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2015年6月 6日 (土)

ウクライナ国民は生活の糧を奪われたが、次はアメリカ人の番だ

Paul Craig Roberts
2015年6月4日

過去15カ月間、自分達が選挙で選んだ政権を、ワシントンに打倒されたことで、ウクライナ国民は、死や、国の分断や、助成のおかげでウクライナが割安に得ていたエネルギー源を失うロシアとの経済・政治関係の破壊という報いを受けている。ウクライナ人は今、年金や伝統的な福祉給付を失いつつある。ウクライナ国民は墓場に向かって進んでいる。

6月1日、タス通信は、ウクライナは、年金生活者、第二次世界大戦の退役軍人、身体障害者や、チェルノブイリの犠牲者への支払いを停止したと報じた。報道によれば、キエフは“ナチス強制収容所の元囚人や、ある種のソ連時代の勲章や称号を得た人々に対する交通費、医療費、光熱費や、金銭的恩恵”も廃止する。チェルノブイリ事故による放射能汚染地域で暮らしている、子供のいる家族への補償も、もはや支払われない。ウクライナ国会の野党は、検事総長は、特権廃止の法律を積極的に推進したアルセニー・ヤツェニュク首相に対する捜査に着手すべきだと考えている。”

これは、ウクライナの高齢者の毛布を引き剥がすに等しいことに留意願いたい。“無駄飯食い”の彼らは、ごみ箱行きにされたのだ。騙されていたマイダン抗議行動参加学生達は、祖父母達を支援する制度を破壊した責めを負うことを、今一体どのように感じているだろう? こうした、だまされやすい間抜け達は、いまだにワシントンが画策したマイダン革命を信じているのだろうか? こうした愚かな学生達が連座した犯罪は身の毛もよだつほどのものだ。

ヤツェニュク、ビクトリア・ヌーランドの呼び方でヤツは、アメリカ国務省が、ワシントンが樹立した傀儡政権を運営させるよう選んだワシントンの手下だ。ヤツが、年金、補償や、社会福祉を“特権”と呼ぶ様子は、まるで右翼共和党員だ。これは社会保障や、アメリカ人が働いている期間に国が得る支払い給与税を原資とする制度、メディケアに対する共和党の見方だ。共和党は、支払い給与税収入を盗んで、ウオール街と軍安保複合体を太らせる戦争に注ぎ込み、今“福祉のばらまき”を、アメリカの財政的窮状の原因として非難している。

ウクライナをGMO食料生産地に変えるモンサントの権利は特権だろうか? ウクライナの地表水と地下水を水圧破砕で汚染するバイデン副大統領の息子の権利は特権だろうか? こうした略奪行為によって、ウクライナ人に押しつけられる外部費用は特権だろうか? もちろん、そうではない! こうしたものは特権ではないのだ。これは、最大多数の為に最大の善をもたらす自由市場経済の活動だ。(多くのアメリカ人は、私が皮肉を行っていることに気がつかないだろうから、皮肉であることを強調しておきたい。)

廃止された“特権”は、廃止した“特権”を、新たな社会的支援制度で置き換える改革の一環なのかどうかについてはニュース記事は報じていない。多分、そうなのだろうが、“ウクライナの金融状態を安定させる”目的で、ウクライナの社会福祉制度を廃止するヤツの法律が発効したことによって引き起こされた年金や様々な支払いの停止は、IMFや欧米銀行に引き渡す為の金をうかせるためかも知れない。ウクライナでは、ギリシャ同様に、国民欧米と結束に救いを求めた、だまされやすい、うぶな国民は破産させられるだろう。

もちろん、ロシアが非難されるだろう。ニューヨーク・タイムズや、ワシントン・ポストの論説や、オバマ、CNNや、Fox “ニューズ”が語るであろう言葉を、私はもう書くことができる。実際、賢明な読者の皆様も書けるだろう。

イギリス、イタリア、スペイン、ポルトガルや、アメリカ合州国で同じ略奪が進行中だ。イギリスでは、何十年もかけて、労働党が実現したあらゆることが、保守派のみならず、労働党党首のトニー・ブレア自身によって、奪い去られているのだ。

