これは宣戦布告だ
Bruce K. Gagnon
OpEdNews Op Eds 3/5/2015 at 14:54:42
(image by Nasim Int'l News Agency)
時に、ロシアを狙った現在のアメリカ-NATO軍事行動にすっかり打ちのめされたような気持ちになることがある。軍事行動は急速に増大しつつあり、東ウクライナの自衛軍最近の'勝利'は、NATOの更なるエスカレーションの為、既に十分確立された計画を世論に支持させる方法として、ワシントンとキエフには許されなかったのではないかと疑わざるを得ない。
他の見方をするには、余りにきちんとしすぎている。これは陰謀ではなく、モスクワを打倒する為、十分に練られた軍事計画だ。連中は火遊びをしているのだ。いくつかの意味で、'プロジェクト'は今や止めることは不可能だ。現時点での疑問は、ロシアに対するこの攻撃が一体いつまで続くのか、そして、その結果一体どのようなレベルの紛争になるのかだ。それは核戦争になるだろうか? もしそうなら、世界はおしまいだ。
今やペンタゴンの役割は、"ロシアの侵略を阻止"すべく"、キエフの[いやがる]軍隊を前進させる為" NATO軍教官の部隊を、ウクライナに送り込むことだ。甚だしく費用のかかる長期的な軍事行動になろう。これを、アメリカ人にも、ヨーロッパ中の人々にも売り込まなければならないのだ。このPR作戦を成功させる為には、犯人連中はスイッチを切り替えなければならない。話をあべこべにし、アメリカ-NATOが実際行っていることを相手がやっていると言って、相手側を非難するのだ。
侵略の源は、私にとっては実に明らかだ。アメリカ-NATOは、ロシア国境の到るところにいる。私は今日、右翼の現エストニア大統領トーマス・ヘンドリク・イルヴェスは、ニュージャージー州で育ち、コロンビア大学に行ったことを知った。アメリカが、その工作員を、世界中の主要な国々において支配の座に押し込み続けることができているのは実に奇妙なことだ。
第二次世界大戦後の時期にもどれば、ファシスト李承晩が、アメリカに暮らしていて、それから、ワシントンによる支配を確保すべく、韓国で権力の座につけられたことがわかる。多くのファシスト独裁者を、アメリカが繰り返し、ベトナム、イラン、インドネシアや、中南米とアフリカ大陸で据えつけたことを想起願いたい。それは良い経営計画と呼ばれていた。
より最近では、2008年に、グルジアのミヘイル・サアカシュヴィリ大統領(やはりアメリカの、ジョージ・ワシントン大学で教育を受けた)が、ロシア国境沿いの、ロシア語を話す南オセチアとアブハジア共和国への攻撃を開始した。ロシアは、現地の人々に対するグルジアの軍事攻撃に、グルジアに反撃して対応した。戦闘は、中東に国境を接する戦略的に重要なトランスコーカシアで起きた。
2008年の武力戦争が治まった後、最初のアメリカ人政治家がグルジアを訪問するのを見ていたのを私は決して忘れまい。訪問したのは、オバマの副大統領候補として選出される、わずか数カ月前の当時のジョー・バイデン上院議員だ。バイデンは、反ロシア言辞を大いに振り回して訪問したが、最も重要なのは、もしワシントンとブリュッセルが指示した通りにしないと悲惨な結果になるぞとロシアを脅したのだ。バイデンはもちろん、上院で、グルジアに、更なる兵器とアメリカ軍 '教官'を送る取り組みも率いた。だから、これは全てよくある話なのだ。
今朝のNPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)のロシア人女性インタビューは、先週末、モスクワでのボリス・ネムツォフ暗殺を指示した人物として、プーチンを'名指ししていた'。これは'悪のプーチン'を閉じ込める為のロシアとの戦争という主張をする際、様々な断片がぴったりはまるので、実に好都合でもある。マヌエル・ノリエガ(パナマ)、サダム・フセイン(イラク)や、ムアマル・カダフィ(リビア)の繰り返しを見てとれるだろうか? これは打倒するべき '障害'とされるものをでっち上げる為の、実証済みの事実の歪曲だ。常に、並外れて徳の高いアメリカが、'自由と民主主義'を保護する為に襲い掛かるものとして売り込まれる。ウォルト・ディズニーとて、より巧みにはこなせまい。
アメリカ-NATOによるウクライナの紛争拡大は、実際は、ロシアに対する宣戦布告だ。私の理解するところでは、ロシア人は不吉な前兆を感じることができるのだ - 彼らは列車がやってくるのが聞こえるのだ。残念なことに、ヨーロッパで一体何が起きているのかも、そうしたことの大半についても、アメリカ人には全く見当がつかない。
このプロジェクトは犯罪的なまでの精度で設定されている。結局、CIAとペンタゴンは、長年豊富な実体験を積んできたのだ。これこそワシントンが最も得意とするものだ。
