資本主義の大きなコスト
Paul Craig Roberts
2015年2月1日
資本主義の‘創造的破壊’における、破壊的要素は、極めて大きい
私の本、『自由放任資本主義の破綻』 http://www.amazon.com/The-Failure-Laissez-Faire-Capitalism/dp/0986036250/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1397093713&sr=8-2&keywords=how+America+was+lost&tag=paulcraigrobe-20 の中で、外部、あるいは社会的費用という概念を、私はこう説明している。これは、製造者が負担せずに、外部の第三者、往々にして、人類が依存している、土地や、大気や、水資源等の環境に負わせてしまう、生産にともなう費用のことだ。資源を割り振る上での資本主義の効率を実証するモデルでは、エコノミストの前提から外部費用が消し去られている。
フィニアン・カニンガムが、水圧破砕に伴う外部費用について書いている。http://www.informationclearinghouse.info/article40863.htm および http://www.presstv.com/Detail/2015/01/31/395491/Fracking-the-Earth-to-death
もしも、住宅所有者や商業ビル所有者の地震被害や、損傷されたり、破壊されたりした水源の経費を、水圧破砕採掘業者が負担しなければならなくなれば、採掘の総コストは、得られる石油とガスの価値を超える。石油価格が高い間は、水圧破砕採掘業者は、最大の生産コストとなる可能性が高い経費を、企業利潤の分け前にあずかれない人々に押しつけて、金儲けができる。
もし石油価格が早急に回復しなければ、水圧破砕採掘業者が、借り入れや関連デリバティブ債務を返済し損ねて、次の金融危機や、更なる緊急救済の引き金となり、更なる社会コストをもたらす可能性が高い。
資本家利潤のもう一つの主要源は、労働の搾取だ。経済理論では、労働者の貢献価値が賃金を超えれば、労働は搾取されている。奴隷が自らの労働や、労働の成果を自分のものにはできず、プランテーション所有者が、奴隷の労働価値の一部を没収することが可能で、プランテーションの利潤を増加させるのと同じだ。拮抗力としての労働組合が存在しない状況の一種の企業城下町で、労働に十分支払いをしないことで、資本家は同じ結果が実現できる。(奴隷所有者が、奴隷の私有でそうすると同様、政府は、労働から価値を差し押さえるのに、所得税を利用する。)
21世紀、雇用の海外移転によって、アメリカ合州国丸ごと、企業城下町になってしまった。製造業を海外移転することで、大企業は組合を破壊し、生活水準が低い国々で、労働力過剰につけこんで、劇的に労賃を低下させた。言い換えれば、アメリカ人から雇用や将来の出世を奪うことで、企業は利潤を増大し、その報酬は、株主には、キャピタル・ゲインとして、経営幹部には“業績手当て”という形で流れ込むというわけだ。
資本家が違法移民を奨励する場合、連中は労働を搾取すると同時に、社会費用を一般国民に押しつける。不法入国者達は、国民中の一階層として増大するが、教育と医療は、公的支援に依存するのだ。
21世紀、労働組合を打倒し、環境保護規制を排除することに成功したがゆえに、アメリカ資本主義は繁栄した。社会費用が増加する一方、所得と富の不平等は拡大した。アメリカ大企業の権力は、州知事や連邦政府が、激しい暴力を用いて、ストライキを破ったり、労組のオルグ活動を妨害したりするのに、警察や軍を出動させた昔のものに近づきつつある。無制限な資本主義が、またしてもひとり勝ち状態となる中、労働者や農民による何十年もの戦いは昔話となってしまった。
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これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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大本営広報部・電気洗脳機、北朝鮮放送を見ているのではないか?と悪夢にうなされそう。シリア不安定の原因、中国と、ソ連がアメリカによる体制転覆の邪魔をしているせいだ、という、大本営広報部の電気洗脳機の解説員氏には感心した。ものは言いよう。
お二人の犠牲者報道の量、99:1?先に犠牲になった方の報道、実に少ない。I am Yukawa.というプラカード、みかけない。本来、主人公だろう。
『金環食』石川達三原作、山本薩夫監督、1975年製作・公開の映画をBSで見た。
今では想像できない、骨太の小説、映画。
古垣常太郎(日本政治新聞社社長)の高橋悦史が、スキャンダル国会尋問で衝撃的証言をする。
国会の廊下で、「お前たちも知っていながら書こうとしない!お前たちはジャーナリストか!」と同業者を非難するが、スクープ記事掲載号発行直前に、殺されてしまう。
ジャーナリストにたいする警告だろうか?あるいは、そういう現実を視聴者に教えてくれたのだろうか?
