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2015年4月 5日 (日)

悪は打ち破れるだろうか

2015年4月3日

Paul Craig Roberts

ジョン・W・ホワイトヘッドは、憲法専門の弁護士だ。ラザフォード研究所の所長として、我々の市民的自由の擁護に積極的に関わっている。訴訟に積極的に関与することで、法律がアメリカ人を守る楯から、政府手中の武器へと転換するのを直接経験している。

9/11、警察/好戦国家の勃興以前に、アメリカの市民的自由は酷く損なわれていたことを、私は著書How America Was Lostで書いた。ローレンス・ストラットンと私は、法律がアメリカ人の為の楯でなくなったことを共著、The Tyranny of Good Intentions (2000、2008)に書いた。ホワイトヘッドは著書『狼達の政府 (A Government of Wolves)』 (2013) と、最新刊『戦場アメリカ(Battlefield America)』(2015)で、警察国家が、いかに迅速かつ徹底的に根付いたかを示している。

我々は電子強制収容所の中で暮らしている。偽情報を与え、我々の自治、プライバシーや独立を破壊した警察国家の活動を受け入れ、歓迎さえするよう思想教育するテレビ画面の画像依存症に我々はなっているのだ。

この話題で数多くのコラム記事を書いている。本の利点は、そうした内容を一冊にまとめられることで、ホワイトヘッドは『戦場アメリカ』でそれを実現した。

“政府がアメリカ国民の無期限拘留を奉じ、武装監視無人機が頭上を飛び、電話、電子メールやインターネット通信の令状無し監視や、政府内部告発者の告訴等からして、市民的自由の先行きは、日々益々期待できなくなりつつある。国は、アメリカ軍事帝国の延長、警産複合体によって支配されている。我々の建国の始祖が警告してくれたあらゆることが、もはや新たな規範だ。政府は、アメリカ人に照準を合わせているのだ。我々は敵になってしまった。ところがその間ずっと、アメリカ人ほとんど無関心なままなのだ。”

ホワイトヘッドは率直に語ってくれている。我々は、我々を保護するというお題目で虐待され続けている。普通のアメリカ人は、そのいずれもが、市民へのテロ行為を正当化するのに政府に利用されている、子供だましのお化けである犯罪人やテロリストよりも、政府による、遥かにひどい虐待に会うことの方が多いのだ。

4歳の子供が警官に手錠をかけられた。歩行器で歩いていた95歳の住民が警官に殴打され、首の骨をおられた。足が無く、車椅子にのった退役軍人が、警官によって拘束され、射撃され、殺害される。警官達は、自分達の虐待や犯罪的行為を、 必ず脅されたと感じたと主張して正当化する。通常、集団でいる重装備した警官が、一体どのようにして、4歳の子供や、95歳の老人や、両足切断者に脅かされるのだろう? 警官がこうした残虐行為をして、何の罰も受けないで済んでいる事実が、連中の人間性の全くの欠如と、警察の目的自体の完全な転換を示している。現在、被害妄想の警官が、国民ではなく、警察国家と彼ら自身を、想像上の脅かす大衆から守っている。我々は虐待され、殺されるために彼らに給料を払っているのだ。

2014年9月6、7、8日、ワシントン・ポストは、州と地方警察達は、強奪するために運転者を止めるメキシコと同様、追いはぎだと報じている。“止めさせて奪う”という記事で、ワシントン・ポストは“犯罪で告訴されない自動車運転者から、攻撃的な警官が何億ドルも奪っている”と報じている。

警官が路上強盗のやり方を教えられる訓練コースがあるのだ。2001年9月11日は、道路での車両停止用の攻撃的手法を警官に訓練する産業を生み出すのに利用された。正当化されるものであれ、そうでないものであれ、路上で停止させられ、現金や他の持ち物、自動車そのものの没収されるのは今や茶飯事だ。彼らの推測を理由に、違反切符も切られず、犯罪で告訴もされずに、人は警官によって強奪されかねない。

2012年財政年度に、80パーセントの場合、告訴もされていないという事実にもかかわらず、連邦政府だけで、42億ドルの資産を没収したと、ホワイトヘッドは報じている。

学校警備産業が、年間売り上げ49億ドルの事業で、若者にとって単なる通常行動である違反のかどで、独裁と懲罰を受け入れるよう若者に教え込んでいるのをご存じだろうか?