トニー・ブレアは、金の為に、有権者を裏切り、今や1パーセントの一員だ。ビル・クリントンも同じことをした。ビルとヒラリーは、娘の結婚式に、300万ドルもかけることが可能になり、これはほとんど世界記録で、多くのハリウッドの結婚式さえ小さく見せる。オバマはまだ退職していないのに、既に裕福だ。アメリカに忠実な家臣連中、メルケル、オランドや、キャメロンも、同様な富が期待できる。

金はすべてを腐敗させるといったカール・マルクスは正しかった。あらゆるものが、金で売買できるものと化すのだ。

金が人の尺度になると、人は堕落する。そして、それが欧米世界のきまりだ。

欧米で、大なり小なり、個人の財産が安全な場所はどこだろう? どこにもない。ワシントンは、欧米のあらゆるところで、顧客に対する守秘義務を破壊した。ワシントンは、顧客に対する守秘義務は存在しないというワシントンの主張に合わせるべく、スイス国内法に違反するよう、スイスに強制さえした。

何十年も、外国銀行口座を持つアメリカ人は、所得税申告時に、報告するよう要求されてきた。今では、もしアメリカ人が、海外の金庫に金貨を保有していれば、ワシントンに報告しなければならない。

ワシントンが、国民の資産のありかを知ってしまえば、資産を思うままに没収し得るのだ。ワシントンが、ちょっとした宣言なり、告訴なり、何かするだけで、個人資産は消滅する。

アメリカ財務省と連邦準備金制度理事会を支配するごく少数の銀行の為に、ワシントンが印刷機を目一杯稼働させているので、中国とロシアがワシントンの臣下となることに同意しない限り、どこかの時点で、ドル価値は下落を始める。そうなった時、連邦準備金制度理事会は、ワシントンの要求に見合う様に、新札を刷り続けることはできなくなる。

お金は一体どこから来るのだろう? それはアメリカ人の年金から来るのだ。

年金は非課税で蓄積されるが、この蓄積は、全部、あるいは一部、課税し損ねたのを埋め合わせるという、もう一つの“特権”で没収される。

没収は、その年限りだ。だが、翌年、供給過剰の為に、ドルが外国為替市場でよろめいた時には何が起きるだろう?

答えは、別のアメリカ年金のかたまり、つまり個人年金が“金融制度を安定させる為に”没収されるのだ。その頃には、社会保障はとっくになくなっているだろう。

クリントン政権で、私と同じ役割、経済政策担当財務次官補をつとめたアリシア・マネルは、何年も前に、アメリカ政府に、その非課税という立場を埋め合わせる為に、IRAや401Kを含む、個人年金の没収を主張していた。

マネルは、ある東部の大学で閑職をつとめながら、年金攻撃を続けている。クリントン民主党による対個人年金、保守派の共和党による対公的年金への統合攻撃は、年金をもらえると期待できるアメリカ人などいなくなることを意味している。アメリカ人は、あと一回の大統領選挙で年金を失うことになるが、それは誰に投票しても変わらないのだ。

経済的な安心感は過去のものだ。経済的な安心感は、第二次世界大戦後、アメリカが、唯一生き残った経済だった時代の産物だった。当時、大企業は、ワシントンもうそうであったのと同様、会社は、株主のみならず、社員、顧客、そして会社がある土地の共同体に対しても義務を負っていると考えていた。

つまり現在の様に、単に企業幹部と株主だけでなく、全員の繁栄を意味していた。

搾取を擁護する連中は、金持ちが益々豊かになるのは、頭がよいからだと主張する。だが、至る所で、阿呆な金持ちに思い当たる。貪欲な馬鹿が、アメリカの国内市場を破壊したのだ。実際、一体どこまで間抜けになれるのだろう? 海外移転のおかげで、給与の良い製造業やソフトウエア・エンジニアリングの雇用を追い出され、ウエイトレス、バーテンダー、小売店員や、大企業の収支を向上させるべく、ウォルマートのパート労働者になっているアメリカ人が一体どうして買えるだろう? 利益を維持する商品は一体誰が購入するのだろう? もはやそうする為の収入がないアメリカ人ではない。

ウオール街と“株主擁護者”が広めた、企業は、所有者と経営者だけに責任を負うという考え方が、アメリカ経済を破壊した。製造を海外移転することで、大企業は、アメリカの消費者市場を支えた収入を破壊してしまったのだ。例えば、アップル・コンピューター、I-パッドや、I-フォンの製造にまつわる収入は、中国で生じる。アメリカのアップル顧客は、アップルがアメリカ国民に販売する製品の製造にまつわる収入は得られない。

