ラングレー仕込で、テルアビブとリヤドに支えられるISIL
Wayne MADSEN
2015年6月26日 | 00:00
Strategic Culture Foundation
イラク・レバント・イスラーム国(ISIL)、あるいはアラビア語で“ダーイシュ”として知られ、あるいは“イスラエル”と“ISIL”の不快な類似ゆえに、イスラエル支持者達が好む、ISIS、イラクとシャームのイスラーム国が、ユーラシアとアフリカ大陸で、新たな“緊張戦略”を人為的に作り出す中央情報局(CIA)作戦の一環であることが、益々明らかになりつつある。
ISILの非イスラム教的特質の更なる例が、シリアの古都パルミラで起きた。ISILの盗賊と傭兵による、預言者ムハンマドのいとこ、イマム・アリの子孫、ムハンマド・ビン・アリの墓の爆破だ。ISILの本当の狙いは、一つの重要な例外を除く、アラブと、アラブ以前の中東の歴史の根絶だ。シリアでも、イラクでも、シオニストにとって神聖な重要古代遺物がISILによって破壊されたという報道は皆無だ。ISIL解体チームの主な標的は、シュメール、アッカド、バビロン、ローマ、アッシリア、ペルシャ、アラウィー派、ドゥルーズ派、Turkmen、ヤズディ教、パルティア、キリスト教、シーア派や、イスラム神秘主義(パルミラで破壊された、もう一つの重要な墓は、500年前に生きていたイスラム神秘主義学者ニザル・アブ・バハー・エッデインの墓だ). ISILが、イラクで、ユーノス(ヨナ)モスクの墓を破壊したのは、それがユダヤ教の父祖ヨナを祀っていたからではなく、モスクだったからだ。
ユダヤ人預言者ダニエルの墓とされるものが、モスルでISILに破壊されたが、イラク、イランとウズベキスタンに存在しているダニエルの墓6つの一つだ。シオニストが、連中の地政学的ひらめきの大半を得ている、ユダヤ教の書物タルムードは、顔のあらゆる画像を厳しく禁じているが、非ユダヤ人が描いた顔の画像を保有することは認めている。ISILと、タルムード主義者は、人々を描いた彫刻、タイルや、絵画を破壊する上で、考えは同じだが、ユダヤ人が描いた顔の画像の所有を認めるタルムードの例外から、テルアビブ、アムステルダムや、ジュネーブに、ISILによって盗まれ、ブローカーを経由して売られる古代遺物のもうかる闇市場ができるという結果になっている。
ISILは、そもそもの始めから、CIAと、その親サウジアラビアで、親イスラエルの長官ジョン・ブレナンが構築したものであることが明らかになりつつある。イスラエルのモサドは、イスラエルの標的が、決して、ISIL攻撃の対象にならないようにしている。またサウジアラビアは、二つのシーア派モスクに対するISIL攻撃を実際に許した。一つはアル・カディー村と、もう一つは、シーア派が、ワッハブ派スンナ派に対して多数派である東部の州の州都ダンマームだ。イラクとシリアで、アメリカとイスラエルの兵器が、ISILや、シリアのアル・ヌスラ戦線を含むその同盟勢力に手渡される様子が、目撃者達にみられている。サウジアラビア銀行の現金領収書が、司シリアとイラク両国の、放棄されたISIL本部で見つかった。サウジアラビアのシーア派に対するISIL攻撃は、ワシントン、テルアビブと、リヤドという聖ならぬ同盟による、シーア派が圧倒的多数のイランに対する警告だと見るむきが多い。
1970年代と、80年代に、左翼非正規兵のせいにされたテロ攻撃をヨーロッパで実行したファシスト“残置”ネットワーク・テロ組織グラジオから、アンゴラのUNITA、アフガニスタン聖戦戦士、ニカラグア・コントラ、ラオスのミャオ族に到るまでのテロリストの同盟が、アメリカの後援の下、1985年、アンゴラ、ジャンバで会合した。CIAは、歴史的に、テロ集団は、好都合な同盟者であると考えてきた。CIAは、秘密裏、かつ違法に、アンゴラと、ニカラグアのテロリストを支援する為に、それぞれ、クラーク修正決議と、ボーランド修正決議という、二つのアメリカ法に違反していた。
