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2015年6月13日 (土)

下院、オバマ大統領が貿易協定を交渉する'ファスト-トラック'権限を承認

公開日時: 2015年6月12日 17:58
編集日時: 2015年6月12日 18:36


バラク・オバマ・アメリカ大統領 (ロイター / Kevin Lamarque)

バラク・オバマ大統領は、議論のまとになっていた下院にみいて、彼の環太平洋戦略的貿易連携協定(TPP)の“ファスト・トラック”承認を得ることに成功した。

“ファスト-トラック”権限の正式名称、貿易促進権限(TPA)が、219-211の票決で成立し、オバマ大統領にありそうもなかった勝利をもたらした。前回の投票で、下院では、貿易協定の結果、職を失う労働者に支援を与える貿易調整支援(TAA)プログラムを拡張する提案は不成立だった。

上院と下院が共に“ファスト・トラック”権限を採択したので、議会は、まとまった協定に対し、修正提案をする機会無しで、賛否の投票しかできなくなる。

民主党議員の多くは、TAAを承認するようにという大統領の要求に反対し、302-126の票決で、法案が否決されるのに貢献していた。TPAが承認された後、票決を再考する動議が出され、下院が来週、TAAを承認する可能性が開けた。

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1970年代に、初めて成立したTAAは、現在の財政年度末に満了する。今日、下院で提案され、否決された法案は、プログラムを2020年まで延長し、恩恵を得る対象を、公務員やサービス業の労働者にも拡張するものだった。現在は、製造業部門の労働者、漁民と、農民だけが、このプログラムの資格対象だ。

金曜早々、オバマ大統領は、珍しく連邦議会に顔を出し、議員達と一時間の会談を行い、下院民主党議員に法案支持説得を試みた。オバマは、自分の党に協定を支持するよう説得するのに苦労していた、as民主党の伝統的な投票基盤である組合や労働組織は強力に反対していた。一方、共和党は、TPPを支持してきた。

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この法案は、環太平洋戦略的経済連携協定TPP - 貿易協定世界経済の40パーセントを結びつけるものを発効させることを目指している。アメリカ合州国の他に、他の11ヶ国がTPP交渉に参加している。オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポールとベトナム。

TPPで、特に重要な点は、中国を除外しており、アジア太平洋地域における中国の経済的・外交的影響力に対抗する効果があることだ。

TPPを支持する人々は、アメリカ製品にとっての新市場を切り開くと主張するが、反対する人々は、通貨操作、環境保護、インターネット・プライバシーや透明性を含む多数の問題を巡る懸念を表明している。更に、反対する人々は、アメリカ人労働者にとって有害で、協定によって得られるあらゆる恩恵は全て大企業のものになると主張している。

協定は、TPPの内容が極秘にされている透明性の欠如も、批判されてきた。規制のおかげで失われた利益を巡って、大企業が政府を私的法廷に訴えることが認められるという漏洩情報が最近公開されたことで、大企業ロビイスト達が協定の中身を書いているという噂にも拍車がかかった。

エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党-マサチューセッツ州選出)は、投資家-国家紛争解決手続き(ISDS)として知られる仕組みを無効にするであろう修正を提案していた。リベラルな民主党員は、ISDSは、大企業が、アメリカの法律を損なうのに利用できる手段だと批判してきた。

ホワイト・ハウスは、交渉して有利な協定にするには、ある程度の秘密性が必要で、批判する人々は、それ以前の自由貿易協定を批判するのではなく、TPPの具体的な問題を指摘すべきだと主張する。

しかし、TPPの草稿にアクセスする資格のある、一人の元オバマ選挙運動顧問は、読んだ草稿内容を、何であれ公表すれば、刑事犯罪になると書いていた。

“政府は、完璧な不条理状態を作り出している。法律で、見たことを具体的に語るのを、アメリカ国民に禁じておいて、我々のことを、具体的でないといって、大統領が批判するのを許しているのだ。”マイケル・ウェセルは、Politicoでこう書いていた。“大統領は、TPPの利点に関して、私や他の多くの文書閲覧を認められた顧問達に同意しないことを率直に認めず、大統領は、我々による具体的で鋭い批判などないような振りをしているのだ。

記事原文のurl:http://rt.com/usa/266863-tpp-pass-house-obama/
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若い頃に、体制派政治家か評論家が書いた、新橋から品川の再開発計画に関する文章を読んだ時、一体何という妄想を言うのだろうかと、不思議に思ったものだ。