アメリカ人は既に、生計の糧や、職業上の未来を奪われており、次は年金の番だ。どこを見回しても、欧米の影響下にある国民の運命は同じだ。ウクライナ国民は搾取されているが、ギリシャ人、イギリス人、アメリカ人もだ。

どこであれ、欧米の痕跡がある場所では、国民は搾取されている。少数の為に、多数を搾取するのは、老いさらばえ、堕落し、崩壊しつつある存在たる欧米の特徴だ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/06/04/ukrainians-dispossessed-americans-next-paul-craig-roberts/
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「ウクライナ国民は生活の糧を奪われたが、次は日本人の番だ」が、時間的に、物理的に、より正しいだろう。

今日の大本営広報部朝刊、TPP論説に絶句。頭が変か、宗主国に買収されたか、両方か、三者択一の文章。どれも正解だろうと思う。

宗主国大企業が彼らのご主人であることは、あの論説でも証明されたと思う。中味に全く触れず、推進をいいたてるいつものテクニック。常軌を逸している。恩恵の素晴らしさを延々論理的に語り、そこで推進しない宗主国はおかしい、と主張するならわかる。そうではないのだ。中味不明のまま、推進しろという。毒キノコか、松茸かわからないのに、闇鍋にして食わないのはおかしい、というのは、まともな人間の発想ではない。売国奴。あまりに愚劣なので、リンクをはる気力がおきない。概要を紹介する気力も。

郵政選挙時のわけのわからない(ハーメルンの笛吹男の?)メロディーが聞こえるようだ、という趣旨の、気味悪い、後味悪い論説を思いだした。

そして、

  • 中学校の英語4能力の共通試験導入。
  • 大学では英語で授業。

TPPの極地。宗主国言語優先。先住民言語、ゆくゆく廃止するだろう。旗はそのまま使えても、歌は歌詞を英語に翻訳しなければならない。お経のように、意味がわからないままローマ字で歌うのだろうか。

金持ち家族は、こぞって子供を英語塾にかよわせる。小生のような貧乏人、今生まれたら将来は真っ暗。そもそも、中学校英語の成績、並の上程度だったように記憶している。今も変わらないが。

消滅する市町村で世の中を騒がせた民間の金が第一主義者でつくる日本早世会議・人口削減方法検討分科会?有名人、とうとう、第一次姨捨山政策を発表した。

東京圏の高齢者、地方移住を!正気だろうか。
年をとって不自由になってから、知人がいない地域に引っ越しさせるのは残酷だ。楢山節考の世界。

工場設備なら、海外や地方に移転できるが、老人を地方に移転できるという発想そのものが狂っている。人間はものではない。

第ニ次姨捨山政策では、地方でも無理になり、フィリピンやタイ移住を推奨するようになるのだろうか?

あと50年もすると、日本もシンガポール並になっていそうだ。
日本語を読み書きできる人は希少価値で、古典を読める人間は皆無。

とこかの離島に、ネズミーランドを作って、日本語を読み書きできる人に着物を着せ見せ物にするようになるだろう。
見る客も、檻の中の見せ物も、同じ顔をしているが言葉は通じない。
キャストが通訳をしていにしえの日本を伝えることになる。
設立当初は、多少は人が入るが、まもなくさびれ、廃園になる。

筆者、いささか前の記事で、この年金問題に触れている。

ポール・クレイグ・ロバーツ-お勧め記事のご紹介
もっと悪いことがこれから起きる

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋の岩月浩二弁護士の最近の活躍ぶりTPP交渉差止・違憲訴訟 提訴後の日記で紹介されている。

大本営広報部・大政翼賛会の無茶苦茶論説との対照は強烈。

日比谷図書館コンベンションホールでの、TPPを考えるフォーラム TPP交渉 合意しないことこそ“国益” ―見逃せない数々の問題―

2015/05/19 「TPPに反する法律は廃止され、将来にわたって立法できなくなる」 岩上安身による「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」弁護団共同代表・岩月浩二氏インタビュー

そして、岩月弁護士はこう書いておられる。

パラダイムシフトとまでいわなくても、リアルの世界の一端が見える人数が一定数に達すると、この支配構造は崩壊する。

だから、リアルの世界を伝え続ける、IWJの会費(年1万円)を払う方が2万人に増えれば、何か、世の中が変わるはずなのだ。

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