ワシントン帝国に、ひび
Paul Craig Roberts
2015年3月17日
ワシントン傀儡のEU諸国も、気骨を見せはじめたのかも知れない。イギリス、ドイツ、フランスと、イタリアが、ワシントンの命令に逆らって、中国が主導するアジア投資銀行への参加を言い出していると報じられている。オーストラリア、日本、韓国、スイスと、ルクセンブルグも参加する可能性がある。
ワシントンは、アジア開発銀行や世界銀行等、配下の開発銀行を、IMFと共に、金融、政治覇権を行使する為に利用している。こうした銀行は、アメリカ経済・政治帝国主義の決定的要素だ。
中国が主導する銀行は、もちろん、遥かにeffective。中国は、銀行を、実際に各国を支援し、それによって、仲良くなり、信頼を醸成するだろうが、ワシントンは配下の銀行を、力による支配の為に利用しているのだ。
この新銀行はBRICS銀行と共に、国々にワシントンの支配からの逃げ道を提供するのだ。
悪の帝国にひびが入りはじめたのだ。ロシア-中国同盟が、潜在能力を展開し、覇権主義のワシントンが、ロシアの勃興を妨げようとして、各国の存在を危うくしていることを、ヨーロッパ各国が理解すれば、ひびは益々広がろう。狂ったアメリカとイギリスのネオコン・ナチスと、各国民に混じった連中の手先は、人類に対する世界史上最大の脅威だ。悪の帝国の崩壊が早ければ早いほど、世界はより安全になるだろう。
こういう記事がある。
EU allies defy US to join China-led Asian Bank
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/03/17/cracks-washingtons-empire-paul-craig-roberts/
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大本営広報部の関心は、被害者少年の携帯電話。
それでも、さすがに、朝刊一面に、重要記事が載っている。
米軍に弾薬提供可能に 日米防衛指針 地理的制約なくす。
悪の帝国に、益々しがみつこうという悲しい下駄の雪傀儡国家。兵站補給で、弾薬を提供すれば、相手から見れば、戦争上の敵国。攻撃されて当然ということになるだろう。
というわけで、彼の結論部分、少しだけ訂正が必要だろう。
狂ったアメリカとイギリスのネオコン・ナチスと、アジアの某超傀儡国家と、各国民に混じった連中の手先は、人類に対する世界史上最大の脅威だ。悪の帝国の崩壊が早ければ早いほど、世界はより安全になるだろう。
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3月31日の到来と『アメリカ帝国に、ヒビ』
G8からロシアを外したにも拘わらず,G8の中で一番早くイギリスが真っ先にアジア投資銀行AIIBに参加表明を出した。仏独も参加するようであるから,アメリカ主導のIMF・世銀体制は嫌われているのであろう。P.C.ロバーツ氏が主張されるように,アメリカ帝国にヒビが入った,と考えてよいだろう。
そこでしみじみ思うにみっともないのは,安倍自公民政府の日本である。米国一辺倒のポチとして後をのこのこついていくほかに手段はない。一官僚に過ぎない佐々江駐米大使が「悪貨が良貨を駆逐する」とAIIBを批判して言う。良貨とはIMF・世銀を中心とした決済システムであり,悪貨とは4月1日から本格的に始動するアジア投資銀行AIIBであることは,経済に疎い小生でも分かる。
同盟国に参加しないことを要請した米国も今さら,すでにロシアが参加しているAIIBに加入したいとは主張できないから,AIIBに参加しないのは,先進国G7では日本とテロ国家=米国だけとなりそうである(言霊の幸ふ日本国の官房長官は「ロシアがG8に戻るのには機が熟しない」というが,ロシアは御免被るだろう)。
ところでロンドン市場で,金の値決めにこれまでに限られた銀行だけが参加していたが,3月から中国の3銀行も加わるという。世界一の金保有国が値決めに関与していなかったこと自体が不思議な出来事だったが,AIIB始動と金の値決め参加との関連は密接であろうと思われる。なぜなら,米ドルの反対通貨が「金」であるからである(ブログ『北風が強くなる』)。この2つの出来事を結びつけて考えるニュ-ズが少ないのが気になる。
以上のように考えたとき,金の値段を低く抑える法律をもつ米国と,ドル価値の低下を防ぐために米国債を買いササエる日本国が運命を共にするのは,3月31日を待たずして明らかなのであろう。
追記: しかしそれにつけても分からないのが,ロシアのウクライナへの出費である。ロシアはIMFの一員であるから,ウクライナ政府にIMFを通して1375万米ドルを支援するという。その理由は説得力があるが,その金の返ってくる可能性はほとんど零(0)に近いから,支援する理由が他にあると考える必要がある。
他方,紙くず同然になったウクライナ国債を買い占めておいて,IMFから借りた金で買い取らせる投資ファンドがある,という。『安値で国債を買いあさり、満額で買い取らせるというのが「ハゲタカ・ファンド」。ロスチャイルドゆかりのファンドで50億ドル買ったという(櫻井ジャ-ナル,18.Mar.,2015)。つまり,ハゲタカ・ファンドを利するような行為をロシアがするとは思えない。プ-チン大統領経済顧問のセルゲイ・グラジエフ博士の真意が知りたい。
追記2: 1月に葬式のため取り急ぎ日本に出かけた。入国時に持ち込める物品の総額は十万円以内と勝手に思っていたが,二十万円以内であった。お詫びして訂正したい。
追記3: 2,3日前,アメリカ財務省証券の世界各国の持ち残高が財務省より発表になった。今年1月の残高は、中国が1兆2391億ドル(前年同月比365億ドル減)、ロシアが822億ドル(同496億ドル減)、日本は1兆2386億ドル(同372億ドル増)だ(櫻井ジャ-ナル)。
ロシアの米証券「496億ドル減」からすれば,ウクライナへの出費1375万ドルは,ほんの僅かであるから,AIIB始動が「IMF体制」を無視することを意味しないことを証拠立てているのかもしれない。
投稿: 箒川 兵庫助(1-か) | 2015年3月21日 (土) 02時16分