アメリカ、ノーベル賞委員会にウクライナ大統領を平和賞候補者とするよう圧力という書状流出
Eric Zuesse
Global Research
2015年5月29日
5月19日付け、ウクライナ国会議長、ウラジーミル・グロイスマンの、ノルウェー、オスロのアメリカ大使館代理大使宛の漏洩した手紙は“ペトロ・オレクショビッチ・ポロシェンコを、ノーベル平和賞”候補者するために払われた尽力に感謝しながら、こう続く。委員会にはメンバーが5人おり、そのうち3人の支持が必要なので“ノーベル委員会のメンバー二人による支持という貴方の保証は不十分だと考えている”。
そこで、
“我々は、ベリット・リース・アンデルセン、インゲルマリー・イッテルホーンと、特にノーベル賞委員会委員長カーシ・ クルマン・フィーベの立場を変えることを狙った更なるご尽力を期待いたします。後者に関しては、ドイツから受けとられる情報を活用されるようお勧めいたします。貴下のベルリンのご同僚が、履歴書をオスロのアメリカ大使館にまもなく送付すると確約くださっています。ウクライナの全一性を、世界の民主的コミュニティーによる満場一致の支持を強調することになるので、ポロシェンコ氏が、2015年ノーベル平和賞を受賞するという確固とした保証を得ることが極めて重要です。ヴィクトリア・ヌーランド国務次官補は、キエフ訪問時に、貴方のお仕事を高く評価しておられました。”
ここにあげられた三人のノーベル平和賞委員会メンバーは、政治的には様々だ。リース・アンデルセン女史は、社会民主党、あるいは“労働”党。イッテルホーン女史は、リバタリアン、あるいは、“進歩”党だ。そして、フィーベ委員長は元保守党党首だ。名前があげられなかった残りの二人は、労働党のトールビョルン・ヤーグランと、保守党のヘンリク・シス。もし、この手紙が正しければ、書状の文言では、“二人のメンバーが賛成するという貴方の保証”として触れられている人物二人だ。
書状は、委員会が、2009年に、バラク・オバマに平和賞を授与したことで委員会が生み出した悪評にも曖昧に言及している(この決定を、委員会委員長フィーベ女史は、是認しており、それによって批判されている)。
“ウクライナ大統領を候補として推奨する際に、直面する困難は、理解できるので、それゆえ、2009年に、委員会に効果的に協力した、これらアメリカ上院議員達も巻き込んで、利用するようお願いする。”
思うに、これはつまり“これらのアメリカ上院議員達”が誰であったにせよ、ウクライナ国会議長が、彼らが“有効だった”と考えているということだろう。
ポロシェンコ大統領は、ヨーロッパ・アジア問題担当・アメリカ国務次官補、ビクトリア・ヌーランドが、2014年2月4日に、駐キエフ・アメリカ大使に、“ヤッツ”を臨時政府の指導者に任命するよう指示した後、2014年2月26日に、アルセニー・ヤツェニュクを、ウクライナ首相に据えつけた、アメリカが支援したキエフのクーデター後、2014年5月25日に権力の座についた。彼女は、彼にこの指示を2月4日に電話で与え、クーデターは2月22日に起きた。ヤツェニュクは、2月26日に任命され、現在も権力の座にある。
ウクライナの親ロシア地域の一つ、クリミアは、そこで、分離し、ロシアに加わり、もう一つの、ドンバスは、分離したが、ロシアには受けいれられなかった。そこで彼らは、5月から、2014年12月まで、ロシアに編入するようというドンバスの再三の要求が、ウラジーミル・プーチン大統領に拒否されて、ウクライナ政府に爆撃された。(ところが、ウクライナは 実際には、アメリカ製クーデター政権に支配されるのを拒否しているドンバスの人々であるのに、ロシアが戦士を送っていると非難している。
ロシアは彼らに銃を送り、ドンバスを防衛する人々を支援する為、ロシアや他の多くの国々から志願兵が加わっている。) ドイツ諜報機関は、爆撃作戦で“50,000人”の人々が死亡したと推計しているが、アメリカや他の公式推計では、わずか5,000人程度だ。
ポロシェンコが政権を握る前も、“ヤツ”ヤツェニュクの新ウクライナ政権は、爆撃機、戦車、ロケット発射機や、持っているあらゆるものを使って、ドンバスを侵略した。ポロシェンコが、5月25日の儀式的な大統領選挙で、勝利演説をした際に、彼は自分にとっては、“対テロリスト作戦[彼は現地住民を ’テロリスト’と呼んだ]が二、三ヶ月以上続くはずなどありえない。数時間で終わるはず。”なのは明らかだと約束した。(やや違う翻訳もある。)