それから30年。
妄想と思った素人が、あきらかに間違っていた。
支配層はいくら長期を要しようと、その計画を貫徹する。

とうとう、政治的・経済的・文化的・社会的水素爆弾が、我々の頭上に炸裂した。この悲惨な影響は何十世代も続くだろう。

田中正造と谷中村の人々の反足尾銅山鉱毒闘争を描いた、文学座『明治の柩』、あうるすぽっとで公演中。6/11-6/24 作 宮本研

田中正造の戦いの芝居を見ながら、彼の時代の惨事を超えるものに会っていることを思った。

田中正造は、谷中村への鉱害流出をもたらす古河市兵衛の足尾銅山操業停止を求めて、国と戦った。
我々は、TPPによって、600を越える多国籍企業による支配、その支配下の宗主国・属国の政治家、官僚、マスコミ、御用学者と戦わされている。
現在、東京電力福島第一原発破壊結果の収拾の目処もつかないまま、日本中で放射能をもたらす原子力発電所の再稼動、増設をしかけられている。TPPが成立すれば、原発廃止も不可能になるだろう。

田中正造は、持続可能な農業を目指していた。
TPPにより、GMO作物は栽培し放題になる。そもそも、田畑そのものが、大企業の手に移り、耕作をする人々も、非正規労働者、例えばベトナムの人々に置き換えられる。

田中正造は、谷中村の破壊・離散と戦った。
御用学者の「日本早世創会議」がまとめた提言は、高齢者に対し医療・介護に余力のある全国41の地域への移住を促している。谷中村規模から、東京他の首都圏規模の国策うば捨て政策。これも、一種のTPPや、戦略特区の先取りだろう。

今日の朝刊、介護費軽減には「通帳の写しを提出を要求される」現実が一面記事。

TPP大企業クーデター支配下では、日本人全員、非正規国民。

田中正造は、日清戦争時には、戦争推進派だったが、日露戦争以後、戦争反対に転じた。戦争予算は、学生の海外留学に使えと主張した。
今、とんでもない戦争法案審議中。

それで冒頭の話題に戻る。

支配層はいくら長期を要しようと、その計画を貫徹する。

登場人物に著名人物が二人いる。豪徳さん、つまり幸徳秋水と岩下先生、つまり木下尚江。キリスト教、社会主義・アナキズムの先駆者が、明治政府への対抗策を語る。

最後に近い場面で、「無為徒食の輩が、谷中村住民に、居残っての戦いを指揮した」といって、佐竹和三郎が田中正造を強烈に非難する。

しかし田中正造研究者の赤上剛氏は、田中正造が、谷中村住民に居残っての戦いを指示したわけではないことを指摘しておられる。それは、住民自身の意思だったと。

素晴らしい芝居だが、この脚本が書かれたのは岩波書店の『田中正造全集』刊行よりずっと前。そうした視点、知られていなかっただろう。

下記関連書籍も販売されていた。
布川了氏の
田中正造と足尾鉱毒事件を歩く
田中正造と天皇直訴事件

赤上剛氏の
田中正造とその周辺

芝居の中で、マタイ伝第十章が語られる。

地に平和を投ぜんがためにわれ来たれりと思うなかれ。平和にはあらず、剣を投ぜんがために来たれるなり。

これが堂々と国家テロ戦争を続ける背後にある思想だろうか。

アウルスポットは池袋にある。芝居で、キリスト教の話題が再三でる。田中正造が、キリスト教について私淑していた無教会のキリスト者、新井奥邃、池袋からほど遠からぬ巣鴨に「謙和舎」を開いていた。田中正造は新井奥邃と文通し、訪れ面談していた。

田中正造と民衆思想の継承』花崎皋平著の163ページに、全集が引用されている。

「戦殺教会、傲慢教会、自己主義教会、私親私友の救を求むる教会、凡そ非真基督なる基督教会皆滅びて而る後平寧大和夫れ成るべき也」第7巻63

日本で戦争法案を推進する下駄の雪カルト集団も、凡そ非真仏教なる集団。

マイケル・ウェセルの発言は、先に訳した記事
オバマの秘密貿易協定を読み、TPPが“この国に害を与える”ことを認める人物出現

にもある。

更新情報:2015/6/13 23:21

9時半過ぎに受信した、パブリック・シチズン代表、ロバート・ワイズマン氏のメールにはこう書かれている。

連中は敗北した。

またしても。

昨日、ジョン・ベイナーや、ポール・ライアンや他のアメリカ下院における大企業の手先は、雇用を無くし、賃金を押し下げ、食品の安全を破壊する貿易協定、NAFTAよりはるかに壊滅的な環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を、ファスト・トラックで成立させるという連中の最新の策略で大敗北を喫した。

だが、自分達が間違っていることを認めることができない人々は存在するのだ。

特に、ビック・ビジネス資金提供者連中の世話になっている議会の一部の議員達はそのようだ。

そして、雑草同様、連中はまた生えてくるのだ。

*昨日の下院投票での敗北から、わずか数分後、ジョン・ベイナーは、来週、もう一度採決をする動議を出した!*

つまり、片一方の承認だけでは、成立したことにならないもののようだ。字面を追うだけの素人にはさっぱりわからない。

原文は下記の通り。

They lost

Again.

