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2015年6月30日 (火)

親欧米NGOと、アルメニア騒乱と、ロシア不安定化

公開日時: 2015年6月25日 12:33


2015年6月22日、アルメニア、エレバンでの最近の公共電気料金値上げ決定に反対する集会に集まった抗議行動参加者達。(ロイター/Hrant Khachatryan/PAN Photo)

アルメニア国内の多数の親欧米NGOは、政治過程の支援や、外国の選挙監視までを含む様々な機能を演じている。電気料金値上げ反対抗議行動が続く中 、こうした団体は、再検討されつつある。

8月1日に発効する予定の17パーセント電気料金値上げ取り消しを要求する抗議行動参加者達は、アルメニア首都の街頭でもう一晩過ごした。抗議行動参加者達は、先週金曜日に始まった街頭での座り込みを続けることを選んで、不満を語る為に、セルジ・サルキシャン大統領と会談することを拒否した。

こうした抗議行動の中、そしてウクライナ政治危機が、依然としてロシアの戸口でくすぶり続ける中、アルメニアで活動している一部の非政府組織が注目されつつある。これらNGOの多くは、1991年のソ連崩壊後、アルメニアが独立投票をして以来、アメリカ合州国によって資金援助されてきた。

例えば、全面的にワシントンから資金援助されている“チョイス・イズ・ユアーズ(皆で選ぼう?)”は、実際、アルメニア外部での選挙過程で活躍している。2004年12月、ウクライナ大統領選挙の第三回投票の際、例えば、アルメニアからの100人以上の独立した監視員が、選挙を監視する為、ウクライナの州に送り込まれた。2010年に、ウクライナ選挙が行われる頃には、このアメリカが資金提供をする団体からの多数のアルメニア選挙監視員は、三倍以上になった。

“チョイス・イズ・ユアーズ”NGOのある幹部は、Armenpressに、“450人の短期監視員が、ウクライナ大統領選挙の国際監視ミッションに 参加した”と語っている。

 

だが、ワシントンが、政治や、社会政治的部門で、アメリカ権益の為に、ロビー活動しているNGOに直接資金供給していることを証明するのは“事実上、不可能だ”とスサナ・ペトロシャンは、ヴェストニク・カフカザに書いている。“アルメニアの財政当局は、資金調達に関する情報を持っているが、公表しようとしない。”

一方、反ロシア偏見のある"ウクライナ支援委員会"の様な他のNGOは、短期間に、雑草の様に出現するので、司法省に登録されていないと、ペトロシャンは言う。

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ユーラシア協調発展基金理事長のムヘル・シモニャンは、親欧米NGOの数は、アルメニアが、ロシアが率いるユーラシア関税同盟と、ユーラシア経済連合に参加して以来、激増したと考えている。

“アルメニアの、ロシアや親ロシア派公的団体は、欧米の競争相手に大きく後れをとっています。アルメニアには、5-10の有力なロシア派組織と、約200欧米派組織があります”とシモニャンは言う。

一方、現在のアルメニアの混乱と、最終に、民主的に選出された指導者を無理やり追い出した、ウクライナ、キエフでの昨年のマイダン抗議行動時に起きた暴力的激変とを関連付けることに慎重な専門家達もいる。

"もしアメリカのNGOが、アルメニアの混乱に直接的に関与していれば、ワシントンが支援する政治家に対する別表現に過ぎない'良い統治' の必要性を語る、沢山の下品なスローガンがあったはずです"と、モスクワを本拠とする政治評論家ドミトリー・バビッチは、RTに語った。"抗議行動参加者達は全員が経済的公正を要求する手作りプラカードを掲げている様子で、ロシアを公然と非難してはいません。"

"ロシアが、彼等の問題の根源ではないことを、アルメニア人は理解しています"とバビッチは言う。

外国による干渉のおかげで、アルメニアでの騒乱を実際に予想していた元経済政策担当アメリカ財務次官補のポール・クレイグ・ロバーツ博士も、NGOの役割と、彼等が地政学の領域で、良い結果をもたらすとはいえない目的に利用されかねないことに関する彼の考えを、RTに語ってくれた。

RT:一体どうしてこういうことになったとお思いでしょう。大半の人々はびっくりしているように見えますが?

ポール・クレイグ・ロバーツ: ロシア不安定化の一環です。ワシントンのネオコンが実現したがっている政権転覆の一環です。ですから、アルメニアがこうした類の対象になるのは明らかでした。

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さて、この抗議行動は、素朴なものかもしれません。正当な抗議行動かも知れません。しかし、かりにそうであっても、ワシントンはそれ以上のものにしようとつとめるでしょう。そして、同じことがキルギスタン、アゼルバイジャンでも起きようとしています。もし可能なら、ワシントンは、カザフスタンを不安定化するでしょう。そうすれば、中国にも圧力をかけることができるようになりますから、連中は喜んでそうするでしょう。

RT: あなたの疑念からして、この騒乱はどのように展開すると思われますか?