Bruce Gagnonは、Global Network Against Weapons & Nuclear Power in Spaceのコーディネーター。彼は没落しつつあるアメリカ帝国の状態について、自分の意見を書いている。http://space4peace.blogspot.ca/
記事原文のurl:http://www.opednews.com/articles/This-Is-a-Declaration-of-W-by-Bruce-K-Gagnon-Conspiracy_Democracy_Fascist_Iran-150305-583.html
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仙台での国連会議 首相、原発事故ほぼ触れず。
見たくないものは見えないという、素晴らしい才能に恵まれているようだ。
「自宅で暮らせない人が4年たっても11万9千人いる」と福島県当局が認めている。
- 原発再開を推進しながら、防災を通じ、存在感を示す。
- TPPを推進しながら、地方創生を謳う
行動原理は全く同じ。両立しえない二つのことを平然と発言する不思議な神経。
地獄へのアクセルをいっぱいに踏みながら、ブレーキを踏んだら何が起きるのだろう。
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Nuclear Ukraine: 15 Reactors + Chernobyl + Russia/US Saber Rattling = Yikes! – Karl Grossman, Bruce Gagnon – NH #554をぜひ聴いていただきたい: http://nuclearhotseat.com/2022/02/02/nuclear-ukraine-15-reactors-chernobyl-russia-us/
ウクライナには15基の原発があり潜在的脅威となっています。通常兵器で爆発を起こさせることができ、ロシアはおろかヨーロッパ中に放射能が降り注ぐことになる、そんな戦争を誰が望むでしょう?
ソ連製原発にウエスチングハウス社製燃料装荷のちぐはく、というか危険性。ロシア分割を望むヌーランド。
ウクライナにおけるホルテック社の使用済燃料の中間貯蔵施設は、米国内ニューメキシコ州での中間貯蔵施設建設計画の実験台です。
エストニアのネオ社のレアアースがユタ州のホワイトメサ製錬所とつながるのも、大統領からしてそもそもだったのですね: https://mric.jogmec.go.jp/news_flash/20210315/154370/
投稿: 玉山ともよ | 2022年2月10日 (木) 16時15分
3 「クリミア、祖国への道」のプーチン発言では「核兵器準備を指示」「核の使用準備」などの見出しが躍った。果たして、実際はどうだったか?ロシアメディアのネット記事から拾ってみた。
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①Росбалт.RU ※Rosbalt.ru
http://www.rosbalt.ru/main/2015/03/15/1377867.html ※Rosbalt
При этом он добавил, что Россия была готова к неблагоприятному развитию событий в Крыму и не исключала приведения в готовность ядерных сил.
彼は、ロシアはクリミアにおける不利な事態への発展に対して備え、核戦力による警告を排除しなかったと付け加えた。
②Газета.Ru ※Gazeta.ru
http://www.gazeta.ru/politics/news/2015/03/15/n_7013913.shtml
Президент Владимир Путин заявил, что в случае неблагоприятного развития событий в Крыму Москва могла привести в готовность ядерные силы.
プーチン大統領は、クリミアにおいて不利な事態に発展した場合、モスクワは核戦力での警告ができたと述べた。
«Что же касается наших сил ядерного сдерживания, то они и так всегда в состоянии полной боевой готовности»
「我々の核抑止については、すなわち彼らは常に厳戒態勢にある」
③ВЕСТИ.RU ※Vesti.ru
http://www.vesti.ru/doc.html?id=2427105
Он добавил, что Россия в тот момент могла привести к боевой готовности и ядерные силы: "Мы готовы были это сделать.
