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2015年5月21日 (木)

アメリカの協定を公開せよ: ウォーレン、マンチン両上院議員、オバマにTPP公開を要求

公開日時: 2015年5月19日 22:42


エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党-マサチューセッツ州)と、ジョー・マンチン(民主党-ウェストバージニア州) (ロイター)

二人の民主党上院議員が、議会がオバマ大統領に、ファスト・トラック権限を与える少なくとも二ヶ月前に、ホワイト・ハウスが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の条件を、国民に公開することを要求する法案を提案した。

ウェストバージニア州選出のジョー・マンチン議員も、二ページの貿易透明性法提案で、マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレンに加わったと、ザ・ヒルが報じた。もし採択されれば、法案は、ホワイト・ハウスに、“あらゆる貿易協定の加除訂正した文章”を、議会で協定をファスト・トラック扱いで投票する60日以上前に公開するよう要求することになる。

“貿易透明性法は、こうした協定を、作成し、修正し、あるいは阻止する権限を、議会が弱める前に、国民、専門家や、マスコミが、貿易協定の条件を巡って意味のある議論に参加することを保障するでしょう”と、ウォーレンは述べた。“議会が貿易協定に関して自ら手を縛る前に、アメリカ人は、自ら、これらの協定が自分達にとって良いものであるかどうか見るのを認められるべきです。”

“ブッシュ大統領が進んで開示し、アメリカ人に米州自由貿易地域協定の全体を見るのを認めたのだから、オバマ大統領も、我々が彼にファスト・トラック権限を与える前に、同じことをするべきだ”とマンチン議員は述べた。“もしこの法案が、擁護者連中が主張する通り本当にアメリカ労働者にとって良いものであるなら、政権は、大統領に、貿易促進権限を与えるよう、議会に強いる前に、アメリカ人労働者に詳細を見せるべきだ。”

ウォーレン議員は、TPPや他の自由貿易協定を辛辣に批判してきているが、月曜日、自由貿易条約に関して、これまでの各政権による二十年間の“破られた約束”を列記する報告書を公表した。

更に読む:オバマのTPP誓約を前に、ウォーレン上院議員‘破られた約束’報告を発表

ホワイト・ハウスは、TPPを“史上、最も進歩的な協定”で、“より高い労働基準、より高い環境基準”で、“各国に責任を取らせる為の新たな道具”だと喧伝している

オバマ自身、協定の擁護を強化し、ウォーレンに反撃し、彼女を“十把一絡げの政治家”と呼び、そういう主張は“事実検証に耐えない"と述べた。

政権は、条約は依然、交渉中で、交渉をまとめるには、ファスト・トラック権限が必要だとも主張している。ある国家経済会議上級顧問は、協定の詳細を公表することは、アメリカ権益にとって有害だと主張している。

我々がそんなことをしないのには十分な理由がある。我々はアメリカが、一番得をするように厳しい駆け引きをしようとしているのだ”グレッグ・ネルソンは、ホワイト・ハウスのブログに書いている。“他の交渉相手連中に、手の内を見せるわけにいかないようなものだ。

オバマ自身、他の自由貿易協定との比較を一蹴した。“25年前に成立したものでなく、この貿易協定の何がまずいか指摘しなければだめだ”と、4月にオルガナイジング・フォー・アメリカの会議で彼は語った。

更に読む:民主党が妨害する中、オバマ、TPP貿易協定を擁護し、売り込む

ところが、元オバマ選挙顧問で、TPP草稿を読む資格を与えられている一人 であるマイケル・ウェセルは具体的批判は不可能だと述べている。協定の文章を読んだ人は誰でも、内容を開示したかどで、投獄されかねないと彼は、ポリティコに書いている

“政府は、完璧な不条理状態を作り出している。法律で、見たことを具体的に語るのを、アメリカ国民に禁じておいて、アメリカ国民は、具体的でないといって、大統領が批判するのを許しているのだ”と、ウェセルは書いている。“大統領は、TPPの利点に関して、私や他の多くの文書閲覧を認められた顧問達に同意しないことを率直に認めず、我々の具体的で鋭い批判などないような振りをしている。”

議会は現在、ホワイト・ハウスに、11の環太平洋諸国を含むが、注目すべきことに中国を除外している貿易協定、TPPを交渉するファスト・トラック権限を与える法案を検討中だ。ウォーレンとマンチンの両議員は、協定の詳細を機密扱いしていることは、議員達が条約を修正するのを不可能にし、最終承認を阻止するのを困難にしている主張している。

記事原文のurl:http://rt.com/usa/260197-warren-manchin-obama-tpp/
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隣国の英語記事でないと重要な問題に関する情報が得られない驚くべき状況。ロシアはTPP参加国ではないのに。

国民全員に深刻な影響をおよぼす秘密協定を推進する売国政府。
提灯記事をかくだけで、隠蔽して協力する大本営広報部・大政翼賛会。

山田元農水相、当時のロン・カーク・アメリカ通商代表に、TPPについて質問した際、「米韓FTAを見ればわかる」「それ以上のものだ」といわれたとおっしゃっている。

それで参考になるのではと読んだ本がある。

『先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化』

185ページの記述を見てびっくり。国々で事情は違って当然。

第三の大衆的支持は、個々の大統領の個性によるところが大半である。マスメディアをうまく活用できるかどうかや、戦争など対外危機があるかどうかなどが影響するが、いずれも制度的に統制することは不可能である。

