« オバマ大統領発言、ウクライナ・クーデターへのアメリカの関与を確認:ラブロフ外相 | トップページ | TPPの為の教訓 »

2015年2月 5日 (木)

日本の首相、軍事大国化を推進

Peter Symonds
2015年2月4日

安倍晋三首相は、「イラクとシリアのイスラム国 (ISIS)」による後藤健二と湯川遥菜、国民二人の残虐な殺害につけこんで、軍隊を海外派兵する政府の権限を更に拡大する新たな法律を強要しようとしている。 ISISが先週末、後藤氏処刑のビデオを公開したが、一週間前に、イスラム原理主義集団は湯川氏を斬首していた。

議会の委員会で、月曜、安倍首相は、日本の自衛隊を、将来、救出作戦遂行用に派兵できるようにする方法について論議したいと述べた。“現時点では、たとえ、多数の非政府組織を含む日本人が、外国で危機にひんしても、[自衛隊]は、関与する国々が同意しても、彼らを救えない”と彼は述べた。

安倍首相は軍隊使用について話していることを明確にした。“危険排除と、[人質]救助の為の武力行使の可能性について検討したい”と彼は語った。“集団的自衛権”を可能にする為、昨年発表された憲法“再解釈”を法制化する為、政府は既に国会の今議会で一連の法案を提出する手筈を整えている。

日本の戦後憲法第9条は、正式に戦争放棄をうたい、陸、空、海軍は保持しないとしている。これまで日本の各政権は、この条項を大幅に弱体化させ、既に、大規模で、しっかり装備した“自衛隊”軍が、アメリカのアフガニスタンとイラク侵略に軍事的支援をするのを可能にしている。

安倍政権は、それよりずっと先に進めることを狙っている。安倍自身は、9条を削除する為の憲法書き換えを支持することを明らかにしているが、そのような改訂を押し通そうとする企みは、広汎な反対世論に直面する。いかなる憲法修正も、衆・参両院で、三分の二の賛成票が必要であるのみならず、国民投票で承認されなければならない。

9条と真っ向から矛盾する、昨年の憲法再解釈は、“日本と親密な関係にある外国に対する武装攻撃への反撃で”日本軍を派兵することを可能にするものだ。これは、オバマ政権が大いに奨励してきた、同盟国をまもるという口実で、アメリカが率いる侵略戦争に、日本が参加することを可能にする動きであり、特に、インド-太平洋全域における対中国用のワシントンによる軍事力増強に、日本軍をより密接に組み込むことになる。

後藤と湯川殺害というISISの犯罪行為は、2012年の選挙以来、日本の軍事化を劇的に加速している安倍政権のすっかり思うつぼとなった。SDFの救出作戦遂行を認める様にするという安倍首相の最近の案は、“集団的自衛権”を遥かに超えている。人質事件のさなか、政府の要求で、高官達がまとめた報告資料は、提案されている法案の下ですら、軍による救出任務は合法ではないと結論づけている。

そのような作戦を可能にする法律は、世界のどこにでも軍隊を一方的に派兵することに対し、日本政府に公式な許可を与えることとなる。アメリカ合州国や他の帝国主義列強は、何度も国民の保護を、外国に派兵する口実に利用してきた。日本帝国主義も同じことをするだろう。

外国での戦争や、軍事介入への日本の関与に対する反対世論があまりにも強いので、政府は慎重に進めている。元首相小泉純一郎は、2004年、アメリカ占領の一環として、主に工兵からなる大隊をイラクに派兵した際、広汎な反対と抗議行動に直面した。

人質救出論議が始まった際、安倍首相は、アメリカが率いるイラクとシリアでの新たな戦争への軍事的関与の可能性を排除した。“ [対ISIS連合への]参加は不可能で、後方支援は我々の検討項目ではない”と彼は述べた。

同時に、安倍首相は、“積極的平和主義”という旗印の下で、彼の軍国主義的狙いを断固押し進める決意だ。月曜日の国会で、ISISと戦っている中東諸国への2億ドルの非軍事的支援という彼の約束を含め、彼の積極外交は、日本人の命を危うくするという野党議員達の提案を、彼は拒否した。野党の民主党は、政府の“集団的自衛権”と軍事力増強との、限定的な戦術的差異を主張したに過ぎない。

安倍首相の外交政策に助言をしている元外交官の宮家邦彦は、政府は人質事件を十分に活用すべきだと明言した。“これは日本にとっての9/11だ”とニューヨーク・タイムズに語った。“日本は、危険な外部世界から守るのに善意と、高貴な意図で十分だという空想にふけるのを止めるべき時期だ。アメリカ人はこの厳しい現実に直面してきたし、フランスはそれに直面したが、我々も今直面している。”

後藤氏処刑後、最初の発言で、安倍首相は、日本人政治家としては珍しい歯に衣を着せない言葉で、“テロリストに償をさせる”と宣言した。ISISと戦っている中東諸国への非軍事的支援を継続、拡張することを彼は確約した。

アメリカ同様、日本の帝国主義者も“テロ”と戦う為でなく、エネルギーが豊富な地域における、経済的・戦略的権益を確保するために中東に介入している。2012年度実績で、日本の原油の80パーセント以上が中東7ヶ国からで、サウジアラビアとアラブ首長国連邦が半分以上を占める。中東4ヶ国が日本の天然ガス輸入の28.6パーセントを供給している。

