ウソをウソの上塗りで隠そうとするワシントン
Paul Craig Roberts
2015年5月26日
主権国家内での違法作戦による、オバマ政権の裁判なしオサマ・ビン・ラディン殺害についてのシーモア・ハーシュの最新版に対する私の疑念は深まった。http://www.paulcraigroberts.org/2015/05/11/seymour-hersh-succumbs-disinformation-paul-craig-roberts/(日本語翻訳はこちら)そもそも本質的に、ほとんど興味が持てないハーシュ記事が、これだけ大変な注目を浴びるということ自体、十年前に亡くなっていた人物を殺害したというオバマ政権の主張を裏付ける為の画策だという証明だろう。
アメリカ国民はだまされやすく、なかなか思いつくことはなかろうが、懸命に頭をひねれば、もしワシントンが、テロリストとされる人物を殺害したのであれば、一体どうして、その行為に、全くデタラメの説明をでっちあげることが政府にとって必要なのかと、いぶかるに違いない。ただ本当の話をすれば良いではないか? 一体なぜ、本当の話が、ハーシュに漏洩した匿名情報源で、何年も後になって出現するのだろう?
もしSEALsがアボタバードで、ビン・ラディンに遭遇していたら、連中は音や光で一時的に混乱させるスタン擲弾や、催涙弾を使用して、生け捕りにしていたはずだ。ビン・ラディンは、マスコミの前で、さらしものとして歩かされ、歓喜にわくホワイト・ハウスは彼を捕獲したSEALs隊員達にメダルをピンで留める式典を大々的に写真撮影していたろう。
ところが、いわれているのは、死体なし殺人で、法律の下では、殺人にならず、急襲とされるものの話は、ホワイト・ハウス自身によって、48時間内に何回か書き直され、それが今また、ハーシュに植えつけられた偽情報によって書き換えられたのだ。
恐らく、アボタバードのビン・ラディンの住居とされるものから発見されたとされる書籍の書名公表が、説明の一部になるだろう。“テロ首謀者”が、売女マスコミのロンドン・テレグラフが、9/11に関する陰謀論とワシントンの外交・経済政策に関するビン・ラディン書斎の本と呼ぶものを、無為に座って読んでいるなど、一体だれが想像できよう? http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/al-qaeda/11619270/Osama-bin-Ladens-bookshelf-featured-conspiracy-theories-about-his-terror-plots.html
これらの書籍が、ビン・ラディンのアボタバードの書斎にあったという政府主張は、サダム・フセインは大量破壊兵器を持っていた、アサドは化学兵器を使用した、イランには核兵器計画がある、そしてロシアは、ウクライナを侵略したと語っているその同じ政府によるものであるのを肝に銘じて頂きたい。ワシントンのあらゆる主張が証拠皆無なのと同様、ビン・ラディンがこれらの本を所有していたという証拠は皆無だ。証拠がない以上、ワシントンの立場はこういうことだ。“我々が言うのだから、本当だ。”
ハーシュの記事は、ビン・ラディン物語への興味の復活をかきたてるべく計画されたものであり、それが更に、ワシントンを批判する人々の評判を落とすのに利用されているのだろうと私は思う。ビン・ラディンの書斎とされるものにあった本の著者達が、ワシントンを真実の鞭で厳しく叱り飛ばす、注意深い、聡明な人々であることに留意願いたい。政府を鞭撻する人々とは、ノーム・チョムスキー、デービッド・レイ・グリフィン、ミシェル・チョスドフスキー、グレッグ・パラスト、マイケル・シュアー、ウィリアム・ブルムだ。おわかりだろう。ビン・ラディンが彼らを認め、彼らの本を書斎に持っていたので、こうした真実を語る連中を信じてはならないのだ。その延長として、こうした真実を語る人々はテロを支援し、扇動したかとで告訴されるのだろうか?