韓国では『いずれも制度的に統制することは不可能である』かも知れない。この国では、マスメディア、制度的に完全統制されている。TPPのまともな情報皆無だ。そしてイスラエルでトンデモ発言をすると、ぴったりのタイミングで、戦争ではないが、人質事件があった。おかげで戦争法制、切れ目なく推進中。いずれも制度的に統制することは十分可能である、ようにしか思えない。

そして211ページには驚いた。

進歩派は、特に国家主権と関係する事項に反発し、これらを「毒素条項」と呼んで強く批判した。例えば、ISD条項は、韓国に投資したアメリカ企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行下の国際投資紛争仲裁センターに提訴でき、韓国で裁判は行わないとする。また、ラチェット条項は、一度規制を緩和すると元に戻せないとしており、BSEがアメリカで再発しても牛肉輸入を中断できないと解釈された。
 これら毒素条項に関する解釈の大半には誤解ないしは曲解があり、進歩派が懸念するほどのことはない。

太字は加工させていただいた。2014年4月25日発行の本。一方、下記インタビューでは、懸念しないほうがおかしいと思われる様子が説明されている。

2013/02/21【IWJブログ:「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー】一部を引用させていただく。

岩上「米国は、日本に『TPPに入りたいならどうぞ』という態度を見せながら、入ったら『ゆうちょをよこせ』『米国産牛肉を輸入しろ』と要求する」

郭教授「ゆうちょの件も、すでに韓国で数カ月前に起きたことです。韓米FTAを見れば、TPPがわかる」

岩上「米韓FTAの問題点にはどういったものがあるのでしょうか?」

郭教授「例えば、ラチェット条項。米国自動車が韓国内で売れないと、これは不公平だとして訴えることができる。米国はいくらでも韓国に自動車を輸出できるが、米国内では米国車を保護している」

岩上「韓米FTAで、ISD条項が発動した事例がありますよね?」

郭教授「米国の投資ファンド『ローンスター』が、『不利益を被った』として韓国政府を訴えました

 また、TPPに参加すると、『脱原発』も意味がなくなる。2011年、ドイツがフランクフルトの原発を閉鎖した際に、それを所有・運営していたスウェーデンの企業が、ドイツ政府を訴え、勝訴した。しかも、TPPは過去の判例は参考にされない。仮にドイツ政府が勝っていたとしても、韓国政府が原発を閉鎖し、訴えられたときに勝てるかどうかはわからない」

岩上「そのうえ、審理の内容は非開示です。情報として蓄積されない。結論だけが下され、しかも一新制。さらに世界銀行は、米国の傘下です」

郭教授「次は、『間接接収による損害賠償』というものです。言語、法、慣習等により、米国企業が『不利益を被った』とみなされた場合、訴えることができる。条文には、『合理的に得られる利益が得られなかった場合』とある。つまり、米国側が『非合理的』とみなせば、訴えることができる」

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NO TPP!!フェス&キャンドルデモ 2015.5.26(火)

    ◆日程:2015年5月26日(火)15時30分~20時30分

    ◆場所:代々木公園野外ステージ周辺(15時30分~19時30分)
        および渋谷駅周辺(19時30分~20時30分)
   
◆登壇者:荒井潤(ソングライター)withリン&仲間たち、安斎由希子(札幌協働福祉会)、岩上安身(ジャーナリスト)、魚ずみちえこ(ママデモ代
表)、内田聖子(アジア太平洋資料センターPARC、閣僚会合開催地からの生中継出演)、喜納昌吉(ミュージシャン)、下山久信(全国有機農業推進協議会
事務局長)、鈴木宣弘(東京大学教授)、中原宙&ハートロッカーズ(ミュージシャン)、孫崎享(元外交官・評論家)、まつだよしこ(FaceBook
「TPPって何?」管理人)、原中勝征(元日本医師会会長)、三宅洋平(ミュージシャン、ビデオ出演)、山田正彦(元農水大臣)、山本太郎(参議院議
員)、レイ・アルフォンソ・正田(ミュージシャン)他 (敬称略、五十音順)

    ★登壇者やスケジュール等は一部変更の可能性があります。
     ◆スケジュール:
    15:30 NOTPP!!フェス/物販開始…TPP関連グッズ、有機野菜やパン・チーズ・蜂蜜などの産直青空市場、餅つき、NO TPP!!クッキーの無料配布など
    16:00~19:30 NO TPP!!フェス/ステージでの上演…スピーチ、寸劇、音楽ライブ
    19:30~20:30 キャンドルデモ(代々木公園~公園通り~渋谷駅~神宮前公園)
    ◆主催:NO TPP!!フェス実行委員会

     共催:TPP交渉差止・違憲訴訟の会 
   
◆呼びかけ:安部芳裕(作家・社会活動家)、内田聖子(アジア太平洋資料センターPARC)、菅野芳秀(山形・百姓 TPPに反対する人々の運動共同代
表)、全国有機農業推進協議会、藤田和芳(大地を守る会代表)、マエキタミヤコ(サステナ代表)、ママデモ、山田正彦(元農水大臣)他、呼びかけ人、呼び
かけ団体を募集中(敬称略、五十音順)

    ◆賛助団体:札幌協働福祉会

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