彼は、ロシアはその時に戦闘、それから核戦力につながる可能性を覚悟し、「我々はそれに備えたのです」と付け加えた。
4 わが国マスコミはロシア・メディアの記事に出て来る「警告」「常に厳戒態勢」などをすっ飛ばし、現実には幾重にも存在するクッションを省き、「核兵器準備を指示」「核の使用準備」などと伝えている。
クリミアのセバストポリ港はロシア黒海艦隊の母港であるが、ウクライナのユシチェンコ政権時に軍港貸与協定を破棄。ロシアを黒海から駆逐し、封じ込める計画が持ち上がっていた。
クリミア独立の1ヵ月後、4月中旬から下旬にかけて、NATOは演習として黒海にアメリカのイージス艦、ドナルド・クック、フランス艦船を派遣。 ロシアにとっては生命線に対する現実の脅威であった。
http://www.csmonitor.com/World/Security-Watch/2014/0415/Russian-aircraft-buzz-US-Navy-destroyer-How-big-a-deal
「警告」はNATOのクリミアへの軍事介入の意思、黒海における軍事プレゼンスの既成事実化と見たプーチンが決然と拒否する意思表示だったと見ることができる。
大国の核をちらつかせた脅迫に与する気は微塵もないが、戦争の決断は権力者、殺しあうのは兵士達、逃げ惑い殺されるのは住民、そして敵愾心はマスコミの記事で鼓舞―。この辺りの事情、70年前と変わっていないようだ。
投稿: トム・ジーヤ | 2015年3月19日 (木) 01時42分
1 ロシアのプーチン大統領が3/5に姿を消して以来、消息が取り沙汰されていたが3/16、11日ぶりに姿を現した。
この雲隠れについては①恋人の新体操金メダリスト、カバエワさんが第2子出産に立ち会うためスイスにいた。②背中にあった持病の治療をしていた。③プーチンの経済政策に反発していたオリガルヒが一部治安・軍高官と組んでプーチンを拘束(宮廷クーデタ)-など風説が飛び交った。これがネット・ジャングルで収まるなら、いつものことか…と思うのだが、ロイター、AFP、ハフポストなど大手マスコミも書き飛ばした。ネムツォフ暗殺があったばかりだから、何か、あるぞ!?と色めき立つのは無理ない。
核ミサイル発射の命令装置が仕込まれたカバンを持ち歩く最高指導者が10日も所在不明が許されるロシアは不思議な国なわけだが、裏を返せばプーチン不在でも権力機構は機能するまで成長したということかもしれない。
2 プーチンはどこへ消えていたか?以下は全くの想像、ご容赦願いたい。
3/5にイタリア、レンツェ首相とサンクトペテルブルグで会談。これが怪しいと見ている。
カバエワさんはスイス、Luganoに滞在。イタリア、ミラノから約60k、国境の町。コモ湖などに近く、スイスにしては温暖で温泉も豊富な保養地。
現地のタブロイド紙、Bickが追っかけていたことを英Telegraphが3/13に伝えている。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/vladimir-putin/11471579/Vladimir-Putins-girlfriend-has-given-birth.html
カバエワさんの出産に立会い、ついでにリハビリするにはうってつけの場所だ。レンツェ首相の帰国に合わせて同行していたのではないかと思っている。
ルガノはミラノのすぐ近く、いい所ですよ。リハビリもできますし、ご一緒にいかがです?―女性には寛容ななイタリアの首相が耳打ちしたかもしれない。
プーチン雲隠れの間、行方を知ってか知らずか、独仏、アメリカ政府に目立った動きはい。復帰後、プーチンはキルギス大統領と3/16に会談、「握手の際の顔は幾分、青ざめていた」(AFP)と報じられたが、公開された写真の彼の腹周りは何となくだぶついているような感じがする。
投稿: トム・ジーヤ | 2015年3月19日 (木) 01時13分
ロシア、中国のドル支配体制への挑戦が、BRIKS銀行設立に向けて現実化し、アジアインフラ投資銀行として英国の参加申し込みまで進んできました。さらに参加国が増えるでしょう。米国の焦りは如何なものでしょうか。TTPに対する見方も。参加交渉国間において変化しつつあるのではないでしょうか。
世界制覇戦略としての米国のお仕着せ安全保障には、もうついて行けないと発言する国が増えるように感じます。独仏の、ヨーロッパは米国の一部ではないという自意識の目覚めは他の加盟国にも影響するでしょう。
ネオコンの暴走を止めるには何が効果的でしょうか。日本政府と沖縄住民の意思の相違も同じ匂いがします。
投稿: honnadarana | 2015年3月15日 (日) 12時41分
新しい戦争への蠢動があるのかも知れません
昨日のCNN Newsでは盛んにロシアのバジャー爆撃機が大西洋に出張って来て米軍のトマホークのような巡航ミサイルを発射する映像を見せて「冷戦後今程ロシアの米国に対する危機が切迫している時はない」としきりに危機感をあおっていました。またプーチン大統領がこの一週間公の場所に姿を見せていないということも話題にしていました。
また我々一般人の知らない所で新しい戦争への動きが起こされているのかも知れません。迷惑なことです。
投稿: rakitarou | 2015年3月15日 (日) 11時35分