飛んで火にいる冬の虫、まるで、イスラム教徒全般を基本的に敵視するかに見える、宗主国、欧米帝国主義列強と連携する政策ばかりを、意図的にくりだす、とんでも政治家・政権の責任を全く問わない提灯酷災呆導番組しかない現実。
彼の、そして与党の暗号「国際社会と連携」、日本語に翻訳すると「宗主国への従属」。
海外にでかける可能性ほとんどないので、「テロリストとされるもの」、とんでもない連中と思うが、怖いと思ったことはない。宗主国支配者や、傀儡支配者や、大本営広報部や、そういう連中を堂々と支持する友人達は実に恐ろしいと、常に思っている。
国際テロ対策ではなく、国内売国奴テロ対策こそ喫緊の課題。
国民に警戒を呼びかけるまえに、こういう事態を招いた連中の責任をとわなければ、状況は決して好転しないこと、猿でもわかるはずだ。
これに加え、強烈な反イスラム主義者?主人公を描くとんでも映画『アメリカン・スナイパー』、異様なほど早いタイミングで、日本公開される。B層の反イスラム熱をあおる狙い?
公式記録上、軍務で、160人を射殺した史上最強の狙撃手自伝が元。ご本人、退役後、射撃場で、一緒に行ったPTSDの退役軍人による背後を狙った銃撃で亡くなっている。
「永久対テロ戦争」参戦すれば、基地建設、兵站、維持サービスその他もろもろ、軍事産業、宗主国同様、「永久対テロ戦争」のおかげで、不況知らずの主要産業になる。これぞ、経済の大黒柱。そういう連中の為に、宗主国は、永久戦争国家になっている。この属国も必ずそうなる。
軍事産業は、最大の生産コストとなる可能性が高い経費を、企業利潤の分け前にあずかれない侵略被害者の人々に押しつけて、金儲けができる。
今はI am not Abe.そのうち、I am not Japanese.と言わないといけなくなるのか?
TPP実施後、農地は巨大企業が買い占め、アジアから農民が大量にやってくる。肉も、米も、宗主国からGMO産品が大量に流れ込む。移民先進国ヨーロッパ諸国では、大量のイスラム系移民労働者と、現地労働者の対立が激化しつづけている。日本も10年後?移民労働者と、先住労働者の対立が激化しているだろう。
資本家が移民を奨励する場合、連中は労働を搾取すると同時に、社会費用を一般国民に押しつける。彼らは国民中の一階層として増大するが、教育と医療を公的支援に依存する。
21世紀、TPPで、労働組合を打倒し、環境保護規制を排除することに成功するがゆえに、アメリカ資本主義は繁栄する。社会費用が増加する一方、所得と富の不平等は拡大する。アメリカ大企業の権力は、州知事や連邦政府が、激しい暴力を用いて、ストライキを破ったり、労組のオルグ活動を妨害したりするのに、警察や軍を
出動させた昔のものと化する。無制限な資本主義が、またしてもひとり勝ち状態となる中、労働者や農民による何十年もの戦いは昔話となってしまう。
英語力不足を宗主国が厳しく指摘し、町中、英語学校になるのかも知れない。妄想はどんどん広がる。
黒衣の男、『1984年』ビック・ブラザー現代版。ドラッグで一時の快楽を味わう下等部族、既に『すばらしき新世界』状態におもえてくる。
町を歩くにも、英語能力免許を所持していないと罪にとわれ、出世は、仕事能力以上に、英語聞き取り、発言能力次第になるのかもしれない。
ビジネス雑誌二誌が英語力強化特集。不安から、二冊とも購入。もはや手遅れだが。
小型車は製造を禁止され、輸入大型車が路地を走り回るのかも知れない。走りにくい狭い道路は拡張しろと怒られるかもしれない。ドラッグも犯罪も、宗主国並に普及するのだろうか。拳銃の容易な所有を禁止する法律は違反だとして、銃砲の売買規制も緩和されるだろうか?
治安も貧困も平均的教育レベルも体形も宗主国丸写しになれる。すばらしき劣化社会。
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管理人様はPCR氏の論考の翻訳に特に筆が冴えるように見えます.PCR氏はアメリカの非ユダヤ人のマルクスですね.プーチンがレーニンとなってくれるでしょう.自分がソ連で学んでいた1960年代の標語を書かせてください.Под знаменем Ленина, Вперед к победе!”レーニンの旗の下勝利に向かって前進” (1941年11月の革命記念日のニュース映像.スターリンはこの標語で演説を締めくる.スラヴャンカ行進曲が流れ,耳当て帽の兵士たちはモスクワ前線へ向かう.)
投稿: 東欧旅行者 | 2015年2月 3日 (火) 02時05分