TPPの為の教訓
2015年2月4日
プレス・リリース - ジェーン・ケルシー
論議の的になっている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に適合するのに必要だと思われる通りのことをニュージーランド政府がしたと想像願いたい。すると、マイケル・フロマン・アメリカ通商代表が、グローサー貿易相に、こう言うのだ。「ティム、申し訳ないが、君は法律を書き換えなければだめだ」 …TPPの為の教訓: アメリカは、オーストラリアを、突如、新しい法律を成立させるよう脅したのだ。
論議の的になっている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に適合するのに必要だと思われる通りのことをニュージーランド政府がしたと想像願いたい。すると、マイケル・フロマン・アメリカ通商代表が、グローサー貿易相に、こう言うのだ。“ティム、申し訳ないが、君は法律をこう書き換えなければだめだ。そうしなければ我々TPPを発効させない。’
フロマンは、TPPがニュージーランドに採用を要求はしていない条項を含む、彼が望む変更に着手する。グローサーは同意する。新法は、意見提出を求める通知を3時間前に出して、24時間以内に、特定の委員会で強引に通過させるのだ。
言い換えれば、環太平洋戦略的経済連携協定を発効させる条件として、アメリカは、ニュージーランドの法律を書き換え、議会を迂回してしまうのだ。
“こういうシナリオは全く非現実的に聞こえるかも知れない。しかし、オークランド大学のジェーン・ケルシー法学教授によれば、まさにこういうことが、2004年、オーストラリア・米自由貿易協定の‘大詰め’で、オーストラリアでおきたのだ。
http://tppnocertification.org/australias-experience/で公開された新たなメモは、オーストラリアの経験と、民主的過程と、オーストラリアの主権への攻撃に関する、オーストラリア議会図書館や学者からの痛烈な批判を示している。
ニュージーランドは、この種のアメリカの圧力に決して屈することはないというグローサー貿易相の主張は信ぴょう性に欠ける、とケルシー教授は言う。
“貿易相は、ニュージーランド政府が、ワシントンに‘ノー’と言って、アメリカとの自由貿易協定という連中の至高の目標から撤退するなどと、我々が信じることを期待しているのでしょうか? ハリウッドの労働法変更要求を、連中がいかにやすやすと黙って受け入れたか思い出してください。”
ケルシー教授が、TPP交渉関係者と話した結果、多くの国々が認定過程を非常に懸念していることがわかった。
“政治家達は、交渉を、3月中旬の閣僚会合でまとめるという計画で、TPPの“大詰め”を主張していますが、彼らは、アメリカは、彼らが合意したと考えるあらゆる協定を、実際上、書き換えることができるのがという現実に直面する必要があります。”
“彼らの議題の第一項目は、他のTPP‘パートナー’に対し、決してこうした形の脅迫をしないと同意しない限り、アメリカとは関わり合うことさえ拒否するというものであるべきだ。”
終わり
コンテンツ元はscoop.co.nz
元のurl
記事原文のur:http://www.itsourfuture.org.nz/lessons-for-tppa/
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大本営広報部は、人質事件を利用した、集団的自衛権、憲法破壊推進の策謀についてのみならず、TPPについても、読む価値がある報道をほとんどしてくれない。
首相の言説に異論(正論)を主張した人々を、さらし者のごとく列記する媒体があるという。イエーロー・ジャーナリズムというのは、それをいうのだろう。一度も購読していないことを嬉しく思う。
さらし者のごとく列記された方々、実際は、まともな発言をする人として、勲章をもらったようなもの。全員を尊敬しているわけではないけれど。
下手な翻訳と、ぼやき記事をお読みいただくだけでは、世の中は変わらないだろう。
まっとうな方々による反対運動に、是非ご参加いただきたいものだ。年会費2000円。
TPPについて、多数記事をご紹介している。記事リストは下記webページに載せてある。
TPPどういう代物か、ご理解いただく一助として、ご一読いただければ幸いだ。
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