2006年、ハリバートンの子会社、ディック・チェイニーの企業が、アメリカに強制収容所を建設する、3億8500万ドル連邦契約を得たことはご存じだろうか?

共和党が刑務所を民営化し、利益を押し上げる為、更に多くの国民を投獄することを要求する年間700億ドルの産業に変えてしまったことをご存じだろうか。結果的に、270万人のアメリカの子供は、少なくとも片親が獄中にいるが、それも文明国であれば、犯罪になりようがない罪のことが多い。

アメリカの刑務所労働は、今や囚人の日給が、93セントから4.73ドルで済む、最も安価なものだ。囚人はオフィス家具を作り、コールセンターで働き、防弾チョッキを作り、ホテル予約を受け付け、屠殺場で働き、生地や靴や服を作り、牛乳や牛肉のような農産品を加工し、スターバックス・コーヒーを袋詰めし、マイクロソフト製品をビニール包装し、ヴィクトリアシークレットの下着を縫い、軍のヘルメット、シャツ、ズボン、テント、バッグ、水筒、他の様々な装備を作り、IBM、テキサス・インスツルメントや、デルのために回路基板を作る。マクドナルドの制服を縫い、ボーイング、モトローラM、コンパック、レブロンやKマートの為の労務をこなす。

“主流” 売女マスコミでさえもが、アメリカ軍が、南フロリダで訓練を行い、軍のチームが、地方警察と協力して、アメリカ国民を一斉検挙して拘留する演習をしていたと報じている。マスコミはテキサス州とユタ州で行われる予定の軍事占領についても報じている。抗議行動が行われているが、自分達の自由への脅威を懸念する人々が行っているというレベルのものではない。

こうしたものは、連邦部隊が、政府に責任をとらせる憲法上の権利を奪われつつある国民を支配する演習をしているのが明らかの様に思われる。明らかにボストン・マラソン爆破事件以前に準備された、ボストンや郊外や、家々のいわれのない無意味な封鎖をしての家宅捜査、戒厳令演習は、おそらくは偽装工作作戦である爆破事件が生み出した恐怖を利用し、国民に、戒厳令に従い、受け入れるよう教え込む為のものだ。無頓着なアメリカ国民はそれをそのまま受け入れた。誰かが、いかにして自分たちが操られているのかを指摘すると、阿呆が“陰謀論者”と叫ぶ。

南フロリダ、テキサス州やユタ州での国民規制演習を行う軍事演習の公式説明は、軍隊は、海外での活動の為の演習をしているというものだ。それなら一体なぜ地方の警察も参加するのだろう? アメリカ軍が2010年に刊行した“収容、再定住作戦”に記述されている軍事訓練を目撃しているという可能性の方が高い。

警官が、女性を裸にする所持品検査や、膣検査を楽しむのが当たり前になっている。警官は、無理やり抵抗を挑発し、殴打し、テーザー銃で撃ち、殺害できるようにするのだ。もし抵抗を挑発できない場合には、ともかく殴打し、テーザー銃で撃ち、殺害して、連中の被害者は、逮捕に抵抗したやら、彼らを脅したと主張するのだ。警官がどのように、あらゆる人々が脅迫的だと見なすのか、気が付いておられるだろうか?

