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2015年3月22日 (日)

アメリカは、アフリカ諸国に遺伝子組み換え作物を無理やり食べさせようとしていると新報告書

Friends of the Earth

2015年2月23日

南アフリカ、ヨハネスブルグ 2015年2月23日

今日公表された新たな報告書によれば、アメリカの政府機関、ゲーツ財団等の資金提供者や、巨大アグリ企業モンサントが、いやがるアフリカ各国に、高価で、実験も不十分な遺伝子組み換え作物食品や作物を受け入れさせようと強いている。[1]

“遺伝子組み換え作物の世界最大の生産国アメリカは、アメリカの遺伝子組み換え作物の新市場を、アフリカで得ようとしている。アメリカ政権の戦略は、アフリカ諸国に、遺伝子組み換え作物の潜在的脅威からアフリカ人を守るのではなく、アグリビジネス企業の利益を推進するバイオセーフティー法規を制定するのを支援することにあります”と、地球の友(Friends of Earth)に委託された報告書を作成したアフリカ・バイオセーフティ・センターのハイデー・スワンビーは語っている。

新たな報告書は巨大アグリビジネス企業モンサントが、いかにアフリカ諸国でバイオセーフティー法規に影響力をふるい、同社の製品に対する規制当局の承認を得て、遺伝子組み換えメイズ(トウモロコシ)等の作物への道を切り開いているかをも暴露している。

アフリカのわずか四カ国、南アフリカ、エジプト、ブルキナ・ファソとスーダンのみが、遺伝子組み換え作物を商業的に許可しているが、メイズは何百万人ものアフリカ人にとって主食であることから、遺伝子組み換えメイズの問題は大いに論争の的になっている。

既に長年、強力なバイオセーフティー法規が制定されているヨーロッパや他の地域とは違い、大半のアフリカ諸国は、そうした法規が未整備だ。現在、アフリカのわずか7ヶ国にしか、有効なバイオセーフティーの枠組みがない。

“アフリカ各国の政府は自国民を保護するべきであり、我々の権利は尊重されるべきです。ヨーロッパ諸国民が享受しているのと同じ水準のバイオセーフティー保護を受ける権利が我々にもあります”と、地球の友ナイジェリアのマリアン・バッシー・オロヴウジェは語っている。

世界的に、過去十年間、遺伝子組み換え作物の市場は、バイオセーフティー法規や規制によって厳しく制限されており、遺伝子組み換え食品や作物は、多くの国々、特にヨーロッパで、消費者に徹底的に拒否されている。

“南アフリカの農民は、遺伝子組み換えメイズ、大豆や綿花の栽培で16年以上の経験をもっていますが、遺伝子組み換え作物は、食糧安全保障に対処できるという謳い文句は実現されていません。実際、南アフリカの食糧安全保障は悪化しているとされていて、南アフリカはメイズを輸出しているのに、現在この国民はほぼ半数が食料不足に分類されています”とアフリカ・バイオセーフティ・センターのハイデー・スワンビーは語っている。

“南アフリカの経験が、遺伝子組み換え作物は、少数の資金力がある農民にのみ金銭的利益をもたらすことを証明しています。アフリカ農民の圧倒的多数は小農で、効率よく行う為には、合成肥料や化学薬品等、農地を汚染するものを投与することが必要な高価な作物を購入する余裕はありません”と彼女は言う。

2015年2月24-27日、地球の友は、マリ、セリンゲのニエレニ・センターで開催された農生態学国際フォーラムに代表を派遣[参加]した [2]

フォーラムに参加した何百万もの小規模食糧生産者を代表する諸団体は、遺伝子組み換え作物は、我々が世界的に直面している、飢餓、気候、生物多様性問題の解決策ではなく、問題の一部だと考えている。彼らは、農生態学と食糧主権とが、こうした危機に対処する為の鍵だとも考えている。[3]

2011年3月、食料への権利担当の国連特別報告官オリビエ・デシューターは“農生態学と食料への権利”報告書を公表したが、この報告書は、しっかり支援さえすれば、農生態学が、10年以内に、地域全体で食糧生産を倍増でき、気候変動を緩和し、地域の貧困を軽減することを具体的に示している。

報告書は、特許種子や、肥料、農薬や遺伝子組み換え作物を含めた、技術的、工業的農業手法に異議を申し立てた。[4]

農生態学的生産モデル、種子を自由に植え、交換できる小規模食糧生産者と、強力な現地市場こそが、人々を養い、地球を守る最善の方法だと見なされている。[5]

詳細な情報が必要な場合:

Mariann Bassey Orovwuje、Friends of the Earth Nigeria: +234 703 44 95 940 または mariann@eraction.org

Haidee Swanby、African Centre for Biosafety、+27(0)82 459 8548 または haidee@acbio.org.za

記事原文のurl:http://www.foei.org/press/archive-by-subject/food-sovereignty-press/us-force-feeds-gm-crops-african-nations-says-new-report/

