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2015年6月28日 (日)

アメリカ人オリガルヒの腐敗に関する汚らわしい話

2015年6月12日
著者: F. William Engdahl

欧米オリガルヒの腐敗した世界の内部やら、公共の利益を犠牲にして、自分達の財産を殖やす為に連中が駆使している恥知らずの操作を、世界が本当に見ることができる機会はまれだ。以下は、ハンガリー生まれの億万長者で、今は帰化したアメリカ人投機家ジョージ・ソロスの手紙に書かれていたものだ。ハッカー集団サイバーベルクートが、オンラインで公開した、ソロスが書いたとされる手紙は、彼がアメリカが支援するウクライナ政権のただの人形遣いではないことを明らかにしている。手紙は、もし彼が成功すれば、ウクライナ資産を何十億も略奪することが可能になるたくらみでの、アメリカ政府や欧州連合高官と彼の策謀も明らかにしている。もちろん、全て、ウクライナ国民とEU納税者を犠牲にしての話だ。

ハッキングされた三つの文書が暴露しているのは、ニューヨークの億万長者による、極めて詳細にわたる、舞台裏でのキエフ政権操縦の度合いだ。

2015年3月15日付けの“秘密”と記された一番長いメモで、ソロスは、ウクライナ政権の行動計画詳細概要を書いている。題名は“新ウクライナの為の短期的・中期的な包括的戦略”だ。ソロスのメモは、“ミンスク合意に違反せずに、ウクライナの戦闘能力を回復させる”対策を呼びかけている。回復させる為に、ソロスは“アトランティック・カウンシルの後援の下で[強調は筆者]ウェスリー・ クラーク大将、ポーランド人のスクリプチャク大将と、少数の専門家が、ミンスク合意に違反せずに、いかにしてウクライナの戦闘能力を回復するか、ポロシェンコ大統領に助言する”と平然と書いている。

ソロスは、ウクライナに、殺傷兵器を提供し、ウクライナへの直接のNATO駐留を避ける為、ルーマニアで、ウクライナ軍要要員を秘密裏に訓練することも呼びかけている。アトランティック・カウンシルは、主要なワシントンの親NATOシンク・タンクだ。

特に、ウェスリー・クラークは、ポーランドで事業を行うBNKペトローリアムでのソロスの仕事仲間でもある。

クラークは、1999年のセルビア爆撃を担当していて、プリシュティナ国際空港を警備しているロシア人兵士に向かって発砲するよう、NATO兵士に命じた、精神不安定なNATO将軍だったことを覚えておられるむきもあろう。コソボの治安を維持する為、合意されたNATO-ロシア共同平和維持活動の一環として、ロシア人兵士はそこにいたのだ。イギリス人司令官、General マイク・ジャクソンは、クラークに反論して逆らった。“私はあなたの為に、第三次世界大戦を始めるつもりはない。”今回、クラークは、どうやら直接ロシアを攻撃する好機ゆえに、引退を撤回することに決めたようだ。

むき出しの資産略奪

2015年3月のメモで、ソロスは、更にウクライナのポロシェンコ大統領の“最優先事項は、金融市場の支配を再び取り戻すことでなければならない”と書き、ポロシェンコに、支援する用意があると請け合った。“私は、アメリカ財務省のジャック・ルーに電話をして、スワップ協定について打診する用意がある。”

ウクライナに、特別EU借入枠で、110億ユーロという金額の年次支援を与えるよう、彼はEUに呼びかけた。ソロスは、実質的に、ウクライナへの投資に損害保険を付ける為に、EUの“AAA”という最高の信用格付けを利用するよう提案している。

EUは、一体誰のリスクを保険にかけるのだろうか?

ソロスはこう詳しく述べている。“私はウクライナでの事業に、10億ユーロまで投資する用意がある。これは投資コミュニティーの興味を引く可能性が高い。上記の通り、ウクライナは、魅力的な投資先にならねばならない。”いかなる疑問も残さぬ様、ソロスはこう続けている。“投資は営利目的だが、利益は、私の財団に寄付すると約束する。これで、私が個人的な利益を求めて、諸政策を唱導しているという疑惑は和らぐだろう。“

1980年代末以来の、東ヨーロッパと、世界中におけるソロスのオープン・ソサエティー財団の歴史を良く知る人々にとって、1990年代のポーランドや、ロシアや、ウクライナにおける彼の慈善事業とされている“民主主義構築”プロジェクトが、ハーバード大学の“ショック療法”救世主で、ソロスの友人、ジェフリー・サックスに、ソ連後の政府に、徐々にではなく、一気に民営化し、“自由市場”にするよう説得させるのに起用して、実業家ソロスが、文字通り、旧共産主義国を略奪することを可能にしたことが知られている。