教育制度や娯楽やテレビが、洗脳し、従順になるよう教え込む機能を果たしているのをホワイトヘッドは示している。テレビは、世論を形成する以上のことができる。国民の世界観を変えるために利用されているのだ。自動車、家電やスマート・ホームは、我々をスパイし、不服従な人々を報告する装置となりつつある。自治も自由もあり得ない社会が生み出されつつある。

電子強制収容所を可能にする技術は、自由に何の関心も持たない無分別な人々が生み出のだ。我々から人間性を奪うように作られた技術に直面して、一体どうすれば人間性を維持できるのだろうか?とホワイトヘッドは問うている。

アメリカでは、予防起訴が行われている。2001年から、2010年迄の間に、テロで告訴された人々の95パーセントは、その行為ではなく、思想、イデオロギー、あるいは信仰する宗教に対して起訴されているとホワイトヘッドは報告している。

『戦場アメリカ』の最も興味をそそられる二章は“ザ・マトリックス”と“ポストヒューマン時代”だが、両方で、わずか17ページだ。超人間主義者が奉じている機械と人間の融合は、人の感性、記憶や道徳や、恐らくは人間そのものを破壊するだろう。

大企業支配下のアメリカは金の為に存在している。ホワイトヘッドはこう語る。“我々が購入するあらゆるスマートフォン、設置するあらゆるGPS装置や、我々が使うあらゆるツイッター、フェースブックやグーグル・アカウントで、我々は大企業支配下のアメリカが、政府内のお仲間の為に、誰と知り合いか、何を考えているか、お金を何に使っているか、どのように時間をすごしているかという人物調査書を作る手助けしているのだ。”

ホワイトヘッドはサン・マイクロシステムズ共同創設者ビル・ジョイの言葉を引用したいる。“我々は悪が更に完成する時代の入り口にいるといっても誇張ではないと思う。”

ジム・エドワーズは、こう言っている。“我々人間はもはやデーター・ビットだ。”

最後から二番目の章で、私も読者から常に質問を頂いている疑問だが、我々に何が出来るかをホワイトヘッドは語っている。ホワイトヘッドは、武装蜂起という選択肢はあり得ないと言う。ピストル、ライフルや、ショットガンを保有する何千万人、おそらくは1億人のアメリカ人は、組織化されていないだけでなく、打ち負かされると考えている。21世紀に、州や地方の警察部隊が軍隊化され、アメリカ国民に対する彼らの態度をより残虐にされた。小さな街の警察にさえ、今やヘリコプター、装甲兵員輸送車、戦車、機関銃、携行式ロケット弾、無人機、暗視装置、家の壁越し、車の中まで見通せるセンサー、熱センサーがある。

もしこれで不十分なら、州兵、米陸軍特殊部隊アーミー・レンジャーや、ネイビー・シールズがある。あるいは、病原菌をばらまくだけで良い。ワシントンは、我々がインディアンと呼ぶ先住民にしたのと全く同じ方法で国民に対処できるのだ。ワシントンは、恐ろしい病原菌、生きた天然痘を保有しており、種痘で病気が絶滅されたので、種痘を受けていない何世代ものアメリカ人がいるのだ。政府は抵抗する住民に天然痘をばらまくだけで良く、そして、もちろん、政府には他にも様々な手段がある。

一体どうしてこういうことになったのだろう?

私は頻繁に書いているのだが、私の考えでは、アメリカ人は、セックスや、娯楽や、自活したり、家族を養ったりする困難さに気を取られているのだ。彼らはアメリカ・マトリックスを維持する偽情報のとりこになっており、愛国心や、7月4日の演説や、アメリカ人は“例外的で必要欠くべからざるもの”という連中による洗脳でものが見えなくなっている。そして、もちろん無知と傲慢から。アメリカ人は全く何も分かっていないのだ。

ワシントンで政府を装う悪の狙いは、こうした問題がわかっている極少数のアメリカ人が、彼ら以外の国民に知らせるのを防ぐことだ。内部告発者は逮捕され、不当に告訴され、投獄される。ジャーナリストは、脅迫されて、沈黙させられる。

