる諜報機関の助けも無しに、独自に活動したわずかな人数のアラブ人によって、これ程容易に攻撃され、面目を失った超大国の当惑から、責任をとれという要求で大騒ぎになっていたはずです。

ところが、ホワイト・ハウスは、あらゆる捜査に、一年間も抵抗していました。9/11のワールド・トレード・センターで、肉親を失った被害者家族の圧力で、ホワイト・ハウスは、ホワイト・ハウスが支配する政治家連中で構成される政治委員会を作りました。委員会は集まり、政府説明を聞き、それを書き留めました。これは調査ではありません。
アメリカ合州国で、左翼は、こうしたものに、全く何の関係もないロナルド・レーガンを悪魔化することに力を注いでいます。レーガンが、軍安保複合体の強力な反対を前に、冷戦を終わらせようと奮闘する際、選挙基盤を維持する為、反共言辞を駆使せざるを得なかったがゆえに、左翼は彼を憎んでいるのです。

左翼は、ヨーロッパでなら、より有力でしょうか? 私にはそうは見えません。例えば、ギリシャをご覧願いたい。ギリシャ人は、EU、IMF、ドイツやオランダ銀行や、ニューヨークのヘッジ・ファンドに酷使されています。ところが、ギリシャの略奪に抵抗することを約束する候補者が登場すると、ギリシャ人有権者は、候補者に、政権を組むには十分ながら、債権者達に影響力を持つには十分ではないわずか投票の36%しか与えなかったのです。

自国政府を、そうした低い有権者の支持で身動きができなくしておいて、ギリシャ国民は、EUに残るよう要求し、政府に無能さを更に押しつけている。もしEUに残ることが現実的な脅威でなければ、ギリシャ政府には本当の交渉力は無いのだ。

どう見ても、ギリシャ国民は余りにも徹底的に洗脳されていて、EUの一部である必要性については、国民はEUを離脱するより、進んで経済的に財産を奪われようとしています。こうして、ギリシャ人は、主権と独立を放棄してしまったのです。自国通貨のない国は、独立国家ではなく、独立国家たりえません。

ヨーロッパの知識人達がEUに承認した時に、彼等は自分達の国が、EU官僚と、ワシントンとの両方に隷属することを認めたのです。結果的に、ヨーロッパ各国は独立しておらず、独自の外交政策は行えません。

諸国が無能力であることは、ワシントンが彼等を戦争に追いやれることを意味しています。
ヨーロッパの無能力を良く理解するには、フランスを見ればわかります。ヨーロッパで、名前をあげる価値がある唯一の指導者はマリーヌ・ルペンです。こう言えば、私はすぐさまヨーロッパ左翼から、ファシスト、人種差別主義者、等々と非難されるじょう。これは、ヨーロッパ左翼の無条件反射を示しているに過ぎません。

移民に関するルペンの意見を私が共有しているわけではありません。共有しているのは、フランス国民です。ルペンの党は最近のEU選挙で勝利しました。ルペンが戦っているのは、フランスのEUからの独立の為です。フランス人の大多数が自分自身をフランス人として見ており、自国の法律と慣習を持ったフランス人でありつづけたいと思っています。ヨーロッパ政治家の中で、ルペンだけが当然のことを語っています。“アメリカは我々を戦争に巻き込もうとしている!”

独立を求めるフランス人の願望にもかかわらず、フランス人は、ルペンの党を、EUには選出しますが、フランスの政権になるよう投票しようとはしません。フランス人は、多くは左翼によって、酷く洗脳されているがゆえに、独立を否定し、フランス独立の為に戦っている政党、ルペンの政党に対していわれる、人種差別主義者、ファシストやらの、あらゆる悪口を恥じているのです。

かつては進歩的勢力で、革命的でさえあったヨーロッパ左翼は反動勢力になってしまいました。アメリカでも同じです。CounterPunchの人気寄稿者の一人として申しあげています。

知識人でさえも、現実を認識し、受け入れることができないことは、ネオコンに対する抑制力は、ロシアと中国以外どこにも存在しないことを意味しています。欧米は、アルマゲドンを防ぐことが出来ないのです。
それを防ぐのは、ロシアと中国次第で、ワシントンがこのジレンマを仕組んだので、ロシアと中国が属国となることを受け入れることでしか、アルマゲドンは防げません。

そういうことになると私は思いません。自尊心のある人々が、一体なぜ、堕落した欧米に従うはずがあるでしょう?