リベリアにおけるソロスの例は、抜け目ない実業家ソロスと、慈善家ソロスの間の見たところ切れ目のない相互作用を理解する上で有益だ。西アフリカで、ジョージ・ソロスは、元オープン・ソサエティー社員のリベリア大統領エレン・ジョンソン・サーリーフを支援し、彼女の国際的知名度を高め、彼の影響力によって、2011年、彼女のノーベル平和賞受賞さえ手配し、大統領として選出されるのを確実にした。大統領となる前、彼女はハーバード大学で経済学を学び、ワシントンでは、アメリカが支配する世界銀行で、ナイロビでは、ロックフェラーのシティバンクで働き、欧米の自由市場ゲームをしっかり教え込まれていた。リベリア大統領になる前、彼の西アフリカ・オープンソサエティー・イニシアチブ(OSIWA)の会長として、彼女は直接、ソロスの為に働いていた。

大統領の座につくやいなや、サーリーフ大統領は、彼のパートナー、ナサニエル・ロスチャイルドと共に、ソロスがリベリアの主要な金や卑金属資産を乗っ取れるよう、機会をあたえたのだ。大統領としての彼女がした最初の行動の一つは、ペンタゴンのアフリカ新司令部、AFRICOMを、リベリアに招くことだったが、その目的は、リベリアの調査で明らかになった様に、“安定と人権を守る為ではなく、西アフリカにおける、ジョージ・ソロスとロスチャイルドの採鉱事業を守る為”なのが判明した。

標的はナフトガス

ソロス・メモは、ウクライナ国営ガスと、エネルギー独占企業ナフトガスに、彼が目をつけていることを明らかにしている。彼はこう書いている。“経済改革の最重要項目は、ナフトガス再編と、目に見えない助成金を置き換えるあらゆる種類のエネルギーへの市場価格導入だ…”

それより前に書いた手紙で、2014年12月、ポロシェンコ大統領と、ヤツェニュク首相の両方に、ソロスはあからさまに、ショック療法を呼びかけている。“あなた方の政府における改革の為に、二人が団結し、根本的‘ビッグ・バン’風手法を全面的に支持するようお二人に訴えたい。つまり、行政監督を無くし、経済を、徐々にではなく、急速に、市場価格に移行させる…ナフトガスは、目に見えない助成金を置き換えるビッグ・バンによる再編が必要だ…”

ナフトガスを別々の企業に分割すれば、ソロスが新しい分社の一つを支配し、基本的に利益を私物化することが可能になる。彼は既に、間接的に、ナフトガスの民営化“ビッグ・バン”に助言を与えるよう、アメリカのコンサルタント会社マッキンゼーを招くよう示唆していた。

人形使い?

三つのハッキングされた文書で明らかになった全体が、ソロスが、事実上、キエフで大半の糸を操っている 人形使いであることを示している。ソロス財団のウクライナ支部、国際ルネッサンス財団(IRF)は、1989年以来、ウクライナに関わってきた。彼のIRFは、ソ連崩壊の二年前に、1億万ドル以上、ウクライナNGOに与えて、1991年のウクライナのロシアから独立への必須条件を創り出していた。ソロスは、現政権を権力の座につけた、2013-2014年のマイダン広場抗議行動に資金提供したことも認めている。

ソロスの財団は、腐敗しているが、親NATO派のヴィクトル・ユシチェンコを、アメリカ国務省に勤務していたアメリカ人妻とともに権力の座につけた2004年のオレンジ革命にも深く関与していた。2004年、ソロスの国際ルネッサンス財団が、ヴィクトル・ユシチェンコを、ウクライナ大統領にすえつけるのに成功したわずか数週間後、マイケル・マクフォールがワシントン・ポストに論説を書いた。カラー革命を組織する専門家で、後にロシア・アメリカ大使となったマクフォールはこう明かしていた。

アメリカは、ウクライナの内政に干渉しただろうか? そうだ。影響力があるアメリカ人工作員達は、彼らの活動を表現するのに、民主主義支援、民主主義推進、市民社会支援、等々、別の表現を好むだろうが、連中の仕事は、どう表現しようと、ウクライナにおける政治的変化に影響を慕えることを狙ったものだった。アメリカ合州国国際開発庁、全米民主主義基金や、他のいくつかの財団が、フリーダム・ハウスや、国際共和研究所、全米民主国際研究所、ソリダリティー・センター、ユーラシア財団、インターニューズや、他のいくつかを含むある種のアメリカの組織が、ウクライナ市民社会に、ささやかな助成金や、技術支援をするのを資金援助した。欧州連合や個別のヨーロッパ諸国や、ソロスが資金を提供する国際ルネッサンス財団は、同じことをしていた。

‘新ウクライナ’を形づくるソロス

現在、サイバーベルクートがハッキングした文書は、ソロスの国際ルネッサンス財団の資金が、ウクライナ大統領が、ウクライナ議会で法案を押し通すのを可能にする、ポロシェンコの大統領令でたちあげられた組織、国家改革評議会創設の背後にあったことを示している。ソロスは書いている。“政府の様々な部署をまとめる枠組みも出現した。国家改革評議会(NRC)が、大統領政権、閣僚、議会や委員会や、市民社会をまとめるのだ。ソロス財団のウクライナ支部である国際ルネッサンス財団が、これまでのところ、国家改革評議会の唯一の資金提供者だ…”