そこで、ホワイトヘッドの、我々に何ができるかという答えだ。彼は我々は“積極的な非暴力的抵抗”ができると言う。これはキリスト教徒が、ローマ帝国を分解させるのに有効だった。

イギリス植民地主義者と戦うインドのマハトマ・ガンジーにとっては有効だった。FBIの仕業の可能性が高いが、暗殺されるまでは、アメリカのマーチン・ルーサー・キングにとっては有効だった。

膨大な人数の国民を暗殺することは不可能だとホワイトヘッドは言う。もし国民が、TVのウソに耳を傾け、彼らの支配に使われる装置を購入し、プロパガンダ画面の前で楽しみ、協力するのを止めさえすれば、いかにして人間的であるべきか、いかにして道徳的であるかを、再びものの考え方を学べば、アメリカ警察国家を負かすことが可能だろう。

過去には有効だったのだから、多分また有効だろう。そうでなければ、ワシントンは、サウロンの住み処、あらゆるアメリカ国民と世界中に対する脅威であり続けるだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/04/03/can-evil-defeated/
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アメリカ警察の振る舞い、人ごとではない。そっくりな行動、例えば、辺野古を警備する警察や、海上保安庁の海猿、そして基地ガードマン諸氏の活動でしっかり見られる。

例えば、目取真俊氏のブログ『海鳴りの島から』あるいは、映画『圧殺の海-沖縄・辺野古』、大本営広報部では、こうした報道は極めてまれ。

大本営広報部、電気洗脳機とレッテルを貼っているが、沖縄問題やパラオについてのTBS報道は見入ってしまった。国営放送では決して見られない秀逸番組。

残業代無しの過労死推進法案が提出された。
危険な基地をなくすためだといって、とてつもなく巨大な200年基地を作る鉄面皮。奴隷的な搾取を推進するためならなんでもする傀儡支配者。北朝鮮を笑えないだろう。

毎日恐ろしい政策が続々発表される、すごい属国に暮らしているものとして、
対策、過去には有効だったのだから、また有効であって欲しいと切に願う。
AIIBやTPPを見る限り、宗主国が変わらない限り、属国変わりようがないのだろうから。

18歳の選挙権、背景に傀儡政権のとんでもない下心があるに違いないと思っていた。

さようなら!福沢諭吉 創刊準備2号で、名古屋大学名誉教授、安川寿之輔氏の
「現代日本の大学生のみじめな歴史認識と未熟な男女平等意識」を拝読して、理由がわかったような気がする。ろくな結果にならないことは明らかだ。

2014/09/03 「奴隷の群衆」「牛馬豚犬」…”元祖ヘイトスピーカー”としての福沢諭吉を徹底検証~岩上安身による名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

学生時代、突如、熱病のような学生運動が日本中で流行したのを目にしていた。入学直後は、「ヘルメットをかぶって非個性的な演説をするのが信じられない」といっていた人物、数カ月後には、ヘルメットをかぶって、支離滅裂な演説をしていた。

 

同意しないもの、一緒に行動しないものを、「卑怯者」やら、「人間以下」といってののしった同級生達を一生忘れない。

 

彼等が崇めていたのが、全集や講演集が続々刊行されている痴の巨人。彼等、現役を引退して、彼のことが懐かしくなったのだろうか。

 

しばらく前に、そうした連中の一人とあったが、平然とエセ野党支持を堂々とかたるのに驚いた。「世の中大変なことになっているではないか」というと「主観の問題だよ」と。大丈夫だと思えば、大丈夫だ。というようなことを言ったように覚えている。お互い暴飲したので、このあたり記憶はさだかではない。

 

ポール・クレイグ・ロバーツ氏、再三、「マトリックス」に触れている。自動生成される関連記事、意図的なのだろうか、なぜかそういう記事リンクはない。そこで人動生成リンク例。

 

 

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