ワシントンが、余り無理やり、ロシアとの紛争に追いやって、ヨーロッパの属国諸国に反乱をおこさせるのが一縷の望みです。ヨーロッパ諸国が、独自の外交政策をとるよう強いられるだろうという狙いは、ロシア政府戦略の基本であるようにも思えます。

恐らく、知識人が、この希望の実現を手助けできるでしょう。もしヨーロッパの政治家達が、ワシントン覇権から離脱し、ヨーロッパの利益を代表するようになれば、ワシントンは、戦争犯罪を偽装するものが奪われてしまうことになります。ワシントンの武力侵略は、ヨーロッパ独自の外交政策によって抑制されるでしょう。ネオコン一極権力モデルの崩壊は、ワシントンにとってすら明らかとなり、世界は、より安全な、より良い場所になるでしょう。

ポール・クレイグ・ロバーツは、元アメリカ財務省経済政策担当財務次官補、ウオール・ストリート・ジャーナル共同編集者、スタンフォード大学上級研究員、ワシントンD.C.、ジョージタウン大学、戦略・国際研究センター、ウイリアム・E・サイモン経済学講座教授。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/06/19/paul-craig-roberts-address-international-conference-europeanrussian-crisis-created-washington/

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国営大本営広報部のニュースは猛烈な戦争バイアスがかかっているので避け、民放のニュースを見た。力作。受信料を払っていないことを申し訳なく思った。

安保法制 迷走の党首討論~11年前に安保法制の”布石”

庶民がいくら懸命に独立派と思える政党に投票しても、選挙ではなく、宗主国への服従度で出世するお役所は変えられないことが良くわかる番組だった。

ヨーロッパ諸国のことだけを傀儡といっておられるが、他の記事では、もちろんこの国も、立派な属国に認定されておられる。

横畠内閣法制局長官:「(集団的自衛権が)仮に毒キノコだとすれば煮ても焼いても食えないし、一部分かじってもあたります。(集団的自衛権が)フグだとすれば毒があるから、全部食べたらあたりますけれども、肝を外せば食べられる」

頭のおかしな料理人、女中さんと、ドアマンしか働いていない料理店で、フグ料理を強要されるようなものだろうに。毒を喰わされるのは必至だ。

というよりも『金で買える民主主義』を書いた、グレッグ・パラストの本の題名を思い出した。

Armed Mad House 武装精神病院。

Armed Madhouse: From Baghdad to New Orleans-Sordid Secrets and Strange Tales of a White House Gone Wild

武装精神病院:バグダッドからニューオリンズまで 狂乱したホワイト・ハウスの下劣な秘密と奇妙な物語

グレッグ・パラストが今この国にいれば、本の題名はこうだったかもしれない。

武装精神病院:尖閣列島からウクライナまで 狂乱した官邸の下劣な秘密と奇妙な物語

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コメント

櫻井春彦様
毎回、貴重な情報を有り難うございます。
第三次ナイ報告に関する記事は、いくつか翻訳しましたが、
(例えば『日本に、中国との対決をけしかけるアメリカ』)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-df8d.html
ご指摘のナイ報告「米国と日本-成熟したパートナーシップに向かって」
そういう内容とは知りませんでした。
おかげで第三次ナイ報告、その延長上にあることが良くわかります。

 家にテレビがなく、TBSの報道特集を見ていないのですが、「憲法第9条のどこをどう変えれば憲法上集団的自衛権を行使できるということになるのか」を外務省が11年前に検討していたとするならば、その4年前、2000年に作成された「米国と日本-成熟したパートナーシップに向けて(通称、アーミテージ報告)」に従ってのことでしょう。

 私自身のブログ「櫻井ジャーナル」でも書いたことですが、その報告書の中で「集団的自衛権の行使に踏み込んで、武力行使を伴った軍事的支援を行うこと」が求められています。また、新ガイドラインは「太平洋の両岸国家間の同盟における日本の役割拡大に向けたスタートライン-ゴールではない-と見なすべき」なのであり、「日本が集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している。この禁止を解除すれば、より緊密かつ効果的な安保協力が見込まれる」としています。

 この報告書を作成したメンバーにはジョセフ・ナイ、リチャード・アーミテージ、カート・キャンベル、マイケル・グリーン、そしてポール・ウォルフォウイッツが含まれていますが、この連中は2000年の段階で日本が戦闘に参加するように命令しているということでしょう。

「アーミテージ報告で武力行使と集団的自衛権を命じられた日本は「粛々」と戦争の準備を進めている」
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201506190001/

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