今やISILは、イランの様な共通の敵に対する、CIA、サウジアラビアとイスラエルの重要な資産として機能している。ISILは、シリアとイラク、イランの中核に、死と破壊をもたらす願望を隠そうともしていない。イラン国内のテロと、外国のイラン標的攻撃への支援によるイラン不安定化は、主として、反テヘランのムジャヒディン・エ・ハルク(MEK)と、パキスタンに本拠をおくバルーチスターン分離主義者を通して活動している、アメリカ、イスラエルと、サウジアラビアの手口として、歴史は実に長い。ISILは、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インド、チベット、スリランカ、タジキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタンと、トルクメニスタンを、“ウィラヤト・ホラサン”、つまりホラサン国家と呼んでいる。シリアで戦っているホラサン・グループとして知られるISILの同盟は、中央アジアのISIL新兵と司令官で構成されていると考えられている。
かつてOMONとして知られたタジキスタンの対テロ・エリート特殊任務民警支隊司令官のグルムロド・ハリモフ大佐が、ISILに逃亡し、シリアにおける野戦指揮官をつとめていることが最近報道された。アメリカ合州国への何度かの公式訪問中に、アメリカ特殊部隊、ブラックウオーターや、CIA幹部に訓練を受けていたハリモフは、タジキスタンに帰国したら、タジキスタン大統領エモマリ・ラフモンを“虐殺し”、ロシア内で活動させ、ロシア国内でテロ攻撃をしかける為、タジク人を採用し、タジキスタンのタジク人に、タジキスタン駐留ロシア軍部隊を攻撃させることを誓っていた(ハリモフは、これで、冷戦レベルにまで、ロシアへの軍事的圧力を高めたい、NATO最高司令官フィリップ・ブリードラブ大将や、アメリカ国防長官アシュトン・カーターの仲間となった)。大半が、シリアとイラクでの戦闘から戻ったばかりのチェチェン人のISILゲリラが、イホール・コロモイスキーのイスラエル、ネオナチが率いる傭兵大隊に入り、東ウクライナのドネツクとルガンスクで親ロシア軍と戦っている。
ISILは、欧米にとって好都合なことに、アフガニスタンで、タリバン勢力を攻撃した。タリバンは、ISILの自称カリフ国は正当性がなく、また、CIAとモサドの心理戦争部隊による人為的産物かも知れないカリフ指導者アブ・バクル・アル-バグダディを、詐欺師だと主張した。自分達の仲間の一部が聖戦戦士運動を離脱し、アフガニスタンとパキスタンで、ISILに加わるのに、タリバンは危機感を抱くようになった。しかも、ISILは、タリバンは、“カーフィル”、イスラム教を信じない者だと宣言した。4月に、アル-バグダディは、タリバンのムラー・オマルは、“阿呆で、読み書きのできない軍閥指導者”だと宣言した。謎めいたタリバン指導者に関するISILの言辞が、アフガニスタン アフガニスタンへのアメリカ軍介入最盛期に、アメリカ軍心理作戦部隊が言っていたものと、ぴったり合うのは、偶然ではない。6月中頃、ISILは、アフガニスタンで、自軍兵士が捕虜のタリバンの首を斬るビデオ・テープを公開した。
ISILはまた、中国と北朝鮮に対するアメリカ軍の圧力増大に呼応して、アジアの二国に対する聖戦を宣言した。5月に、リビア、ザラの病院で医師として働いていた北朝鮮人夫婦が、リビアのISILの捕虜にされた。北朝鮮医師夫妻の運命については、全く何も伝えられていない。1月に、“サイバー・カリフ国”として知られているISILのコンピューター・ハッカーが、北朝鮮の国営航空会社、高麗航空のフェースブック・ページを改竄した功績を主張した。ISILの黒と白の旗が、北朝鮮指導者金正恩を“泣き叫ぶブタ”と呼ぶ声明とともにフェースブック・ページに貼り付けられた。ISILハッカーは、北朝鮮と中国両国に対して警告もしている。“共産主義悪党国家、北朝鮮と、共産主義悪党中国は、ムジャヒディンの敵と協力していることへの報いを受ける”。