ビン・ラディンに対して、マフィアのゴッドファザー風に、9/11の恨みを晴らしたとオバマは主張する。しかし、死体はなく、死体がどうなったかについての首尾一貫した話さえない。ホワイト・ハウスが、ビン・ラディンが水葬されたと主張している艦船に乗っていた水兵達による、そのような葬儀が行われたという報告はない。非武装で無防備のビン・ラディンを殺害したチームを提供したとされるSEAL部隊は、不思議なことに、ヘリコプター事故で全滅した。SEALs部隊は、骨董品の、50年も使われた、1960年代、ビンテージものヘリコプターで、対タリバン戦闘に送り込まれたことが判明している。亡くなったSEALsの両親達は、うやむやになっている疑問の回答を求めているが、そうした話は、ワシントンに具合がいいよう、売女マスコミは好都合にも報道しない。
これほど膨大な数の矛盾する公式、および準公式説明、うやむやになっている疑問や、言い抜けという点で、9/11そのもの以外では、ビン・ラディン殺害にまさる主要な出来事はない。しかも、この大量の言い抜けや矛盾にもかかわらず、欧米マスコミも、傾眠状態で無頓着なアメリカ国民も、何ら関心を抱かない。
今やワシントンが、ビン・ラディン“死亡ファイル”を“紛失”しまったことが判明し、ビン・ラディン殺害というでっち上げた物語の永続性は確実となった。http://www.globalresearch.ca/pentagon-orders-purge-of-osama-bin-ladens-death-files-from-data-bank/5342055
トム・ハートマンの、デービッド・レイ・グリフィンへのインタビュー『ビン・ラディン、生死を問わず?』は、ここ。
https://www.youtube.com/watch?v=fI5b3Ir012k
画策された番組“60 Minutes”の、オサマ・ビン・ラディン殺害に関するスティーヴ・クロフトによるオバマ・インタビューに関するフィリップ・クラスケのOpEdNews記事は、ここ。http://www.opednews.com/populum/printer_friendly.php?content=a&id=143300
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/05/26/washington-protects-lies-lies-paul-craig-roberts/
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精神衛生に悪いので、彼氏の画像・音声・発言記事、極力触れないことにしている。必要な関連記事、それでも読んでいる。
現実を的確に描写しておられる。拝読しながら思った。
宗主国での演説、オーウェル『1984年』表現そのもの。
逆の意味の形容詞に換えて始めて正確な意味がわかる。つまり、
同盟を「絶望の同盟」と位置づけ「宗主国と属国、力を合わせ、世界をもっとはるかに酷い場所にしていこう」と訴えた。
そもそも本質的に、ほとんど興味が持てないハーシュ記事が、アメリカで、これだけ大変な注目を浴びるということ自体不思議に思っていた。
ビン・ラディンの書斎に、ノーム・チョムスキー、デービッド・レイ・グリフィン、ミシェル・チョスドフスキー、グレッグ・パラスト、マイケル・シュアー、ウィリアム・ブルム、とずらりならぶ豪華メンバーを見て、結局これが言いたい茶番だったと納得。(マイケル・シュアーの文章、読んだことがない。)ポール・クレーグ・ロパーツ氏、浪曲森の石松ではないが、ご自分の著書がないことにご不満かも。
石松 「呑みねえ、え、オイ。鮨を食いねえ。江戸ッ子だってねえ……」
客 「神田の生まれよ」
石松 「そうだってねえ、いいねえ。……ところで石松ッてのはそんなに強えか」
客 「強いのなんのって、あんな強いのは二人とはいめえ」
これほど膨大な数の矛盾する公式、および準公式説明、うやむやになっている疑問や、言い抜けという点で、9/11そのもの以外では、ビン・ラディン殺害にまさる主要な出来事はない。しかも、この大量の言い抜けや矛盾にもかかわらず、大政翼賛会マスコミも、傾眠状態で無頓着な属国民も、何ら関心を抱かず、こうした見え透いたウソで、侵略戦争を展開する宗主国に、どこまでもついてゆき、兵站という極めて危険な軍事行動に突入する世界最大属国の国会中継を聞いた。といっても、一番最後の絶滅危惧種政党部分だけ。
昨日の国会?大本営広報部、中継しなかったという。
金を徴収して、洗脳放送するなら、ボッタクリ・バー同然。
TPP、「ボッタクリ・バー」という表現を伺ったことがある。その通り。
国会質疑 常識的に見れば、どちらが、国民の立場に立った発想・行動をしているか、わかるだろう。
まともな質問をする側と、決してまともに答えない傀儡政府。
人数・権力と、真実との関連、この国では、反比例するのがよくわかる。お急ぎの方は、下記記事を。
五十嵐仁の転成仁語
「戦争法案」の危険性を明らかにした安保法制特別委員会でのABC対決
これでも、内閣支持率がそれなりあるというのが本当なら、国家・国民として、「例外的な」「必要上、あるべからざる」存在に違いない
余計な兵站支援をすれば、相手が対応するのは当然だから、東京でもテロ攻撃が起きるかも知れない。そのテロとて、本当は誰が仕掛けるのか、わかったものではない。9/11、ビン・ラディンと同じこと。
お金があり余っている与党支持の皆様、儲け確実な、軍事産業株を買われるのだろう。ただ、某原発メーカー株は、ひどい下がりよう。
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