中東は、安倍政権が政治的影響力の強化を追求している世界の一地域に過ぎない。首相となって以来、わずか二年で、安倍首相は、アジア、北米、南米、ヨーロッパとアフリカを含め、50ヶ国以上を訪問した。彼の外交は、特にアジアにおいて、中国の影響力を損なうことと、その軍事的包囲を狙う、アメリカの“アジア基軸”に沿っている。

だが、安倍首相の外交政策は、たとえワシントンのそれと対立することがあろうとも、軍事化の取り組みと同様、何よりも日本帝国主義権益を推進することに向けられている。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/02/04/japa-f04.html
----------
“これは日本にとっての9/11だ”という意見に同意する。全く逆の意味で。

9/11は、永久戦争体制を構築するために、宗主国支配層が仕組んだ壮大な茶番。
共産主義ロシアが崩壊した後、本来なら、宗主国の膨大な軍備は不要になる。
ワルシャワ条約が雲散霧消した後は、NATOも解体して当然だった。
それでは、宗主国の経済・政治体制がたちゆかなくなる。
兵器産業こそ、宗主国覇権の淵源。

「共産主義」のように消滅してしまうイデオロギーや単一国家でなく、歴史が長く、広汎で、しかも軍事的に無力なイスラムを標的にした実に巧みな永久戦争を構想したのだろう。

9/11事件がおきるとすぐ「愛国法」が成立。反対世論を弾圧・捜査できる一方的侵略戦争をするのに好都合な法律、事前準備がなければあれほど短期に成立できなかったろう。

憲法を破壊し、宗主国・NATOの侵略戦争に参加しようという、宗主国・属国支配層の長年の夢を一気に実現する舞台装置として画策されたという意味で、今回の事件、“日本にとっての9/11”であることは間違いないだろう。あまりにも、展開がそっくり。

  • 9/11当日、米軍はテロ攻撃シミュレーション中。人質を知りながらの挑発に対応。
  • 数人のサウジ・テロリスなるものは、黒衣のジョンに対応する。パスポート発見不要。
  • 衝撃的な衝突・ビル倒壊映像は、衝撃的な斬首画像ビデオと対応する。
  • ブッシュの「我々の味方かさもなくば敵」焼き直しが「政府を支持しなければテロリスト」。
  • 「愛国法」成立は、「憲法再解釈の一連の法律を成立させ、憲法破壊」に対応。
  • 対テロ名目アフガニスタン・イラク侵略は、憲法破壊による対テロ戦参戦に対応する

宗主国の9/11茶番シナリオのちゃちな属国版焼き直し。狙いは一つ。永久戦争体制への統合。

翻訳しても、記事最後の文章、承服しがたい。属国が宗主国に逆らうわけがないだろう。

政治的イデオロギーが近い党派への近親憎悪だろうと思えるふしも散見される。
wswsが敵対すると決めている絶滅危惧種政党が政府を批判しても、詳しく引用せず、党名も書かない。70年代の「学生運動」時代の党派抗争を思い出してしまう。

反体制を標榜する連中の不思議な行動様式、敵を攻撃するのではなく、敵を攻撃している別派閥を、ささいな手法や主張の違いで攻撃する意味が、どうしても理解できなかった。
彼らの主目的、政府攻撃でなく、政府を批判する絶滅危惧種政党攻撃に見えた。

中近東の内部分裂も、反政府派内部の分裂も、支配層が喜ぶだけだろうに。
反対派内に潜入して、暴走させ、内部対立を図る手法、中近東の宗派対立激化でも活用されている。

大本営公報でない報道組織も稀にある。

2015/02/02 日本が「戦争なしでは生きられない国」になってしまう――岩上安身が元経産官僚・古賀茂明氏に聞く

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

« オバマ大統領発言、ウクライナ・クーデターへのアメリカの関与を確認:ラブロフ外相 | トップページ | TPPの為の教訓 »

911・人質事件関連」カテゴリの記事

ISISなるもの」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

アメリカ軍・基地」カテゴリの記事

テロと報道されているものごと」カテゴリの記事

憲法・安保・地位協定」カテゴリの記事

日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1335849/58825646

この記事へのトラックバック一覧です: 日本の首相、軍事大国化を推進:

» 『イスラム国非難決議』について [街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋]
本日、衆議院で「イスラム国」非難決議が全会一致で成立した。 安倍首相は、これで『人道支援』と称する、兵站活動=戦争に参加できると大喜びだろうが、そうはイカのキンタマである。 熟読すれば、『人道支援』と... [続きを読む]

» 政府批判=テロ支援のレッテル始まる&ヨルダンの動き [虎哲徒然日記]
政府批判=テロ支援というレッテルが、今貼られようとしている。 国会での野党の追及に対する首相の答弁は、まさにそのような意図を示すものであった。テロと戦うのは当然だが、 ... [続きを読む]

» 「イスラム国」からの問題提起 [岩下俊三のブログ]
要するに絶対悪を相対化するつもりはない。いくらバカでも「それほどの(既成左翼インテリ?)」馬鹿ではないと思っている。 絶対に許されないunforgivabileな悪というものがあると ... [続きを読む]

« オバマ大統領発言、ウクライナ・クーデターへのアメリカの関与を確認:ラブロフ外相 | トップページ | TPPの為の教訓 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

無料ブログはココログ