大変勝手ながら、注記と参考資料の翻訳は省略させて頂いた。

----------

TTPを推進する属国、TTPが万一ずっこけても、米日FTAで、めでたく遺伝子組み換え作物天国になるだろう。

毎回、選挙が近づくと、いささかウツになる。選挙結果が発表されると確実にウツになる。この国の属国度の深刻さを再確認させられるので。

絶滅危惧種政党にチェック機能を強化して欲しいものだが、その逆になることがほとんど。

自分達を、そして未来世代を、確信をもって不幸のどん底に突き落とす連中に、進んで、喜んで票を投じる悲しい痴呆選挙。

安全保障法制という戦争保障法制。

なんとかに刃物で、おかしな行動をおこすから批判にさらされる。。

「行動をおこすから批判にさらされる」と、一般化し、平気で言う精神。あわてて消音にした。

モンサント』マリー=モニク・ロバンの本が翻訳された。3400円 帯には「次の標的は、TPP協定の日本だ!」とある。

聞いたような気がすると名前と思ったら、ドキュメンタリー映画『モンサントの不自然な食べもの』を作った監督ご本人だった。日本での映画公開は2012年。

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コメント

              アジア・インフラ投資銀行AIIB稼働について
 
  片雲の風に誘われて南東アジアを放浪し始めて2年間が過ぎようとしている。その間,本ブログをはじめいろいろな文章や映像やニュ-ズ,あるいは個性溢れる方々の謦咳に接し,大いに勉強することができた。改めて感謝申し上げたい。

 退職後,余裕ができた時間で加藤周一に関する本を一冊書いてみたいと思っていたが,能力不足に加えて,ロバ-ツ氏をはじめ多くの方々が論じている内容が面白く,本を書くことを許さない。例えば,最近話題沸騰のアジア投資銀行AIIB。G7の中で米国と日本だけがこれに創立国として参加しないらしいが,IMF・世銀及びアジア開発銀行に対抗する組織として注目され出した。すなわち,経済大国中国を中心に世界は回り出そうとしている。
  皇太子が訪中した後,米国の反対にも拘わらず,英国はAIIBに参加表明をした。そしてドイツやイタリアが続いた。極めつきはルクセンブルグで,小国ながら世界の銀行が集まる国である。まことにP.C.ロバ-ツ氏が主張されるように『アメリカ帝国に,ひび』が入った。

  周知のようにIMF・世銀体制とは米ドルを基軸通貨とする体制である一方で,AIIBは,貿易決済としての中国元の利用拡大を意味するから,ドルの衰退は明らかである。ところが中国は人民元を米ドルのように世界の「基軸通貨」としたくないという。なぜなら,「基軸通貨」をもった国は滅亡するからだという。まことに言い得て妙。
 
  ところで,あれほど同盟国に参加するなと訴えていた米国がAIIBと協働することは良いことだと言い始めたようだ。そしてIMF・世銀側もAIIBを歓迎するという。そこでもしかすると,日本をさておいて,米国はAIIBに創立国として3月31日当日に参加表明をするかもしれない。例えば,米中国交回復は電撃的に行われ,日本は蚊帳の外=頭越し外交であった事例が思い出される。

  とは言え,米国は,参加しないだろう。例えば,財務省のJ.ル-長官は,「労働者の権利擁護の問題,環境問題,そして(官僚の)腐敗の問題が適切に処理されるだろうかと批判的に見ている。しかし,IMF・世銀体制でさえ労働者の権利を奪ってきたし,環境を破壊してきた。例えば,アフリカのメイズやインド綿など遺伝子組み換え作物を植えさせ,肥沃な土地を台無しにしてきたのは,世界銀行やアジア開発銀行の支出ではなかったのか。しかしそれだけではない。
  ハンガリ-やハイチなどでは緊縮財政が労働者の貧困化をさらに進め,人心を荒廃させたし,現にウクライナではIMFの介入によって年金額は50%未満となり,モンサントが足場を築いているから,GMOや農薬がウクライナに持ちこまれ,国土を荒廃させることが予想される。
 
  フクシマの近くに住みながら,放射能の恐ろしさや原発事故の被害の大きさに全く無関心であったように,IMF・世銀などの役割に注意をほとんど払ってこなかった小生。この2年間に学んだことは大きい。

追記: ロシアがこのAIIBに参加していると思っていたがこれは小生の誤りで,まだ参加表明をしていない。BRICs開発銀行のメンバ-6ヶ国で参加表明をしているのは,インドだけであり,残りはまだ検討中らしい。参加しない理由が分からない。

追記2: ル-長官の発言はRTの記事を参考にした:"Will it protect the rights of workers, the environment, will it deal with corruption issues appropriately?" Lew asked.

  官僚の腐敗については,フィリピンやヴィエナムの例が参考になる。中国では腐敗撲滅が政府全体で行われている。党有力幹部が逮捕されている。しかし回転ドアではないが,米国でもネオコン一派が政府高官の地位を占める。またウクライナの会社某の法律顧問になったのは,バイデン副大統領のご子息でもある。腐敗はAIIBに限らないだろう。

今回のこちらの記事を見て、何年も前に見つけたこの記事を思い出しました

ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2006年4月号より
マリの綿農家たちの結論は「ノン」
http://www.diplo.jp/articles06/0604-2.html

このようなことを読むたびに、けして高度な教育など受けていないはずの途上国の人々の賢さには感心させられます。少なくとも彼らには世界で何が起こっているのか、我々日本人よりもよくわかっているように思えるのです。

その、マリの政情が今、どうなっているのかは気がかりですが…

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