ところが、それは何ヶ月も続いた。ポロシェンコの予言は確実に誤っていた。しかも、彼は最初の戦争でも、その次も敗北した。 結果に関する彼の予言も同様に間違っていた。そして最近、彼は、ウクライナが、クリミアとドンバスを奪還する為には、三度目の戦争を再開しなければならないと述べた。ところが、5月12日、アメリカ国務長官ジョン・ケリーは、彼に、そういうことをしてはいけない、もしそういうことをすれば、フランスのフランソワ・オランドと、ドイツのアンゲラ・メルケルが調停したミンスクII停戦合意の違反だと警告した。すると三日後、2014年2月のクーデターを画策した、部下のビクトリア・ヌーランド国務次官補が、ヤツェニュクとポロシェンコ両者に、ケリーが言ったことは無視するように言い、“我々は、ウクライナ国民に協力し続けるし、クリミアや、ウクライナの他のあらゆる地域を含め、単一のウクライナ国家に深く肩入れする約束を繰り返す”と語ったのだ。
多分、ウクライナ国会議長が大胆にも、アメリカ国務省に、ポロシェンコが少なくとも平和賞候補になるよう手配するよう要求している理由は(更には、これを断言して欲しいとまで要求している
“ポロシェンコ氏が、2015年ノーベル平和賞を受賞するという確固とした保証を得ることが極めて重要です”)そうでなければ、彼らは、アメリカは肩入れを誓うというヌーランドの発言を遂行し、ドンバスを再度侵略するからだ。ところが、ロシアに、ウクライナを攻撃する白紙委任状を与えるも同然なので、ウクライナによる、いかなるクリミア侵略は極めてありそうもないことであり、アメリカも、他のどの大国も、その様な場合、ロシアと戦争をしようとはするまい。ウクライナは、まだNATO加盟国ではなく、政府自らの-はなはだしい停戦違反のしりぬぐいで、特に事実上、現在のウクライナ政権を据えつけたものが、アメリカのクーデターであったことを事実上誰もが認識をするようになった今(EU幹部達すら、それがクーデターであったことが判明して衝撃を受けている)、ウクライナ政府を守る為に、今回はロシアに対し、第三世界の戦争まですることに、NATOは極めて及び腰だ。しかも、それは極めて暴力的なクーデターで、それからまもなく、ドンバス住民を一掃する為の、極端に暴力的な民族浄化作戦が続いたのだ。
調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。
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戦争法案質疑TV中継、穀田恵二質問だけ聞いた。鋭い追求に対する政府側回答・実態は実にひどいもの。
安倍総理は先月の記者会見で、法案が成立した場合、自衛隊が過激派組織「イスラム国」の掃討作戦の後方支援活動を行う可能性について「ありません」と断言したが、中谷防衛大臣は1日の国会審議で「法律的にはあり得る」と認めたという。宗主国がでっち上げた果てしない対テロ戦争にメデタク参加できる。軍需産業株は買いだろう。
集団他衛権というよりパシリ宗主国戦闘義務。忠犬は身を捨て、主人を守る。実は、侵略・でっち上げ戦争での巨大軍需利権が狙いだろう。消耗品扱の兵員はたまったものではない。
幼なじみのコアな自民党支持者の飲み会、お誘いがあった。都合もあり参加しない。都合が良くても参加しない。こういう戦争法案をよろこんで、酒盛りする心境が全くわからないので。
記事の通り、チェコレート王がノーベル平和賞受賞しても驚かない。
世界最大テロ国家侵略戦争に派兵する首相も大叔父に続く受賞適任者。両氏の同時受賞となれば素晴らしい。
大叔父氏が受賞するまで、ノーベル平和賞有意義なものと思っていた。
政治家のモンド・セレクション勲章と思えば、腹はたたない。
大本営広報部が大宣伝をやめさえすれば、メッキはすぐにはげるだろうが、それは金輪際ないだろう。ノーベル委員会も、大本営広報部も、虚報・価値のないものを有り難そうに演じたり、報じたりするのがお仕事。お仲間の茶番を告発するはずもない。
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