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2015年5月17日 (日)

TPPとTTIP“自由市場”“貿易”協定、アメリカ上院により承認: アメリカの“ニュース”メディアは、いかにしてアメリカの民主主義を殺したのか

Eric Zuesse
Global Research
2015年5月15日

水曜日に報じたとおり、アメリカ上院は、5月13日午後早々アメリカのバラク・オバマ大統領が提案している、アジアとはTPP、ヨーロッパとはTTIPという貿易協定を“ファスト-トラック”で承認することになった。(夜のTVニュース番組で報道されるべきだったが、そうしたものの大半は無視され、ニュースは上院議員が公式発表した後、ようやく翌日になって、報じられた。)

TPPとTTIPは、アメリカのマスコミでは‘貿易’協定として説明されているが、実際は、そうではなく、主権を巡るものなのだ。これらの協定は、アメリカや他の参加国が、国の環境、消費者保護、労働者保護や、金融規制を巡る民主的主権を、長年、アメリカのオバマ大統領の通商代表と協力して作業して、これら“貿易”協定の草案を作成してきた巨大国際企業によってメンバー全員が選ばれる委員会に移譲させるものだ。

もし“C”社が、これら‘貿易協定’の下で、こうした委員会の一つに訴えて、“X”国には、環境や、消費者保護、労働者保護や、金融に関して、TPPとTTIPで定められたものよりも厳格な規制があると主張すれば、X国は、企業に対する“不公平な貿易慣行”をおこなったかどで、C社に罰金を支払うべく査定されることになる。

言い換えれば、こうした大企業の委員会が、これらの国際‘貿易’協定に定められた規制を超えた国々に罰金を科する権限を持った新たな国際政府となるのだ。

オバマ大統領の通商代表、マイケル・フロマン、AFL-CIOと、アメリカの上院議員に、コロンビアなどの国々が、組織的に労働組合組織者を殺害しても、労働者の権利の侵害ではないと述べている。アメリカにとっては、この国の国際貿易協定や実施に関して、何の懸念もないのだ。4月22日、こうした協定について、正直に報道する数少ないアメリカ報道機関の一つ、ハフィントン・ポストは、“AFL-CIOトルムカ議長: アメリカ通商代表は、我々に、殺人は違反ではないと語る。”と大見出しにし、こう報じた。“ホワイト・ハウスが見境のない貿易協定を押し通そうとしているのを擁護する連中は、労働基準の厳しい実施を含んでいると主張する。しかし、火曜日、労働組合トップ指導者は、そうした主張を一蹴し、労組組織者の殺害さえも、これら協定の違反になると思わないと、政権幹部が非公式に述べたことを明らかにした。

    “言い換えれば、既に、遥かに小規模なNAFTAでそうなっているように、TPPとTTIPでは、こうした低劣な水準の競争の場で、アメリカ人労働者は競合させられるようになる。“トルムカは、4年前に、オバマ政権が、労働者保護を強化する協定を作り上げた後でさえ、約105人の組合組織者が殺害され、1,300人以上が殺すと脅されていると述べた。”

オバマ政権は、自らが紙の上では、導入することに成功した、より強化された規制さえも無視しているのだ。

    “殺人は労働規制違反とは見なされないというトルムカの主張の詳細ついて求められて、AFL-CIO会長補佐代理のシーア・リーは、アメリカ通商代表幹部は、少なくとも、彼女が参加していた会合で二度、労組組織者の殺害や、残忍な扱いは、貿易協定の条件の下では、労働権の侵害とは見なされないと述べたと、ハフィントン・ポストに語った。”

更にこう述べた。“’政府がきちんとした捜査や、起訴をしそこねている、グアテマラの労働組合員の、5人ないし、6人の殺人事件も我々は確認しています’とリーは語った。‘アメリカ通商代表は、我々に、労働組合員の殺害や、労働組合員に対する暴力は、労働の章の違反ではないと言った’”アメリカ通商代表のマイケル・フロマンは、オバマが、TPPとTTIPの両方で、外国政府とも、国際企業とも交渉しているまさに同じ人物なのだ。

このとんでもない水準を超えた労働者保護規制をしようとする、あらゆるTPPなりTTIPの参加国は、大企業の委員会によって、罰金を科され、しかもそうした罰金は、その‘権利’(労組組織者を殺害する等)が、所与の協定、TPPなりTTIPの条項の下で侵害された企業の所得になるのだ。

しかも、これは、こうした‘貿易’協定の下で、国際企業に譲渡されるこの種主権(この場合は、労働者の権利を巡るもの)の一例に過ぎない。

国連のこうした問題に関する幹部職員が述べたとおり、TTPとTTIPは“民主的に選ばれた政府ではなく、大企業が支配する反ユートピア的未来”を生み出す。

ハフィントン・ポストが報じた様なニュース報道が、これら提案されている‘貿易’協定に関する‘ニュース’報道として、アメリカのマスコミ中で、ごく僅かの少数派でしかないという事実さえなければ、こんなことは起きようがなかったはずだ。

こうした協定を“ファスト・トラック”承認することに賛成票を投じたアメリカのあらゆる上院議員、あらゆる下院議員は、大企業からの大金を期待しているだけであり、彼なり彼女なりが、地元有権者の、彼らの子供達の、そして未来の世代の真の代表としてあるべき、そして忠誠の誓いをした仕事を果たしてはいない。

