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2015年4月24日 (金)

環大西洋協定と、ヨーロッパ民主主義の埋葬

Natalia MEDEN
2015年4月23日| 00:00
Strategic Culture Foundation

週末、環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)に備える欧州委員会とアメリカとの最新の第9回目交渉を前に、汎大西洋主義者の構想に反対する抗議行動(下記地図を参照)が世界中45ヶ国で、750も行われた。デモ主催者の声明にはこうある。“過去数十年間、大企業と政府は、我々の権利や環境を犠牲にして、秘密協定や投資協定を結んできた”。自由化の名の下に遂行されている民主主義への攻撃が、反対の増大をもたらしている。

ヨーロッパ人は、大いに活動し(地図上、黄色い円で表示)、290の環大西洋協定抗議デモが行われたドイツでは、抗議行動が最高潮に達している。最大のデモ行われたのは、ミュンヘンで、様々な推計によれば、15,000人から、23,000人が集まった。カーニバルで有名なケルンでは、数百人のデモ行動参加者が、カーニバルの歌のメロディーに合わせ、反TTIPのセリフで歌った。シュトットガルト警察は、数千人のデモ参加者だと発表し、ウルム警察は、1,200人と発表した。ライプツィッヒでは、2000人の抗議デモ参加者が集まり、ニュルンベルクでも同数で、カッセルでは1,200人、フランクフルトでは700人、キールでは600人だった。ベルリンでは、4,000人が欧州連合事務所から、アメリカ大使館、そしてそこからカナダ大使館にまでつながる人の鎖を作った(下記写真参照)。

アメリカ大統領の環大西洋協定構想がドイツ政治家に即座に大歓迎され、マスコミは絵の具をけちることなく、関税障壁引き下げの結果、ヨーロッパ経済を待ち受けるバラ色の未来を描き出すのに忙しいという事実にもかかわらず、不満はドイツ人に広く行き渡っている。

TTIPを巡る正式交渉は約二年前に始まったが、この準備を支援する作業部会は、2011年という早い時期に立ち上げられていた。元欧州委員会委員長ホセ・マヌエル・バローゾは協定を歴史的と呼び、バラク・オバマは、EUとの自由貿易圏協定は、アメリカ輸出を増大し、新たな雇用を生み、アジアの成長市場に対するアクセスを拡張すると述べた。中国との世界的経済競争の結果を恐れているアメリカが、‘背後を固める’ことを狙って、ヨーロッパを犠牲にして、ヨーロッパ製造業者の製品を、アメリカ内からもアジア市場からも追い出すことからアメリカの善意が始まるという事実は、こうした予測では後回しにされている。

懸念が高まっている証は、交渉が、秘密裏に、衆目を避けて行われているという事実。専門家達が、協定の諸条件に関する客観的情報を得られるようにはなっておらず、まして広汎な大衆にとっては、なおさらだ。ミュンヘンでのデモで演説した環境自然保護連合議長のフーベルト・バイガーは、環大西洋協定は、ドイツ社会に存在している環境的、社会的、文化的基準を解体するおそれがある。カッセルのデモに参加した左翼党共同党首ベルント・リークシンガーも、彼と同意見だ。“環境保護、雇用、行政サービス、食品に対する従来の基準の全てが、協定締結によって、ひっくり返される。”と述べた。ドイツ左翼の視点からすれば、TTIPは、大企業にとっては最大の朗報で、同時に、ドイツがこれまで享受してきた民主主義の終焉だ。北ドイツの小さな都市フーズムでは、民主主義を埋めるという象徴的な抗議行動まで行われた。

人々は、来るべき品質基準と製品証明の統一を大いに懸念している。4月18日、グライフスヴァルトの選挙前集会での演説で、ドイツの法制度で守られているのだから、品質基準が変えられることはないと、メルケル首相は聴衆に請け合った。過去二年間ヨーロッパとアメリカの専門家連中は一体何を交渉してきたのだろう? 評判の悪い基準統一は一体何を狙っているのだろう?

電気等公共部門サービスが自由化される可能性もドイツ人を怒らせている。実はこれは、ヨーロッパ諸国には存在しているが、アメリカには存在したことのない社会基準に対する攻撃なのだ。協定が発効すれば、ドイツの地方自治体では、公共サービスや青少年福祉や教育に悪影響をもたらす民営化の波がおきるだろう。アメリカやカナダの投資家達は、例えば、特定の自治体の騒音防止や環境保護の条項のせいで、もし彼らの利益が少なくなれば、そうした自治会からの補償を要求できることになるのだ。

TTIP準備が始まって四年、一般のヨーロッパ人は、自由化という名のもとでのアメリカ合州国との和睦という考え方を受け入れてはおらず、上からの和睦を押しつけようというこの企みに、決してあきらめてはいない。TTIPに反対する人々による強力なデモが、ベルリンで、10月10日に行われる予定で、TTIPとCETAに反対するヨーロッパ・イニシアチブ(CETAは、カナダとEU間のTTIPに似た貿易・経済協定)署名は今も集められている。現在までに、170万筆以上の署名が集まった。アメリカとカナダとの貿易・経済のつながりを更に自由化することに反対する人々が団結するのを阻止しようとする欧州委員会による企みにもかかわらず、市民によるこのイニシアチブで、これまでに、21のEU諸国で、250以上の団体が団結した。とはいえ、このイニシアチブの指導部は、ブリュッセルが彼等に耳を傾けることは期待していない。彼らの希望は、汎大西洋主義者の協定草案が、欧州連合理事会と欧州議会の承認が必要となっているという事実にある。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/04/23/the-transatlantic-agreement-and-the-burial-european-democracy.html

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『環太平洋経済連携協定と、属国民主主義の埋葬』と入れ換えるだけで、100%あてはまるだろう。

大本営広報部はあいもかわらず、TPP提灯記事ばかり。

推進を唱える宗主国痴識人の説が一昨日の大本営広報紙媒体に載っていた。肩書には、ご丁寧に小泉政権時にアドバイスをした御仁とあった。あの時にあの日本社会破壊政策を推進させた御仁であれば、今回も、さらなる破壊を押し進めるのは、筋が通っている。

筋が通っていないのは、常に大多数の国民から購読料をせしめながら、その読者達を不幸にする政策、政治を全力で応援する大本営広報部。そして、自分の首をつってくださる連中に、こりずに投票する皆様。

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TPP推進のオンパレード報道。鶴岡主席交渉官に俺の未来を託した覚えがないのに、本格奴隷の仲間入りさせられる。アメリカ議会で安倍とかいう人の演説をさせてもらうのに、高い演説料を支払い、その議会で奴隷解放宣言どころか、奴隷従属宣言をする有様。この怒りをどこへぶつけたらいいのやら?9.11の時のように首相の飛行機がアメリカ議会又は、ウオール街に突っ込むように遠隔操作できるのなら、してみたい。

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