Yesterday, John Boehner, Paul Ryan and other corporate stooges in the U.S. House of Representatives were resoundingly defeated in their latest ploy to Fast Track a job-killing, wage-crushing, food-safety-gutting trade deal - the Trans-Pacific Partnership (TPP) - that would be far more disastrous even than NAFTA.

But some people just can't admit when they're wrong.

Especially, it seems, certain members of Congress who are beholden to Big Business funders.

And, like weeds, they just keep coming back.

*Within minutes of losing yesterday's vote in the House, John Boehner made a motion to hold yet another vote next week!*

というわけで、パブリック・シチズンは、この勝利を確固としたものにするために、皆様の募金を求めている。

属国というか、属領というか、植民地というか、かなしい領地の先住民族、宗主国のまっとうな方々の健闘に期待するしかない。

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コメント

       疑問が氷解-TPA法案不成立の主張

 本日13日付けの日本語版ブル-ムバ-グに,「・・・続いて行われたTPA法案の採決では賛成219、反対211の賛成多数となったが、手続き上、TAA法案が可決されない限り、TPA法案は大統領には送付されない。下院での再採決は16日にも行われる。・・・」とある。
 つまり,「手続き上,TAA法案が可決されない限り,TPA法案は大統領には送付されない」ということなので,12日の採決では,『TPA法案不成立』という結論が正しいと思われる。
 勉強不足でご免なさい。

             TPA法案の行方?                

  一般命題を否定するのには反例を一つあげれば済む,とどなたかに教わった覚えがある。また青年の頃,記号論理学の本を読んでよく分かりもしないのに,分かった振りをしてトモダチや周りの人を煙に巻いて喜んでいた時代があった。
  そのような悪行の数々がやがて我が身に方向を変え,降りかかってきたのが,今日。例えば憲法違反の安保法制関連11法案のうち,一法案だけ廃案乃至引っ込められる事態になった場合,この安保法制全体は意味をなすのか,なさないのか。自分では考えれば考えるほど分からなくなってしまった。

  そんなことを考えていたら,ウクライナのことが急に気になりだした。日本語版スプトニクによれば,アメリカ議会はウクライナに武器を与える予算案を承認・可決したという。しかしその後,ネオ・ナチの巣窟であるアゾフ大隊には武器を提供しないという修正案が可決されたらしい。
 米国の議会の事情に暗い小生ではあるが,分離独立派以外のウクライナ領地(一般)に米国製武器が提供されて,アゾフ大隊(特殊)にその武器が渡らない保障はないだろうから,一般と特殊の関係がまたさらに分からなくなった。

 開けて昨夜。オバマ(政権)に一括交渉権を与えるTPA法案がアメリカ下院を通過した;東京新聞によれば,
   米議会下院は12日、通商交渉の権限をオバマ大統領に一任する「貿易促進権限(TPA)法案」のうち、失業者対策に関わる部分(TAA)を否決した。それ以外は可決したが、法案全体の結論は持ち越した。

  しかるにその結果はどうなのか。小生にはこれまたよく分からない。なぜならロイタ-に拠れば,『事実上,TPA法案』は否決された,からである。おそらくアメリカ議会の採決方法に詳しくなければ容易にこれらの記事の意味するところはよく分からないのではないだろうか。
 一般-特殊の関係から言えば,TAA(特殊)が否決されたのでTPA法案(一般)は否決されたのか,あるいはTAA(特殊)が否決されたにも係わらず,TPA法案(一般)は可決されたのかどうか。甘利・菅大臣の発言からすると,真実は前者にありそうだが,後者でも間違いではないような気がする。

 内田聖子氏の解説(Acts for Democracy) のお陰で,TPPに関する素人の小生はいくらか理解が進んだ。最後に感謝申し上げ,16日が『人類最後の日々』になるかどうかを,見守りたい。

追記: Tyler Durden 氏の「法案の中味が一体何かを知るためには,法案を成立させなければならない(『2015年5月27日 (水) オバマの秘密貿易協定を読み、TPPが“この国に害を与える”ことを認める人物出現』)」という一文も気になった。法案の中味(特殊・具体)は法案(一般)の成立と論理的にどういう関係があるのだろうか。論理学はやはり学問に過ぎず,日常生活では役に立たないのかもしれない。

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労働者派遣法の改悪はTPPの先取りで、戦争法案とも密接に結びつき、背後には破綻寸前の米国経済  労働者派遣法を安倍晋三政権は「改正」しようとしている。企業がカネ儲けやすいようにし、労働者の働く環境をさらに劣悪化させようというわけだ。私的な組織である巨大資本を政府、議会、司法の上に置き、民主主義を破壊する協定、つまりTPP/TTIP/TISAを先取りしているとも言えるだろう。先取...... [続きを読む]

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