ソロスの国家改革評議会NRCは、実際は、破綻した国家は、とうてい実行する余裕がない、ナフトガス民営化と、ウクライナ産業や家庭に対するガス価格の劇的な引き上げが最優先事項だと宣言した大統領が、“改革”を押し通すために、国会議論を無効にすることを可能にする為の手段だ。

ポロシェンコと、ヤツェニュク宛ての手紙で、アメリカ人の元国務省職員ナタリア・ジャレスコを財務相に、リトアニア人のアイヴァラス・アブロマヴィチュスを経済発展相に、そしてグルジア人を厚生相にという三人の重要な非ウクライナ人閣僚の選定の上で、彼が主要な役割を演じたことをソロスはほのめかしている。ソロスは、2014年12月の手紙で、ナフトガス民営化と価格引き上げの“ビッグ・バン”提案に触れ、こう述べている。“この手法に献身的な三人の‘新ウクライナ人閣僚と数人の現地人(原文通り)を任命できたあなたは幸運です。”

あちこちで、ソロスは、現在のヤツェニュク政権は、1991年以来、あらゆるキエフ政権に蔓延していた悪名高い賄賂を、とうとう一掃したという事実上の印象を、EU内で作り出すことについて語っている。この一時的な改革の幻想を創り出して、年間110億ユーロ投資保険ファンド渋々負担する様、EUを説得するのだと彼は述べている。彼の2015年3月のメモにはこうある。“政府は、ウクライナが徹底的に腐敗した国だという広く蔓延しているイメージを変える為に、今後三カ月間で、目にみえる実例(原文通り)を生み出すことが必要不可欠だ。”これによって、EUが、110億ユーロの保険保証投資ファンドを作るようになるだろうと彼は述べている。

ウクライナが腐敗していない国であることを示すのが重要だと言いながら、ソロスは、透明性と適切な手順が、彼の狙いを阻止することに多少懸念をもっている。民営化や、ソロスに都合の良い動きを可能にする、ウクライナ憲法修正に対する彼の提案について語って、“新たに選ばれた議会が、適切な手順と、完全な透明性を強調するおかげで、プロセスの速度が落ちてしまった”と文句を言った。

ソロスは、この“目に見える実例”を、彼のイニシアチブで、大統領令によって組織された機関で、ウクライナ大統領が、ウクライナの議会で法案を押し通すのを可能にする、ソロスが資金提供する国家改革評議会等を利用する等して作り出す意図を示唆している。

ジョージ・ソロスは、彼のウクライナ戦略のロビー活動に、確実に微妙な役割を果たしている元欧州中央銀行総裁ジャン=クロード・トリシェは言うまでもなく、アレクサンダー・グラフ・ ラムスドルフや、ヨシュカ・フィッシャーや、カール=テオドール・ツー・グッテンベルク等の彼の評議会メンバーがいる、彼の新たなヨーロッパ外交問題評議会シンクタンクも利用している。

現在84歳のジョージ・ソロスは、ハンガリーで、ユダヤ人、ゲオルゲ・ショロシュとして生まれた。ソロスは、あるTVインタビューで、戦争中、偽造した身分証明書で、非ユダヤ人を装い、ナチスの死の収容所に送られる他のハンガリー・ユダヤ人の財産を、ホルティ政権が没収するのを手伝ったのを自慢したことがある。ソロスは、TV番組の司会にこう語った。“私がそこにいないことには何の意味もありませんでした、それは-そう、実際、おかしな形で、市場と全く同じです-もし私がそこにいなければ-もちろん、私はそれをしていなかったでしょうが、誰か他の連中がしていたでしょうから。”

これは、どうやら、現在、ウクライナにおけるソロスの活動の背後にあるのと同じ倫理観だ。2014年2月、アメリカ・クーデターで権力の座につくのを、彼が助けたウクライナ政権が、スヴォボダ党や右派セクターの、露骨な反ユダヤ主義者や、自称ネオナチだらけであっても、彼はまたしても、気にしていないように見える。ジョージ・ソロスは明らかに、“官民提携”信奉者だ。ここで、大衆は、ひたすらだまし取られ、ソロス氏や、彼の様な友人の個人投資家連中を富ませることになる。皮肉なことに、ソロスは、彼のウクライナ戦略メモに、“ジョージ・ソロス-新ウクライナの自薦支持者、2015年3月12日”と署名していた。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、オンライン誌“New Eastern Outlook”に独占的に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/06/12/an-american-oligarch-s-dirty-tale-of-corruption/

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おぞましい話。ついつい日本の場合を考えてしまう。ジャパン・ハンドラーの皆様だろうか?

ギリシャ国民投票の話題や、自民青年局長更迭、そして猟奇的事件の詳細はことこまかに報じるが、TPPの中身は、あくまでも秘密のまま。

「砂嵐の際、地中に頭を埋めるダチョウ」か「ゆっくりと茹であげられるカエル」状態いずれか。

IWJには、昨年この筆者にインタビューした実績がある。

2014/09/12 ウクライナ危機は「米国によるユーラシア不安定化のステップ」 〜岩上安身のインタビューでイングドール氏が警告、東に舵を切れ! 「ワシントンの奴隷国である限り破壊と低迷があるだけ」

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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