PCR: これは疑念ではなく、事実です。全米民主主義基金は、1983年に、ソ連東欧内部で、政治的不和を引き起こすという明白な目標のために設立されました。そして、それは、旧ソ連の共和国だった全ての国々に存在して、活動しているこれらの非政府組織の主要資金源なのです。実際、ロシア自身の国内にも何百もあります。こうしたものは、ワシントンが作り出したもので、ロシア政府はとうとう、連中を意識するようになり、何らかの制約を課していますが、連中はい続けています。そして、もちろん、連中は、アルメニアにも、キルギスタンにもいます。そうした連中は、香港では、中国に対して利用されています。連中はいたるところにいて、ワシントンから自立した外交政策を行おうとする国々に圧力をかけようとするのに利用されます。

RT: こうした抗議行動は、エネルギー価格値上げ問題に見合ったものだと思われますか?

 

PCR: 人々がとうて払えないような大幅な電気料金値上げをしない限り、そうではないでしょう。抗議をしなければならないほど特別なこととは思えません。

しかし、それがたとえ正当な抗議行動だとしても、ワシントンが、それに飛びついて、自分達の狙いに利用しないということにはなりません。ワシントンが抗議行動を引き起こす場合もあれば、抗議行動が起きるのを待つ場合もあります。そこで、ワシントンは、NGOや、買収した様々な現地政治家連中を、まとめて投入するのです。我々は、この典型例を、ウクライナで目にしました。ジョージアでも起きました。こうした、いわゆるカラー革命は全て、そうした国々における、全米民主主義基金によるNGOに対する資金提供の産物です。そして、資金は、ウクライナの現首相の様に、ワシントンに同調する政治家連中に金を渡すのにも利用される。

RT: アルメニア国民の雰囲気を和らげるために、当局は一体何をすべきでしょう?

PCR: 今回の状況について、十分承知しているわけではありませんが、ロシアの周辺や、ソ連の元の一部だった国々、あるいはロシア自身のあらゆる当局は、自分達が混乱の対象にされていることを理解する必要があります。それが、ロシアに圧力をかけるという、ワシントンの政策の一環なのですから。それが今起きていることで、人々は、これを意識すしている必要があります。彼等は何をすべきでしょう。こうしたNGOの規制でしょうか、彼等を監視することでしょうか、それとも、外国に資金提供をやめさせることでしょうか? 私にはわかりませんが、人々はそうした組織が、一体何に使われているのかを認識しておく必要があります。こうした組織がそこにあるのは、民主主義や人権や女性の権利を教えるためではありません。連中は、ワシントンの第五列として、そこに存在しているのです。

更に聞く。

本コラムの主張、見解や意見は 、もっぱら筆者の ものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/269566-armenia-protests-energy-ngos/

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たまたま、国営BS放送で、アフガニスタンに域外派遣されたドイツ軍に関する番組『域外派兵で何がおきたのか』再放送を見た。二度目。与党議員のよいしょ質問国会論議をみるより遥かに役に立つだろう。国営放送が流す番組とは信じがたいほど。

「戦闘に派兵されたわけではない」というが、爆撃による民間人巻き添え、路肩爆弾爆発と銃撃、若くしての戦死や、帰国してもPTSDに悩む女性兵士。戦争法案成立後の日本そのまま。

非自由反民主集団や、不明カルト集団、異神、過去世代の支持者を合計すると、本当に40数パーセントになるのだろうか?自分で滅亡を選ぶ心境、いくら考えてもわからない。それほど多数が自滅を望むなら、自滅以外の可能性はないだろう。

ウクライナ2.0』を購入した。『ウクライナ・ゲート』続編。大本営広報部による『ウクライナ・ゲート』書評記事、記憶にない。

アメリカが画策したマイダン・クーデター部分を飛ばし、プーチンによる、クリミア併合は悪である、というお話から始めるお約束の大本営広報部、自分の虚報犯罪がばれてしまう事実を描く本を紹介するわけには行かない。

『ウクライナ・ゲート』は完売ということで、未読の方は図書館で読むしかなさそうで残念。

新刊『ウクライナ2.0』冒頭部分は、下記で読める。この本も早く購入しないと売り切れるはず。

ちきゅう座 鳩山発言「多くの日本国民は間違った情報のもとに洗脳されている」は正しい指摘である塩原俊彦:高知大学大学院准教授

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