ISILの、中国と北朝鮮に関する、プロパガンダ言辞も、ハワイ州、アメリカ太平洋司令部から発せられる、北京と平壌による軍事的脅威に関する声明と一致している。北朝鮮は、北朝鮮の第1機械工場で製造された73型機関銃を、イラクで、ISILに対して戦っているイラク政府とクルド勢力に提供して、ISILの脅威に対応している。北朝鮮軍事顧問達は、シリアでISILと戦っているシリア政府とレバノンのヒズボラ勢力を支援しているとも考えられている。韓国は、北朝鮮と、軍事的に対決する好機を決して逃さず、極めて多い朝鮮語の姓“金”として知られる韓国人が、2月、シリアで、ISILの隊列に加わるのを許した。“金”は、リビアの北朝鮮の医師夫妻を含む、地域における北朝鮮工作員に対するISIL攻撃の調整責任者役の韓国諜報機関工作員である可能性の方が高い。
CIAが彼を打倒しようと奔走している、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、2014年の国連総会演説で、ISILを“フランケンシュタイン、欧米自身が育て上げた怪物”と呼んだ。3月に、バラク・オバマ大統領が、ベネズエラは、アメリカ合州国に対する“国家安全保障上の脅威”だと発言したことと 、ベネズエラで、ISIL活動の初期段階の報道があったことは偶然の一致ではない。ロバート・バンカー教授を含む、アメリカ陸軍士官学校は、ベネズエラで、ISIL活動が増大しているのは、ISILが、ベネズエラに、戦略的足掛かりを得たとアメリカ・ネオコンが主張しているヒズボラの天敵なので、アメリカ国家安全保障にとって良いことだという声明を出し始めた。中南米における、ISILと欧米とのつながりを、西半球の思慮深い一級政治家、元キューバ大統領フィデル・カストロは見落としてはいない。2014年9月、カストロは、マケイン上院議員と組んで、ISILを生み出すのを支援したかどで、イスラエルのモサドを非難した。
ISILによる中東破壊の究極的な犯人連中は、中東の砂漠や、アフガニスタンの山脈ではなく、ラングレー、CIA本部7階の長官室でこそ見つけることができる。同じ1985年、CIAは、アンゴラ、ジャンバで、右翼テロリスト集団サミットを後援し、CIAは、ベイルートで、レバノンのシーア派大アヤトラ、ムハンマド・フセイン・ファドラッラーを、自動車爆弾で殺害しようとした。CIAは、アヤトラは殺害しそこねたが、80人の無辜の人々を殺害し、256人を負傷させた。現在、CIAは、ISILが、イラクやシリアから、イエメンやリビアに到るまで、そのようなテロ攻撃を遂行して、手を汚すのを許している。ISILは、ブレナンと彼の最高顧問連中と厳しく対処すること無しには、屈伏させることはできない。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/06/26/isil-made-langley-propped-up-tel-aviv-riyadh.html
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「IS建国一年」という見出し。
後方支援、普通の言葉でいう兵站がよほどしっかりしていなければ、そもそも、たちあがれる可能性はゼロであり、まして、戦闘を継続して、シリア軍、イラク軍と、一年も戦い続け、領土を維持できるはずがない。
物理学の法則に反する現象がつづくわけがない。
常識で考えて、シリア、イラクを破壊したいと考えている宗主国別動隊。
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