こうしたものが‘自由市場’協定だなどと言う考えは、あらゆるデマ宣伝のなかで最大のものだ。こうした協定は、民主主義国からファシスト世界政府への主権移譲だ。これは、現代最大のニュース記事なのに、遅過ぎて止められなくなるまで、事実上、無視されたままだ。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/tpp-and-ttip-free-market-trade-deals-approved-by-us-senate-how-americas-news-media-killed-americas-democracy/5449580
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「生物の個体発生は,系統発生を 繰り返す」ヘッケルの法則というのを習った記憶がある。下等な動物も人も、卵子から、成人へと成長してゆくのに、同じような段階を経てゆく、ということだったと覚えている。

洗脳機関も同様。宗主国の洗脳機関の機能発達を、属国の洗脳機関は模倣して、大きく(正確には堕落)なる。

ハフィントン・ポストが報じた様なニュース報道が、この提案されている‘貿易’協定に関する‘ニュース’報道として、日本のマスコミ中で、ごく僅かの少数派でしかないという事実さえなければ、こんなことは起きようがなかったはずだ。

毎回、大本営広報部・大政翼賛会と呼ばせていただいているが、いい加減なデマとは思っていない。筆者の言う通りなのだ。デマであったら嬉しかった。

IWJの岩上安身氏は、2011.11.4付けでこう書いておられる。

私がとくダネを降板を告げられたのは、TTPについてコメントしたその日。

その状態、ずっと続いている。岩上安身氏ご自身、訴訟原告の一人。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

【重要なお知らせ】TPP交渉差止・違憲確認訴訟訴え提起のご案内

植草一秀氏も原告団に加わっておられる。

訴訟代表のお一人、岩月浩二弁護士『街の弁護士日記 SINCE 1992 at 名古屋』で色々と、宗主国に習って制度を破壊することの問題点を書いておられる。たとえば医療と教育。いずれも、TPPで破壊される主要標的のはずだ。

そこで思いだした文章を、手元にある本から引用させていただこう。

 なぜアメリカほどの国で健康保険制度がしけないのかといえば、資本主義が進んだアメリカでは、資本主義が進みすぎて利益のあがる部面にはどこでも資本が進出して、医療保険もその対象になってしまったためである。だから、新しく社会保障として、国家や労働組合が健康保険制度をしくとなると、この保険会社の現存の利益に抵触する。アメリカは、資本主義をたてまえとし、世界におけるそのチャンピオンであり、擁護者である。だから、資本の利益をそこなうことはできない。そこなうような制度は、アカであり危険思想だということになっているから。
 日本は逆である。資本主義がおくれていた。だから、健康保険を政府がつくろうがどうしょうが、会社の反対は生まれない。むしろ、それによって病気がなおされ、寿命が延びれば、生命保険会社にとっては得である。各会社は社員のために進んでこの制度に協力した。私の先輩がヨーロッパへの飛行機の中で歯が痛みだして、飛行場につくやいなや医者にかかった。そして歯槽膿漏の手当てを受け、日本の金にして金四千円也を払った。しかし、帰国後、この治療費は、日本の健康保険によってほとんど全額支払われた。日本の健康保険はかなりの程度大衆の利益を守っている。日本は後進国であった。そのために、医療費の面では先進国になっている。

 わが国の大学は庶民的

 わが国は封建的な考えや残りかすがあって、ヨーロッパのような市民社会でも、アメリカのような自由で平等な社会でもないといわれている。たしかにそういう面が多い。しかし、その逆も多い。
 社会のエリートになるかならないかのひとつの区別は、教育-出身大学-にあることは日本でもアメリカでも同じである。この場合、日本の大学にくらべて、アメリカのエリートを養成する大学のほうがはるかに特権階級だけのものになっている。というのは、アメリカにおいてもっともよい大学は、ハーバード、エール、プリンストン、ダートマスといったような私立大学である。これらの大学には、育英資金はあるとはいっても相当な金がかかる。月謝の安い官立大学は、けっしてよい大学とは考えられていない。エリートとなり、社会の上層階級になるためには、どうしても、私立大学 - 庶民には手のとどかない大学を出なければならない。
 ところが、わが国の場合は反対である。もっともよい大学は、たいていの場合、もっとも安上がりな大学である。

もう一つは、本の腰巻?

あなたは盲腸手術に200万円払えますか?

じわじわと日本に忍び寄る、
見えない魔の手!
~「いのち」と「老後」が、
       マネーゲームの餌食になる~
政府が差し出す「医療費」データのトリックや、
あからさまなマスコミの大衆マーケテイング、
次々進む医療と介護報酬切り下げの目的、
猛スピードで成立する法律の裏に、
いったい誰がいるのか?
餌食にされてはならない、今ならまだ間に合うのだ!

医療と大学制度についての文章は、『経済学入門』伊東光晴著 1962年11月刊 カッパ・ブックス 第8章 後進国が先に進むナゾ 229-240ページ アメリカの医療制度は日本に劣る

一方、後のものは、『沈みゆく大国アメリカ 〈逃げきれ!日本の医療〉』堤未果著 2015年5月20日 第一刷発行

逃げきれ!といわれても、TPPを批准すれば、日本の医療は壊滅する。TPP、それが主目的のようなものだろう。

読んでいて恐ろしくなる。誇張しているわけではなく、事実、恐ろしいのだろう。知人に、宗主国暮らしを選んだ豪傑がいる。質問して確認したわけではないが、スーパーマンのような病気知らずか、高価な保険も気にならない富豪かのいずれかだろう。

53年で、日本の医療制度に対する環境が、いかにとんでもない方向に劣化しつつあるのかの具体例。

TPPによる、日本の医療制度への深刻な影響は、下記講演で良く分かる。

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